登録日:2015/06/27 (土) 14:56:18
更新日:2021/10/27 Wed 16:28:52
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概要
栄村隆康(登録名は孝康、読み同じ)とは、パシフィックリーグの元公式審判員である。
1967年9月15日生まれ、
神奈川県出身。
恐らく、
プロ野球ファンの間では良くも悪くも一番の知名度を誇る審判と言っても過言ではない。
この項目名は、現在でも扱われることの多い古い登録名の『栄村隆康』とする。
経歴
日大藤沢高校から
日本大学を経て、1991年に審判員としてパシフィック・リーグに採用される。
大学時代は、草野球の審判を務めていた。
大学在学中は、セ・リーグの審判採用試験に2度落ちている。
余談だが、彼が審判になった理由は進研ゼミの『赤ペン先生』にあるらしい。
審判になる前の栄村氏は進研ゼミをやっていた。
その時の赤ペン先生に『プロ野球の審判になりたい』という趣旨を書いたらしい。
するとその赤ペン先生が、当時銀座にあった日本野球機構の事務所を丁寧に教えてくれたようだ。
しかし、栄村氏の恩人の赤ペン先生は顔も名前も知らない人である。
そのため、栄村氏は恩人であるその人にお礼は言えていないとのこと。
そして1992年8月31日の西武対ロッテ戦で、審判として一軍の試合に初出場。
ここが、良くも悪くも彼の伝説の始まりだった。
2006年には1000試合出場を達成し、2010年には1500試合出場を達成している。
現在は1800試合以上に出場しており、審判としては屈指のベテランでもある。
オールスターゲームでも3回の出場経験持ち。
2004年日本シリーズでも出場を果たしており、第四戦では球審を務めた。
地味に、2008年より登録名を「孝康」に変更している。
しかし微妙な名前の変更からか、あまり名称を変更したことが気が付かれていない。
もっとも、変更前の名前と読み方も同じだし。
現在でも、古い登録名である『栄村隆康』の名称が扱われることが多い。
最近では審判員の啓蒙活動に力を入れようとしている。
これに関しては栄村氏は「こんなにやり甲斐のある素晴らしい仕事なので、地位向上につながれば」と語っている。
その一環として、長年続けてきたストライクスリーのコールをより目立つように大きく見せるポーズに変更。
パンチ系からサイドスイング気味のコールに変更している。
2015年シーズンを持って現役引退。理由は膝の持病の悪化。
翌年からはスーパーバイザーとなっている。
評判
単刀直入に言うと、審判としての評判はあまりよろしくない。
その一番の理由としては、彼の持つ驚異的な変化率を誇るストライクゾーンの判定にある。
後述するが、そのゾーンはプロ野球のファンからは『栄村ゾーン』と名付けられている。
栄村氏が球審を担当する試合では、高確率で投手か打者が頭をかしげたりする様子が見られる。
その時は、彼の可変ゾーンが発動していると見て問題は無い。
TVで中継されているときは、解説者などにもその判定を突っ込まれることがしばしばある。
同じように誤審が多いといわれる秋村謙宏氏や中村稔氏と併せて『三村』と称されることも。
別名として『スリービレッジ』ともされる。
しかし、全方面において悪い影響ばかりを起こしている訳でもない。
栄村氏の手腕はともかく、判定の公平性には一定の定評はある。
どの球団・選手に対しても、一方的に有利になるような判定を下してはいない。
つまり、どんな選手に対しても彼独自のストライクゾーンを貫く。
言ってしまえば『平等に不平等』という姿勢を貫いているとも言える。
これについては『スリービレッジ』の他の二人にはない美点である。
そのためか、彼の球審を務めた後の試合は対戦した球団のファン同士のトラブルが多少起きにくい。
もちろん栄村氏に対する不満の声は上がるが、彼の判定で有利になった球団や選手が罵倒されることは少ない。
