フェンリル/ヴァナルガンド

登録日:2011/11/14 Mon 00:21:08
更新日:2020/05/06 Wed 23:46:19
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北欧神話に登場する怪物の一体。
別名フェンリスヴォルフ(沼に潜む狼)、フェンリル狼、フローズヴィトニル(悪評高き狼)。



ロキが巨人の女アンクルボザとの間にもうけた三匹の怪物の長兄。

ミッドガルドに捨てられた弟やニブルヘイムに追いやられた妹とは違い、最初は普通の狼となんら変わりがなかったのでアースガルドで放し飼いにされていた。
というか神々から餌を貰っていたらしい。何してんだお前ら。
ただし非常に凶暴で、彼に餌を与えられたのはムツゴr…軍神テュールだけだったとされる。

次第に成長していったヴァナルガンドはやがて火を吹くなどの怪物的な特徴を備えていき、さらにはラグナロクで災厄となると予言されたため神々はフェンリルを封印することを決める。

しかしすでにその力は凄まじいものとなっていた。
最初に用意したレージング、その二倍の強度を持つドローミの二本の鉄鎖をヴァナルガンドはいともたやすく引き千切った。

仕方なく、神々はドヴェルグに特性の縛り紐の製作を発注した。
そして完成したのが、猫の足音、女の顎鬚、山の根本、熊の腱、魚の吐息、鳥の唾液というどう考えても鎖なんか作れそうにない素材から作られた魔法の紐『グレイプニル(貪る者)』である。
この時材料に使ったので、この六つは世界に存在しなくなったとされる。


神々はこれを見せ、「もしこの縛めを破れないなら、脅威とも言えないので自由にしてやろう」と言った。
ヴァナルガンドは訝しみ、約束を守る保障として誰かが口の中に右手を入れるよう条件を出した。
そこでムツg…テュールが手を差し出すことになった。


グレイプニルが破れない、しかも約束も破られたことに気付いたヴァナルガンドは大暴れ。テュールの右手を噛み千切り、綱を止める杭をも壊そうとしたが、口の中に剣を突っ込まれ閉じることが出来なくなった。

この時開いたままの口から涎が溢れ出し、それはヴァン(希望)の川と呼ばれるようになった。
名前のヴァナルガンドは「ヴァン河の怪物」という意味で、これに由来する。


そして地中深く掘られた穴に突き落とされ、怪狼は封印された。
しかしラグナロクが訪れるとグレイプニルをも破り、開けば上顎が天に届くとも言われる大口でもって主神オーディンを飲み込む。

だが直後にオーディンの息子ヴィーザルによって踏んづけられたり顎から上下に裂かれたり心臓を貫かれたりして絶命する。



また、ミッドガルズの東、ヤルンヴィド(鉄の森)の巨人と交わり、スコル(高笑い)とハティ(憎しみ)の息子をなす
スコルはソル(太陽)を、ハティはマーニ(月)を追い続け、蝕はこの二匹が天体を飲み込むことで起こるとされた。



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