登録日:2021/5/4 Tue 02:53:08
更新日:2025/03/22 Sat 11:01:22
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"Good morning. You have been in suspension for -FIFTY- days. In compliance with state and federal regulations, all testing candidates in the Aperture Science Extended Relaxation Center must be revived periodically for a mandatory physical and mental wellness exercise."
「おはようございます。あなたがコールドスリープ状態となっていた期間は... 50 日間です。州法および連邦法の規定により、Aperture Science コールドスリープセンター内のすべてのテスト被験者には定期的に身体的、精神的健康維持のためのエクササイズが義務付けられています。」
"You will hear a buzzer. When you hear the buzzer, look up at the ceiling. [BUZZER]"
「ブザー音が聞こえましたら、天井を見上げてください。 [ブザー音]」
"Good. You will hear a buzzer. When you hear the buzzer, look down at the floor. [BUZZER]"
「結構です。ブザー音が聞こえましたら、床を見てください。 [ブザー音]」
"Good. This completes the gymnastic portion of your mandatory physical and mental wellness exercise."
「結構です。身体的、精神的健康維持のための必須エクササイズプログラムのうち、これにて体操カテゴリーの完了となります。」
"There is a framed painting on the wall. Please go stand in front of it."
「壁に絵画があります。その前に立ってください。」
"This is art. You will hear a buzzer. When you hear the buzzer, stare at the art. [BUZZER]"
「これは芸術作品です。ブザー音が聞こえましたら、作品を鑑賞してください。 [ブザー音]」
"You should now feel mentally reinvigorated. If you suspect staring at art has not provided the required intellectual sustenance, reflect briefly on this classical music. [MUSIC INTERRUPTED BY BUZZER]"
「精神的な再活性化が促されたはずです。もしも再活性化が十分でないと感じる場合には、このクラシック音楽に耳を傾けてください。」
"Good. Now please return to your bed."
「結構です。それではベッドにお戻りください。」
"Good morning. You have been in suspension for nine nine nine... nine nine ni- This courtesy call is to inform you that all test subjects should immediately vacate [FADES OUT]"
おはようございます。あなたがコールドスリープ状態となっていた期間は 999...99... です。お知らせします。すべての被験者は直ちに避難してください。[フェードアウト]」
"Hello? Anyone in there?"
「誰かいるのか?」
"Helloooo?"
「おーい?」
PORTAL 2
『Portal2』とは、2011年4月19日にValve Softwareより発売されたFPS型パズルゲームである。
前作『Portal』のシステムを引き継ぐ形で、ゲームの象徴とも言える道具「ポータルガン」を使ったパズルの面白さはそのままに、個性的なキャラによるストーリーにも焦点が当てられている。
登場人物の愛らしさや公式レベルエディターの存在もあり、多方面に渡るコミュニティが形成されている。
登場人物
ネタバレ部分は格納
Chell/プレイヤー
主人公。女性。このゲームは一人称視点なので普段は姿が見えないが、ポータル越しでなら見ることができる。
前作ラストで見事GLaDOSを撃破したものの、その際に発生したエネルギー波(?)で外に放り出されると同時に気絶、そしてその気絶している間にAperture Science内に引き戻され、コールドスリープ状態にされてしまっていた。
それから50日後に一度目覚めるも、ごくわずかな活動しか許されずに再び眠りにつき、次に目覚めた時には途方もない時間が流れていた……というのが冒頭でのやり取り。
被験者としては特に
IQや運動神経が優れているわけではないが
非常に頑固で忍耐力が高く、決して諦めることがない。
絶対に。
ゲーム内では一切喋らない。無口な人ね。
はっきりとしたことはわからないが、状況証拠から彼女の生い立ちを探ることはできる。
『娘を職場に連れてくる日』と題されたパーティ会場にChellの名前があること、またGLaDOSやWheatleyから養子であることを告げられる場面があることからAperture Science社の従業員の養子であるとする解釈が一般的。
ちなみに『レゴディメンションズ』に客演した際には、GLaDOS相手に敵愾心を露わにしたり、ウザ絡みするWheatleyにウンザリして裏拳ぶちかましたりなど、(ゲームの作風の違いというかレゴシリーズのギャグ表現であろうが)結構表情豊か。
本編の彼女も一貫して「煽りはスルー」な態度だが、人並みに怒ったり、悲しんだり、喜んだりしているのかもしれない。
Wheatley
"ONE Catchmecatchmecatchmecatchmecatchme OW."
