ヤミー(カードヒーロー)

登録日:2018/03/20 Tue 20:59:55
更新日:2025/04/19 Sat 16:10:47
所要時間:約 5 分で読めます




ヤミーとは、『トレード&バトル カードヒーロー』(以下GB版)とその続編『高速カードバトル カードヒーロー』(以下DS版)に登場するモンスターカードの一つである。

概要

分類は前衛モンスター。
GB版とDS版ではイラストが完全に異なる。
GB版ヤミーは両手にぺロペロキャンディーを持ったアホ顔の女の子で、お世辞にも可愛らしいとは言い難い。
攻撃名は「アメパンチ」。
DS版では 時代に合わせて大幅イメチェン
飴を持っているのは同じだが、ゴスロリ風衣装を着て上目遣いでこちらを見上げる小悪魔風の女の子になった。
どこからどう見ても同一人物ではない

性能

数少ないGB版からDS版で、性能が変更されなかったモンスター。
……うん、 変更されなかった のである(これがどのような問題に繋がっているかは後述)。

アクションの名前は異なるが、性能は全く同じなのでDS版準拠で解説。

レベル1 アタック 2P
HP5 それちょうだい 0P 1コ
レベル2 アタック 3P
HP5 それちょうだい 0P 1コ

「HP5 2P」というごく平均的な前衛モンスター。レベルアップすると、3Pになってマスターにも攻撃が通るようになる。
……が、コイツの一番ヤバイところは特技の「それちょうだい」にある。
この特技、ストーン1個で使用でき、ターゲットは相手のマスターなのだが、その効果は……


相手からストーンを2個奪う。


……これがどれだけぶっ壊れているかは未プレイの人にはイマイチ理解できないはずなので、順を追って解説する。
まず、カードヒーローでは毎ターンそれぞれのプレイヤーに「ストーン」というマジックザギャザリングなどで言う「マナ」に相当するリソースが「3個」与えられる。
基本的にゲームの進行は全てこの「ストーン」を介して行われ、モンスターは召喚にストーン1個、レベルアップにもストーン1個、魔法や特技はその種類ごとに異なるストーンを要する。
要するに、基本的にストーンが尽きると何もできなくなるゲームなのである。そして、その補給手段は(一部の例外を除くと)毎ターン開始時の3個しかない。

で、この前提の知識を参考に「それちょうだい」の性能を改めて見てもらいたい。

「ストーン1個を支払い、相手からストーンを2個奪う」

…… どこからどう見てもぶっ壊れです、本当にありがとうございました

特技一発でストーン3個分のリソース差を生み出せてしまうのだ
つまり、実質1ターン分のアドバンテージを取られるのにほぼ等しい。
展開力に大幅な差が生じるのは言うまでもなく、圧倒的に不利な展開を強いられることになる。

一応対策も存在する。要は「ストーンを持ったまま相手にターンを回さなければよい」のである。
相手にヤミーが見えたら、貰ったストーンはその場で使い切り、「それちょうだい」を撃たせないようにすればいい。特に序盤は基本的にストーンを使い切ってモンスターを展開し続けるのが基本なので、案外被害は少なかったりする。
だが、ヤミーは決して特技だけの一発屋ではなく、本体も平均レベルの戦闘力があるので「それちょうだい」なしなら雑魚かと言うとそうでもなかったりする。
また、この戦法を取る限りブラックマスターの切り札である「大地の怒り(必要ストーン6個)」などは実質使えなくなってしまう。
そしてカードヒーローでは「マスターへのダメージやモンスターが倒された際にもストーンが得られる」という「不利になればなるほどリソースが増える」仕組みがあるのだが、 こっちのストーンを狙われる方には手も足も出ない
ストーンを使い切ったから大丈夫、 でもなく 他のモンスターの攻撃でこちらの財布に入ったストーンを狙われることもザラにある。 モンスターを排除された上にストーンまで奪われて踏んだり蹴ったりである
2ターン目でいきなりポリクラ(後述)→それちょうだいでもやられようものならストーンと一緒にやる気も奪われること請け合いである。
ポリクラは「味方の攻撃でHP1にしたポリゴマで気合溜め+バーサクパワーで敵マスターに攻撃」という手段をポリゴマクラッシュと呼んでいたのでその略称。
4Pで攻撃(マスターには2ダメージ)を与えながら自壊することで、HPが3しかないポリゴマを敵のレベルアップに利用される前に消してしまうという戦法である。
この行動を行った場合は敵のマスターのHPが2つ減る…つまり敵のストーンが2つ増える。そしてポリゴマが倒れたことで自分のストーンが最低でも1つは増える。
もうお分かりだろう。こちらが奪い取るためのストーンが敵の財布に入り、ヤミーで奪うためのストーンもポリゴマが持っていたストーンで確保されるのである。
怪我して見舞金が降りたと思ったら、怪我させた側が見舞金を強奪していった。

なおカードヒーローにおいて味方で味方を倒した場合はペナルティでマスターのHPを引かれるのだが、
モンスター自身の行動で倒れた場合(例:自分が消滅する代わりに通常攻撃よりも大きなダメージを与えるシゴトにんの特技)はペナルティの対象にはならない。
HP1のモンスターがバサークパワーで倒れても「自身の行動で倒れた」扱いなのでペナルティとならないのである。直接殺すのは有罪で自殺に追い込むのは無罪。

他の対策としては目の前のモンスターの特技を問答無用で封じる「デスシープ(DS版のみ)」が眼前に来るとほぼ無力化する。
結局バランスブレイカーをバランスブレイカーで封じているだけだが
また、デスシープはローテーションなどで後衛に回されると、自分のモンスターの特技を封じてしまうなどかなり癖があるため、デスシープをヤミーの前に置いてしまえば安心かというとそうでもない。

レベルアップしても特技の性能に変化はなく、直接攻撃の性能が上がるだけなので、基本的にはあまりレベルアップは狙う必要はないだろう。
「それちょうだい」を毎ターン使って行った方がよほど得であるので。

あまりの強キャラぶりに、GB版のネット対戦では 完全禁止カード に名前が挙げられており、そのような制約のない環境では最大数の3積みが基本となっている。

そしてこれだけ環境を席巻した癖に、DS版でもまさかの無調整 という世紀末っぷり。イラスト変えるより性能なんとかしてくれ

DS版では、新たなバランスブレイカー「ロストーン(消費ストーン1個で 相手ストーンを半減させる )」という鬼畜魔法カードまで追加されており、「ヤミーとロストーンは禁止」ルールが制定されるほどだった。
どちらにしても「ストーンを溜めて大技で逆転を狙う」という行動を実質封じてくるため、選択肢を大幅に縛って来るのがバランスブレイカーと呼ばれる要因だろう。

なお、DS版追加ルールである「スピードバトル」には「ストーンを溜める」という概念がないので、ヤミーとロストーンは使用できないカードに指定されている。
スピードバトル特化のダウンロードソフト「スピードバトルカスタム」ではそもそも収録されていない。
「スピードバトルカスタムが良バランス」と評される一因となっている。


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最終更新:2025年04月19日 16:10