Portal2

登録日:2021/5/4 Tue 02:53:08
更新日:2025/03/22 Sat 11:01:22
所要時間:約 19 分で読めます




"Good morning. You have been in suspension for -FIFTY- days. In compliance with state and federal regulations, all testing candidates in the Aperture Science Extended Relaxation Center must be revived periodically for a mandatory physical and mental wellness exercise."
「おはようございます。あなたがコールドスリープ状態となっていた期間は... 50 日間です。州法および連邦法の規定により、Aperture Science コールドスリープセンター内のすべてのテスト被験者には定期的に身体的、精神的健康維持のためのエクササイズが義務付けられています。」


"You will hear a buzzer. When you hear the buzzer, look up at the ceiling. [BUZZER]"
「ブザー音が聞こえましたら、天井を見上げてください。 [ブザー音]」


"Good. You will hear a buzzer. When you hear the buzzer, look down at the floor. [BUZZER]"
「結構です。ブザー音が聞こえましたら、床を見てください。 [ブザー音]」


"Good. This completes the gymnastic portion of your mandatory physical and mental wellness exercise."
「結構です。身体的、精神的健康維持のための必須エクササイズプログラムのうち、これにて体操カテゴリーの完了となります。」


"There is a framed painting on the wall. Please go stand in front of it."
「壁に絵画があります。その前に立ってください。」


"This is art. You will hear a buzzer. When you hear the buzzer, stare at the art. [BUZZER]"
「これは芸術作品です。ブザー音が聞こえましたら、作品を鑑賞してください。 [ブザー音]」


"You should now feel mentally reinvigorated. If you suspect staring at art has not provided the required intellectual sustenance, reflect briefly on this classical music. [MUSIC INTERRUPTED BY BUZZER]"
「精神的な再活性化が促されたはずです。もしも再活性化が十分でないと感じる場合には、このクラシック音楽に耳を傾けてください。」


"Good. Now please return to your bed."
「結構です。それではベッドにお戻りください。」
































"Good morning. You have been in suspension for nine nine nine... nine nine ni- This courtesy call is to inform you that all test subjects should immediately vacate [FADES OUT]"
おはようございます。あなたがコールドスリープ状態となっていた期間は 999...99... です。お知らせします。すべての被験者は直ちに避難してください。[フェードアウト]」




"Hello? Anyone in there?"
「誰かいるのか?」

"Helloooo?"
「おーい?」
















 PORTAL 2 





『Portal2』とは、2011年4月19日にValve Softwareより発売されたFPS型パズルゲームである。
前作『Portal』のシステムを引き継ぐ形で、ゲームの象徴とも言える道具「ポータルガン」を使ったパズルの面白さはそのままに、個性的なキャラによるストーリーにも焦点が当てられている。
登場人物の愛らしさや公式レベルエディターの存在もあり、多方面に渡るコミュニティが形成されている。



登場人物

ネタバレ部分は格納

Chell/プレイヤー

主人公。女性。このゲームは一人称視点なので普段は姿が見えないが、ポータル越しでなら見ることができる。
前作ラストで見事GLaDOSを撃破したものの、その際に発生したエネルギー波(?)*1で外に放り出されると同時に気絶、そしてその気絶している間にAperture Science内に引き戻され、コールドスリープ状態にされてしまっていた。
それから50日後に一度目覚めるも、ごくわずかな活動しか許されずに再び眠りにつき、次に目覚めた時には途方もない時間が流れていた……というのが冒頭でのやり取り。
被験者としては特にIQや運動神経が優れているわけではないが非常に頑固で忍耐力が高く、決して諦めることがない。絶対に
ゲーム内では一切喋らない。無口な人ね。


Wheatley

"ONE Catchmecatchmecatchmecatchmecatchme OW."
「1! 受け止めて受け止めて受け止めてぇぇぇぇ… うわあっ!」

主人公の前に現れた謎のロボット。詳しくは個別項目参照。
ゲーム序盤は目覚めたばかりのChellを発見し、脳筋頭脳プレイでポータルガンへの道を切り開く役目を担う。

ロボットなのだがものすごくおバカであり、まくしたてるような口調で喋ってはうっかりミスをするお茶目なヤツ。
中でもハッキングと称して方言を喋りまくるシーンが人気。
やがてGLaDOSを倒すために、Chellとともに攻撃手段の封殺を実行。


GLaDOS

"It's been a long time. How have you been?"
「ずいぶんお久しぶりですね。お元気でしたか?」

ご存知ツンデレAI。こちらも詳しくは個別項目参照。
前作ラストに破壊されて以来、その時の記録を延々と再体験*2していたらしく、叩き起こされた時の彼女はブチギレである。
良心コアが無くなったせいか、開幕からご褒美毒舌の嵐。あえて殺さず、Chellに延々とテストを受けさせようとする。