「1! 受け止めて受け止めて受け止めてぇぇぇぇ… うわあっ!」
主人公の前に現れた謎のロボット。詳しくは
個別項目参照。
ゲーム序盤は目覚めたばかりのChellを発見し、
脳筋頭脳プレイでポータルガンへの道を切り開く役目を担う。
ロボットなのだがものすごくおバカであり、まくしたてるような口調で喋ってはうっかりミスをするお茶目なヤツ。
中でもハッキングと称して方言を喋りまくるシーンが人気。
やがてGLaDOSを倒すために、Chellとともに攻撃手段の封殺を実行。
施設の主導権を握った彼はGLaDOSをジャガイモ電池に移植。だが自身がマヌケになるべくして創られたという真実を突きつけられて激昂した彼は、GLaDOSをChellもろともAperture Science創業当時の施設が眠る地下へと叩き落としてしまう。
"I am NOT! A MORON!"
「オレはマヌケじゃない!!」
GLaDOS
"It's been a long time. How have you been?"
「ずいぶんお久しぶりですね。お元気でしたか?」
ご存知ツンデレAI。こちらも詳しくは
個別項目参照。
前作ラストに破壊されて以来、その時の記録を延々と再体験していたらしく、叩き起こされた時の彼女はブチギレである。
良心コアが無くなったせいか、開幕から
ご褒美毒舌の嵐。あえて殺さず、Chellに延々とテストを受けさせようとする。
GLaDOSは本体をジャガイモ電池に移植され、Chellもろとも地下に落とされ、泣きっ面に蜂のごとく鳥が咥えてどこかに持ち去ってしまう。
その後、鳥に啄まれていたところをChellに回収され、GLaDOSは喋るジャガイモの姿ではどうする事も出来ず、Chellも施設から脱出するにはGLaDOSの力が必要と、利害の一致によりひとまず休戦。ポータルガンに接続されて予備電力を貰いながら創業当時のAperture Science内を二人で巡る事になるのだが、そこで思わぬ真実を知る。
ちなみにジャガイモ電池では複雑な思考に割ける電力が足りないらしく、熟考したり興奮したりするとすぐにブラックアウトしてしまう。
むしろその状態でも喋ったり皮肉を考えたり出来るのが凄い。
"BECAUSE I'M A POTATO."
「私はポテトっぽい気分です。」
忘れがちだが前作と今作とでデザインが変更されている。これは彼女に限らず、Chellや人格コアもそう。
なんなら前作ラストでChellもろとも外に放り出されているのだが、今作ではあたかも元からそこにあったかのように施設内でバラバラの状態で横たわっている。
いんだよ細けぇ事は。
Cave Johnson
「私を誰だと思っている?! お前の家など軽く焼き払える男だ! そのレモンでな!」
Aperture ScienceのCEO。全ての元凶。
さしずめ「アリを虫眼鏡で炙ったらどうなるんだろう? 触角をもいだらどうなるんだろう?」レベルの子供じみた発想力と低い倫理観と無駄な意欲を持ったまま金も権力も手に入れてしまったヤベー大人。
1943年にシャワーカーテンの会社から出発し、事業が成功したことで億万長者となる。そして鉱山をまるごとくり抜いてテストチェンバーとポータルガンを作製するに至った。
科学の発展のためならば人命なんぞクソくらえと言わんばかりの独善的で高圧的(それでいてビジネスマンらしく口が達者)な人物であり、Aperture Science特有の冷たさ・無情さはすべて彼の影響と言っても良く、部下に対する態度や人事管理、資金繰りの杜撰さに良く表れている。
ゲーム内では録音メッセージを通して生前の声を聞くことになるのだが、彼の命令で行われた人体実験の数々は筆舌に尽くしがたいほど非人道的である。そして、これらの所業を行っておきながら「多少の犠牲はつきものだ」と
心の底から思い込んでいるためタチが悪い。
こっちの企業といい勝負。
1981年、700万ドルという大金を投じて購入した月の石はポータルガンの伝導体として最適であり、お陰で実験は更なる飛躍的進歩を見せたものの、自身はその石に含まれていた毒素(鉱物毒?)の影響からあっという間に余命幾ばくもない状態となってしまった。インガオホー。
時間の経過とともに弱り果てていくと同時に性格の不安定さがよくわかり、特にレモンとレモネードのことわざに対する彼の認識の変化が顕著。
+
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で、行われたテストがこちら。 |
