ib-インスタントバレット-

登録日:2016/02/16 (火曜日) 12:44:50
更新日:2019/09/05 Thu 20:41:04
所要時間:約 10分で読めます




「さあ 弾は込められた」


「願いの弾丸 叫びの弾丸 世界を壊す20の弾丸」


「インスタントバレット 使い捨ての弾丸」



「世界を壊すのは誰だ?」




概要

赤坂アカによる漫画作品。
ibと呼ばれる魔法の力を持った少年少女による、セカイ系アクション。派手なバトル描写と壊れながらも健気に生きる登場人物達が魅力的。
『電撃マオウ』にて連載され、幾度と無く打ち切りの危機を乗り越え、結局打ち切られつつも完結を迎えた。
全5巻。作者は5巻に対して「最終巻とは言わない」とtwitter上で語っており、カバー裏のあとがきにも「いつか続きを出したい」と記している。
物語も投げっぱなしにしてないので、巻数も少ないし是非読んで欲しい。
2016年現在、ニコニコ静画で第1話から好評配信中!


あらすじ

一人ぼっちの少年、深瀬クロ。クリスマスイブの夜、彼は自分の前に現れた謎の『獣』を、「正義の味方」に夢見る不思議な少女と追う羽目になる。『獣』を「敵」に認定した少女セラは、今朝方に発現した「手榴弾を取り出す能力」で獣と対峙。クロの策略も手伝って、二人は黒い『獣』に打ち勝つのだった。

しかし、クロは気付いていた。その『獣』は彼が創り出した能力であり、その能力は彼の「世界を破壊したい」という悪意に由来していた事を。クロは自分が「正義の味方」セラに対する「敵」である事を自覚するのだった。
元旦の夜明け前。「敵が現れる」と騒ぐセラに誘われ、クロは神社に出向く。そこで初日の出を拝んだ直後、「魔女」を名乗る少女から警告を受ける。
自分を含む20人にib(インスタントバレット)なる魔法が発現し、クロとセラもその一人なのだと。そして、1人のibの陰謀で「数時間後、とある連邦国家が放棄した、核搭載軍事衛星がこの街に落ちてくる」と。
悩みながらもクロは能力を発動し、「世界を滅ぼすのは自分だ」と宣言。『獣』は核を積んだ人工衛星ごと喰らい尽くし、事無きを得たのだった。

クロが意識を失う中、突然魔女は銃を向け、セラに「何故このような事をしたのか?」と問い詰める。セラは自分の能力が「この世界にある爆弾全ての支配」である事を明かし、核で世界を滅ぼす事も仄めかす。そして、正義の味方は辞めて、ダークヒーローたる「ibを倒す正義のib」になる事にしたから、と笑うのだった。

これは、まもなく壊れる世界の追憶。


ib(インスタントバレット)

世界を撃ち抜く魔法の弾丸。「世界を破壊できる」可能性を秘めた能力、もしくは能力者の事。魔女曰く20人は存在するが、その半分は自覚していないらしい。能力は全て「悪意」に由来しており、ibに該当する人間は誰もが何処か壊れている。また、遠くない未来、世界はibによって崩壊する事が予言されている。


主要人物


深瀬クロ

友達もおらず、一人でアニオタライフを満喫する少年。要するにお前ら。
ただし喧嘩が非常に強く、同級生からは不良として恐れられている。
親から捨てられた挙句、面倒を見てくれた近所のお姉さんは自殺、その妹は意識不明と悲惨な半生を歩んでいる。現在はいろはと共に深瀬家の養子となった。
世界をぶち壊したいと望みながらも、世界を救ってしまう難儀な性格。
いつも死んだ筈のお姉さん・十色と意識不明の妹・いろはの幻影を見ている。
『創造』のインスタントバレットの持ち主。
全てを喰らい尽くす『獣』を出現させる能力であり、『獣』を強化して世界を滅ぼす事を望んでいる。

姫浦世良/セラ

クロが出会った少女。本人達は知らなかったが、クラスが隣同士だった。
「正義の味方」に憧れつつも、どこか欠落を抱えており、他者に同情できない壊れた性格。
いつもはアニメやヒーローに憧れる女の子を装いつつも、不意に恐ろしい側面を見せる。
全てのテストで満点を取り続ける程頭が良いが、学校では成績優良の理由を訊かれた際、「貴方たちみたいな馬鹿と同じにされたくないからよ」と答えるなど、わざと「敵」を作るような振る舞いをしている。
また、クロの妄想であるはずの「いろは」が見えており、「先輩」と呼び掛けている。
『破壊』のインスタントバレットの持ち主。
この世界に存在するありとあらゆる爆弾を呼び出し、起爆する召喚魔法。全ibの中で最も「世界の破壊」に近いib。