Cave Johnson



Caroline



CORES(SPACE CORE, ADVENTURE CORE, FACT CORE)



ATLASP-BODY

二人プレイ専用キャラのロボットコンビ。ストーリー終盤でWheatleyが見つけたと言っているのは彼らのことで、エンディングでもチラッと顔見せしてくれる。
青色のモノアイに丸いボディのATLASと、オレンジ色のモノアイに細長いボディのP-BODY。GLaDOSからは色合いから『ブルー』、『オレンジ』と(そのまんまな)呼ばれ方をされている。ポータルの色もそれぞれのイメージカラーでまとめられている。
彼らの活躍はメインストーリーの後日談となっている。なお、何故かGLaDOSの評価はP-BODYの方が高い。*19
どうもGLaDOSとしては被検者は人間でないと科学とは呼べないらしく、「壊れてもまた造り直せばいい」程度の存在なのであまり期待されておらず、扱いは雑である。てゆーか用が済んだら「ポチッとな」感覚で自爆させることすらもある。
その後なんやかんやあって二体ともボンバーマンの世界に送り込まれたかも。


Turret

"There you are."
「そこですね。」

前作から引き続き登場。卵から三脚が生えたようなデザインの固定砲台型ロボット。
一つ目から照準レーザーを射出しており、プレイヤーを捕捉すると容赦なく撃ち殺しにかかる、いわゆる「お邪魔キャラ」。
本作に出てくる他のロボット同様よく喋るが、何故か少女のような可愛らしいボイス*21が設定されており、妙に萌える。
商品として展開されていたらしく、発売前トレーラー兼CMの一つとして公開されており、作中ではタレット達が箱詰めされて出荷される様子が見学できる。*22
さらにこれ以外にも、外装が剥がれて口調が妙にラフになった欠陥タレット、大型でまん丸なプリマドンナタレット、Wheatleyによってキューブと合体事故を起こしてヤドカリのような姿となったフランケンタレットといった派生型?も登場する。


Doug Rattmann

Aperture Scienceの従業員。過去にGLaDOSが行った神経毒攻撃を逃れた生存者の男性。
ゲーム内では一切姿を現さないし語られることもないので、「誰?」と思われても仕方ないだろう。登場人物とは。
Chellは知る由もないが、陰ながらChellを助け導いていた命の恩人。彼の動向に関しては『LAB RAT』で詳しく描かれている。検索してみよう。
ゲーム内では彼が残した走り書きやグラフィティ、GLaDOSの監視を逃れて潜伏していた隠れ場所がいくつか存在する。特に隠れ場所はいずれも見つけにくい。
ネットミーム扱いもされている"The cake is a lie."は彼が残した言葉。


ルール

PortalやPortal2は文字通りポータルを利用したパズル=テストを解いていくゲームである。
以下に簡単なルールを示す。

  1. ポータルはの2色あり、白い壁・床・天井に1つずつ設置可能。
  2. 両方のポータルが設置されていれば、0距離移動できるドアになる。
  3. ポータルは人以外も通行可能。また、入った時の勢いは保持される。

要はどこでもドアである。なお、ゲームはじっくり考える場面ばかりでなく、落下しながらのポータル設置と言ったアクション的要素が要求されることもある。



ギミック

ゲームはポータルをくぐって終わりではない。テストチェンバー内には様々なギミックが導入されており、これらを駆使して進んでいくことになる。

  • 加重格納キューブ
所謂、箱。持つことができ、レーザーやタレットを防いだり、ボタンを押したりといろいろな役目を担う。
たいていの場合、これの管理で頭を抱えることになる。

COOPとコミュニティチェンバーでは角なし安全キューブなるボールも存在する。まん丸なのに「キューブ」とはこれいかに。

  • コンパニオンキューブたん
加重格納キューブの親戚。色がピンク中心で、ハートがあしらってあり可愛らしい。
耳を近づけると声が聞こえる気がするらしい。決して生きてはいない。

  • 強化超衝突スーパーボタン/押しボタン
所謂、スイッチ。強化超(ryは主にキューブを乗せると作動し、押しボタンはプレイヤー自ら押す。
キューブの召喚やシャッターの開閉など、主な仕掛けのオンオフは大抵これらで行う。
たまにプレイヤーが踏むことのできない凹んだタイプや、球(角なし安全キューブ)専用のタイプもある。

