I・R・T/アイドル・レイプ・タワー

登録日:2020/11/28 (土) 21:27:22
更新日:2025/02/05 Wed 17:42:33
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アイツらI・R・T(アイドル・レイプ・タワー)って呼んでいたわ

クソみてェなセンスだな



I・R・T(アイドル・レイプ・タワー)とは、漫画『彼岸島 48日後…』に登場するクソみてェなセンスの施設である。

概要

『48日後…』において、第222話~第223話に登場した施設及び舞台。

東京都・台東区上野に存在する建造物であり、建物としては都市ではよく見かけるごく普通の高層マンションである。
しかし、雅の放った蚊によって本土が壊滅した現在では普通の住民の居住するマンションではなくなっており、吸血鬼が多数居座る凶悪な場所となっている。
野蛮な吸血鬼が住み着いた影響や吸血鬼化によって色々とあったのか、建物も各所に破損した部分が見られるなど廃れている。

施設としては、マンションの7階において何かしらのアイドル(何かしらとは?)が監禁されている牢獄のような使われ方をされていた。ちなみに、ユカポンがいたのは703号室。
監禁したアイドルは男性吸血鬼の性欲処理に使われており、それを示すようにマンションの外壁には「IRT」と大きくラクガキが施されている。
施設名やラクガキに関して鮫島は「クソみてェなセンスだな」「フン 子供じみたラクガキだな」と酷評している。

そして明一行に合流した元アイドル・ユカポンが以前に囚われていた施設でもあり、その存在は彼女にとって大きなトラウマと化していた。
一方で、ユカポンが施設に監禁される以前のI・R・Tは利用層が一応アイドルのファンだったこともあり、
アイドル達の自殺を仄めかした交渉によって激しい性交渉にまでは至らずに済んでいた(手コキやフェラなど)場所でもあった。
ところが、新入りとしてユカポンが合流して以降は彼女が吸血鬼の指示に従順だったために吸血鬼は増長することになり、殺人や食糞も展開される地獄部屋へと変貌。
その原因となったユカポンは施設から脱走したため、他の監禁されているアイドルからは「裏切り女」「クソ女」として激しい憎悪を抱かれている。

I・R・T編 (第222話~第223話)

第221話において助け出した人間達から国会議事堂に雅の息子がいるという噂を聞きだした明一行は、続く第222話において向かうことを決める。
しかし、メンバーの勝次や佐吉が腹の音を鳴らしたこともあり、まずは腹ごしらえをすることにした。

そんな最中にメンバーの一人であるユカポンが気分が悪くなっている様子を見せており、ついにネズミはそれを察して彼女に声をかける。
すると救出した人間の一人がユカポンがアイドルであることを知っていたが、他の救出者達はユカポンの存在は知らなかった。
だが、一人の男性は怯えるユカポンの顔を見て公園で見たことがある過去を思い出し、公園で全裸露出散歩をさせられていたことを語る。なんて事だ!正気の沙汰じゃない!
『パラレルパラダイス』でも見た事がある?気にするな

男性の発言からトラウマを刺激させられたユカポンは激しく嘔吐し、ネズミや鮫島が心配した様子を見せる。
しばらくして落ち着いたユカポンは聞かれたくなかったと述べると同時に、かつて殺害したドルオタの変態吸血鬼に上野で飼われていた過去を語る。
変態吸血鬼はアイドルを飼っていると自慢したかったのか全裸で露出散歩をさせていたらしく、その話を聞いたネズミは珍しく義憤の感情に襲われた。ちきしょう!

上野と言う土地がトラウマながらも、明一行の役に立ちたい気持ちから上野までの案内を行っていたユカポンの心意気に、鮫島や勝次は感心。
そしてユカポンが身を休めていた木から見えているマンションが、「I・R・T(アイドル・レイプ・タワー)」と呼ばれる施設だった。
あまりにもあんまりなマンションへの命名に鮫島が「クソみてェなセンス」と呆れる中、ネズミがマンションに乗り込んで吸血鬼を殺害することを提案。
臆病なネズミが珍しく正義心を見せたことに勝次も感心するが、ネズミはユカポンへの仕打ちへの怒りとI・R・Tの壊滅による彼女のトラウマの払拭を望んでいたためだった。

