ドイツ語

登録日:2009/09/18(金) 20:23:40
更新日:2019/07/04 Thu 15:40:40
所要時間:約 7 分で読めます





食らえ!必殺!


クーゲルシュライバーッッッ!!!


ドイツ語とは、主にドイツ、およびその周辺で使用される言語。書いてある通りに読む、とよく言われる。

使用する文字はアルファベットに加えて、ウムラオトと呼ばれる変母音(a、o、uの上に‥がついたもの)と
エス・ツェット(ギリシア文字のβに似た文字で発音はs)がある。
ちなみにパソコンの使用などでウムラウトが出せない場合はa、o、uの後にeをつけて、エス・ツェットが出ない場合はssで代用する。
エス・ツェットは小文字扱いで大文字のエス・ツェットを使うことはまれ。
また、スイスドイツ語においては、ウムラウトおよびエス・ツェットの表記には代用形(ae, oe, ue, ss)のほうを用い、固有文字は使用されない。

+ドイツ語アルファベットの読み方
A:アー B:ベー C:ツェー D:デー E:エー
F:エフ G:ゲー H:ハー I:イー J:ヨット
K:カー L:エル*1 M:エム N:エヌ O:オー
P:ペー Q:クゥー R:エル*2 S:エス T:テー
U:ウー V:ファウ W:ヴェー X:イクス Y:イュプシロン
Z:ツェット Ä, Ae:アー・ウムラウト*3 Ö, Oe:オー・ウムラウト*4 Ü, Ue:ウー・ウムラウト*5 ß, ss:エス・ツェット*6

原則はローマ字読みと同じだが、eiはアイ、ieはイー、euはオイなど若干違うところもある。あとrはやたら舌を巻く。
よく例として挙げられるのはEinstein(アインシュタイン)。エインステインとは読まない。
しかし一部例外があるとはいえ、規則性があってないような英語とは違い、発音の規則さえ覚えてしまえば、たとえ単語の意味がわからなくても読むことはできる。
結局のところ規則に従ってローマ字風に読んでさえいれば、我々日本人が曖昧な日本語も理解できるように、向こうの人も理解してくれる。
拙くても頑張って話そうとする健気な幼女姿勢を見せる者に対しては人はわりかし寛大に接するものである。
英語のthに相当する発音が無いのも日本人にはありがたい。
他にもj,s,v,w,zも英語と発音が違い、それぞれ英語のy,z,f,v,tsに相当する。例えばJapan(日本)は"ヤーパン"と発音する。

ドイツの代表的な自動車メーカーVolkswagenは"フォルクスヴァーゲン"と読む。この綴りを英語で読めば"ヴォルクスワーゲン"となる。
ところが、日本語での正式名称(カタカナ表記および読み)はなぜか独英混ぜこぜの"フォルクスワーゲン"とされている。
……つまるところ、これは日本語にはvの音が存在しないことへの配慮である。要はリヒャルト・ワーグナーが実際にはヴァーグナーなのと同じ事情。

あとhのみ、無音である。無音といってもまったく発音しないわけでもないのだが、普通は直前の母音を伸ばすと考えて相違ない。
ウムラウトの発音については、文字通りというか、aeなら口を「あ」の形にして「エ」と発音すると近い音が出る。oe、ueについても同じ要領で発音する。
他にも多数細かい読み方はあるが割愛する。


もともとドイツ語と英語は共通の祖語を持つ言語で、両者は2000年ほど前に分化したと言われている。
そのため英語と共通の語源を持つ語彙が多く、同じ綴りでほとんど同じ意味の単語が多い。
また、綴りが違う語でも、発音に類似性があったり一部の文字に置換があったりする程度で、部分的な一致となるとさらに多くの単語が該当する。