  • シャッター
所謂、ドア。出入り口に設置されるが、大抵は該当する仕掛けを作動させないと開かない。
これを開放してエレベーターに乗り込むのがパズルの主目的。

  • 発光粒子フィールド
プレイヤー以外といった未許可の物質を消滅させるうえ、プレイヤーが通ると設置したポータルも強制的に消去される。ポータル弾も遮蔽するためフィールド越しのポータル設置も不可能。
パズル間の区切りだけでなく、パズル内の障害物としても設置される。

コミュニティチェンバー以外では極めて稀だが、プレイヤーを即死させる赤いタイプも登場する。

  • タレット
先述した固定砲台型ロボット。
視界内にChellを捕捉すると機銃掃射で容赦なく始末しようとしてくるが、タレット自身はその場から動くことはできず、横倒しにされるとエラーを起こして機能停止するなど、衝撃に非常に弱い。
そのため、横や後ろから押すなり、足元にポータルを開けたり、近くのポータルから箱などをぶつるなりで、バランスを崩して文字通り「倒す」だけで無力化することができる。それがちょい難しいんだけど。

  • ハードライトブリッジ
半透明の青い光の地形。ポータルを通して展開し、橋代わりにすることができる。(巻き込まれて即死したりはしない)
COOPでは後述のジェルを塗りたくることも可能。

たまに垂直に照射されて壁代わりになっていることがあるが、その場合は高確率でタレットか大ジャンプの壁に使うことになる。

  • 高温阻止ビーム/受光器
いわゆるレーザービーム。壁や天井からまっすぐ発射される。箱を使って防いだりポータルを通したりして受光器に当てる。
前作やHalf-lifeとは違い、一瞬触れるだけでは即死はしない親切仕様。
しかしタレットは一瞬でも当てると炎上爆発する。

  • 高温阻止ビーム反射キューブ
中にガラス玉のようなものが組み込まれたキューブ。ビームを遮断せずに向きを変えることができる。
このキューブがあるということはつまり、上記のビームをうまいこと反射させる必要があるということ。
もちろん、通常のキューブと同様にボタンを押すこともできる。

  • 空中信頼性プレート
いわゆるジャンプ台。乗ると一定の速さで打ち上げる。

  • 反発性ジェル/推進性ジェル/変換ジェル
のジェル。巨大なチューブから勢いよく放出されている。付着した壁、床、キューブなどは特殊な効果を発揮する。
青はよく跳ね、橙はよく滑り、白はポータルを設置できるようにするしろくべたつくなにか
たまに色のジェルを洗い流せる水もとい透明の洗浄ジェルがある場合も。
……Caveの説明によれば、青ジェルを浴びると体中の骨が折れたりするようだが、(ゲームの都合上)Chellは浴びても平気なのでご安心を。

  • 輸送ファンネル
液体アスベストを利用したトラクタービームのトンネル。入ると浮遊しながら運ばれ、プレイヤーは空中でも落下することなく移動できる。
ボタンによって向きを変えることができる場合もある。「液体アスベスト」が何なのかは私にもわからん。

その他の要素


レベルエディター:コミュニティテストチャンバー

Portal2ゲーム内に自分でテストチェンバーを作成する機能がついており、Steamワークショップにアップロードすることが可能。みんなが作ったテストをダウンロードして遊び放題。
上記のギミックはほぼ全部使用可能で、部屋の形も小回りがきく。

二人(CO-OP)プレイ

Steamのフレンドと専用のテスト・ストーリーを舞台に二人で遊べる。もちろん協力が不可欠だが、ボイスチャットでなくても一通りの指示ができる優秀なピン機能がついている。
友達がいない場合は裏技を使えば一人でも遊べるよ

Community MOD

他にも、第三者が作成したMODで、Valveの審査を受けSteamのストアに出品されている作品群が存在する。
  • ポータルの代わりに青と橙のジェルを発射できるようになった『ペイントガン』を駆使する『Aperture Tag: The Paint Gun Testing Initiative』
  • 1952年に被験者として召集されたオリンピック選手の一人、Melを主人公としたサイドストーリー『Portal Stories: Mel』
  • 『タイムマシン』で過去の自分の行動をリプレイさせながら一人二役でパズルを解いていく『Thinking with Time Machine』
  • 20年後の未来に通じる『タイムポータル』が加わり、四次元で考えることが重要になるPortal Reloaded
など、どれも力作揃いかつ超高難易度なので、ポータルに慣れた人はぜひ遊んで欲しい。



台詞引用:
「セリフ集 - Portal2 wiki*」https://wikiwiki.jp/portal2/%E3%82%BB%E3%83%AA%E3%83%95%E9%9B%86
「Voice lines - Portal Wiki」https://theportalwiki.com/wiki/Voice_lines


