ジーナ・レストレード

登録日:2017/06/19 (月) 17:35:18
更新日:2024/07/16 Tue 14:08:13
所要時間:約 6 分で読めます





‥‥オトナ、なんて‥‥
みんな、大っ嫌い。


ジーナ・レストレードとは『大逆転裁判シリーズ』の登場人物である。

声:佐伯美由紀


■概要

大英帝国・倫敦のはずれにある、イーストエンドで暮らす少女。初登場時の年齢は17歳。
金髪藍眼の少女で、ボーイッシュな服装を好んで着ている。しかし裕福ではないので着ている服は薄汚れており、所々につぎはぎがある。
また、若干サイズが合っていないので、誰かのお下がりの可能性もある。
専用曲は「下町の鉄砲玉」。

生まれたばかりの時に両親に捨てられたため、幼い頃からイーストエンドで多くの孤児達と身を寄せ合って懸命に生きている。
そして、孤児達の面倒は大きくなった者が見る事となっているので、ジーナも現在は年下の子供達の面倒を見て守る立場となっている。
しかし、大きくなったと言ってもまだまともな仕事に就けるような年齢ではないので、“シゴト”として他人の財布を掏り、その中に入っている金で生計を立てている。
勿論この行為は許される事ではないが、彼女はこの件に関してあまり罪悪感は持っておらず、「盗んだお金でみんながご飯を食べれるならそれでいい」と考えている。
なお、ナイフなどの武器は、スリのプライドに賭けて絶対に使用しないようにしている。

「ウソを言って何でも取り上げるから」という理由で大人の事をとても嫌っており、言動が子供っぽいシャーロック・ホームズの事も毛嫌いしている。でも内心ではホームズの事を信頼しているようである。
基本は誰に対しても素っ気ない態度で接し本心を見せる事はないが、根は心優しい少女であり、成歩堂龍ノ介御琴羽寿沙都とも段々と打ち解けていった。
仕事柄手先が器用であり、考え事をする時などには、腕が訛らないようによく指先でコインを弄っている。

持っている銃は「煙幕弾砲(スモークランチャー)」と言い、実はアイリス・ワトソンの発明品である。
これはアイリスから掏った鞄に偶然入っていたものであり、このまま失敬していたが、これに発信機がつけられていた事でアイリスにあっさり居場所がばれてしまう。これがきっかけでアイリスと出会う事となり、彼女に懐かれるようになった。
掏った煙幕弾砲はそのままアイリスから譲り受けるが、それの扱いには未だに慣れておらず、それを撃とうとしてモタモタする度に龍ノ介に心の中で突っ込まれている。ちなみに好きな煙幕の色はピンク。

名前の由来は、『シャーロック・ホームズシリーズ』に登場する刑事「G・レストレード」から。また容姿や設定のモデルは「ベイカーストリートイレギュラーズ」の子供達だと思われる。


■作中での活躍

※ネタバレ注意
  • 『大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-』
第3話「疾走する密室の冒險」で初登場。
乗合馬車の審理中に乱入して煙幕弾砲を発射し、法廷を混乱に陥れる。
その後は係官に捕まるが、被告人・コゼニー・メグンダルの証言で、事件のあった夜に殺人のあった乗合馬車にこっそり乗っていた事が判明。事件の後でメグンダルの手によって乗合馬車から逃げた事も明かされる。
そしてメグンダルの無実を証明するための証人として当時の状況を証言し、彼女の証言どおりにメグンダルの無実を立証する証拠が出てきた事で、メグンダルに無罪判決が下された。
審理が終了した後は、発信機の反応を頼りにやってきたアイリスに捕まり、渋々彼女の研究室まで行く事となった。

後に第5話「語られない物語の冒險」で再登場。
ベイカー街にある質屋で店主と揉めていたところで龍ノ介達と再会し、龍ノ介やホームズに助けを求める。
質屋には質草であるコートを引き出しに来ていたが、後にそのコートの持ち主だと言い張る男性が現れた事で、自分がスリである事を理由に大人達から「嘘つき」扱いされてしまう。
最終的にそのコートは、裁判の後で死亡したメグンダルのものであった事が判明。コートとそのポケットに入っていた自鳴琴の円盤を警察に没収されそうになるが、没収しようとしたトバイアス・グレグソン刑事を恨みがましくにらみつけていた事で、コートだけは貰う事が出来た。

その夜、ホームズが質屋にアイリスの書いた原稿を預けているという事を知ると、ホームズはアイリスに黙って売り払ったと決め付け、質屋に原稿は存在しないと断言。その事を確認するために、真夜中にこっそり質屋に忍び込む。
しかし、質屋に忍び込んでいた頃に発砲事件に遭遇し、店主は何者かによって射殺されてしまう。
そして、射殺された店主の側で気を失っていた事で、警察に店主殺害の犯人として逮捕される事となってしまった。

逮捕された翌日、面会に来た龍ノ介に弁護を持ちかけられるが、「どうせ裁判なんか嘘ばっかりなんだから!弱いものに罪を着せておしまいなんだから、アタシの事は放っておいて!」と、なぜか突き放すような態度をとる。
その際に、「その中でもアタシは‥‥決して許されない大嘘つきなんだから!」と引っ掛かる事を言っていたが、彼女がそのような態度をとり続ける理由とは‥‥?