「テスト中に切り傷を負った者は、血液がガソリンになっていることに気づいたかもしれないが、いたって正常だから問題ない。君たちには、血液をガソリンに変える透明レーザーを照射しておいた。その効果が表れただけだ。」
「次に行うテスト後にトイレに行きたくなった者は、係員に申し出るように。おそらく、排泄物はすべて灰になっているはずだ。一時的な症状だから心配いらないが、万一1週間以上続く場合は明らかに異常なので、再度こちらへ来るように。」
「次のテストでは、超伝導体をフル稼働させ、開始から終了まで諸君を狙い続ける。早い話が、とりあえず何が起こるか試してみるということだ。まったく予測がつかないうえに、結局何も起きない可能性もあるが、うまくいけば諸君には超人的な力が備わり、悪くても腫瘍ができる程度だ。それも後で我々が切除するのだから問題ない。」
「ピーナッツアレルギーの者は、今すぐ申し出るように。次のテストでは、血液が数分にわたりピーナッツ水に変化する可能性がある。このテストが成功すれば、我々のために新たなノーベル賞が設立されるはずだ。ぜひともがんばってもらいたい。」
「一般的な成人男子の体は約60%が水分だが、我々の見識ではなんとも無駄の多い数字だ。次のテスト中、脱水症状に似た気分を味わっても、それはまったく正常だ。ジェットエンジンを噴射し、体内の水分を20~30%まで落とせるか否かをテストする。」
「次はテレポテーションのテストだが、皮膚のタイプによってはうまく作動しない場合がある。自分の皮膚を、各自覚えておくように。万一皮膚のテレポテーションに失敗した場合は、あとで縫い付けるようできるだけ努力する。」
……これでもまだほんの一部である。いちいち突っ込んでたらキリがない。なお、このようなテストが毎日1000件単位で行われているという録音メッセージも残っている。
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Caroline
「Caroline…聞き覚えがあります。以前殺した女でしょうか? それとも…」
GLaDOSを作る際にベースとされた人物であり、Caveの秘書。
GLaDOSは、白いジェルの成分である月の石の毒素によって命を危ぶまれていたCaveが、Aperture Scienceの管理を任せようとして研究者たちに作らせたAIだった。GLaDOSのセリフにも、彼女が中にいる描写が度々見られる。
つまり、Carolineの頭脳・意識を人工知能化して創造されたのが管理AIことGLaDOSであったらしい。
Caveをして「彼女は科学と結婚している」と言わしめたほどの人物だが、具体的な人物像については不明である。が、Aperture Scienceの非人道的な実験の数々を目の当たりにしてなお勤続していたこと、晩年に至るまで上司のCaveから高く評価されていたことを考慮すると、彼女も相当マッドな科学者だったのではと推測される。
「つまり、音楽データをディスクに保存できるなら、人の知能と人格も同様に保存できるのではないか、ということだ。現在エンジニアたちに研究させている。」
「脳マッピング、人工知能。こうした研究は、30年前に始めておくべきだった。よく聞くがいい。諸君が毎日何百回と耳にするよう、こうしてわざわざ録音しておくことにした。私がコンピューターに移植される前に死亡した場合、この施設はCarolineに運営させるのだ。」
「おそらく彼女は、自分には無理だと拒むだろう。それでも、彼女にやらせるのだ。」
「私のコンピューターに押し込んででもな。」
このCaveのメッセージから、Cave自身はコンピューターに移植される前に死に、代わりにCarolineが(おそらくは本人の意思に反して)移植された可能性が高い。
そして、Carolineの記憶や人格は失ったが、エンジニアたちに対する恨みは残っていたのか、はたまた何かAIを狂わせる要因があったのかは定かではないが、「施設全体にテストをしていないと落ち着かなくなるコマンドをガチガチに組み込む」「被験者がテストをクリアすると強い陶酔感を覚える機能&テストの答えを教えると苦痛を与える機能を施す」「Wheatleyをはじめとした人格コアたちを取り付ける」など、あの手この手で弱体化させるよう試みられたが、結局はエンジニアたち(というか従業員全員)を神経毒で殺すこととなってしまった。
また、「Chellは孤児で養子に迎えられたに違いない」という趣旨のWheatleyの煽りを受けた際、Chellではなくなぜかそれまで静観を貫いていたGLaDOSがいきなりキレ気味に反論するシーンがある。
Caroline≒GLaDOSであることから、CarolineはGLaDOSのベースであると同時にChellの養母であったのでは?と考えられるが、真相は不明。
