トレード&バトル カードヒーロー

登録日:2009/08/04 (火) 19:10:55
更新日:2025/04/19 Sat 16:09:33
所要時間:約 6 分で読めます




カードヒーロー


概要

任天堂が2000年2月21日に発売したゲームボーイ用ソフト。トレーディングカードゲームを題材としたオリジナルゲームである。
2007年12月20日にニンテンドーDS用の続編として『高速カードバトル カードヒーロー』が発売された。
また、実際のトレーディングカードゲーム『カードヒーロー・トレーディングカードゲーム』も同時に発売された。


ストーリーを進める中で操作方法やルール、戦略を教えてくれるチュートリアルが備わっており、説明書を読まない人やカードゲームをあまり知らない人でもプレイしやすい内容となっている。

デッキごとの駆け引きの面白さや詰め将棋にも似た思考パターンなど、ゲームシステムとしては完成度が高く、オリジナルカードゲームにもかかわらず、携帯機のカードゲームとしてはNo.1と推すファンも存在する。

しかし、キャラデザ等が原因か、思うように売れなかった。



CM




あらすじ

主人公「門マサル」がカードバトルで悪者と戦うクールなアニメ「カードヒーロー」!
始まったばかりのこのアニメにひろし君は今、夢中。
NANTENDO(ナンテンドウ)から発売されているトレーディングカードゲーム、その名もすばり「カードヒーロー」をさっそく買いに出かけました。
カードショップ「マルヒゲヤ」でスタートセットを買ってきたひろし君は、幼なじみのクミちゃんと一緒にいよいよカードヒーローを始めることになりました。
ひろし君はマサルのようにカッコ良くカードバトルができるようになるのでしょうか…?



登場人物

  • ひろし(名称変更可能)
主人公。小学四年生。ぼーっとした普通の男の子。いま巷で人気のカードヒーローに興味を持つ。

  • とめぞう
主人公の祖父。ひろしが生まれてすぐに渡米し、最近帰国。TCGに詳しい。

  • クミちゃん
主人公の幼なじみ。負けず嫌いだけど根は優しい女の子。強気な性格をもって朴訥としたひろしをぐいぐい引っ張る。ツンデレヒロイン?

  • ためお
主人公に無理やり勝負を挑んでくる。「タコッケー」をこよなく愛する。

  • マルヒゲヤ店長
カードショップ「マルヒゲヤ」の5代目店長。主人公はここでカードを買ってゆく。本名は丸髭円男(まるひげまるお)

  • クラマさん
お金持ちの老人。カードヒーロー同好会「クラマクラブ」のオーナー。

  • タクミさん
カードヒーロー研究家の男性。眼鏡に暗色系の服と非常に怪しい見た目をしていたり自宅の壁に美少女キャラの「ルージュ」がでっかく描かれていたりするが、悪い人ではなく常識人。
デッキ作成の相談に乗ってくれるほか、おすすめのデッキを構築してくれる。
また、ゲーム内でミラー対戦する際に使用する「パソコン」は彼が整備している。

  • あみ
面倒見の良い女の子。主人公に戦略のアドバイスをしてくれる。
デッキ名がすごく……エロいです……。

  • ゆういち
あみのいとこ。小学1年で、クラマクラブ最年少。

  • こまい
クラマクラブのチャンピオン。「ポリゴマ」の使い手。クラマクラブで遊ぶ少年たちの中では年長者。

  • すぎやま
同年代のこまいに勝つために、お金をはたいて必殺の「サンダー」を手に入れたクラマクラブメンバー。

  • シロウ
ひろしのクラスメイトで、クラマクラブ8人目のメンバー。おとなしい性格で物事をあれこれ考えるのが得意。

  • としお
クラマの孫。何不自由なく育った為、ワガママな性格になってしまった。
ジュン・トトリデ・ナルシーという3人の仲間と組んだ不良集団「ジョーカーズ」を率い、ひろしたちの前に立ちはだかる。

  • 門マサル
本作の真の主人公。
……ではなくゲーム中、度々視聴することになるアニメ『カードヒーロー』の主人公。背水の逆転劇。
「バトルでケリつけるぜ!」

  • デロデーロ
本作のラスボス
……ではなく劇中劇『カードヒーロー』に登場するマサルの宿敵で、悪の組織『デロデロ団』のボス。



ルール

本作が戦闘に使うフィールドは10マス(それぞれのプレイヤーを模した『マスター』の固定に1マスずつ、残りは『モンスター』キャラクター設置のための2×2マスずつ)しかない。

