幽霊部員

登録日:2018/03/04 (日) 22:34:32
更新日:2023/11/07 Tue 23:44:45
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幽霊部員とは、団体に所属しているが実際の活動に参加していない部員を指す単語。

概要



学校で部活動やサークルなどに部員として所属している……はずが、実際には活動に参加していないという部活動の中のはぐれ者。

そのような人物は、部活側から見て姿が見えないので「幽霊のようだ」と例えられることから、幽霊部員と呼称される。
「幽霊」とは言っているが、悪く言えば端的に「サボり魔部員」である。

団体活動に顔を見せないのだから当たり前ではあるが、基本的に部活動への意欲を失う事で誕生する。
と言っても、意欲を失う理由には様々なパターンがある(パターンの紹介は後述)。

中学校や高校の場合は最終的に退部勧告が行われることも少なくない。


幽霊部員の誕生理由の主な例



団体内での関係の悪化


幽霊部員が発生する理由はこれが一番多いと思われる。

部活動やサークルも個人の集合体、何かと人間関係は嫌でも複雑になる。
同級生、後輩、先輩、顧問……このような関係においていつトラブルが発生してもおかしくないのである。
こうして団体内の人間関係で衝突が起き、活動から離れるという光景は珍しくない。

活動において大問題を起こし、実質的な追放or謹慎処分として幽霊部員とされることもある。
これは「触れてはいけないあの人」的な物で、ある意味幽霊とは違うかもしれない。


競争に敗れる


運動部の場合に見られやすい現象で、これは上記の団体内での関係の悪化に近い要素を持つ。

周りのレベルについていけなくなったり、レギュラー争いに敗れるという事態が起きる。
その後は悔しさやプライドから部活に顔を出せなくなったり、活動への意欲を失ったりするという物。


辞める旨を言えない


退部の意欲はあるのだが、辞める意思を言えずに気づいたら幽霊部員に……のパターン。

辞める理由が言えないのは「退部後の部活関係者との関係悪化への恐怖」や「部活所属の肩書を失う恐怖」などが原因として多い。
「離れるけどもしかしたら復帰するから退部は一応しない」という例もあり、これは大学のサークルで起きやすいと言われる。

部活動所属者の肩書は保持できるが、人間関係的には普通に退部するよりもまずくなりがちである。
辞めたほうが部活関係者も「去る者は追わず」の姿勢に切り替えられやすいので、後々の事を考えて伝えたほうが良いだろう。
学校や部活動の顧問次第では、呼び出しでの実質的な強制退部勧告という通常の退部より後味が悪くなる恐れもあるし……。
別に人間関係は気にしないから肩書は持っておきたいという人は退部しなくても良いと言えば良いかもしれないが。


名義貸し


特定の部活や団体に頼まれてメンバーになったパターン。

部活存続の部員水増しや人数合わせのためだけに頼まれて入部した人間が後に幽霊部員になりやすい。
名義を貸す理由としては「単純な人助け」か「帰宅部が良いが部活に参加している建前だけ欲しい」という理由が良く見られる。
前者にしても他のメインの部活が存在するという事情があったりするし、後者の人間は当然参加はする気などない。

部活側も名義を貰った理由が理由なだけに、名義貸しから幽霊部員になった人間を然程重視しない。
そのために参加しない態度を責める事も少なく、この手のパターンから発生した幽霊部員の人間関係が悪化する例は少ないと思われる。

名義貸しとは少し異なるが、大学のサークル活動の場合だと手当たり次第に登録する行為から発生しやすい。
後々に登録者自身がサークルに登録していた事実を忘れるということもある。


部活が強制


学校がそもそも部活強制という環境だと、上記の「辞める旨を言えない」+「名義貸し」のケースが合体した幽霊部員誕生の可能性が出る。

強制的に部活選択+実質退部不可能という場合は、帰宅部になるという選択肢が存在しない。
そのため、疑似的に帰宅部になる為に部活に所属してから幽霊部員として部活内から消えるという手段を取るためである。

帰宅部志望者の駆け込み寺として特定の部活が幽霊部員の集合団体になるというケースもあり、もはや「幽霊部」とでも改称しろよなんて現象も……。
しかし部活動を強制する中学校を中心に幽霊部員を認めない所も多いため、そういった学校で幽霊部員になることは困難を極める。

肩書が欲しい


その部に所属していたという実績が欲しくて入部し、そのまま幽霊になるパターン。
進学や就職の関係で運動部のような外面ウケのいい部に入っていたという肩書が欲しいだけで、活動する気が一切ナッシングな場合に多い。


幽霊部員の問題点



幽霊扱いからしてポジティブな単語でないことが分かるが、なかなか暗い事情が生まれる。

一番は幽霊部員と通常の部員(と顧問)の人間関係の悪化だろう。
学校だと部活以外でも顔を合わせる機会は少なくないが、高確率で険悪な雰囲気になる。
片方は特に悪感情を抱いていないが、もう片方が遠慮して結果として疎遠になることもある。

幽霊部員の存在を許すことで、活動している部員達の活動の気力に影響する危険も考えられる。
1人の幽霊部員が誕生した場合、その幽霊部員と仲の良い部員や近い精神状態にあった人間が連鎖的に幽霊部員になる可能性もある。

また、幽霊部員が多い部活動に関してはその団体の組織運営能力に疑問を付けざるを得ない。

活動内容が厳しすぎる」「内輪ノリが激しい」などの理由が考えられる。
大規模なサークルの場合だと幽霊部員の発生に対処できない(する気もない)事情もある。

学校も幽霊部員対策を怠っているわけではない。半年から1年周期で所属部の更新を行い、活動実績のない部員を定期的に排除する。
これをやったとしても更新の前後だけ部活に参加して逃れるというパターンもあるので、決定打とは言えないのだが。

フィクション作品における幽霊部員



学校を舞台にしている創作物の場合、帰宅部設定ほどではないがちょくちょく設定として見かける。

部活描写がなく放課後に遊んでいる描写が殆どなキャラクターの場合、幽霊部員の可能性が発生する。
この場合は「本当に幽霊部員」か「部活動側が諸事情でやる気がないため実質活動していない」のどちらかである。
実際は「単に部活動描写をする気がない」というパターンも多いだろう。

優秀な才能を持つ学生のキャラクターの場合、部活動の大会などに助っ人参加するという展開がある。
大会以外の普段の部活動には参加しないため、これも幽霊部員の定義に該当する存在と言える。

サボっている部員ではなく「マジな幽霊部員」というギャグパターンもある。
他にも「普通に参加しているのに存在が空気」という意味で幽霊部員扱いされるキャラも。








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最終更新:2023年11月07日 23:44