魔女

クロとセラの前に現れた謎の少女。
ibに関して様々な情報を知っており、各ibの素性も大体把握している。
何故かクロに執心しており、彼の学校へ転入してくるなど、謎が多い。
まともな性格に見えるが、本人曰くやはり「壊れている」らしい。家には引きこもりの妹が居る。
クロや木陰、諸木を誘い、『チーム・世界の端っこ』を結成させつつ、「自分は中立だから」と輪に入る事を拒むなど、何かを隠している。
『時間』のインスタントバレットの持ち主。
未来視(ラプラス)の能力であり、未来にインスタントバレットによって世界が滅びる光景を目にした事から、密かに動き出している。

藤波木陰

舞台の栄長浜町を震撼させた『マリアドラッグ』事件に関係するibの少女
。その事からヤクザに追われている。常に兎耳のフードを被り、他者と馴れ合おうとせず口が悪い。
クロと同様に「世界の滅亡」を願うが、双方とも仲が悪い。一方で、諸木とは本を通した不思議な縁がある。
魔女に誘われて「世界の端っこ」に参加してはいるが、彼女の予言を聞いて「世界の破壊」に乗り出す。
『生命』のインスタントバレットの持ち主。
この世界に存在しない植物の生態系を創り出す能力。毒薬を生成する事も可能で、マリアドラッグを製造していた張本人の様だが……。

諸木良太

「世界の端っこ」という自身が創り出した異空間に住まう少年。
この秘密基地には彼が気に入った本だけが入った本棚が置かれている。
木陰からは微妙な評価だが、クロからは親近感を持たれるラインナップらしい。ラーメン屋みたいな風貌。
ibの中でもかなりまともな感性を持っており、クロと木陰も彼には気を許す。
しかし、クロや木陰の様に「世界の破壊」に興味を持たない理由について、「世界に興味が無い」と漏らしている。
『存在』のインスタントバレットの持ち主。
上記の空間を繋げて秘密基地を創る能力のほか、瞬間移動も可能。

綾倉いろは/深瀬いろは

クロと幼馴染の少女。十色の妹であり、彼女の焼身自殺の際に家に飛び込み、昏睡状態のまま入院。
現在は深瀬家に引き取られ、クロの妹となっている。
クロは姉妹の幻影を見ているが、話し掛ける事は一切無い。
しかし、セラの問い掛けに対し、彼女は口を開くのだった。
実は『共感』のインスタントバレットの持ち主。クロに見えているのは幻影ではなく、意識不明のいろはが見せている精神体。他者の五感に介入し、操る能力を持つ。

綾倉十色

クロと幼馴染の少女。いろはの姉であり、クロからは好意を持たれていた。
しかし、義父から性的な嫌がらせを受けており、ある日彼を灰皿で殴打。世界に絶望し、アパートを燃やして火の海に消えた。
彼女の世界破滅願望は幼いクロに大きな影響を与える。
クロはいろは同様、彼女の幻影を見ているが、彼女もまた口を開く事は無い。
実はクロがibによって創り出した想像の存在。そのため、『獣』とは表裏一体の関係とも言える。そして、空想ながらもリーダーが把握していなかった20人目。『英雄』のインスタントバレットの持ち主。人類を魂だけの存在に変換する「ヘブンズドアー」と呼ばれる能力を持ち、カラフルは彼女を用いて、人類補完計画的な第三魔法的な何かを実現しようとしている。

魔女の妹

魔女の家でゲームばかりしている少女。その正体は……?



警察庁警備局COLORFUL

全てのibの抹殺と『英雄』のib確保を目的とする組織。大学の講堂の様な場所で会議をしており、魔女と敵対しているようだ。
また、以下のメンバー以外にセラといろはも参加している。
余談だが、警備局は警備警察と公安警察を所管する、警察庁のエリート組織である。

リーダー

カラフルのトップ。
『情報』のインスタントバレットの持ち主。
アカシックレコードにアクセスする『全知無能』という能力で、ib達の境遇を知っている。
また、個人的な戦闘能力(格闘)も高い。クロ達と敵対しながらも、彼らの境遇を知る事から愛おしさも抱いている。

七辻すいむ

自信満々に飛び出して魔女から返り討ちを受けたカラフルのメンバー。
『空鯨』という物体か重力を操作する能力を持つが、インスタントバレットの名前は不明。

雁金アイジ

眼鏡を掛けたカラフルのメンバー。
『契約』のインスタントバレットの持ち主。
双方の合意の元に成された『契約』に絶対的な拘束力を生み出す能力。

覆面の人物

黒タイツに顔を覆うマスクという怪しさ全開の人物。諸木の台詞から推測するに大人らしい。ナニモノダッタンダイッタイ。





世界は終わる




終わらない物語がないように




世界は終わるようにできている






「お前は僕の代わりに追記・修正をしてくれたんだな ありがとう」


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