罵倒する声が決して起きないという訳でもないが、『まぁ、栄村だし……』の一声で済んでしまう。
また、塁審としての評判はそこまで悪くは無い。良いという声も聞かないが。
有名なトラブル
過去に選手との間に起こしたトラブルも多い。
一番有名な例としては、2009年5月15日の東北楽天対日本ハムの試合。
この試合の4回裏の山﨑武司選手の打席で見逃し三振の判定を下す。
それを不服とした山﨑選手は栄村氏に対して「この下手糞」とあんまりにも直球な暴言を吐き退場処分を受けた。その後に山﨑選手は
「下手糞に下手糞と言って何が悪い。栄村には全球団の選手がやられている。選手を代表して言っただけ。」
とこれまた直球なコメント残している。
地味にこの発言で注目したい点が『選手を代表して言っただけ』という部分かもしれない。
ファンだけではなく、選手側にも栄村氏に対してファンと同じような印象持っている人がいるのだろう。
なお、山崎選手に厳重注意として制裁金5万円を科された。
同年の2009年7月14日には西武対東北楽天の試合でもトラブルが起きている。
この試合では、三塁手の中村紀洋選手がゴロを補給した後に送球した球を捕手の中谷仁選手が一度落球する。
これによって片岡易之選手の走塁判定はセーフと思われた。
ところが、栄村氏は「中谷が完全捕球したのでアウト」と判定を下す。
この判定に対し渡辺久信監督が猛抗議を行い、試合は9分間にも及んで中断した。
この試合の後に、コミッショナー宛に西武が質問状を提出する事態となってしまった。
例に挙げたこの試合以降にも、試合の状況に影響を及ぼすトラブルを引き起こしている。
栄村ゾーン
栄村氏のみが持つ、驚異の可変ゾーン。
ストライクゾーンが急に広まったり、次の回ではいきなり狭くなったりする。
それまでは普通にストライクを取っていたゾーンがいきなりボールとなったりすることは日常茶飯事。
恐ろしいまでにジャッジに一貫性が全くない。
栄村氏がどういう理由でストライクゾーンを変更しているのかは不明。
『栄村氏のその時の気分次第で判定が変わる』という可能性が高いとされる。
試合をしている両球団にこの可変ゾーンは襲い掛かる。
調子の良い投手が良い球を投げてもストライクゾーンを取られずにカウントが不利になることは多い。
逆に、調子が悪くストライクゾーンの入らない投手が助けられるような例も。
調子の悪い投手はありがたいかもしれないが、打者からしてみれば良い迷惑である。
栄村Lv1 栄村Lv2 栄村Lv3 栄村LvMAX
●栄栄栄● ●栄栄栄● ●栄栄栄● 栄栄栄栄栄
栄栄○栄栄 栄栄栄栄栄 栄栄栄栄栄 栄栄栄栄栄
栄○○○栄 栄栄○栄栄 栄栄栄栄栄 栄栄栄栄栄
栄栄○栄栄 栄栄栄栄栄 栄栄栄栄栄 栄栄栄栄栄
●栄栄栄● ●栄栄栄● ●栄栄栄● 栄栄栄栄栄
○ストライク ●ボール 栄 栄村の気分次第で可変するゾーン
補足
この栄村氏には、結構有名なデマが広まってしまっている。
それは、「80年代の強打者・吉村禎章(巨人)が、この栄村と衝突して膝靱帯断裂の大ケガを負った」という物。
この認識が、当時のプロ野球の世代では無い人間を中心に広まってしまっている。
もちろんではあるが、話自体は本当の話だが、審判の栄村氏は関係のないデマである。
当時の吉村選手と衝突した選手は、同姓の栄村忠広という選手。
名字が同じ以外は、審判の栄村氏とは全くもって関係が無い別人。
当然、栄村忠広氏も審判を経験したこともない。
栄村氏の審判としての手腕を苦々しく思う人もいるだろうが、悪質なデマを広める行為は決して許されない。
追記・修正は、栄村氏が球審を担当する試合を観戦してからお願いします。
- なんか荒れそうな記事だなあ……アンチ記事にならないようにもうちょいネタ成分増やしても良いんじゃない? -- 名無しさん (2015-06-27 15:39:31)
- 例えば去年のライオンズ岸のノーノーの時の球審だったとか? -- 名無しさん (2015-06-27 17:58:49)
最終更新:2021年10月27日 16:28