小岩井農場

登録日:2012/10/20 Sat 21:36:39
更新日:2025/05/10 Sat 15:32:37
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小岩井農場とは、民間経営では日本最大の総合農場。
岩手県の代表的な観光地のひとつで、観光シーズンになると県内外から観光客が集まる。
濃厚で少々お高い乳製品類は、小岩井農場ブランドとして流通している。

この項目では、観光ポイントをメインに紹介していく。


◆面積


滝沢村と雫石町を跨ぐ、その圧倒的面積は


東西15キロ、南北13キロ
約3,000ヘクタール(900万坪)


当然ながら、大半が牧草地や森林地帯である。

面積の2/3を占める森林は、人工的に作られた植林地。
100を超えるエリアそれぞれに適した樹を植え、計画的な間伐、枝打ちを休むことなく続けることで、樹木資源を減少させることなく活用できる山林を維持してきた。


◆観光

  • まきば園

一年中営業している。
まず目に入るのは、だだっ広い芝生。敷地内にある建物を巡り歩くだけで結構な運動になる。
観光シーズン以外はの~~~んびりした空気に包まれている。
閑散としているだけじゃねーかと思った奴、牛の群れ呼ぶぞ!
あんべ光俊は、『岩手に帰ったら』というコラボ曲で

岩手に帰ったら 小岩井に行って
ソフトクリーム食べて
ぼーっとする

と歌っている。
よくわかってらっしゃる。

他にもジェラートやピザ、プリン等がある。

遊具エリアもあるので子どもも楽しめる。
夜空観察の為の天文台もある。

売店で扱う乳製品は農場産で、濃厚だが高い。
一袋800円近くするレトルトカレー(二種)があり、地元民は入れ替えの為の値下げ時期を狙って訪れるとか。

レストランは毎年地味にメニューが変化している。こちらも美味いが値段は総じて高め。

近年、パロウミチーズと呼ばれる、もっきゅもっきゅな歯ごたえが特徴のチーズが店頭に並ぶようになった。

観光シーズンは入園料無料。
広い敷地内に売店が犇めくエリアが現れ、長蛇の列ができる。
毎年恒例となった、2月に開催される「いわて雪まつり」の会場でもある。
ステージ・雪像・かまくらは自衛隊の皆さんが作っており、製作時期に入ると確実にローカルニュースで流れる。もはや、一種の風物詩。


  • 乳製品製造工場

見学可。
建物こそ変わったが、昔から見学前提で建てられていた。


  • 国の登録有形文化財

まきば園の道路を挟んで向かい側にある。
今も現役で使われている上丸牛舎、日本最古のレンガサイロ、大正5年建築の四階倉庫。
建物内には入れないが、周辺を散策可能。
入口の通路両脇には桜が植えられており、春になれば美しい桜を拝める。

口蹄疫発生の煽りを受け、立入禁止になった。

まきば園内にあった羊舎も同様の措置がとられ、暫くした後、フカモフ羊達は別の場所に移動された模様。
天文台のあるところから遠~くで放牧されていたり、シープ&ドッグショー(グレードアップされた)で見ることはできる。

  • 一本桜

NHKの短編小説ドラマ「どんとはれ」のOPに使われ、一躍有名に。
岩手山をバックに、牧草地の真ん中に一本だけ立つ桜。ロケーション的には良いが、私有地の為立入禁止。
遠くから眺めることしかできません。
有名になった直後、一本桜見たさに観光客が集まり、付近の道路が大混雑。最初は駐車場すらなかった為、地元警察が出動して交通整理を行う事態になった。
まきば園からだと1.5kmくらい歩く羽目になる。


◆歴史


1891年(明治24年)創立。
共同創始者は、以下の3人。

小野義眞、日本鉄道会社副社長。
岩崎彌之助、三菱社社長二代目。
井上勝、鉄道庁長官。

小野
「岩手山の麓に農場作りてぇ」

井上
「鉄道敷く為に沢山の美しい田畑潰しちゃったなー…。その穴埋めとして、この荒野を開拓して大農場にするのが俺の使命じゃね?!」

井上が自分の構想を小野に伝え、初代三菱社長の時から会社を支えていた小野は、二代目社長に助力を求める。

岩崎
「おk」


農場の名前は、3人の姓の頭文字をとって繋げた。

こうして開拓は始まった……のだが、

当時のこの地域一帯は、極度に痩せた酸性土壌だわ、岩手山からの火山灰が堆積し冷たい吹き降ろしの西風が吹くわ、本っ当~に不毛の原野だった。
土壌改良や防風・防雪林の植林等の基盤整備が完了するまでに数十年かかったという。

先人達が不毛の原野から緑の環境を創造し、形を成した小岩井農場。
それは事業活動の原点となり、「持続可能な発展」を目指し続けている。


◆余談


  • 駐車場の奥には顔がトー○スで体が飛行機という謎の木製遊具?がある。ただし毎年、雪で埋まる。

  • SLホテルがあったのだが、2008年の11月3日で休館となった。日本では最も長く営業を行ったSLホテル。

  • 美しい日本の歩きたくなるみち500選に選ばれた。

  • 誰特な羊飼いのお兄さん人形はたぶん黒歴史

  • 小岩井の風景を宮沢賢治がこよなく愛し、小岩井絡みの作品を書いている。彼の詩の中に「小岩井農場」という全6パートの非常に長い詩がある*1



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最終更新:2025年05月10日 15:32

*1 正確にはパートのナンバリングは9まであるのだが、パート5とパート6は草稿のみで、パート8は原稿自体がない。