巫(漢字)

登録日:2015/01/10 Sun 09:00:00
更新日:2021/03/31 Wed 14:10:46
所要時間:約 3 分で読めます







【概要】

「巫」とは、漢字の一つである。読みは「フ(音読み)、ブ(音読み)、みこ(訓読み)、かんなぎ(訓読み)」。画数は七画。部首にあたるのは「工」(「エ」じゃないよ)

この字を使った熟語は「巫女」が最も一般に知られているであろう。
アニヲタ的にはシャーマンキングで使われた「巫力」も割と知名度があるものと思われる。

文字の成り立ちは神をまつるとばりの中で巫女・シャーマンが両手に道具を持った様子を象った象形文字。
「説文解字」では両袖の衣装を舞わせてる様子というのもある。
どっちにしろなんとなく神秘的な様相からとったのであろう。

ただでさえ使いどころが限られる漢字だが、全ての漢字の起源である「説文解字」ではなんと部首となっている。
とはいってもこの字を部首に使うのは右に見をつけた「覡(男の巫女、シャーマン)」くらいだが。

また形成文字の声部としては「誣(しいる、あざむく、そしる)」で使われている。イメージ悪いなおい


【人名用漢字へ】

こんな割とマイナーな字だが、2015年1月より文部科学省の戸籍法制限改訂によって「人名用漢字」となった。
つまりこの字を名前に使うことが現実に可能となったのだ。
これは前年にこの漢字を新生児の名前に使おうとして受理されなかった松阪市の夫婦が不服を申し立て、勝訴した判例などが影響している。
家庭裁判所曰く「明らかに常用平易な漢字だ」とのこと。市は抗告したものの名古屋高裁で棄却されて終了。
実はこの前にいくつか受理されなかった事例があったり…
ちなみに人名用漢字はこれで862文字目。

今後は「巫女」「巫子」「巫女子」「巫心」「巫女巫女看護婦」などといった名前の人物が社会に出ていくことになるであろう。


……となると割を食らうのはフィクションのほうの世界である。
これまではフィクションの中の人名として普通に使うことができていた「巫○」「○巫」といった名前が、今後の情勢によっては


「キー!うちの子の名前が巫山戯た変なアニメ漫画の中で使われたザマス!」


と訴えられる可能性がなきにしもあらず。モンスターペアレントコワイ!
ワナビ勢はくれぐれも注意しておこう。


【主な熟語】

巫覡(フゲキ)…要するに男女問わず祈祷や神おろしをする「みこ、かんなぎ」のこと。

巫祝(フシュク)…同じく「みこ、かんなぎ、はふり」のこと

巫史(フシ)…同じく(ry

巫蠱(フコ)…同じく「みこ」の意味だが、時に邪道・まじないを以て人を惑わし呪う場合も指す。なんとなく字面がかっこ怖い

巫医(フイ)…同じく(ry、「医者」の意味もある。両方の能力を持っていればこの職能で呼んでみよう

巫術(フジュツ)…そのままずばりシャーマニズム、みこのまじないなど。「符術」と混同しないように

巫女(フジョ)…一般的な読み方の「みこ」は難読。

巫山(フザン)…中国の山。重慶市と湖北省の境にあり、長江が貫流している。

巫山之夢(フザンノゆめ)…「男女の情事」を指す言葉。昔、楚の懐王がこの山の神女と夢の中でアレなことをしたというけしからん故事から。

巫山戯る(フザケる)…上に語用があるが、まあそんな感じ。当て字による難読

追記・修正おねがいしま巫。


この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 漢字
  • 人名用漢字
  • 巫女
  • シャーマン
  • シャーマンキング
  • かんなぎ
  • みこ
  • はふり

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2021年03月31日 14:10