シングアビス(カードファイト!!ヴァンガード)

登録日:2014/09/24 (水曜日) 12:49:42
更新日:2024/08/16 Fri 23:24:08
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シングアビスとはカードファイト!!ヴァンガードに存在するデッキタイプの一つである。
使用クランはロイヤルパラディン(?)


概要

前述のとおりロイヤルパラディンのデッキであり、《探索者 シングセイバー・ドラゴン》をメインに据えたデッキタイプである。
このカードは「探索者」の名称を持つ一方でスキル発動に「探索者」の存在を必要としないため様々なデッキタイプにメインヴァンガードとして採用可能だった。故に多様なデッキタイプが考案されることになるのだが、その中でも《撃退者 ファントム・ブラスター“Abyss”》を中心とした「撃退者」を採用したタイプがシングアビスである



…「ん?何かおかしい」と思ったそこの貴方は正しい。

【撃退者(リベンジャー)】
神聖国家ユナイテッドサンクチュアリの裏舞台で暗躍する影の騎士団“シャドウパラディン”の中でも、強い覚悟を持って侵略者から国を守る事を決意した者達によって構成された部隊。 名誉も武勲も表沙汰にならず、おのずと危険な任務も増えていく為、構成員は少ない。 しかし、その全てが比類なき意志と信念を掲げる精鋭である為、統率の取れた完成度の高い部隊となっている。


「撃退者」はシャドウパラディンである
つまりこのデッキは「クランファイト(単一クラン限定戦)でロイヤルパラディンを選択したファイターはシャドウパラディンを10枚まで投入できる」という本来は《マジェスティロード・ブラスター》のために作られていたはずのルールを利用した「クランファイトのルールに則ったロイヤルパラディン中心の混クランデッキ」である。
何を言ってるか分からないかもしれないが無理矢理理解しよう。

ともかくこのデッキはそのルールを利用して組まれたデッキであり、その潤沢なカードプールから「現在主流のクランファイト上で、ライド事故の可能性を大幅に削ったうえでG3の採用枚数を減らすことができ、二種類のVスタンドスキル持ちを使うことができ、さらに《探索者 シングセイバー・ドラゴン》の力を120%引き出すことができる」ことを実現したよくわからない何かとして完成している。

余談だが、背景ストーリー上でも奈落竜が守護竜だった時代のユニットこそ《探索者 シングセイバー・ドラゴン》であった可能性が示唆されており、そういう意味では奇妙な縁を感じるデッキである。


主要カード

※各カードの詳細なスペックは割愛

□《探索者 シングセイバー・ドラゴン
メインヴァンガード。「シングアビス」の「シング」の部分。
アタック終了時にコストを払うことでデッキからスペリオルペルソナライドを行い、更にソウル内の《ブラスター・ブレード 探索者》とレギオン出来る。
スペリオルペルソナライドにより擬似的なVスタンドを行うことができる。これだけならば似たようなユニットはいくつかいる。
しかし、このユニットがヤバいとされるポイントはターン内で回数制限が無いことデッキ圧縮を行っていること、そして何より空撃ちシークメイトの存在である。
実は「シークメイトを介さずにレギオンしているユニットは双闘20000のスキルを使っていないと判定されシークメイトを一回だけ行える。ただし、既にレギオンはしているため、レギオンメイトを新しく登場させることはできない」という裁定が下されている。つまり、スペリオルペルソナライドしたこのユニットはドロップゾーンのトリガーを無償で四枚戻せるのである。
スキル発動の回数制限がないことについては、普通はソウル肥やしを得意としないロイヤルパラディンにとっては関係ないことなのだが…後述。

□《{撃退者 ファントム・ブラスター“Abyss”》
サブヴァンガード。「シングアビス」の「アビス」の部分。
レギオンしたターンのアタック終了時にコストを支払うことでスタンド出来る。
非常に強力なスキルを持っているが、このデッキではスキルよりも「レギオン能力を持っていること」と「ブラスター名称を持っていること」が重視される。
実はレギオンしているユニットにライドしたとき、レギオンリーダーとレギオンメイトの両方がソウルに入るという裁定となっている。
これにより、《探索者 シングセイバー・ドラゴン》のスキルのコストを大幅に賄い、二連続スタンドを実現させることが可能となっている
先ほどはあまり使われないと書いたスキルだが凶悪な性能であることには全く変わりなく、場合によってはこのユニットで大幅なアドバンテージを奪うことももちろん可能である。

