空中要塞グレイプニル(ACE COMBAT X Skies of Deception)

登録日:2012/07/10(火) 12:48:53
更新日:2024/03/23 Sat 01:17:26
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――レーダーに反応!、何かが高速で接近中…ミサイルです!

何?、何処だ?、何処だってんだよ、答えろよこの、ユジーン!

ブナ平原付近です!、ミサイルはそこから…


…『グレイプニル?!』


―オーブリー岬での通信記録より―





空中要塞グレイプニルとはフライトアクションシューティング『ACE COMBAT X Skies of Deception』に登場する超大型戦略飛行艇である


▽目次

概要

今作に登場する国家の一つレサス民主共和国が開発した、同国の技術の結晶でありレサス軍の象徴でもある超大型戦略飛行艇。
更には総司令官ディエゴが裏で率いる軍産複合体の広告塔と言う面も兼ねている。

名前の由来は北欧神話に登場する、魔狼フェンリルを縛り付ける為にドワーフ達が作り上げた魔法の紐から。



機体解説

多数のエンジンを一体化した高翼配置の巨大な主翼と水平尾翼上に4枚もの垂直尾翼を持つ機体であり、真っ黒に塗られた外見も相まって見た目の威圧感はかなりのもの。

搭載する武装も本機の象徴である長距離衝撃波弾道ミサイル――通称『S.W.B.M』による遠距離空域制圧や機体下部に設置された衝撃波砲『ショックカノン』による強烈かつ広域な対地爆撃能力を有する他、光学迷彩システムを始めとしたステルス能力によってこんな巨体でありながらもレーダーによる探知は勿論、肉眼による確認すら困難という非常に高度な隠密性を持つ*1

この様に機体は迷彩機構で覆われていて、コックピットも外からは確認出来ない。
更に機動性に関しては見た目の通り鈍重だが安定性は意外な程に高く、短時間だけならコブラもどきや挙げ句には背面飛行だって出来る。

勿論やろうもんなら千数百人は居るとされる乗組員の皆さんが大変な事になるのは想像に難くないが。


主な武装

  • S.W.B.M(Shock Wave Ballistic Missile)
本機の象徴たる武装。

特殊な燃料気化爆弾を弾頭とする弾道ミサイルであり、弾頭の燃料気化爆弾は燃料が水平方向に広く拡散する様に指向性を持たせられている。

グレイプニル背面に備わるミサイルサイロから発射されたS.W.B.Mは数十秒から数分の飛翔の後に指定座標及び高度で炸裂し、大気を瞬間的に熱膨張させる事で発生する衝撃波で数十キロという非常に広範囲にわたり大抵の航空機をその圧力で木っ端微塵にしてしまう。

一方、空域制圧を目的として開発された為に大気の密度や温度の関係上、地表付近では威力が大幅に減退してしまう弱点がある。
この為、極低空や山間部や渓谷等、燃料や衝撃波の拡散を邪魔する障害物が多い環境下の目標に対しては役立たず同然であり、劇中でオーブリー岬でグリフィス隊を狙った一撃も偶然グリフィス1が咄嗟に低空へ逃れた事で、逆に上記の弱点がバレてしまうハメになった。
レサス側にとっては泣くに泣けない結果である。


  • ショックカノン(Shock Cannon)
S.W.B.Mと同様、燃料気化爆弾の原理を用いたグレイプニルの特殊武装。
グレイプニル腹部の円盤状の部分より指向性を付けて噴霧された燃料に円盤中心部に備えられた中間子ビーム砲で着火し、グレイプニルの下方に存在する目標にS.W.B.Mと同様の衝撃波を叩き付ける、言わば対地版な武装
勿論比較すると効果範囲では劣るが噴霧する燃料の種類や混合比を作戦に応じて変更する事が可能な点や、ある程度だが攻撃対象をピンポイントに絞れる点等では上である。

尚、着火用の中間子ビーム砲自体には兵器として使える程の出力はないが、それでも中間子ビームを生成する粒子加速器が莫大な電力を消費してしまう為、発射時には光学迷彩を一時的に解除する必要があるのがこっちの弱点。

またグレイプニル腹部に備わるという構造上、射界は機体の下方に限定される…のだが先述の戦闘機動を使えば一応前面や上空の敵機も攻撃は出来る

乗組員の安全?何それ美味しいの?