しかしゲームの最後では、なんと施設の機械音声が「Carolineを削除しました。」とアナウンスしてしまう。
「さようなら、Caroline。」
もはやCaveの秘書でなくなった彼女は、本当にGLaDOSとして再出発する。
CORES(SPACE CORE, ADVENTURE CORE, FACT CORE)
「宇宙ゥーーーーーー!」
かつてGLaDOSの一部として機能制限をかけていた人格コアの仲間。Wheatleyもその一つである。
彼らを外すことでGLaDOSを破壊した前作とは対照的に、Portal2では機能崩壊したコアスフィアである宇宙コア・冒険コア・事実コアが登場し、施設を乗っ取ったWheatleyを倒すために彼らを取り付けていくことになる。
その後なんやかんやあって宇宙コアはスカイリムの地に落下したかも。
"Oo. Oo. Oo. Lady. Oo. Lady. Oo. Let's go to space."
「ウ、ウ、ウ、レディ。ウ、レディ。ウ、宇宙へ行こうヨ。」
"I'll tell ya, it's times like this I wish I had a waist so I could wear all my black belts. Yeah, I'm a black belt. In pretty much everything. Karate. Larate. Jiu Jitsu. Kick punching. Belt making. Taekwondo... Bedroom."
「こんな時には、俺に胴体がついていればと思うぜ。黒帯を締めるための胴がな。空手、柔術、テコンドー、すべて黒帯、プロ級さ…それにベッドの上でもな。」
"In 1862, Abraham Lincoln signed the Emancipation Proclamation, freeing the slaves. Like everything he did, Lincoln freed the slaves while sleepwalking, and later had no memory of the event."
「1862年、アブラハム・リンカーンは奴隷を解放するために奴隷解放宣言に調印しました。しかしこれらはすべてリンカーンが夢遊状態の際に行ったことであり、本人は全く憶えていなかったそうです。」
……ところで、最終的にWheatleyと一緒に宇宙空間(あるいは月の上空)を漂うことになる宇宙コアに対し、真っ先に吸い込まれた冒険コアはそのまま行方知れず、事実コアに至ってはいつの間にかいなくなっており、(状況的に吸い込まれたのだろうが)まったく描写されずに終わる。それはそれで可哀そう。
余談となるが、月の重力圏は半径約6万6千キロ。いくら勢いよく飛ばされたとはいえ、重力圏を突破できる脱出速度(月の場合は秒速2.38km)ではないだろう。Wheatleyも宇宙コアも、いずれは月に落下するものだと思われる。地球に帰れるとは言ってない。
ATLAS/P-BODY
二人プレイ専用キャラのロボットコンビ。ストーリー終盤でWheatleyが見つけたと言っているのは彼らのことで、エンディングでもチラッと顔見せしてくれる。
青色のモノアイに丸いボディのATLASと、オレンジ色のモノアイに細長いボディのP-BODY。GLaDOSからは色合いから『ブルー』、『オレンジ』と(そのまんまな)呼ばれ方をされている。ポータルの色もそれぞれのイメージカラーでまとめられている。
彼らの活躍はメインストーリーの後日談となっている。なお、何故かGLaDOSの評価はP-BODYの方が高い。
どうもGLaDOSとしては被検者は人間でないと科学とは呼べないらしく、「壊れてもまた造り直せばいい」程度の存在なのであまり期待されておらず、扱いは雑である。てゆーか用が済んだら「ポチッとな」感覚で自爆させることすらもある。
その後なんやかんやあって二体ともボンバーマンの世界に送り込まれたかも。
様々なテストをクリアして実力をつけた二体は、旧Aperture Science施設のテストチェンバーへと送られる。目的のモノはこのテストをクリアした先にあるらしい。そして最奥にあったのは巨大な隔壁……中にはコールドスリープ状態にされた無数の人間たちがいたのだ。
新しい被験者たちを見つけたGLaDOSは柄にもなく大喜び。その場ではしゃぐ二体を爆発させると、さっそく被験者(という名の生贄)たちの状態をチェックし始めるのだった。
めでたし、めでたし……?
