捨てちゃう女(笑ゥせぇるすまんNEW)

登録日:2021/07/24 (土曜日) 13:16:10
更新日:2021/09/12 Sun 19:37:37
所要時間:約 8 分で読めます



『捨てちゃう女』は『笑ゥせえるすまんNEW』5話Bバートのエピソードである。
『NEW』放送に当たって新たに作られたオリジナルエピソードである。

「趣味に生きる男とそれに悩む妻」というシチュエーションは『笑ゥせぇるすまん』においておなじみであるが、今回は妻目線の話、さらに放送当時ブームになったものが絡むと……



【あらすじ】

「豊かで満ち足りた家庭。私ったら世界一幸せなのかも……」

専業主婦・物餅富美恵は自宅で掃除中、息子・豊の表彰状をどこに置こうか悩んでいた。
ピンポーン
富美恵がインターホンを見るとどう見ても怪しげな男……喪黒の顔が。
富美恵は慌ててインターホンを切るも、喪黒はしつこく呼び鈴を押してくる。
富美恵が追いかえそうとドアを開けると、喪黒がこれとばかりに押し入ってくるので、根負けしてテラスで話を聞くことにした……



【登場人物】

CV:玄田哲章
おなじみ笑ゥせぇるすまん。
今回は物語冒頭で富美恵とすれ違った際にいち早く目を付けるなど、せぇるすまんとしての嗅覚を発揮する。

  • 物餅(ものもち)富美恵(とみえ)
CV:恒松あゆみ
38歳の専業主婦。
大企業に勤める夫、成績優秀な息子を持ち、かなり広めの庭付き一戸建てのマイホームに住むという、外部からみれば何不自由ない生活を送っていたものの、夫の鉄道模型や息子の表彰状やトロフィーが増えていく様に頭を抱えていた。
後述のように、夫のコレクションに理解はあったのだが……

  • 物餅豊
CV:若井友希
小学生になる富美恵の一人息子。成績優秀で、部屋には本が棚いっぱいに並べられている他、塾のテストでの表彰状やトロフィーを部屋いっぱいに飾り立てている。

  • 富美恵の夫
CV:仁科洋平
一流企業の出世頭で、性格も優しくて真面目という好人物。
鉄道オタクで、部屋に鉄道模型やジオラマを飾り立てている。新発売の模型を買ってきてはしゃぐ様は豊から「子供みたい」と言われるほど。
富美恵からプレゼントされた金メッキされた限定版の蒸気機関車の模型を一番の宝物にしている。

  • 鴨野明子
CV:遠藤さやか
超高級タワーマンション「グレートリッチヒルズ」の住人。推定50代のナイスバディ。
物が溢れる生活に悩んでいた富美恵に「あの」ライフスタイルを勧める。














【顛末】
「ああ……、嫌だ。スキマを埋めるなんてぞっとするわ」
喪黒の名刺のフレーズ「ココロのスキマ…お埋めします」を見て、富美恵は拒否反応を示す。
そんな富美恵に喪黒は「完璧な家庭を持ちながらあなたの心は満たされていない」と畳みかけるように核心を突く。
「明日ここへ行ってみてください。奥さんが望むものが手に入るかもしれませんよ」
喪黒は超高級タワーマンション「グレートリッチヒルズ」のカードキーを手渡す。
「あんなところに入れるわけが……」と躊躇する富美恵に喪黒が「ドン!」



翌日、グレートリッチヒルズにやってきた富美恵はある部屋に案内される。
「鴨野明子です。お待ちしておりましたわ」
「は、はい。よろしくお願いします」

「無駄なものが何もない。洗練された空間。なんて素敵なの?」
鴨野に誘われて部屋に入った富美恵は、まるでモデルルームを思わせるような片付けぶりに感激した。
ベッドルームやバスルームを回り、富美恵がクローゼットに目を止め扉を開けようとすると、「そこはご遠慮くださる?」と鴨野に止められた。



「すみません。でも素敵なお住まいでうらやましいわ。シンプルで洗練されていて、うちは物で溢れていてとてもこんな……」

「断捨離ですわ」

すっかり魅了された富美恵に鴨野がこうアドバイスする。
「物欲を断ち切り、ムダな物をどんどん捨てるんですわ。使うあてのないものとはキッパリとお別れする。季節家電は使う時だけレンタルする。新しい服を買ったら同じ数の古い服を捨てる。そうね、どうしても物を貯めてしまうようなら、まず先に収納家具を捨ててしまうといいですわよ」
「ね?」

