ものべの

登録日:2020/04/28 Tue 22:13:01
更新日:2022/08/27 Sat 06:54:51
所要時間:約 6 分で読めます










概要

ものべの」はLose制作のアダルトゲーム。2012年発売。
2013年に大幅加筆修正された完全版にあたる「ものべの-HappyEnd-」、2014年にPSVita版にあたる「ものべの-pure smile-」が発売されている。



共通ルートのあらすじ

医師になるために故郷を離れた主人公、沢井透は妹の夏葉を連れ、
6年ぶりに茂伸(ものべの)へ帰省した。
昔懐かしい面々と過ごす夏の一時。そんな中、夏祭りの夜、夏葉が急速に成長するという異常事態に見舞われる。
透は信頼できる大人達や妖怪達とともに夏葉を元に戻すため奔走することになる。



主な登場人物

沢井透
主人公。犀玉の大学に通う医大生。幼少期の経験から隣人で医師の有島尚武に憧れ、
自らも医師になるべく勉学に励んでいる。勉学は優秀だが、視野や性欲は年相応。
実家は代々ひめみや流*1の博師*2の家系であり、四足の獣を食べないなど独特の習慣を持っている。
育ちが茂伸であるため、基礎体力が高い。

沢井夏葉
ヒロインその1。声がどっかの妹系小悪魔お姉ちゃんそっくり。
透の実妹で明るく元気な少女。実は透たちが茂伸を離れるようになった原因であり、帰省が6年ぶりとなった理由を抱えている。

すみ
ヒロインその2。あかしゃぐまと呼ばれる家に憑く家守妖怪*3
白髪に赤い髪(しゃぐま)が混ざっている。外見は幼いが透と同年齢である。
茂伸の外で生まれ、家主の去った家に憑き、運命を共にするところだったが、透の父に呼ばれ、茂伸へやってきた。
細かいところに気配りできる性格で透たちの姉のような存在。

有島ありす
ヒロインその3。隣人で幼馴染。控えめに言って美少女。
透に思いを寄せており、隠すこともせず積極的にアクションを起こすのだが、今一つ効果が出ていない。
ファッションに興味があり、おしゃれには労を惜しまない。

飛車角
唐傘の妖怪。すみが沢井家に呼ばれて移動する際、偶然出会い付き添ってきた。
茂伸に現在いる妖怪の中でもトップクラスの大物。
すみルートではえみの名付け親になる。

有島尚武
ありすの父で茂伸唯一の医師。かつては東京の大病院に勤務していたが、不治の難病に罹患。
当時恋人だった菜穂子に茂伸へ連れてこられ、
高芳の病止祈祷を受けて回復。同時に祈祷も万能でないことを知り、僻地でまともな医療機関がなかった茂伸の医師になるために移住した。
恩人の子でもある透を後見人として公私ともに支える存在。

有島菜穂子
ありすの母で夫の診療所を看護師として支える。茂伸出身。
病を患った尚武を案じ、半ば無理矢理連れてきて、病止祈祷を受けさせた。優しいが芯のある美人。

ひめみや
ひめみや流を取り仕切る巫女。何十年も容姿が変わっておらず謎も多い。
本気を出したときは人のものとは思えぬほどの気迫を発する。

とおこ
沢井家の祖先に助けられたことのある牛鬼
事あるごとに手助けしてくれるのんびりとした女性。透の名付け親。
ケンタウロスのように下半身を牛に変化させることが出来る。

ちま
ひめみやの飼猫。猫妖で少女の姿にも変身できる。ありすに懐いている。

えみ
すみルートのアフターシナリオに登場。透とすみの娘。濃茶の髪にしゃぐまが混じっている。
ヒトにも妖怪にも見えないモノが見えることがある。

山元芳秀
茂伸村の村長で博師。政治家としても博師としても優秀な人物。

高畑厳芳
ひめみや流博師で高芳の師匠。ルートによっては透も指導する。
数少ない米占(ふまうら)を行える人物。

滝女郎
神域たるオオトメ釜という滝の番をしている蜘蛛の妖怪。
神域を侵すものには容赦しない。

七面頬
すみルートアフターシナリオに登場。遠い昔にひめみや流開祖と約定を交わしたヒルの大妖。
時喰みという祟りを為すと言われているが、その伝承は主に口伝で伝わり現代ではおとぎ話か子供を叱るときの方便と思われている。

