ザ★ウルトラマンタイタス

登録日:2019/08/24 Sat 23:11:27
更新日:2019/09/08 Sun 15:34:20
所要時間:約15分で読めます




ザ★ウルトラマンタイタス』とは『ウルトラマンタイガ』の本放送と合わせて配信される、『トライスクワッドボイスドラマ』の第5回~第7回のサブタイトルである。

タイトルは言うまでもなく『ザ☆ウルトラマン』のオマージュ。
そして☆が黒い理由はタイタスの体の色が黒い理由にまつわるエピソードだからと思われる。

文芸・演出:足木淳一郎


以下、ネタバレ注意

概要

ウルトラマンタイガにてそのキャラクター性から様々な方面で人気を博したウルトラマンタイタスの過去が明らかにされた回。
同時に「U40人(ウルトラ人)らしからぬ外見」「U40の8人の勇者でないにも関わらず巨大化出来る」等の、
かねてより考察が進んでいた彼の謎や秘密についても判明した話でもあり、前編・中編・後編という3部構成の非常にボリュームのある話となっている*1


話の流れ

切欠はタイガのとある疑問に対するささやかな一言だった。
それは「U40人は皆体が赤いのに何故タイタスは黒いのか」というものであった。
人の見た目を無遠慮に問い掛ける様にフーマは「デリカシーねぇなぁ」と呆れるが、肝心のタイタスは嫌がったりするような素振りは見せず、「長くなるぞ」とのみ前置きして自身の過去を話し始めた。

前編

それはまだタイタスがウルトラマンの名を冠する前のこと。
タイタスは訳あってU40の宇宙艦隊の高官ザミアスの下に引き取られ、彼の実子であるマティアと共に兄弟同然に育てられていた。
マティアはウルトラマンジョーニアスを始めとする勇者達に強く憧れており、いつかは自分も彼らの様に宇宙の平和を守る戦士になりたいと思っていた。
一方タイタスはそんなマティアの思いを知り、自身とも共に戦いたいという彼の声を何度も耳にしながらも、その思いに共感できずにいた。

そんな日々が続く中、遂に二人の戦士団入隊の日が訪れた。
会場である広場では前途有望な若き戦士候補達の誇りと決意に満ちた声に包まれていたが、
それはタイタスの迷いと葛藤――反逆者の血を引く自分が彼らと共に戦うことなど許されるのかという――をより大きくするばかりだった。

中編

タイタスが戦士団に入って少し経った頃、U40は大きな戦乱の渦に巻き込まれることになる。
嘗てウルトラ人の変身能力を捨て、不死身の体を手に入れて全宇宙の支配を目論んだ末にU40を追放された反逆者・ヘラーが軍団を率いて帰ってきたのだ。
ヘラー軍団によってU40は瞬く間に制圧され、軍隊は壊滅。
タイタスとマティアはそうして散り散りになった部隊の一つに入り、少数のレジスタンスとして、反抗の機会を伺っていた。

しかし、タイタスだけはその戦いの最中で一度たりとも超人体(=戦闘形態)に変身することは無かった。
戦う際のU40の教えに反する行動を部隊長のグリゴレウスに叱責されてしまうが、マティアによってその場は沈められた。
その後、グリゴレウスはU40に向かっているジョーニアスと地球の艦隊を援護するべく軍団の防空戦力を削る為に次の日の明朝パレナスオス山防空基地を叩くことを指示した。

その夜タイタスはマティアと共に星を眺めていた。
そしてその最中自身の出生について思いを巡らせていた。

それはヘラーがU40を追放されて暫くたってからの事。
彼らの本拠地である暗黒星雲の方角から赤子を詰めたカプセルが落下してきた。
そこに添えられていた差出人不明の文言には「子が親と同じ覇道を進む必要は無い」という内容であった。
その赤子は後にザミアスに引き取られたのだが、何を隠そうその赤子こそが後のタイタスその人である。
変身を拒んでいたのも、反逆者の息子という事実を否が応でも知らされるその姿を憂いたことや実の親と戦う、又は既に戦ったかもしれないことにやるせなさを感じていたからであった。
タイタスの「自分は何故戦うのか」という大きな疑問にマティアが答えることは無かった。

後編

遂に作戦が決行された。
しかし、レジスタンスの前にヘラー軍団の使役する合成獣キシアダーが立ち塞がった。
その口から放たれる熱線はグリゴレウスを一瞬で焼き殺した。

マティアを始めとした戦士達は一斉に超人体に変身し、光線技を浴びせるが、
数十メートルの巨体を持つキシアダーにその攻撃は全く効かず、逆にその火力の前にレジスタンスは全く歯が立たず、一人、また一人と命を散らしていく。
この状況においてもタイタスはその愚かしさを理解しながらも、変身出来ずにいた。

そんな中、キシアダーの大地を踏みしめる衝撃により、大量の岩と砂埃が散乱。
超人体のマティアはそれらからタイタスを庇い、砂塵の中に消えた。

それが晴れた時、タイタスの目に映ったのは元の姿に戻り、血塗れになったマティアの姿だった。
マティアは弱り切った姿とは正反対の力でタイタスの腕を握り、最後の力を振り絞ってこう言った。

何のために戦うか...そう言っていたよな


簡単な事なんだよ...それはな...