ユカポンは個人の事だからと国会へそのまま向かうように促すが、鮫島は寄り道するかどうかを明に問いただす。
寄り道には否定的な姿勢を見せる明に一瞬失望するネズミだったが、食料があることを見込んで乗り込むことを決断し、それに喜んだネズミと珍しくコミカルなやり取りを展開した。

施設へ侵入する寸前にマンションへのラクガキを眺めた鮫島がそのセンスを切り捨てるが、ユカポンはトラウマで足が震えていた。
それを心配したネズミは自分と1階で待機することを提案するが、ユカポンは提案を拒否してトラウマを消すために何とか足を進める。
7階に辿り着くとユカポンは精神的な負担の限界を見せる中、部屋から大男の吸血鬼が現れた。

大男の吸血鬼はユカポンの姿に気が付き、錯乱して粗相する彼女の姿を見て「馬鹿な人間」の殺害後に犯しまくろうと性的興奮を高めていた。
苛ついた鮫島が戦闘態勢を整える中、仲間を馬鹿にされたことから立ち直り、吸血鬼に抵抗の意思を示す。
鮫島がその様子を見てユカポンを褒める中、怒った大男の吸血鬼は指令をかけて施設中の全吸血鬼を集合させて襲い掛かってきた。


ふざけんな!! みんな出てこい人間がいるぞ!!

なんだと!! 殺す!!(ドカ ドカ ドカ)

よし 来やがれ!!(義手を外す明と「カチャ」という擬音)

ワ ア ア ア ア
オ オ オ オ(マンション中に散らばりまくる吸血鬼の亡骸と血の海が広がる光景)


普通の漫画なら1話かせめて全ページ数の半分くらいの尺を使いそうな場面だったが、明が1コマで何十人にも及ぶ吸血鬼を殲滅。化け物だ!!アンタ人間のクセに化け物だ!!
I・R・Tが壊滅したことで監禁されていたアイドルは救出された末に鮫島に礼を述べるが、鮫島は特に気にすることもなく食料を探していた。
鮫島の呟きから明達が国会議事堂に向かおうとしていることを察したアイドルは、雅の息子が「蟲の王」と呼ばれている噂を伝えて警告する。

その噂について鮫島がアイドルに聞きだすと、彼女は実際に見たわけではないとしながらも「雅の四男」と呼ばれているという話を伝えた。
雅の息子がランク分けされていて雅が強さ順に並べたという話を聞き、ネズミは四男なら弱い方だろうと安心しながら水を飲みだすが、
以前激戦を繰り広げた姑獲鳥が五男であるという事実を聞いて大きく嘆いた。

さらに自衛隊も生き残っていたが、蟲の王によって一個中隊の戦車が壊滅したという噂も飛び出る。
その事実にはネズミだけではなく勝次や鮫島も弱気の姿勢になるが、明は雅もいるだろうと推測して二人同時の殺害を目論み始めた。
明の決断を聞いて勝次や佐吉が戦意を取り戻す中、部屋にユカポンが入ってきたのを見てアイドルが走り出したを見て、鮫島は「感動の再会」と様子を茶化すが…。


アイドルはユカポンに対して、涙を流した憎悪の表情で激しいビンタの一撃を浴びせる。


その光景に鮫島とネズミが呆然とする最中、アイドルはユカポンを「クソ女」と罵倒し、髪の毛を掴んで壁に叩き付ける。怖ェ!
鮫島は暴行を止めるように呼び掛けるが、アイドルはその理由を語り始める。
実はかつてのI・R・Tではアイドル達が「ひどい事するなら死んでやる」と、一応アイドル達のファンである吸血鬼達を脅すことで、
なんとか彼らと交渉出来る環境を作っていた。
この頃は吸血鬼達も前戯程度の内容をアイドルにやらせることで満足していたのだという。
しかしながら、簡単に言いなりになるユカポンの登場で吸血鬼達は増長を始め、主従関係のバランスが崩壊してI・R・Tは地獄と化したのだ。
監禁されていた4人のアイドル達がユカポンへ激しい罵声と物の投擲を行い、それを受けたユカポンは謝罪の言葉で涙を流す。
罵倒が収まらないアイドル達にネズミがそれを止めるように呼び掛けるが逆に金的攻撃を浴びて失神状態へと追い込まれ、罵声に耐えかねたユカポンは部屋から逃走した。ひいいいい なんてこった