作中での活躍

2020年に南オーシア大陸で勃発したオーレリア戦争で初めて実戦投入されS.W.B.Mによる圧倒的な制圧能力と、姿無きそのプレッシャーはオーレリア軍の戦意を瞬く間に萎えさせるのには十分で、緒戦でのレサス軍の快進撃の原動力となった。

そして侵攻開始から一週間が経過しオーレリア領の大半を占領下に置いたレサス軍は、その仕上げとしてオーレリア北西部に唯一残ったオーレリア軍施設オーブリー空軍基地の空爆支援にグレイプニルを投入。
海を眺める片田舎の基地の制圧作戦程度に投入する戦力としてはオーバーキルにも程があったが、これには重要な広告塔であるグレイプニルの活躍を望んでいたディエゴを始めレサス軍上層部の意向があったと見られている。

空爆作戦は基地所属の航空隊により阻止されたものの、グレイプニルが発射したS.W.B.Mにより敵航空隊の掃討は成功裏に終了…しかし偶然にも一部のオーレリア軍機が撃墜を免れ、そこから一定高度以下を飛行する航空機や地上目標に対しては効果が無いというS.W.B.Mの弱点がオーレリア側に露呈する。

空爆作戦の終了後、グレイプニルはオーレリア南端に構築した補給拠点の一つであるターミナス島に後退。
そこからオーレリア中南部の渓谷地帯スタンド・キャニオンで立ち往生していた敵地上部隊に対してS.W.B.Mによる長距離攻撃を行うも、この攻撃はオーレリア軍の反攻作戦により中止せざるを得なくなる。

何時の時代の戦争もそうである様に、行き過ぎた快進撃はレサス軍に油断を生んだ。

伸びきって満足に前線に届かなくなった補給線、勝利を確信していたが故に緩んで落ちていた兵達の士気、そしてたった一人のパイロットの活躍によって勇気付けられ、再編されたオーレリア軍にレサス軍は各地の戦闘で敗北を重ね、グレイプニルも損傷を負いながらの後退を余儀なくされる。

オーブリー基地での戦闘以降はS.W.B.Mの解析も進み、その威光も陰りを見せていた事もあって勢いを増すオーレリア軍は今こそ決着を着けんと、グレイプニルが傷付いた羽を休めていた交通の要所サンタエルバへと進攻。

満足な修理や補給もままならぬまま再び飛び立ち、自身への損害も覚悟でS.W.B.Mやショックカノン等の武装を駆使し必死の抵抗を試みるもグリフィス1を始めとしたオーレリア軍の猛攻の前に全て沈黙させられ、致命傷を負ったグレイプニルはそのままサンタエルバの中心を流れるレナル河へ墜落し、付近一帯に響き渡る程の大爆発を上げて遂に撃墜

幸い墜落によるサンタエルバの被害は河川に墜落した事で奇跡的に極めて軽微であったが…一方のグレイプニルでは機長を含め千数百名もの乗組員は殆どが戦死*2

グレイプニルが墜落したレナル河には、その時のショックで折れた主翼がまるで彼等の墓標の様に虚しく佇むのだった。
しかしこれ程の大打撃を受けたにもかかわらず、総司令官ディエゴとその取り巻きの将校らが未だに余裕を見せるその理由とは…?







派生型

実は同型機が存在する。

  • ガンド
本作の前日談であるモバイル作品『ACE COMBAT Xi Skies of Incursion』に登場。

建造途中の試作機だったが、レサスのオーレリア侵攻に対して頑強に抵抗するファルコ隊への対抗策として実戦投入されたものの、同隊により敢なく撃墜された。





追記・修正はステルス起動中のグレイプニルに特攻した人がお願いします。

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最終更新:2024年03月23日 01:17

*1 ゲームではステルス起動中のグレイプニルがいる場所は空間が歪んでいるので、目を凝らせばすぐに分かるが

*2 あくまでも「殆ど」であり、後に生き残ったと思わしき搭乗員がこの時のことを証言している