守るためだ...!


何でもいいんだ。弱い人だったり、自分の誇りだったり...


お前には、それが出来る力がある...あとは、それを外に出すだけだ...!


受け入れろ...タイタス...


お前の心は...お前だけの物だ...!

そう言い残し、マティアは息絶えた。

しかし、彼の言葉を受け取った時、タイタスの体には「熱い物」が走り、その中を暴れまわった。
後はそれを外に出すだけだった。


ウルトラチェンジ...!


涙をぬぐったタイタスは遂に変身。
その体はキシアダーと同じくらいにまで巨大化した。
このとき、タイタスは自らがスターシンボルもなしに巨大化できることを初めて知った。

漆黒に塗られた体は真紅のU40人とは違う、反逆者の血を引く者であることの純然たる証。
しかし、友の言葉を受けたタイタスにとってそれは恐れるに足りなかった。

受けてみろ! 友から託された拳を!!

キシアダーの熱線がタイタスの体に浴びせられる。
しかし、今の彼にとってそんなものは痛みの内にも入らない。
タイタスはキシアダーを渾身の力で何度も殴りつけ、最後は基地の建造物に投げつけた。


敵を討たせて貰う!!


そして、その光波熱線はキシアダーを焼き尽くした。

その後、タイタスは力の全てを使い果たし、気を失ってしまった。
彼が気を取り戻したとき、戦争はジョーニアスと地球人によってヘラーが討たれ、終結した後だった。

広場に響くジョーニアスへの歓声を見聞きした時、タイタスは思った。
――もっと鍛えれば、自分もなれるのだろうか。ウルトラマンと呼ばれる存在に。


なれるさ。お前なら...


マティアの声が聞こえた気がした...































そこまで話し終えた時、タイガもフーマも号泣していた。
タイガは「その時からタイタスはウルトラマンになったんだな」と納得したが、タイタス曰くウルトラマンとして認められるまでの道のりにはまだまだ先があるとのこと。
どうやら様々な試練を経て新たな勇者として認められ、スターシンボルを与えられたらしい。

すっかり気分が乗ってしまったタイタスによって、二人はこの先も彼の話を聞かされるのだった...



本作オリジナルキャラクター

マティア
CV:松村圭人
ウルトラマンタイタスの幼馴染。U40の宇宙艦隊の高官ザミアスの息子。
幼少期よりウルトラマンジョーニアスほかスターシンボルを持つ戦士たちに強く憧れを抱いており、戦士団に入ることを心待ちにしていた
タイタスの筋トレ癖は彼の影響によるもの。タイタスに比べると細めだが、それでもジョーニアス同様に人間体はそれなりにマッチョ。

ちなみに父のザミアスは『ザ☆ウルトラマン』第21話に登場するキャラクター。
偉い立場の人だが、アニメ的にはゲストキャラに過ぎなかった彼の間接的な掘り下げは視聴者からも驚かれた。
偉大で高潔な血を引き継いでいるという彼の立場もタイタスにとっては重要な意味を持っていたとも言える。

タイタスとマティアの友情と離別、そして覚醒には真船一雄先生の漫画「ウルトラマンSTORY 0」のオリジナルウルトラ戦士であるゴライアンとフレアを思わせる。
マティアと異なりフレアは軽めなキャラクターで、タイタスもゴライアンほど粗暴ではないものの、
このボイスドラマでフレアとの友情とその離別を経て覚醒するゴライアンとボイスドラマクライマックスのタイタスを重ね合わせた読者もいるはず。


グリゴレオス
CV:渡井奏斗
タイタスとマティアが所属するレジスタンス部隊の隊長。
ボイスドラマ初登場時は戦士団の教えに反し、過去3回の戦闘でウルトラチェンジしなかったタイタスを激しく叱責している(マティアがとりなしたためそれ以上は追及しなかったが)。
その際、「やはり貴様は…」と叫んでいたため、タイタスの出生については知っていた様子。
その後、防空戦力を削ぐために部隊を率いてヘラー軍団の基地に攻撃を仕掛けるが、合成獣キシアダーと遭遇。
戦闘指揮をしようとした際にキシアダーの熱線によって戦死する。


本作オリジナル怪獣

合成獣キシアダー
ヘラー軍団が使役する怪獣。見た目は王道の二足歩行な肉食恐竜スタイル。
肩書の「合成獣」は同じヘラー軍団の怪獣ヘラ・ウマーヤと同じ肩書である。

100mクラスが普通にいるヘラー軍団の怪獣としてはタイタスの目測で数十メートルとそこそこの大きさだが、
巨大化できないU40人にとっては脅威にかわりはなく、口から吐く熱線などで一方的に蹂躙している。


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