□《ういんがる・ぶれいぶ
FV候補。「ブラスター」をブーストしたアタックのヒット時にソウルインすることで「ブラスター」をサーチ出来る。
お気づきいただけただろうか?このカード、《撃退者 ファントム・ブラスター“Abyss”》をサーチ出来るのである。
これにより、G3へのライド事故をする可能性はほとんどなく、それ故にマリガンでもG1、G2を中心に集めればよくなるため間接的にそちらへのライド事故の可能性も軽減できる。
ただし、後攻をとると相手のデッキによっては焼きや呪縛が飛んでくるため一応油断はできない。まあ、大体複数枚詰みされるのでケアは可能なのだが。
地味ではあるが、デッキ内のトリガー比重を上げていることもポイント。

□《湖の巫女 リアン
自身をレストすることで手札交換。
このデッキは都合、かなりの回数のシークメイトを行うため、ドロップ肥やしが重要となる。
その為、事故を回避しながらドロップを肥やせるこのカードはほぼ必須。

□《まぁるがる
ドロートリガー。
自身をソウルインするスキルを持ったトリガーで、トリガー配分はこれ四枚は鉄板となる。


その他のカード

□《闘気の撃退者 マックアート
レギオンが発生したときにG1以下の「撃退者」をレスト状態でデッキからスペリオルコールできる。
撃退者 ファントム・ブラスター“Abyss”の餌を稼ぐのが本来の役割だと思われるが、このデッキでは戦線向上の意味合いで採用されることが多い。
テキストをよく確認するとレギオンするユニットのクランは問うておらず、しかも回数制限もないので《探索者 シングセイバー・ドラゴン》のレギオンにもしっかり反応する。
スペリオルコール先は単体性能が高く、ライン形成にも役に立つ《無常の撃退者 マスカレード》か、自身のスキルで更に戦線補強が可能な《撃退者 ダークボンド・トランぺッター》がオススメ。

□《ばーくがる
ご存じFV禁止を受けている最強のG0。FVとは別で複数枚採用することで、G3へのライド事故どころかG2へのライド事故への懸念すら排除する
このカードを採用したシングアビスは「ばーくシングアビス」などと呼ばれることもある。
ただし、安定性に欠けるスタンドトリガーである《ふろうがる》を採用しなければならないことがやや悩ましい。

□《ぽーんがる
例にもよってソウル肥やし要員。
ぽーんがる》をソウルに入れながら完全ガードのコストや前列要員、あるいはライド事故回避のためのつなぎのヴァンガードとして使える《ソウルセイバー・ドラゴン》を持ってこれる。
地味にデッキ圧縮もry。
このギミックを加えたシングアビスは「ソルセシングアビス」と呼ばれる。当然前述の《ばーくがる》との併用も可能でこちらは「ばーくソルセシングアビス」と呼ばれている。
「ばーくソルセシングアビス」は昔ながらのロイヤルパラディンの動きをするため、古参プレイヤーにとってはちょっと懐かしい感覚を覚えるかもしれない。破壊力は桁違いだが



環境への影響

さて、ここまでの説明で多くのファイターはイメージできると思うが、このデッキは「宵闇の鎮魂歌」発売からネオンメサイア発売までの環境トップである。
というより、このデッキに環境は制圧されていたと言った方が正しい。大会によっては入賞者がシングアビスしかいなかったという報告すら上がっていた。抹消者環境や星輝兵環境以上の偏りっぷりである。
本来このゲームは「トリガー」という運要素が大きい故に、デッキごとの格差は付きにくいはずなのだが、このデッキは繰り返されるシークメイトとG3をデッキから排出する能力の高さからその運要素すら掌握してしまっていたので余計に手が付けられないことに。
また、何よりも「クランファイト」というルールであるにもかかわらずロイヤルパラディンだけが受けられる特例を利用している、と言う点は大きな批判が集まることになる。

そして遂に全国大会でも優勝と第三位を飾ることに。
流石に暴れすぎたこともあり、ルールそのものが大幅に見直されることとなった。
結果、2014年9月より

  • ロイヤルパラディンは《ブラスター・ダーク》を四枚まで投入できる
  • 「シークメイト」を介さずにレギオンした場合でも、シークメイトは使用不可能

というルールが適用されることになった。
これによりシングアビスは構築不可に、《探索者 シングセイバー・ドラゴン》もようやくマシな強さになった弱体化したのである。

六月以降に多くのファイターを絶望に陥れたシングアビスだが、実は結構カード選択の幅が広く、プレイスタイルによって構築がばらつきやすいという特徴もあったりする。
よく言えば、ヴァンガードに欠けがちな多様性があったデッキでもあるのだ。


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最終更新:2024年08月16日 23:24