マイケル・キスク

登録日:2018/04/02 (月曜日) 11:56:45
更新日:2018/04/09 Mon 20:19:55
所要時間:約 10 分で読めます




Eagle fly free♪

マイケル・キスクとはドイツ、ハンブルグ出身のボーカリストである。
メロディックスピードメタルバンドHelloweenの元ボーカリストとして有名。

概要

1968年1月24日にハンブルグにて誕生。

1986年にカイ・ハンセンに代わるボーカリストを探していたHelloweenのヴァイキーに声をかけられたが、キスク本人は
エルヴィス・プレスリーなどのロックンロール、ロカビリーといった方向性の音楽を好んでいたため、はっきりとした返事を返すことはなかった。

その後しばらく目指す方向性の違いからバンドに参加するか迷っていたキスクだが、一度リハーサルでHelloweenの演奏を聞き、
バンドに参加することを決定した。

実はこの時までIll proohecyと言うバンドに所属していたがライブ経験はなかった。ヴァイキーよく見つけてきたな・・・。

バンド加入後「Keeper of the seven keys part1」(放題:守護神伝 第一章)のレコーディングに参加し、圧倒的な歌唱力を発揮する。
1987年の3月に西ドイツツアーを敢行。これがキスクの初ステージとなる。

1988年には前作の続編となり後のメタル史に名盤として名を遺す「keeper of the seven keys part2」(放題:守護神伝 第二章)をリリース。
Helloweenの代表曲となるEagle fly freeでキスクはメタルボーカリストとして代表的な存在となる。
バンド加入時は18歳、Eagle fly freeを歌っていたのが19歳という若さでスターダムを一気に駆け上がって行った。

が、この栄光も長くは続かなかった。
ライブや当時のレーベルの待遇、体調不良から「keeper of the seven keys part2」のレコーディング中にカイが脱退したい旨をメンバーに伝え、
ツアー終了後脱退。それからというものバンド内での発言力がキスクに渡るとその後リリースされた「Pink bubbles go ape」、「Chameleon」では
従来のメロディアスかつスピーディーな曲調は鳴りを潜めコミカルでポップな作品となってしまう。
マイケルキスク名義でリリースしたなら分かるが、従来のHelloweenの音楽性を求めていたファンからはかなり酷評であった。
(別に作品が悪いわけではない。メタル要素を求めていないなら十分いい作品)

その後、メンバーとの確執も高まり何かとバンドのバランスが不安定になっていた頃、ギタリストのヴァイキーから衝撃的なアナウンスがされることになる。

「あのエルヴィス野郎を解雇した」

メンバー間の不仲、そしてそれぞれの方向性の違いにより、ついにキスクを解雇することになったのである。
ファンは愕然としたが、Helloweenから抜けてしまうがまた違うバンドでまたヘヴィメタルをやってくれるだろうと多くのファンは信じていた。

しかし、前述のヴァイキーの発言を上回る衝撃的な発言がキスクの口から飛び出すことになる。



「ヘヴィメタルなんて大嫌いだ!」


「もう二度と歌いたくない!!」


元々メタル以外の音楽を志していたキスクにとって自身を取り巻く環境がすでに限界で、メタルまでを嫌うのには十分すぎる理由だった。

Helloweenを脱退後は自身の名義でメタル色がほぼないAOR寄りな作品をリリースしていった。
一応、数曲はメタル寄りな曲があったり、カイの所属するGammarayにゲスト参加していたが、本格的にメタル界に戻ることはなかった。
彼はそれでよかったのかもしれないが、ファンは二度と彼の歌うHelloweenの曲を聴くことが出来ないのかと悲しみに暮れた。






それから時は過ぎ、すっかりキスクがメタルの世界から忘れられていたころ、現代のジャーマンメタル筆頭バンドであるEDGUYのボーカリスト、トビアス・サメットが考案したメタル界のスターを集めたメタルプロジェクトAvantasiaの中に「アーニー」というボーカリストがいた。アーニーが歌った曲を聴くとそこには懐かしい力強いハイトーンボイスがあった。
そう、このアーニーがキスク本人なのである。
トビアス・サメットの熱いオファーの末、キスクが参加することになったのである。

これを切欠にEDGUYの楽曲にゲスト参加、Place vendomeでの参加と少しづつメタルシーンに復活し始めた。
2012年にはUnisonicをカイと共に結成。キスクがカイと再びメタルをやると彼のファンは大いに喜んだ。Unisonicのライブではバンドの曲はもちろんのことHelloween時代のI want outやmarch of timeも披露された。

そして2013年のAvantasiaツアーで、バックステージにいたキスクはここである人物とばったり会うことになる。
その人物とは当日同じステージにHelloweenとして参加していたヴァイキーだった。そしてヴァイキーからこのような言葉が発せられる。

「なぁ、お前が俺の許せないところってなんだよ?」

するとキスクは

「僕はもうずっと前から許しているよ」

後にキスクはこの時の件について「時間とかいろんな要素が働いて、それまでずっとあったわだかまりが消えていたことに気が付いたんだ。
なんだか凄くいい感じだった」と発言している。

この瞬間、約20年前から続いた確執がついに解消されたのだ。

このころから周りの動きとしてにわかにキスクのHelloween復帰という動きが見え始めた。

そしてついに2017年にキスクは1年限定という期限付きだが、Helloweenに電撃復帰しワールドツアーに参加することが決定し、古くからのファンは20数年ぶりにHelloweenとしての彼の歌声を聴くことが出来た。

特徴

彼の歌声の特徴といえばやはりハイトーンボイスであろう。彼以前にももちろんメタル界にはハイトーンボイスを駆使したボーカリストは存在していたが
彼はその中でも声の伸びが凄まじい。また攻撃的ハイトーンボイスなボーカリストが多い中(例としては大英帝国の猿ことブルース・ディッキンソンや
ロブ・ハルフォードなど)彼の声はどちらかというと優しめな声で、それでありながら力強い声である。
またビブラートも多様し、このハイトーンボイス+ビブラートはメロディックスピードメタル界の雛形となっている。

高音域によく注目されるが、本来の彼の声はどちらかというと低めでそれを活かした楽曲も存在する。そちらも素晴らしい出来なので
ハイトーンボイス好きな方も一聴してみてはどうだろうか。(windmillという曲などがおすすめ)

余談

  • 若かりし頃の彼はブロンドのロングヘアーのイケメンであったが、時は残酷なもので今はスキンヘッドである。このことについて彼は「昔はプレスリーを目指してたけど今はすっかりロブ・ハルフォードみたいになっちゃった」と話している。
  • 声の劣化が激しいメタル界では珍しくあまり声が劣化していない(神は彼から髪の毛を奪ったが声は残してくれた)とはいえやはり全盛期の頃の曲をキーを変えず歌うには辛いらしく原音キーで歌っているときの表情はまさに全力を込めて歌っているように見える。(全力になると顔が真っ赤になり、男梅みたいに見える)
  • 雑誌などでは「マイケル・キスク」とされているが本国の発音的には「ミヒャエル・キスケ」の方が近い。
  • 期間限定の復活ということになっているが、インタビューでは「ツアーが終わって暇になったらレコーディングもするかも」という発言をしている。彼が参加するHelloweenの新曲を期待して待とう。

僕は君が追記修正することを許すよ

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