+【綴りが同じor類似する単語の一例(独/英)】
  • 私 → ich(イヒ) / I
  • ~です(三人称単数) → ist(イスト) / is
  • ~でない(否定) → nicht(ニヒト) / not
  • 持っている → haben(ハーベン) / have
  • 感謝する → danken(ダンケン) / thank
  • すべて(の) → all(アル) / all
  • 正常な, 普通の → normal(ノルマル) / normal
  • 良い、好ましい → gut(グート) / good
  • 朝 → Morgen(モルゲン) / morning
  • 夜 → Nacht(ナハト) / night ※Guten Morgen, Gute Nachtで、それぞれ「おはよう」,「おやすみ」(good morning[night])の意
  • 時計、時刻、~時 → Uhr(ウーァ) / hour ※hourに「時計」の意はなく、対応する語としてはclock, o'clockのほうが近い。
  • 光 → Licht(リヒト) / light
  • 家, 家庭 → Haus(ハオス), Heim(ハイム) / house, home
  • 兄 → der (aeltere[grosser]) Bruder(ブルーダァ) / (elder[big]) brother
  • 妹 → die (juengere[kleine]) Schwester(シュヴェスター) / (younger[little]) sister
  • 友達 → Freund(フロイント), Freundin(フロインディン) / friend ※freundlichで親切な(friendly)。
  • 虎 → Tiger(ティーガー) / tiger
  • 猫 → Katze(カッツェ) / cat
  • 男 → Mann, Maenner(マン, メンナー) / man, men
  • 神経 → Nerv(ネルフ) / nerve
  • 意志(力) → Wille(ヴィレ) / will
  • 胸 → Brust(ブルスト) / breast
  • 足 → Fuss(フス) / foot
  • サッカー → Fussball(フスバル) / football ※米語ではsoccer
  • 人形 → Puppe(プッペ) / puppet
  • 劇場 → Theater(テアータァ) / theater
  • オペラ → Oper(オーパァ) / opera ※(オペラ)作品はOpus(オーパス)
  • 演奏会 → Konzert(コンツェルト) / concert
  • 音楽 → Musik(ムジーク) / music
  • 本 → Buch(ブーフ) / Book
  • 命題, 論文 → These(テーゼ) / thesis
  • 器官, 機構 → Organ(オルガン) / organ
  • 石 → Stein(シュタイン) / stone
  • 星 → Stern(シュテルン) / star
  • 塩 → Salz(ザルツ) / salt ※オーストリアの都市Salzburg(ザルツブルク)の直訳は「塩の砦(城)」
  • 火, 炎 → Feuer(フォイア), Flamme(フランメ) / fire, flame
  • 風 → Wind(ヴィント) / wind
  • 水 → Wasser(ヴァッサー) / water
  • 氷 → Eis(アイス) / ice
  • 米 → Reis(ライス) / rice
  • 白(い) → Weiss(ヴァイス) / white
  • 赤(い) → Rot(ロート) / red
  • ワイン → Wein(ヴァイン) / wine
  • ウィーン(オーストリアの首都) → Wien(ヴィーン) / Vienna
  • 牛乳 → Milch(ミルヒ) / milk
  • お茶 → Tee(テー) / tea
  • コーヒー → Kaffee(カフェ) / coffee
  • オレンジ → Orange(オラーンジェ) / orange
  • 貯え, 予備 → Reserve(レゼルヴ) / reserve
  • 王 → Koenig(ケーニヒ) / king ※女王はKoenigin(ケーニヒン)
  • 西 → West(ヴェスト), Westen(ヴェステン) / west
  • 北 → Nord(ノルト), Norden(ノルデン) / north
  • 中国 → China(ヒーナ, キーナ) / China
  • スウェーデン → Schweden(シュヴェーデン) / Sweden
  • 世界 → Welt(ヴェルト) / world ※Weltall(ヴェルタル)で「宇宙」の意


ドイツ語の面倒なところには、「名詞の性別」と「不定動詞」にある。
とはいっても不定動詞は基本的に規則変化であるため、それを覚えてしまえば楽だが名詞の性別は地雷もあったりする。

例えば父親(Vater)は男性名詞
母親(Mutter)は女性名詞
子供(Kind)は中性名詞
とこのあたりはまあわかるが、

学校少女牛乳。これらの性別はどうだろう。


中性中性なのだが。

ちなみに名詞の性別に対して不定冠詞(ein~、eine~)や定冠詞(der~、die~、das~)を格ごとに(~が、~の、~に、~を)使い分ける必要がある。
とは言うが辞書で調べればわかるのでそれでついでに覚える、という根気があればドイツ語はパーツの構成を覚えるだけなのでそのあたりはわかりやすい。

ここまで読んだ時点で気づいた勘のいいアニヲタ諸君もおられるかも知れないが、ドイツ語においては名詞の最初の文字は必ず大文字にする習慣がある。
知らない単語だとしても、その単語が名詞かどうかは文頭に置かれていなければ容易に判別できる。
ついでに言えば、"冠詞"+"なんちゃら"+"名詞"……という形の場合、"なんちゃら"は形容詞だろうとおおよその見当をつけることもできる。
そしてさらに言えば、通常小文字で書く形容詞の語頭を大文字にすると名詞化が起こる。(英語で言う「the+形容詞」のようなもの。)
例えば、gutは「良い」だが、Gutは「良いこと(もの・人)」となる。