鉄砲撃レ狸
すみルートアフターシナリオに登場する狸の妖怪。えみと親友になる。
鉄砲で撃たれると弾を引き寄せ命中するが、無事で済むという概念*4を持つ。

星辰ひめみや
ひめみや流の開祖。ありすルートのアフターシナリオに登場。
既にこの世の者ではないが、茂伸の危機に際し、透の周囲の女性達から時を「前借」して現界した。
透はその精算の協力をすることになる。*5

南雲泰輔
犀玉医大教授・医師。透の担当教官。
遺伝医療と加齢医学の第一人者であり、IAGSという難病を研究している。

沢井高芳
透と夏葉の父。故人。若い頃から病止祈祷の名人で優秀な博師だった。
透の生まれる前あたりから他の博師と疎遠になっていったようだ。

沢井はな
透と夏葉の母。故人。高芳が亡くなった後、体調を崩し病死。その晩年には何か謎があるようだが…?



ゲーム内容

Hシーンの男性セリフとモノローグを除いてフルボイス。
選択肢は一箇所しか存在せず、事実上はビジュアルノベル
これを反映してか、メニュー表記も「プレイ」や「再開」ではなく、「シナリオを読む」「続きから読む」となっている。
共通ルート終了後にすみとありすのいずれかを選択、両ルート攻略後に夏葉ルートを読めるようになる。

土着信仰が深く根付き、身近に妖怪も存在する茂伸と現実と同様の世界観のそれ以外が対比され、科学では解決できない事が示唆される一方で、現代医学でしか救う事の出来ない描写も存在し、一辺倒とならないようになっている。
ルート選択によって透の進路や夏葉の異常を解決するアプローチが変わるが、飽くまでも手順と手段の違いでありルート間の大きな矛盾は無い。
なお、本作では本当にちょい役を除いて人間体が登場する女性キャラにはほぼ濡れ場が存在している。シナリオゲーにエロはいらないという主張に真っ向から勝負を挑んだ形で幅広いシチュエーションが用意されている。

容姿の傾向

普通に大人のキャラクターも複数いるが、異常成長や若返り、身体的変化のない妖怪を扱っている関係上、
全体的にロリ寄りで、濡れ場においても見た目はアグネスさんがレッドカードを振りかざして寄ってきそうなレベル。*6

Happy Endについて

すみ、ありすのエンドがBADENDに見えるというアンケート結果を反映し、改めてHappyEndが制作された。これの気合の入り方が尋常ではない。
メインシナリオの修正の他、追加されたアフターシナリオの文量は本編とほぼ同量という凄まじいもの。
ムフフなシーンも全般に手が入れられボリュームが大幅アップしている上にHP上で公開されたシーンなども追加したまさしく完全版と呼んで差し支えない物となっている。*7
追加シナリオで新しく登場したキャラクターにまで濡れ場が用意されている念の入りようで、当然のように追加シナリオもフルボイス。(感覚としては修正版1冊に同じ厚さの完結編1冊が追加され、おまけまで大量に付いてきたに等しい。)
極めつけとして、本来はフルプライスの本作は時折500円という目を疑うような値段で販売されることがある。*8

また、2020年4月24日からサービスが開始した月額定額制の美少女ゲーム専門クラウドゲーミングサービス「OOparts」のラインナップにも登場。
対応ブラウザさえあれば、インストール不要でWindows・Macはもちろんのこと、Android・iOSでも手軽にプレイできるようになった。
(ゲームのデータが膨大なため、モバイルデータ通信でプレイすると一気にパケット量が持って行かれるので家庭用回線でのプレイを推奨)

あやかし郷愁譚

Loseのスタッフが中心となってボイスドラマ制作サークルWhispを結成しており、そこからものべのと世界観を共有したボイスドラマシリーズ「あやかし郷愁譚」をリリースしている。
ものべののヒロインたちだけではなく、作中には登場していない新規のあやかしが登場する作品も揃っている。
(ものべの関連ではないあやかし郷愁譚シリーズ以外の作品も多数リリースしている)


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最終更新:2022年08月27日 06:54

*1 茂伸の土着信仰

*2 はかしょ。神職、祈祷師、占い師を兼ねたような存在

*3 一般にイメージされる座敷童に近い容姿

*4 存在としての性質

*5 方法は前借された女性の子袋に精を注ぐこと。早い話が中出しセックス

*6 無論、お約束どおり18歳以上である。妹と幼馴染は兎も角、家守妖怪は同い年でそれ以外は圧倒的歳上なのでセーフ。……実の娘に手を出しかけた?知らんな。

*7 共通ルートだけで5~6時間、各ルート分岐後もアフターを含めると1ルートあたり6時間以上の大作。読了には20数時間は優に掛かる。

*8 俗に言う割れ対策として安価に販売することで不正を駆逐しているとも考えられる。