第2章では、十神にいびられる不二咲を庇い、彼女に「男の約束」として「もう怒鳴らない」と誓って励ますなど、情に厚い面が出された。
そして、「素行が悪い」と石丸清多夏と口論となり、彼と「我慢対決」をして男としての格を比べることとなる。
題目は大浴場のサウナの我慢対決。大和田はハンデとして制服のままサウナに入った。
立会人になった苗木は途中で呆れて帰ったが、結局何があったかは不明だがいつの間にやら石丸と打ち解け、「兄弟」と呼び合うほどの友情を築き上げたのだった。
嫉妬…だよ… オレは…不二咲の強さに嫉妬したんだ…
自分の弱さと向き合って、それを乗り越えようとする強さに…!
オレにはない強さに…オレは、そいつに嫉妬したんだ。
ぶっ壊れた…嫉妬だよ……
第2章「週刊少年絶望マガジン」のクロ(犯人)。
男子更衣室で不二咲千尋をダンベルで撲殺した。
動機は、モノクマが提示した「恥ずかしい思い出」と「人に言えない過去」の暴露がきっかけだった。
大和田は、重大な秘密を抱えていたのだ。それは、「自分の兄・大亜を殺してしまったこと」。
大和田紋土の所属していた暴走族チーム「暮威慈畏大亜紋土」は、元は兄・大亜と二人から始めた日本最大の暴走族チーム。
そして、大亜は紋土にとっては一番の憧れ。単車に乗るのも兄の影響でもあった。
そんな中、大亜は引退して弟・紋土にチームリーダーの座を譲ることとなる。
だが、チームの間では「所詮ナンバー2」「弟はおまけ」「チームは弱くなる」と陰口を叩かれ、偉大な兄の重圧がのしかかり、焦りを抱く。
そこで、紋土は大亜の引退式で単車での勝負を挑み、自分の実力を証明しようとした。
そして悲劇は起こる。勝利を焦るあまり、反対車線に飛び出した紋土は、トラックに轢かれそうになる。
だが、大亜が彼を庇って突き飛ばし、結果大亜は致命傷を負った。
泣き叫ぶ紋土の腕に抱かれながら、大亜は彼を責めることなく遺言を遺した。
おい…後は頼むぞ…ぜってーに…チームを潰すんじゃねぇぞ……
男の…男同士の……約束…だぞ……
そのまま大亜は死亡し、後には失意に堕ちた紋土だけが残された。
結局、紋土は「自分の弱さのせいで兄が死んだ」のが原因でチームを分裂させないためにも、そして兄との約束を果たすためにも、事故の原因は誰にも言わなかった。
結果、勝負に勝った弟の下でチームは結束したものの、「大亜が功を焦って自滅した」という偽りの真実だけが流布され、兄の名誉を穢してしまう。
彼は、「自分は強い」という「嘘」を積み重ねていくしかなかったのである。
やがて彼はコロシアイ学園生活に巻き込まれ、自身の見せかけの「強さ」が何の意味もないことを悟ってしまう。
そして、モノクマが提示した、自分の兄殺しについて暴露されるという脅迫。表向きは平静を装っていたものの、内心は不安感が膨れ上がる一方だった。
そんな中で、不二咲からトレーニングに誘われた際に「実は男だ」という秘密を打ち明けられてしまう。
「破滅しかねない秘密」を暴露されてもいいという不二咲に驚愕する大和田。不二咲は、「嘘に逃げる弱い自分を壊したい」と真摯な答えを出す。
だが、それは大和田がやってきた全てを否定しかねないものだった。
更に不二咲は、「強いからモノクマに秘密をバラされてもへっちゃらだよね」と称賛する。
……それにより、大和田の中で何かが弾けた。
不二咲が何を言おうと、それは彼にとっては皮肉や当てつけにしか聞こえない。
自己嫌悪と嫉妬心で頭がぐちゃぐちゃになった大和田は激昂し、ダンベルで怯える不二咲を殴り殺してしまった。
いつまで経っても、自分の弱さを克服できねーせいで…!
そのせいで、とんでもねー事をしちまった!!
その後、我に返った大和田は、「男の約束」の誓いを果たすため、不二咲の秘密を守ることを決意。
舞園もしくは江ノ島の電子生徒手帳を使って女子更衣室に侵入し、犯行が男子更衣室ではなく女子更衣室で行われたように偽装する。
更に、自分の電子生徒手帳がサウナに入ったために故障したことに気づいた彼は、不二咲の電子生徒手帳をサウナに放り込み破壊。
自分の壊れた電子生徒手帳は桑田のものとすり替えて隠滅を図ったのだった。
だが、一部始終を見ていた十神によって、競争相手となるメンバーの実力を図るためにも不二咲の死体をジェノサイダー翔の被害者であるかのように偽装され、事件は複雑化。
更には学級裁判においてセレスがトレーニング室に向かう不二咲を目撃した旨の証言によって、「お揃いのジャージが犯人」であるという話題から失言してしまい、犯行が明らかとなった。
そんな犯行が明らかになってもなお、「兄弟」である石丸は彼を庇い続け、彼の境遇に本気の涙を見せた。
しかし、そんな大和田すらモノクマにとっては嘲笑の的でしかなく、容赦なく彼を「おしおき」へと連れていく。
縋る石丸をよそに、大和田は諦めたように呟いた。
おしおき:「猛多亜最苦婁弟酢華恵慈」
モノクマが運転する単車バイクに縛られた大和田。
彼の目の前で、虎の書割が飾られたセットが組みあがる。中心には球体の鉄籠。
猛スピードで発進した単車からモノクマが脱出した直後、籠の中に単車が突っ込み、球体の中を高速で回転する。
外ではセットから高圧の電流が流れ、中にいる大和田は目を回し続ける。
やがて大きな閃光が走ったかと思えば、籠の中の単車には誰も乗っていない。
しかし、セットに備え付けられた装置から、あるものが完成する。
それは、「大和田バター」。高速回転により中にあった脂肪分をバターへと「加工」された悪魔の食材。
モノクマは、美味しそうにそれをパンケーキに塗って食べた……。
死後
大和田の死によって石丸の精神には深いダメージが与えられてしまい、活発だった彼は見違えるように憔悴しきってしまった。
また、不二咲千尋が遺した人工知能「アルターエゴ」は、霧切によって死を知らされることとなったが、彼にとってもある意味予想できたことだった。
そして、アルターエゴは石丸のために「生前の不二咲の情報により生成した大和田のイメージ」を使って彼を励ますが、大和田本人の「弱さ」は反映できていないため、彼がそっくりそのまま同じことを言っていたのかは微妙なところ。