初学者にとっては面倒なことこの上ないが、ドイツ語には英語では廃れてしまった格変化が残っているため語順の制約が英語よりも緩い。
つまり、冠詞の格変化の形を見れば、語順に頼らずとも文の要素(いわゆるSVOCMと呼ばれているやつ)の判別が可能だということ。(多少語順を変えても文意が通る。)

後は成立の歴史上方言の差が激しいので習ったところと違うところでは通じないことがよくある。



…と、ドイツ語の文法その他を抜きにして、ドイツ語は多く中二病患者やゲームの登場物の名称に好かれる傾向にある。
なぜかと言われれば(おそらく)発音が無駄にかっこいいからである。

数字を数えるだけでも

null(ヌル、0)
eins(アインス,アインツ[慣]、1)
zwei(ツヴァイ、2)
drei(ドライ、3)
vier(フィーア、4)
fuenf(フュンフ,フンフ[慣]、5)
sechs(ゼクス、6)
sieben(ズィーベン、7)
acht(アハト、8)
neun(ノイン、9)
zehn(ツェーン、10)
elf(エルフ、11)
zwoelf(ツヴェルフ、12)
dreizehn(ドライツェーン、13)

sechzehn(ゼヒツェーン、16) ※16と17は形が崩れる
siebzehn(ズィープツェーン、17) ※語末or子音の前にある「b」の音は「p」

zwanzig(ツヴァンツィヒ、20)
dreissig(ドライスィヒ、30) ※30だけzがss(エス・ツェット)になって~ssigになる

sechzig(ゼヒツィヒ、60)
siebzig(ズィープツィヒ、70)

と発音する。

21以上99以下の(10で割りきれない)数字は、und(英語のandに相当。)をつけて表記・発音する。このとき一の位を先に言う。
仮に23ならdreiundzwanzig(ドライウントツヴァンツィヒ)と読む。要するに「3と20」という表記法。20をnullundzwanzigなどとは読まない。
(数詞に限った話ではないが)ドイツ語では一つの単語であることを示すためにスペースを空けずにくっつけて書く。おかげで長くなると読みづらい。
100はhundert(フンデルト)と読み、200はzweihundert(ツヴァイフンデルト)。
……だが、101はeinundhundertではなくhunderteinsとする。前後がごちゃごちゃして混乱しやすい。
いくつか野暮ったい例を挙げると、zweihundertzweiundzwanzigは222、dreihundertfuenfundsechzigは365である。アラビア数字ならたった3文字で済むのに。

1000はtausend(タウゼント)。1万は英語と似た表記で、zehntausend(ツェーンタウゼント、つまり10千)と書く。同様に10万はhunderttausend(100千)。
一方、100万はeine Million(英語っぽく書けば a million)となり、200万は複数形でzwei Millionenとなる。
例えば、200万ユーロは、英語ではtwo million eurosだが、ドイツ語ではzwei Millionen Euroとなる点が対照的。
なおEuroはドイツ語ではオイロと読む。Europa(欧州)もオイローパ。どうでもいいが、地域名のオイローパは中性名詞だが、女神オイローパは女性名詞。
10億(1000百万)はeine Milliarde、1兆(1000十億)はeine Billion。ちなみにMillion、Milliarde、Billionはいずれも女性名詞である。

序数(第nの~、n番目の~)は、原則、特定の語尾(19までは-t、20以上は-st)をつけるだけという比較的シンプルなもの。
例外は1のerst、3のdritt、8のacht(語形変化なし)の3つで英語よりは少ない。あとは7をsiebentとせずにsiebtと簡略化するケースがあるくらい。
ただし、建物の階数の数え方はアメリカ方式ではなくイギリス(欧州)方式なので注意が必要。
日本語で言う「1階」は「das Erdegeshoss(the ground floor)」で、「2階」が「der[das] erste Stock[werk](the first floor)」。
倍数を表す際には-fachを、反復数(回数)を表す際には-mal(付加語の場合は-malig)をつける。

西暦の記述は、1099年以前と2000~2099年は普通に数字として読めばおk。
1100~1999まで(と2100~2999年まで)は桁を2つに区切って間にhundertを入れる。1Q984年ならneunzehnhundertvierundachtzig(19*100+4+80)と書き、読む。
幸い、我々アニヲタが生きる時代の表記・読みは比較的易しい。世紀を前後にまたぐと一気に面倒になるが。
今年(2019年)は、zweitausendneunzehn(ツヴァイタウゼントノインツェーン)、2000と19。

