カレルレン(ゼノギアス)

登録日:2011/07/08 (金) 01:35:56
更新日:2024/09/15 Sun 08:56:13
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ゲームゼノギアスの登場人物。

Karellen
年齢:推定535歳
身長:185cm
体重:74kg
B・W:90・72
靴:27cm
洋服:L
声優:置鮎龍太郎



世界を裏から支配する《神聖帝国ソラリス》の人間。
長身と金髪、端正な顔立ちが特徴。

肩書き上は、ソラリスの頂点に立つ《天帝カイン》の相談役、兼護民監(議会の決定を審議する役割)……という事になっているが、カインが政治に興味を示さず、また議会がないソラリスでは実質的な最高権力者。

その為、『カレルレンの言葉は天帝の言葉』と言われる程の影響力を持ち、ソラリスの人間からは崇められている。


非常に優秀な科学者であり、特にナノテクノロジー(分子科学)に精通している。

ソラリスが極秘裏に進める《M計画》にも主要人物として携わっており、ソラリスの最高機関《ガゼル法院》と共に暗躍する。




以下、重大なネタバレ注意









今でこそソラリスにいるカレルレンだが、500年前は地上の人間である。

私生児(父親に認知されない子供)として生まれるが、同時に母エルアザルが死亡し、天涯孤独の身となった。

依るべがなくなったカレルレンは、当時ニサン教を国教としていたニムロド帝国のラオディキア傭兵団に入団。
数々の武勲を挙げ、やがて団長の座に就いた。

かつてのカレルレンは現在のように理知的で余裕のある人間ではなく、その冷酷非道さは団員達にとって畏怖の対象。
かなりヤンチャしていたようだ。


当時はニサンの次期教母選出期であり、これは国内のパワーゲーム的意味合いも大きかった。

カレルレンはニムロド国王の命令で、勢力の強いペヌエル修道院の襲撃部隊指揮官に配属。
ペヌエル修道院の次期教母候補ソフィアを暗殺に向かう。

しかし、殺しに来たカレルレンに対し「ありがとう」と微笑んだソフィアの姿に、カレルレンは生まれて初めて『人間の情』を抱く。

そのまま衝動的にソフィアを連れ、逃走。
以後数年の間姿を消す。

数年後、地上の直接支配に乗り出したソラリスと地上・シェバト間で戦争勃発。
ニサン僧兵長となったカレルレンは、ラカンらと共にギア・バーラーを駆りソラリスと戦っていく。


経歴を見れば分かる通り、バリバリの戦闘人間。
以前はラカンに「武術にしか興味がない」と言われる程だった。

しかしある時、ソフィアに「心を落ち着けるには書物が一番」と教えられ、学問の勉強を始める。
それ以降は人が変わったように学問にのめり込み、シェバトの《三賢人》のひとり、トーラ・メルキオールの門下生の中で最も優秀とまで言われるようになった。

特にメルキオールから教えられたナノテクノロジーに傾倒し、4000年前に書かれたナノマシンに関するレポートの解析に躍起になっていた。


ラカンとは親友ではあったが、ソフィアに想いを寄せるカレルレンは、ソフィアから愛情を向けられているラカンに複雑な感情を抱いていた。

しかも単に愛されているならまだしも、ラカンはソフィアの想いを拒絶して逃げ回り、かつソフィアから離れられないという重度のヘタレであった為、さすがにカレルレンもイラッ☆を抑えきれず、ラカンに八つ当たりをする事もあった。


そしてソラリス戦役末期、ソラリスとシェバトの共謀によりソフィアは死亡。

呼んでも応えない神、信仰に絶望したカレルレンは「自ら神を造り出す」為、ソラリスに亡命。
ヒトの運命を憂いていた天帝カインと接触し、『SOL-9000』というコンピューターでグラーフ(ラカン)に殺されたガゼル達を人格データとして再生。