鴨野の自信にあふれた話しぶりに富美恵はすっかりとりこになってしまう。
「私、やってみます!!素敵な暮らしのために!!」






まず手始めに、富美恵は夫の鉄道関連の雑誌や豊の天文関連の雑誌を捨てることにした。

「不思議…… 物を捨てて家の中にスキマができるほど心のスキマは埋まっていく」

晴れ晴れとした表情をした富美恵。

「何だか家の中が片付いているなあ」「すっきりして気持ちいいよね」
富美恵の異変に気付かない夫や息子。
これに味を占めたのか、夫が豊に一番の宝物である、富美恵にプレゼントされた機関車の模型の話をしているときも、富美恵は断捨離に精を出していた……



数日後、喪黒が物餅家を訪ねてきた。
トロフィーを収めていた棚、表彰状を収めた額などがすっかりなくなり、テレビやソファー、テーブルなど最低限の家具しか置かれていない部屋を見て、喪黒も感心する。
棚も捨てたことに対し、喪黒は「高そうなのにいいんですか」と問うが、富美恵は「それを言っていては片付きませんもの」と自慢げに語る。
「それに、もったいないと思う物ほど、勇気を出して断捨離すると、物欲から解放されてすっきりするんです。おかげで毎日最高の気分ですわ」
これを聞いて、喪黒はお祝いにとバラの花束を差し出す。富美恵は顔がこわばって固辞するも、喪黒は引くことなく渡そうとする。
二人はいるいらないで押し問答になり……


「だから、いらないって言ってるでしょっ!!!」

富美恵はバラの花束をゴミ箱にぶちまげる。
「ちょっとでも物を増やしたくないの!まだまだ片づけ足りないっていうのに!ああ~、何もかもすべて全部全部片づけてしまいたい!!」
自身の感情を爆発させる富美恵。

「よ~くわかりました。では、心のままに好きなだけ片づけてください。徹底的に! ドーーーーン!!」



+そして……
富美恵は模型部屋に入ると、ジオラマを容赦なく折り曲げる。その時、自分がプレゼントした宝物の機関車が転げ落ちた。
富美恵の脳裏にプロポーズされた想い出が浮かぶも、
「大事な大事な想い出?」
瞳からハイライトが失われた富美恵は機関車を踏み潰した。

その日、帰ってきた夫が、部屋の有様を見て慌てて問いただすも、富美恵は「すっきりしたでしょ?」と涼しげな顔でこたえるのだった。これには夫も愕然とするばかり……

数日後、富美恵は庭に本やトロフィーを山積みにして、「やっと全部片付いた」と火をつける。
ちょうど帰ってきた夫が、家族写真が収められたアルバムまで燃やされるのを見て愕然とし、火を消そうとするも、富美恵は無表情でつぶやく。

「そうね。捨てたら二度と元に戻らない、かけがえのない物。だからこそ捨てなくちゃいけないの。執着から解放されて自由になるのよ」

そこに豊も帰ってきた。塾のテストで全国1位になったということで新しいトロフィーを母に見せびらかす。富美恵は「よく頑張ったわね」と息子を褒めるが、

「でも、こんなに大事なものはすぐに捨てないとね」

「へ?」


鴨野家の、富美恵が入るのを止められたクローゼット━━プライベートルームにて、喪黒と鴨野が談笑する。鴨野は、家賃を安くしてもらう代わりに、部屋の一部をモデルルームとして開放していたのだった。
「あんな不便な部屋、仕事じゃなきゃ無理無理。やっぱりこのクローゼットの中が一番落ち着くわ」
ホーホッホッホッ

一方、物餅家では、富美恵に愛想を尽かした夫と豊が家を出て行ってしまった。富美恵は無表情なまま見つめるだけだった……

「今頃富美恵さんの家はずいぶん片付きましたかね?ただ、夢中になりすぎて捨ててはいけないものまでうっかり捨ててなければいいのですが。心のスキマをお埋めしてさしあげるつもりが、むしろスキマだらけになってしまっては大変ですからねえ。ホーホッホッホッホ」

【余談】

アニヲタwikiにも項目がある「断捨離」だが、あくまでも本人の私物を整理することが目的であり、決して他人の物を捨てることではありません。
断捨離を名目に私物を捨てられた被害者の話は検索するとゴロゴロ出てきますが、「無てて一家散」にならないように注意しましょう。


追記・修正は家族に迷惑をかけずに断捨離ができる人がお願いします。


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最終更新:2021年09月12日 19:37