それから、ドイツ語圏では、小数点に,(カンマ)を使い、桁の区切りに.(ピリオド)を使う(日本と逆になっている)ため、少々戸惑うかも知れない。
区切る桁数は上記の記数法を見てもわかるように3桁ずつ。(例: 1.234.567.890 Euro、円周率は3,14)

数詞に関してはフランス語ほどではないが英語よりもややこしい部類。

ちなみに上記の5(fuenf)のueや、12(zwoelf)のoeは正確にはウムラオトである。
またこの記事の冒頭のセリフ「クーゲルシュライバー」もなかなか格好いいように感じるが、


要はボールペンである


ほかの単語も格好よく

分度器→ヴィンケルメッサー
セブンイレブン→ズィーベンエルフ
007→ヌルヌルズィーベン
下痢→ドルフファーレン
騎士→リッテル
豚→シュヴァイン
豚の塩漬け→アイスヴァイン
マンモス→マムート
→ボーゲン
メイス→シュトライコルベン
ナイフ→メッサー
鳩→タウベ
タマネギ→ツヴィーベル

「豚」ですらコレである


他にも黒い森という地名もSchwarzwald(シュヴァルツヴァルト)となり、
かの有名なブリッジストーンをそのままドイツ語にはめると、Brueckestein(ブリュックシュタイン)となる。

尤も全部の単語がそうではなく、
→ギフト、死→トート、鮫→ハイ、など日常で使う単語と変わらないような響きのものも結構ある。

他には医療用語はカルテやケロイドなどドイツ語が多い。理由は医療が発達したのがドイツ中心であったため。

後、「風邪」=流行性感冒,発熱性消耗性疾患を日本語ではかなり文字数を食うが、ドイツ語では比較的楽だからというのもある。

また、アルバイトという言葉もドイツ語である。主な意味は労働、副業、内職などで英語のwork(ing)に近い。カタカナのアルバイトよりも広い意味で用いられる。
それからスキージャンプの用語であるK点のKはドイツ語の極限点の頭文字である。

あとどうでもいいがヨーロッパの国では6をセックスと発音するところもある。ニヤニヤするのは日本人と英語圏だろうか。
(もっとも、我々の意味するところのSEXと英語でのそれは、主とするところが異なるが……)

更にどうでもいいがガンダムのジオン公国でも使われている。

リック・ドムⅡ(リック・ドム ツヴァイ)
ドムフュンフ
ノイエ・ジール
等々

他に連邦軍のジムはゲムと発音する(偽装ジムのゲム・カモフや鹵獲ジムのゲファンゲナー・ゲム等)。これはドイツ語にはザ行に当たる発音がないため。




ただ
ザクⅡはザクツーである。
公国も最初は大日本帝国がモデルだったが、いつの間にか(あの人のキャラのせいで)ナチス・ドイツにすりかわった名残だろう。

Wのゼクスもドイツの6からきている。

一方ガンダムSEEDにおいても、MSの武器の名前にドイツ語が頻繁に使われている。

00ではCBの外部組織のMSにドイツ語の名前がついている。

銀河英雄伝説における銀河帝国の公用語も、ドイツ語に近いものとなっている。(但し遠い未来の為、現代と微妙に差異がある)
例:黒色槍騎兵=シュワルツ・ランツェンレイター


◆ドイツ語が使用されている国々 ※()内はそれぞれの国名のドイツ語表記と読み
 ドイツ連邦共和国 (Bundesrepublik Deutschland, ブンデスリパブリーク ドイチュラント)
 オーストリア共和国 (Republik Österreich, リパブリーク エスタライヒ)
 スイス連邦 (Schweizerische Eidgenossenschaft, シュヴァイツェリシェ アイトゲノッセンシャフト 通称: die Schweiz)
 リヒテンシュタイン公国 (Fürstentum Liechtenstein, フュルステントゥム リーヒテンシュタイン)
 オランダ王国 (Königreich der Niederlande, ケーニヒライヒ デア ニーダーランデ 通称(海外領土を除く本土): die Niederlande)
 ベルギー王国 (Königreich Belgien, ケーニヒライヒ ベルギエン)
 ルクセンブルク大公国 (Großherzogtum Luxemburg, グロースヘルツォークトゥム ルクセンブルク)

 その他各国のドイツ人コミュニティー(東欧、北欧、ロシア、アメリカ、イタリア北部など)




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