Portal Reloaded

登録日:2021/04/27 (火) 13:28:30
更新日:2024/10/22 Tue 15:09:27
所要時間:約 6 分で読めます





P0RTAL
   REL0ADED

Thinking in Four Dimensions


Portal Reloaded(ポータル・リローデッド)とは、PORTANISによって制作された、パズルゲーム「Portal2」用のCommunity MOD(Steamに公開されている、第三者が作成した、外付けでゲームの内容を拡充するキット)である。
「Portal2」といえば、Valveによって制作された、空間の2点を繋げる銃や、ハートマークのついた箱、憎むに憎めない愛すべきマヌケ、そして我らがドチャクソ萌えツンデレAI――の登場する、あのFPS型パズルゲームである。
本作はその「Portal2」のローンチ10周年を記念して作られた、記念碑とも言える作品であり、原作を一通りプレイした熟練被験者向けに難易度が調整されている。
ちなみに、Portal Reroaded以前にも多数の「Portal」「Portal2」用Community MODが制作されている上、「Portal2」内蔵のパズルエディターとはまた違った楽しさがあるので、興味を持った被験者はぜひ調べてみて欲しい。

なお、遊ぶには「Portal2」本編が必要である。

ストーリー

被験者[4-5-0-9]はレールの上を運ばれるポッドの中で目を覚ました。周りには自分と同じようなポッドが大量に格納されているのが見える。
間髪入れずにオペレーターが自己紹介を入れ、自分を「超特別なテストコースに連れて行く」と言う。
こちらの是非は聞いてもいない。やがてポッドの床が開き、チューブが未知の空間へと連れて行く。
ドアが開き、まず見せられたのはガラス越しの出口と、緑色の長方形の形をしたポータル。
ポータルの奥には、割れたガラスと荒廃したテストチェンバーが見える――。

。――ゑぇ見カゞ─ノヾ・/ェ于├ス〒ナニι荒ー⊂スラヵ″ナニれ害リ、レよレニ奥@」レ勺─朮°
。」レ勺─朮°ナニιを形@形方長@色緑、ー⊂口出@ι走戊スラヵ″レよ@ナニれらせ見ずま、、キ開カゞ了├″
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ルール(Portal2)

さて、記事冒頭にある「Thinking in Four Dimentions」というフレーズであるが、これはトレイラーなど各所で謳われているものである。
「四次元で考える」とはどういうことか。
それに触れる前に、まずは元々のPortalシリーズのルールを軽くおさらいする。

 ①プレイヤーは弾丸を発射する銃ではなく、ポータルガンを用いて、壁の2点それぞれに青色橙色のポータルを設置できる。

 ②ポータルは十分なスペースのある白い壁であればどこでも設置可能である。

 ③青橙両方のポータルが設置されていれば、いかなる距離にもよらずその2点を一瞬で移動できるドアとなる。

また、重要な性質として、ポータルに入ったときの速度は出たときも維持される。
つまり、勢いよくポータルに入れば、勢いよく出るのである。

このほか、Portal2には以下のギミックが登場する。
  • キューブ(箱)とボタン
  • レーザーと受け口、向きを変えるレンズがついたキューブ
  • ファンネル(宙を移動するためのトンネルのようなもの)
  • 壁から投影され、際限なく伸びる足場
  • 壁や床を跳ねやすく、または滑りやすくしたり、ポータルを設置できるようにする青・橙・白色のジェルべたつくなにか
  • ジャンプ台
  • タレットたん
  • コンパニオンキューブたん

プレイヤーはこの仕組みを駆使してAperture Science社が行う実験=テストを突破していく。

すべてのテストが終わった被験者にはご褒美にケーキを振る舞うのが慣例である。The cake is a lie

ルール(Portal Reloaded)

ここからが本題である。Portal Reloadedでは「四次元で考える」ことが重要になってくる。4次元目はすなわち、時間が関係するのである。

Aperture Science社は、タイムトラベルを利用したテストを行うために、意図的にクリアに必須なギミックを削減したテストチェンバーを構築し、そしていかなる手も加えず20年間放置(することに)した。手入れなしに20年経ったテストチェンバーは老朽化が激しく、壁や天井の崩落が起こっていたり、ギミックが動作しなくなっていたりと変化が生じている。

Portal Reloadedでは青色橙色に続いて緑色のタイムポータルが登場する。
これは空間ではなく時間を超えるために用意されたポータルである。

では、以下に簡単なルールを示す。

 ①タイムポータルは通常のポータルと別に設置することができる第3のポータルである。Half-Life 3 confirmed

 ②タイムポータルは設置された点の20年後(=未来)につながっており、プレイヤーは自由に行き来することができる。

 ③通常のポータルは20年経ってない方(=現在)と未来側で独立しており、2つずつ設置することができる。そして、現在側だけ・未来側だけで繋がる。

ここまでは簡単であるが、次の項から若干複雑になる。
今作のテストはどれも現在側だけ、未来側だけではギミックが不足して絶対に解けない造りになっている。つまり未来からキューブを持ってくる必要があるのだが、未来から持ってきたキューブはどんな挙動をするのか。それを示すのが以下である。

 ③現在側でキューブが静置されていれば、未来側でも同じ場所にキューブが存在する。

 ④未来側のキューブを動かしても現在側に変化はないが、現在側のキューブが移動させられると、未来側のキューブは直ちに消滅し、現在側のキューブに合わせて再設置される。

 ⑤同様に、通常のポータルにおいても、未来側での移動は問題ないが、現在側での移動は未来に影響し、対応する場所に再設置される。

 ⑥プレイヤーはタイムポータルを通じて未来側のギミック(キューブ、レーザー等)を現在側に持ってくることができる。ただし、逆はできない。

 ⑦未来側のギミックで現在側のギミックを動作させることが可能である。(例:未来のキューブで現在のボタンを押す)

お分かりいただけるだろうか。「未来で起こったことは過去に影響しないが、過去の出来事は未来に影響する」ことを反映したルールである。
字面だけならわかるかもしれないが、実際にやってみるとこれらのルール(特に④⑤)がじわじわ効いてくる。

公式のYoutubeチャンネルにはタイムポータルの性質を解説する動画が投稿されている。視覚的に表現されておりわかりやすいので、是非見ていただきたい。

例題

さて、1問例題を用意した。上に書いたルールを見ながら是非考えてみて欲しい。

状況

チェンバー内には
  • ポータルを設置できる壁
  • 1つのキューブ
  • 2つの(キューブを乗せると反応する)ボタン
  • 閉じた出口
がある。
ただし、未来側の出口は崩落により使用できない。

課題

出口をあけるには2つのボタンにそれぞれキューブを載せなければならない。
どのような手順を踏めば脱出できるだろうか?




余談
本作はPortal2に登場したキャラは一切登場せず、代わりに無機質な男性の声(中の人はValve製ゲームの様々なファンムービーを制作している他、同じくPortal2のCommunity MOD「Portal Stories:Mel」でCave Johnson役を演じたHarry101UK氏)がオペレーターを担当している。



追記・修正はタイムポータルに入らず20年待ってからお願いします。
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最終更新:2024年10月22日 15:09