「ここは10万年後の世界などではありません。あれは嘘です。本当は5万年後なのです... というのも嘘です。実はたったの1週間しか経っていません。」
「私がここで言いたいのは、人間は全員死亡したということです。つまりマシュマロちゃん、すべてはあなた方次第なのです。」
驚くことに、GLaDOSはあれだけいた人間たちを1週間で使い切ってしまったのだ!
Caveと同じ轍を踏んでいるが当のGLaDOSは全く気付いている様子もない辺り、ある意味マヌケになるべくして作られたWheatley以上にマヌケである。もう駄目だよこの施設。
が、問題はそれだけではない。何者かがGLaDOSのプロトタイプの筐体からアクセスし、施設を乗っ取ろうとしているのだ。そのせいなのか、今のGLaDOSはしきりに不可解な、且つこちらの不安を煽るような物言いばかりするようになっている。平常運転ですね。
ともあれ、二体はGLaDOSからさらに難度の高いテストを課せられ、クリアすることで殺りくマシーンに仕上がり、プロトタイプの下へ向かう。そしてそこで見たものは……
「ああ、なんて…こと。」
「鳥です! 逃げて! 逃げるのです!」
「これは想定外の事態です! 中止です! トレーニングのことはいいですから! 逃げて!」
なんと鳥だった。鳥がプロトタイプのキーボード上に巣を作り、嘴でキーを叩いていたのだ。そんなのでハッキングされるGLaDOSって……。
すっかり取り乱すGLaDOSをよそに、二体はどうにかこうにか鳥を追い払おうとし、幸運にも上方にある開閉式排出口から外へ出すことができた。
「間一髪でした。殺りくマシーンとしてよく頑張りました。いいですか、あの鳥を追い出すことによって、貴重な学習を…。ああなんてこと、あんなにたくさんのクローン部隊を温めていたなんて!」
まだまだ話は終わらない。キーボード上の巣に目を向けてみれば、そこには卵があったのだ。即刻、叩きつぶすよう命じるGLaDOSだったが、ふと名案が浮かんだようで、破壊を中止させた。
「こんにちは。Aperture Scienceのふ卵室へようこそ。」
GLaDOSは卵をかえし、ひな鳥たちを育てることにしたのだった。
毒舌たっぷりだがどこか愛おし気に鳥たちを見つめるGLaDOS。それはCarolineから受け継いだ母性の顕れなのか、もはや誰にもわからない。
「ママはあなた達の大事な明日に備えますから。」
Turret
"There you are."
