黒き白鳥

登録日:2014/06/10 Tue 13:57:00
更新日:2023/07/18 Tue 19:25:12
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黒き白鳥とは、ヴァンパイア十字界に登場する霊的な寄生体のことである。
読みは「ブラック・スワン」。暗黒聖闘士とは縁もゆかりもない。
この項目では黒き白鳥と、それに取り付かれたキャラについて説明します。
作品のネタバレも含まれるので注意してください。



黒き白鳥とは、ヴァンパイアの王ローズレッド・ストラウスと王女アーデルハイトを討つ為に生みだされた霊的な寄生体。
ある条件を満たした女性にとりつき、とりつかれた人間は両腕に黒き白鳥の文様が浮かび上がると共に、
歴代の記憶と霊力に経験が蓄積されていき、身体能力も強化される。
ついでにとりつかれる前に負っていた大怪我なども完治する。

ストラウスとアーデルハイトを打倒しないまま死ぬ、
もしくは5年ほどたっても2人を殺せないと宿主は黒き白鳥にとり殺され、また別の宿主に黒き白鳥はとりつくことになる。
5年の期間はだいたいの目安であり、余計な負担をかけると時期が早まることになる。
特に歴代の記憶を無理に探ろうとすると精神的な負担が大きい。
また次代の宿主が決まるまでの期間は一定ではなく、宿主となったのは千年の間に50人。
その力は魔力およびそれを使うヴァンパイアに対して非常に有効であり、単独でストラウスを打倒しうる唯一の存在といってもいい。
だが一方でヴァンパイアと人間の混血であり、強力な霊力を用いることができるダムピールとは相性が悪い。
また強力な霊力を帯びた武器も同様。







以下、作品中盤のネタバレ






黒き白鳥という魔術は千年前にいた強力な霊力使いにしてストラウスの宿敵無限十字のセイバーハーゲンによって生み出されたもの。
当時、セイバーハーゲンは独力で世界を支配しうるストラウスの力を危険視して様々な策を講じていたが今一つ効果をあげることができなかった。

そこで切り札として「反転封陣」と「黒き白鳥」の2つの術を開発。
しかし速攻性のある「反転封陣」には発動まで尋常ではない準備が必要であり、「黒き白鳥」はストラウスやアーデルハイトを打倒するに至るには長い時間が必要だった(オマケに当時は未完成)。
その後、魔力を暴走させ大陸を巻き込む大災害を引き起こしたアーデルハイトの封印にはブリジットの協力の下「反転封陣」を使用。
その後、人類とヴァンパイアの血族全ての敵となったストラウスを打倒する為に「黒き白鳥」を完成させた。

大義のためとはいえ罪も無い人間を巻き込むこの術はセイバーハーゲンをして「二度と使いたくない」と言わしめるものであり、相当苦悩していた。
そして黒き白鳥を初めて宿した少女……セイバーハーゲンの娘、
「シンシア」から千年以上に渡ってダムピールと共に打倒ストラウスのもと戦うこととなったのだった。







以下、作品終盤のネタバレ

















実は、黒き白鳥はストラウスの妻ステラ・ヘイゼルバーグと娘(人間とヴァンパイアとの混血・ダムピール)の魂を用いて創り出されたもの。
ストラウスの強大すぎる力に対抗できるものとして、
セイバーハーゲンは以前からストラウスの素質を引き継ぐ子供がつくられるのを待っていた。
そしてステラが臨月の折、ストラウスが他国との和平交渉のために国をあけていた隙を狙ってステラとお腹の子供を殺害。
肉体を完膚なきまでに破壊し、その魂を黒き白鳥の核としたのである。