※以下さらなるネタバレにつき注意。




















第5話の途中で判明する事だが、実は乗合馬車殺人事件の真犯人は、裁判の被告人であったメグンダルであった。
そして乗合馬車に潜んでいるところをメグンダルに見つかった彼女は、「断ればイーストエンドに住めなくしてやる」と脅迫され、偽証を行う羽目になってしまったのである。

メグンダルの手引きで乗合馬車から逃げた後は彼の指示通りに動き、メグンダルが殺人犯として裁判にかけられると、審理中に煙幕弾砲を使って乱入。
煙幕騒ぎを起こして証拠を捏造するチャンスを作った後は*1、メグンダルの無実を立証する証人として嘘の証言を行った。
留置所での最初の面会で、自分の事を決して許されない大嘘つきと言っていたのはこのためである。

自分が殺人犯として逮捕され、龍ノ介に弁護を持ちかけられても、前述の事や店主の死に罪悪感を抱いていたので、頼むに頼めなかった。
そして、再び面会に来た龍ノ介や寿沙都に、乗合馬車殺人事件の真相を明かすが、それでも尚龍ノ介は「ジーナさんの無実を信じる」と言って聞かなかったので、「偽証して迷惑をかけているのにそんなのおかしい!」と驚く様子を見せる。
その後で、龍ノ介や寿沙都の「弁護士としての信念」を知ると、「‥‥勝手にすれば」と素直ではないものの龍ノ介に弁護を依頼し、彼らに自分の命運を託した。

裁判では検察側の追求や陪審員の評決で、龍ノ介達弁護側は何度も追いつめられる事となる。
だが、それでも龍ノ介は自分の事を信じ続けて弁護を行っていたので、その姿に打たれた彼女は、彼を信じて乗合馬車殺人事件の真相を法廷で明かす。
その事によって弁護側の立場は一層不利となるが、これを元に龍ノ介が真相を明らかにしたおかげで、見事無罪判決を勝ち取る事が出来た。
しかし、前回の法廷での偽証と、今回の事件での不法侵入と窃盗の罪が残っていた(スリは“シゴト”なので問題ないらしい)ので、無罪判決を受けた後で再び留置所へ入る事となる。
だが、今回の審理で弁護側が不利な立場となった原因は警察や政府にもあり、犯した罪は罪としてそれとは別に「弱い立場である貴方を辛い目にあわせてしまいました」と裁判長から謝罪の言葉をかけられる。
罪を犯し嘘をついた自分を信じ弁護してくれた弁護士や裁判長の誠意ある謝罪などからか自身の非を素直に認め、酷い世の中を変えるためにまず自分が必ず更生するという事を退廷する前に皆に誓っていた。

裁判が終了した後は、今まで裏切られるのが怖くて誰も信じられなかったと龍ノ介に明かし、「これからは、誰かを信じてみるのもいいのかなと思う」と語る。
そして「まず自分から変わって、路地裏の子供達が暮らせる場所を作ってみせる」と誓い、最後まで自分を信じ抜いて弁護を勝ち取った龍ノ介に、「最後まで信じてくれてありがとう」と目に涙を浮かべながら笑顔で感謝した。

エンディングの時点でも留置所にいたが、どうやら今回の件を通じて犯罪捜査に興味を持ったらしく‥‥


  • 『大逆転裁判2 -成歩堂龍ノ介の覺悟-』
第3話「未来科学と亡霊の帰還」より登場。
本作からホームズの裏回しもあって見習い刑事となって登場。面倒はグレグソン刑事に見てもらっている。
まだ見習い(ゆえに身分証も手作り)なのに(なぜか)レストレード警部を自称する。警察犬1号として「トビー」という犬を連れており、ジーナはトビーを「警部補」に任命し彼のハナをきかせて初動捜査に関わる。
自由奔放なところは相変わらずで、上司であるグレグソンと衝突することもしばしば。とはいえ、彼のことは信頼しているようで、「ボス」と呼び慕っている。
また、刑事になった今でもアイリスにもらった煙幕弾砲を持ち歩いている。


今後もグレグソンと愉快な掛け合いを繰り広げていくと思っていた矢先…



ジーナ「アタシだって。“玄人”として、
    この追記・修正にイノチをかけてるんだから!」

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最終更新:2024年07月16日 14:08

*1 捏造を行ったのは別の人物と思われる。