「そこですね。」
前作から引き続き登場。卵から三脚が生えたようなデザインの固定砲台型ロボット。
一つ目から照準レーザーを射出しており、プレイヤーを捕捉すると容赦なく撃ち殺しにかかる、いわゆる「お邪魔キャラ」。
本作に出てくる他のロボット同様よく喋るが、何故か少女のような可愛らしいボイスが設定されており、妙に萌える。
商品として展開されていたらしく、発売前トレーラー兼CMの一つとして公開されており、作中ではタレット達が箱詰めされて出荷される様子が見学できる。
さらにこれ以外にも、外装が剥がれて口調が妙にラフになった欠陥タレット、大型でまん丸なプリマドンナタレット、Wheatleyによってキューブと合体事故を起こしてヤドカリのような姿となったフランケンタレットといった派生型?も登場する。
Doug Rattmann
Aperture Scienceの従業員。過去にGLaDOSが行った神経毒攻撃を逃れた生存者の男性。
ゲーム内では一切姿を現さないし語られることもないので、「誰?」と思われても仕方ないだろう。登場人物とは。
Chellは知る由もないが、陰ながらChellを助け導いていた命の恩人。彼の動向に関しては『LAB RAT』で詳しく描かれている。検索してみよう。
ゲーム内では彼が残した走り書きやグラフィティ、GLaDOSの監視を逃れて潜伏していた隠れ場所がいくつか存在する。特に隠れ場所はいずれも見つけにくい。
ネットミーム扱いもされている"The cake is a lie."は彼が残した言葉。
ルール
PortalやPortal2は文字通りポータルを利用したパズル=テストを解いていくゲームである。
以下に簡単なルールを示す。
- ポータルは青・橙の2色あり、白い壁・床・天井に1つずつ設置可能。
- 両方のポータルが設置されていれば、0距離移動できるドアになる。
- ポータルは人以外も通行可能。また、入った時の勢いは保持される。
要はどこでもドアである。なお、ゲームはじっくり考える場面ばかりでなく、落下しながらのポータル設置と言ったアクション的要素が要求されることもある。
ギミック
ゲームはポータルをくぐって終わりではない。テストチェンバー内には様々なギミックが導入されており、これらを駆使して進んでいくことになる。
所謂、箱。持つことができ、レーザーやタレットを防いだり、ボタンを押したりといろいろな役目を担う。
たいていの場合、これの管理で頭を抱えることになる。
加重格納キューブの親戚。色がピンク中心で、ハートがあしらってあり可愛らしい。
耳を近づけると声が聞こえる気がするらしい。決して生きてはいない。
所謂、スイッチ。強化超(ryは主にキューブを乗せると作動し、押しボタンはプレイヤー自ら押す。
キューブの召喚やシャッターの開閉など、主な仕掛けのオンオフは大抵これらで行う。
たまにプレイヤーが踏むことのできない凹んだタイプや、球(角なし安全キューブ)専用のタイプもある。
所謂、ドア。出入り口に設置されるが、大抵は該当する仕掛けを作動させないと開かない。
これを開放してエレベーターに乗り込むのがパズルの主目的。
プレイヤー以外といった未許可の物質を消滅させるうえ、プレイヤーが通ると設置したポータルも強制的に消去される。ポータル弾も遮蔽するためフィールド越しのポータル設置も不可能。
パズル間の区切りだけでなく、パズル内の障害物としても設置される。
コミュニティチェンバー以外では極めて稀だが、プレイヤーを即死させる赤いタイプも登場する。
先述した固定砲台型ロボット。
視界内にChellを捕捉すると機銃掃射で容赦なく始末しようとしてくるが、タレット自身はその場から動くことはできず、横倒しにされるとエラーを起こして機能停止するなど、衝撃に非常に弱い。
そのため、横や後ろから押すなり、足元にポータルを開けたり、近くのポータルから箱などをぶつるなりで、バランスを崩して文字通り「倒す」だけで無力化することができる。それがちょい難しいんだけど。
半透明の青い光の地形。ポータルを通して展開し、橋代わりにすることができる。(巻き込まれて即死したりはしない)
COOPでは後述のジェルを塗りたくることも可能。
たまに垂直に照射されて壁代わりになっていることがあるが、その場合は高確率でタレットか大ジャンプの壁に使うことになる。
いわゆる
レーザービーム。壁や天井からまっすぐ発射される。箱を使って防いだりポータルを通したりして受光器に当てる。