亡命時に手土産としてナノテクノロジーを提供し、ヒトを星間戦略兵器《デウス》の部品として進化させる為のM計画を推進していった。


同時期にミァンとも接触し、彼女の手引きによって1万年の昔に不時着した恒星間航行船《エルドリッジ》の中央コンピュータ《ラジエル》に至る。

デウスの全てを知ったカレルレンは、自分の求める《神》はガゼルやミァンが求めるデウスではなく、更に高次元の『存在そのもの』、《波動存在》であると確信。

カインやガゼルにも極秘に、自らが神の下に至る為の《プロジェクト・ノア》を開始し、『神との合一』の時まで生き長らえる為、自らにナノマシンによる延命処置を施した。



デウス復活の最終段階において、ガゼルはヒトをデウスの部品に変質させる為の解放装置《ゲーティアの小鍵》を発動。
野望達成を喜ぶガゼル達だったが、それはカレルレンの巧妙な罠だった……

唯一の障害であった、ヒトに対して絶対的行使力を持ったカインを『カインのコピー』ラムサスによって排除したカレルレンは、最初から鍵を発動した後にガゼルを葬るつもりだったのである。

「神? 誰が神になるというのだ? おこがましい事を言う。《ヒトは神になれぬ》のだよ。私達に出来る事は、ただその身を神に委ねる事だけだ」


そして《対存在》であり、デウスの『頭脳』であるエレハイムを手に入れたカレルレンは、デウスを復活させる……



以下、最終ネタバレ








最終局面、フェイ達は遂にデウスの破壊を果たす。

同時にゾハルも破壊され、物質という檻に捕われていた波動存在も高次元に回帰する訳だが、その際の次元シフトの余波は惑星ひとつを簡単に破壊するものだった。

身を挺して星を救おうとするエレハイムを助ける為、フェイはデウスに突撃。

そして開かれた高次世界への道、《セフィロートの道》にてカレルレンと対峙する。
全裸で。


『宇宙の始まり以前、全てがひとつだった場所』……つまり波動存在と一体化する事こそが、カレルレンの真の目的だった。

「ラカン……何故そうまで頑なに神との合一を拒む。下らん現世に何の未練がある? 他人を傷つけ、自分を傷つけ、互いを削りながら短い生を全うして土に還る事に何の意味がある?」

「なまじ意志などというものがあるが故に、ヒトは悲しみと喪失を経験しなければならない……だから私は、全てを最初の時点に戻そうと考えた。波動という、それ以外何もない、ひとつの存在であったあの頃に……」

「それでもいいさ……不完全でも構わない。いや、不完全だからこそ、お互い欠けている何かを補いあい生きていく……それが人だ……。それが解り合うという事なんだ!」


ラカン(フェイ)と戦い、依存する『ヒト』ではなく自立する『人』の強さを知ったカレルレンは、エレハイムを解放。全裸で。

フェイから、「生きて罪を償う」事を求められるが、『神の下に行く』というカレルレンの決意は固かった。

「相変わらず優しいんだな、ラカン……きっとそれが、人として生きる事の意義なんだろうな」


カレルレンは、フェイやエレハイム、ミァンとは違い、『普通のヒト』である。

にもかかわらず、世界の全てを巻き込んでデウスを復活させ、波動存在への下に至ったのは、全て『ソフィアへの愛』が原動力。
また、結果的に大きな罪を犯しはしたが、これらは全てソフィアから教えられた『愛』を、全ての人に対して実践しようとした故の行動であった。

エレハイム曰く、「誰よりも人を愛していた」男。


旅立ちの前、フェイとエレハイムに『求めていた愛』を見たカレルレンは、
「お前達が、羨ましいよ……」
と呟く。全裸で。
今まで自分を偽ってきた男が漏らした、『人』としての本音であった。



名前のモチーフはアーサー・C・クラーク著『幼年期の終わり』に登場する同名の人物。
ちなみに元ネタのカレルレンの種族は進化の限界に陥っており、大いなる意思と合一できない悲哀を抱えていた。

また、ソフィアとの関係は斉天大聖(孫悟空)と三蔵法師のそれがモデルになっている。
そのため額に輪っかを嵌めており、部下の名前もケンレンとテンポウだったりする。

典型的な美形キャラだが、デザイナーの田中は美形キャラが苦手だった為デザインに苦労したらしい。




出番が少ないのも相まってか、特徴的な名前が目立つゼノギアスでもトップクラスの名前の覚えづらさを誇る。カルレルンとか。

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最終更新:2024年09月15日 08:56