追記修正は別れを惜しみながら(Want You Gone)お願いします。

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最終更新:2025年03月22日 11:01

*1 外に向かって吸い上げられるような不思議な力。

*2 緊急保存機能により、シャットダウン直前の2分間が解析用に保存され、それを半強制的に何度もリピート。

*3 これの伏線として、序盤で「Aperture Scienceの個性構築は、たとえ終末を迎えようとも、電力環境が1.1ボルトまで低下しようとも、機能し続けます。」というアナウンスが流れる場面がある。

*4 念の為に言うと彼は経営者であって、サイエンティストでもエンジニアでもない。人命軽視上等なアイデアと、それを実現できてしまった天才たちが集まった結果がご覧のあり様。

*5 「科学の発展」のためなら被験者が死んでもお構いなしなGLaDOSがその最たる例と言える。現に前作では最終的にChellを焼却処分しようとしたほどだし。

*6 初期の被験者たちはオリンピック選手や宇宙飛行士といった社会的地位のある人間だったが、結果はお察し下さい。さらに後に(彼らが行方不明扱いとなったことで検察から立件されかけてから)は道端のホームレスを言葉巧みに勧誘する……がやはりいい結果は得られず。最終的には全従業員をテストに参加するよう義務付けている。暗黒メガコーポ……!

*7 なお、テストの危険性を諫言した従業員には即刻クビを言い渡している。

*8 ポータルを出入りすることで血中の毒素を取り出す研究もやらせていたようではある。また、咳込んでいることから肺を蝕まれている可能性があるが、そもそも彼はこの時点で年かさの男性なので体力も衰えていたのだろう。というかそんな毒素ならほかの従業員にも影響を及ぼしそうなものなのだが……。

*9 実際の月の石には毒性は無い。憶測でしかないが、本人の所業を考えれば秘かに毒を盛られていたとしてもおかしな話ではない。粉じんを吸い込んだことによるじん肺症だとするならそれは別に毒性とは関係ないし、それこそ長い時間をかけてほかの従業員にも影響が及ぶはず。

*10 When life gives you lemons, make lemonade.(訳:人生があなたにレモンを与えたならば、レモネードを作りなさい。)という言葉で、意味合いとしては「ピンチをチャンスに変えよう」といったところ。

*11 この時点で残っていたエンジニアたちも大概頭のネジがぶっ飛んでる。ある意味精鋭揃い。

*12 この場面、「養子の何が問題ですか?」というセリフの後にひそひそ声で「あなたが養子であることは全くの事実です。本当にお気の毒です。しかし、今は敵を動揺させるために、話を合わせてください。」と言っている。なのであくまでWheatleyを動揺させるためにキレてるふりをしている。GLaDOSはChellの個人ファイルを読んでいる一方、Carolineの名を聞いても「聞き覚えがあります」程度でChellとは結びつけていないわけで、やはり無関係なのかもしれない。

*13 しかしエンディング曲『Want you gone』の中では「今はCarolineも私と一緒」と歌っているため、本当に削除したのかは疑わしい。

*14 別称はスフィア。ゲーム内では○○コア、或いは○○スフィアと呼ばれている。ややこしい。以下に紹介するのは「崩壊したコア」とGLaDOSからは一まとめに呼ばれている。通常のコアと比べて何が崩壊しているのかは不明だが。

*15 やたらと宇宙に拘っており、まるで興奮しすぎた子供のように落ち着きがないコア。台詞はカタカナ交じりでよく喋る。

*16 「やあ、美しいお嬢さん。俺はRickだ。」という自己紹介?から始まり、妙にダンディで自信家な口調のコア。こっちもこっちでよく喋る。

*17 正しい事実、部分的には正しい事実、でたらめな事実、確かめようがない事実など様々な『事実』を語るコア。やっぱりよく喋る。

*18 ちなみにこいつらの声優はアサクリシリーズのデズモンド・マイルズ役やアンチャーテッドシリーズのネイサン・ドレイク役のノーラン・ノース氏。マジか。

*19 プレイする上では性能差はない。てゆーかどっちに対しても毒舌っぷりは変わらない。

*20 こうなるとChellの異能生存体具合と、それを見抜いていたDougの慧眼は本当にすごい。

*21 加工されているが声優はGLaDOSやCarolineと同じEllen McLain氏。

*22 ゲーム内のオーディオコメンタリーによれば、この後すぐに開封されるため、決して出荷されることはないらしい。「無駄に手の込んだ無駄な工程がいかにもAperture Scienceらしいよね(意訳)」とのこと。