勝次も言葉を失って場の空気が重くなる中、口を開いた鮫島はアイドルに自分の話を聞くようにと投げかける。
アイドルがユカポンの味方なのかと鮫島にも敵意の視線を飛ばす中、自分達がこの施設に来たのはユカポンの案内であり、
彼女達が助かったのもユカポンのおかげであることを諭す。
続いて勝次も本当に悪いのはユカポンではなく吸血鬼であることを呼びかけ、アイドル達はその言葉に涙ながらに複雑な感情を露わにした。
そんなアイドル達に対して鮫島は、傷が癒えるのは時間がかかるだろうが今は助かった事を素直に喜ぶようにと促した。

I・R・Tから出ていった明一行だが、金的から回復していたネズミはもう一度I・R・Tに戻ってユカポンを探すように鮫島に要求する。
実は明一行もI・R・Tから出る前にマンションの他の階や施設周辺を探していたようだがユカポンが見つからなかったことで、
合わせる顔がないのだろうと解釈して諦めていた。
それでもネズミはユカポンのいない旅は嫌だとしてもっと探すように促すが、鮫島はキレだして拒否する。

そのやり取りの最中、勝次はマンション入り口のI・R・Tのラクガキが何かで削られて消えていた様子を見たことを思い出す。
結構高い位置にあったラクガキをわざわざユカポンが削ったのだろうかと考える勝次に対し、
鮫島は自分の過去から消したかったのだろうと推測してユカポンの削る姿を想像しながら同情していた。

そして移動に使っていた筏の場所に一行が到着しようとしたところに、なんと姿をくらましていたユカポンが涙ながらに立っており、歓喜するネズミ。
ユカポンは涙ながらに裏切り者で意気地なしな女だと自分を卑下しながらも、
みんなといる資格がないと感じると同時に自分の居場所はここにしかないと感じていたことを告白。
もう一度同行することを願う彼女にネズミは大泣きする中、明は静かながらに同行を許可する。


多かれ少なかれ誰にでも後ろめたい過去はある
そんなことは気にしなくていい


ユカポンにそう呼びかけた明は筏の帆を張る支度を手伝うように要求し、彼女にも笑顔で了承する。よっしゃ!
その光景に満面の笑みを浮かべた鮫島は、国会議事堂に向かうテンションを高めるのであった…。

考察・ネタ人気

物語の本筋的には作中でも描写されていたように寄り道に近く、登場した話数も短い。
しかし、ユカポンの悲惨な過去の掘り下げやメンバーとの絆の強化、優しさを見せる鮫島やビビり役のネズミが男気を見せるなど、見せ場は多い。
明一行の絆を強化する場所として、I・R・Tというマンション及び222~223話は重要な役割を果たしたとも言える。

また、以下のような理由からネタ的な方面での人気も呼んでいる。

  • 作中でも指摘されたように「クソみてェなセンス」としか表現できないI・R・Tの正式名称
  • 僅か1コマにて悲惨な姿で全滅した吸血鬼との戦闘のテンポ
  • ユカポンがビンタされたシーンの勢いが凄く、某漫画のある戦闘シーンを思い出させる構図

しかし、I・R・T編の終了直後の第224話ではクソみてェな旗が出現し、そちらの方に読者のネタ人気的な視線は切り替わることとなる。

余談

  • I・R・Tにおいて描写された戦車との戦闘後の蟲の王のシルエットは人型だったが、後に登場した蟲の王は邪鬼のような外観で人型ではなかった。
    これには多くのキモ傘読者が「先生ェはこの時点で蟲の王の構想を考えていなかった」「先生ェはこの話を忘れていた」などと騒いでいた。
    しかし、後に蟲の王の片割れである吸血鬼の拷問野郎が誕生した際のイメージ図において、この拷問野郎がI・R・T編におけるシルエットと近い描き方をされており、「整合性が取れるようにしたのでは?」とも言われている。

  • 後年、先生ェがTwitterを開始した際には妻子とも仲が良く、短い文面からでも人柄の良さが伝わってきたため、この人のどこからI・R・T(アイドル・レイプ・タワー)などという発想が出てくるのかと読者が頭を悩ませることになった。先生ェは憑依型漫画家なのだろうか。



追記・修正は、アイドル・レイプ・タワーに監禁されてゲロを飲ませられてからお願いします。

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