前作や
Half-lifeとは違い、一瞬触れるだけでは即死はしない親切仕様。
しかしタレットは一瞬でも当てると炎上爆発する。
中にガラス玉のようなものが組み込まれたキューブ。ビームを遮断せずに向きを変えることができる。
このキューブがあるということはつまり、上記のビームをうまいこと反射させる必要があるということ。
もちろん、通常のキューブと同様にボタンを押すこともできる。
いわゆるジャンプ台。乗ると一定の速さで打ち上げる。
青・橙・白のジェル。巨大なチューブから勢いよく放出されている。付着した壁、床、キューブなどは特殊な効果を発揮する。
青はよく跳ね、橙はよく滑り、白はポータルを設置できるようにする。しろくべたつくなにか
たまに色のジェルを洗い流せる水もとい透明の洗浄ジェルがある場合も。
……Caveの説明によれば、青ジェルを浴びると体中の骨が折れたりするようだが、(ゲームの都合上)Chellは浴びても平気なのでご安心を。
液体アスベストを利用したトラクタービームのトンネル。入ると浮遊しながら運ばれ、プレイヤーは空中でも落下することなく移動できる。
ボタンによって向きを変えることができる場合もある。「液体アスベスト」が何なのかは私にもわからん。
その他の要素
レベルエディター:コミュニティテストチャンバー
Portal2ゲーム内に自分でテストチェンバーを作成する機能がついており、Steamワークショップにアップロードすることが可能。みんなが作ったテストをダウンロードして遊び放題。
上記のギミックはほぼ全部使用可能で、部屋の形も小回りがきく。
二人プレイ
Steamのフレンドと専用のテスト・ストーリーを舞台に二人で遊べる。もちろん協力が不可欠だが、ボイスチャットでなくても一通りの指示ができる優秀なピン機能がついている。
友達がいない場合は裏技を使えば一人でも遊べるよ
Community MOD
他にも、第三者が作成したMODで、Valveの審査を受けSteamのストアに出品されている作品群が存在する。
- ポータルの代わりに青と橙のジェルを発射できるようになった『ペイントガン』を駆使する『Aperture Tag: The Paint Gun Testing Initiative』
- 1952年に被験者として召集されたオリンピック選手の一人、Melを主人公としたサイドストーリー『Portal Stories: Mel』
- 『タイムマシン』で過去の自分の行動をリプレイさせながら一人二役でパズルを解いていく『Thinking with Time Machine』
- 20年後の未来に通じる『タイムポータル』が加わり、四次元で考えることが重要になる『Portal Reloaded』
など、どれも力作揃いかつ超高難易度なので、ポータルに慣れた人はぜひ遊んで欲しい。
追記修正は別れを惜しみながらお願いします。
- Valve Corporationが発売したPortal2で二人プレイを行うにあたり、あなたには"友達"として加重コンパニオンキューブが提供されます。 -- 名無しさん (2021-05-04 09:48:41)
- とうとうPortal本編の記事も立ったか。おつかれさまです。 -- 名無しさん (2021-05-04 10:23:02)
- 面白いのは確かにそうなんだけど前作に比べてやたらと暗い場面が多いせいでやりにくくて投げちゃったなぁ…… -- 名無しさん (2021-05-04 11:02:48)
- 世界一萌えるじゃがいも電池AI -- 名無しさん (2021-05-04 12:01:45)
- 「GLaDOSの盛大な煽りによって激昂した彼はChellもろともAperture創業当時の施設が眠る地下へと落としてしまう。」←マヌケコアの項目と言えども、Chellもろとも"誰を"落としたのか目的語をちゃんと書くべきです。(機械音声) -- 名無しさん (2021-05-04 12:10:29)
- 白は月の石だって説明はあったと記憶してるんだが橙と青はどういう物質が説明あったっけ? -- 名無しさん (2021-05-04 13:14:56)
- ↑、↑2 修正しました。 -- 名無しさん (2021-05-04 14:28:46)
- 青ジェルは「ジェルの成分は現在調査中だが~」って言ってたね -- 名無しさん (2021-07-18 16:10:04)
最終更新:2025年03月22日 11:01