図で表すと
◆=マスター
□=モンスター

□ □
□◆□
□◆□
□ □

となる。
デッキも最大で30枚のカードで構成されるなど、非常にコンパクトな構成になっている。


一見すると寂しげな印象を受けるが、実際にプレイしてみると思いがけない戦略の幅に驚かされる。これはキャラクターによって攻撃できる場所が限られていることによるもので、プレイヤーは前衛モンスターと後衛モンスターを巧みに使い分け、相手の攻撃を避けつつ敵側の陣営を崩すなどといった臨機応変な選択眼が要求される。
大まかなルールとしては
「ターン開始時にストーンに3つ配られる。モンスターの召喚コストは全てストーン1つ。マジックカード*1を使う際にはカードごとにストーンを支払い、モンスターの特技にはストーンを支払う必要がある場合もある。」
「召喚されたばかりのレベル1モンスターの攻撃力はほとんどが2P(パワー)。敵モンスターを倒してレベルアップ(モンスターが敵を倒した際には手持ちのストーンをそのモンスターに与える事でレベルアップさせる権利を得る。権利を使わずにレベルアップさせないorストーンが無くて出来ない場合でもレベルアップ権の持ち越しは出来ない。またレベルアップ後の最大HPまでモンスターのHPを全回復させる。なおレベル2以上のモンスターを倒した場合はそのレベルの数だけレベルアップ権を得る。)する事でほとんどのモンスターは攻撃力が上がる。」
「倒されたら負けのマスターは2P軽減する効果のシールドに常に守られているため、3P以上の攻撃でなければダメージを与えられない。なのでほとんどのレベル1モンスター(当然例外もあるが召喚された直後にマスターにダメージを与えられるモンスターは何かしらのデメリットを持たされている。)ではマスターを攻撃する事はできない。」
「マスターがHPを減らされた際はその数だけストーンが手持ちに入る。モンスターが倒された場合は召喚時及びレベルアップ時に与えたストーンは手持ちに戻ってくる。」
よって「敵モンスターを倒してレベルアップさせたモンスターで敵マスターを攻撃してHPを0にする」のが最も基本的な勝ち方*2となり、
少し踏み込むなら「敵のマスターを攻撃出来るモンスターをいかに作り出し、それを敵に倒されないようにしていくか。」という戦術のゲームとなる。まぁ、詳しいルールはゲームをプレイすればおk。

欠点といえばCPUの思考時間が非常に長いことだろうが、その分、思考レベルは高いので初心者から上級者まで、なかなか手応えがあるバトルが楽しめる。
また、GB版のカートリッジはポケモン金銀と同様に内蔵時計を持っているため、バックアップ用電池の消耗が早い。そのため、中古で出回っている殆どはバックアップ用電池が消耗している可能性が高い。



負けて挫けそうになる君へ、マサルとデロデーロからのアドバイスだ

「勝利への道しるべ 秘伝!五つの指標」

一つ、行動する前に結果を想像しろ。
二つ、目先のダメージより先の為のレベルアップ。
三つ、相手をレベルアップさせるな。攻撃を諦め気合いだめをする方が良い時もある。
四つ、最後まで諦めず生き延びる手段を探せ。
五つ、敗北は次の勝利へのヒントである。相手の手を盗め。



続編・派生作品

■ カードヒーロー・トレーディングカードゲーム

GB版と同時に発売した、GB版のルールをそのまま再現した紙のTCG。
GB版のパッケージ版には、これのプロモーションカードが付属していた。
あまり売れなかったようで、僅か1年で展開が終了している。


■ 高速カードバトル カードヒーロー

2007年にDSで発売。

最大の目玉は、新ルールの「スピードバトル」が追加されたこと。
通常バトルの簡易版といった内容だが、これはこれで独自の戦略があって面白い。
また誤解されがちだが、いつものルールもちゃんと遊べる

カードは、新カードの追加はもちろんのこと、既存のカードも(名前や絵柄の変更はあるものの)基本的に踏襲されている。
CPUの思考時間も快適になっているので、今から遊ぶならこちらだろうか。

ただし、カードバランスもほぼそのままなことには批判もある。
強いカードは相変わらず強く、弱いカードは弱いまま。ヤミーェ…。

なおゲームの最後には、意外な人との対決が待っている。


■ カードヒーロー スピードバトルカスタム

2009年にDSiウェアで配信。

高速〜から、スピードバトルだけを抜き出したもの。
特にストーリーは無く、ひたすら対戦するだけ。

ただし
  • 全体的なカードバランスの調整
  • 日替わりバトル、ドラフトバトルの追加
など、ただの手抜き移植ではなく、単体で遊べるようにきちんと作り込まれている。

シリーズファンなら是非プレイしてもらいたい。


ファイアーエムブレム0

2015年から2020年まで展開されていたTCG。
カードヒーローシリーズと同じく、開発元:インテリジェントシステムズ、発売元:任天堂で作られており、ルールに類似性が多く見られる。
カードヒーローシリーズと比較してゲームバランスや拡張性が大きく見直されているほか、紙のTCGとして展開するにあたっての分かりやすさ*3も重視されている。
その甲斐もあり、5年半にわたる展開終了まで禁止カード・制限カードが一切制定されなかったという驚くべきゲームバランスの良さを保っている。
現在は展開が終了しており、カードの入手が難しいが、カードヒーローシリーズのファンなら一度は触れてもらいたい。


大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL

過去に任天堂がリリースしてきたゲームのキャラクターがスピリットとして大量に収録されているため、『カードヒーロー』のキャラクターももちろん収録されている。
…のだが、DSで出た『高速カードバトル カードヒーロー』のキャラクターしか収録されておらず、初代のキャラクターは影も形もない。そんなあ。



余談

作中作『カードヒーロー』のOPも兼ねたOPの出来が非常に良く、主題歌のかっこよさは異常。
是非見てみよう!


アニメ『カードヒーロー』主題歌
Card Hero MASARU(カードヒーロー マサル)』

作曲:おおくぼさん
作詞:さかもとくん
うた:ふるたくん(予定)




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最終更新:2025年04月19日 16:09

*1 ストーンと手札が許せば1ターンで何度でも撃てる。

*2 デッキ切れは敗北条件ではなく、お互いのデッキ切れ時には残りHPで判定。

*3 過去に発売された「カードヒーロー・トレーディングカードゲーム」では、デジタルゲームのルールをそのまま紙のTCGで再現しようとしたため、マーカーが非常に多く複雑で面倒になってしまっていた