ストラウスはこの真実を初代黒き白鳥、シンシアと戦った時に察し、その後セイバーハーゲンを探し出して真実を問いただした。
ちなみにステラはかつてセイバーハーゲンが養育していた娘だが、ロクな霊力も特別な力もないタダの娘。
しかし標的であるストラウスとアーデルハイトとの縁を持つことなどを理由に組み込まれている。
ステラとストラウスの娘の意識は今でも黒き白鳥の中に存在しており、ステラは何故か小さな羽が頭にちょこんと生えている。
また黒き白鳥に憑かれるのが全員女性であり、外見ないし性格に似通った部分を持つのも、
核となっているステラやストラウスの娘に近い要素を持った相性の良い人間が選ばれるからである。
ついでにステラの影響か、ストラウスの行動を読みやすい一方で敵であるストラウスを本気で憎むこともできない。

最終的には50代目黒き白鳥・比平坂花雪がストラウスとの一騎打ちに勝利したことにより、
千年に渡る因縁に決着がついたことで黒き白鳥は役目を終えてステラたちの魂も昇天した。
(アーデルハイトは直前に別の理由で死んでいる)










【歴代の黒き白鳥とか】

ストラウスの嫁にして黒き白鳥の核。
詳しいことは項目を。

  • ストラウスの娘。
ステラの娘。同上。髪の質は父親に。

  • シンシア
ステラと同じくセイバーハーゲンの養女。
母、セイバーハーゲンの宿願を叶えるべくその身を犠牲にした健気な子。
ブリジットたちと共にストラウスと戦うも、黒き白鳥を宿して1年ほどでストラウスに討ち取られる。

  • エミリー
2代目黒き白鳥。唐突にとりついてきた黒き白鳥に怯えるも、
なんやかんやでシンシアの記憶に残されたブリジット達と接触する方法に従い戦いに身を投じた。

  • 3代目
名前はない。彼女の死の間際にステラが表面に出てきたことでステラとストラウスは僅かながら話すことができた。
そして互いに情報交換と己のなすべきことを決め、それから千年にわたって2人が再び語らう事は無かった。

  • 小松原ユキ
49代目。喫煙家。
彼女の代でマトモな戦いでならストラウスと並ぶ力を手に入れた。
ストラウスの討伐チームの一員、刃蓮火からは好意を寄せられていた。
ストラウスに対して十分な勝機があったのだが、よりによって蓮火の霊剣が起死回生の一手に利用されたことで敗北した。
ステラに似た容姿であり、非常にさっぱりした性格。娘が成長していたらこんな性格に育っていたのかもしれないとはストラウスの弁。

  • 比平坂花雪
50代目黒き白鳥。彼女の代でストラウスを超える力を得た。
クールを装っていたがそれは強がりでしかなく、
本来はヲタの入った普通の女の子であり、しょっちゅうストラウスたちに翻弄されてストレスがマッハ。
まあ普通と言ってもかなり良い家に住んでるけど。浪漫桜と書かれたクマのぬいぐるみが親友。
一生寝たきりと言われるほどの大怪我を負ったが、黒き白鳥にとりつかれたことで健常な身体に戻る。
裏社会を支配するGM御前とはいちおう祖父と孫の関係らしい(黒き白鳥に憑かれるまであった事もなかったが)。

ストラウスの真実を知ってからは「自分のような取るに足りない小娘がストラウスのような人を犠牲にして生きていいのか」と思い悩む。
ストラウスを生かせば妻や娘と戦い続ける地獄を長引かせ、
仮に全力で戦おうにも真っ当な戦いではストラウスに勝ち目がないうえ花雪自身上述の思いから迷う。
そして真実を知り、迷って全力が出せない自分を殺すことはストラウスにとって更なる痛みとなってしまう。
まあストラウスが周囲への被害を一切考慮しなければ話は変わってくるが、それも現実的な案ではない。
色々あって最終的にストラウスと一騎打をすることになり、
蓮火の持つ霊刀「鳴月」をストラウスに貸し与えるというハンデをつけ、死闘の末に勝利し討ち取った。











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最終更新:2023年07月18日 19:25