登録日:2025/08/24 Sun 17:45:51
更新日:2025/08/24 Sun 22:28:05NEW!
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概要
初登場は昭和シリーズ第5作『
ガメラ対大悪獣ギロン』。ガメラシリーズきってのイロモノとして有名な怪獣で、四足歩行の包丁のような姿が特徴。
大事なことなので2回言いました。
言うまでもなくデザイナーの暴走の産物であり、「とにかくすごい怪獣」を生み出そうとしてこうなったらしい。
そのシュールさからくるインパクトは凄まじく、今でこそガメラ、
ギャオス、
レギオン、
イリスの影に隠れがちだが、昭和の時点ではギャオスよりも有名だった。
ただ、この色んな意味で尖ったデザインは「昭和だから許された」という面もあるようで、『
ガメラ2 レギオン襲来』にて再登場の機会を一度逃したという。
『ガメラ対大悪獣ギロン』でのギロン
別称 |
大悪獣 |
身長 |
85m |
体重 |
110t |
ひと跳び |
1300m |
太陽系第10番惑星テラに発生した怪獣の1体。宇宙ギャオスと違って複数いるのかは不明。
テラ星人の生き残りであるフローベラ&バーベラによってコントロールされており、番犬のように扱われていた。
普段は川の下の空間に格納されており、出現する時には川が逆流して、水が完全に引いた川底が真っ二つに裂けるというシークエンスを挟む。ロボットアニメでやれ。
上記の通り頭部が巨大な刃物になっていて、これはダイヤモンドの100倍の固さを持ち、昭和シリーズでは唯一ガメラの背面側の甲羅に傷をつけることに成功している。
どう見ても真正面にしか攻撃できないインファイターに思えるが、実際は非常に広い攻撃範囲の持ち主。
まず脚部に「ジェット液袋」という機関があり、ここで作り出した液体酸素を噴射することで1300mも跳び跳ねることができる。
次に刃の根元から、自分の脳みそから作り出した、自在にコントロール可能な十字手裏剣を発射できる。
この2つの能力により、どれだけ距離を取ろうが、空を飛ぼうが、ギロンの射程距離から逃げることは困難となっており、ギャオスは惨敗、ガメラは2回も水中に避難を余儀無くされた。
おまけにギロンは泳げるので、水中への避難もあまり意味がなかったりする。
脳みそを武器として飛ばすため
空想科学読本では
「頭が悪くなるぞ!」ともっともなツッコミをされているが、劇中でのギロンは
- ギャオスの超音波メスを、頭の刃で反射してギャオスの右足を切断
- 頭が岩壁に刺さって身動きが取れなくなったので、即座に攻撃手段を手裏剣に切り替える
- ガメラが甲羅に手足を引っ込められないように四肢を狙って手裏剣を発射
と、少なくとも戦闘においては利口なようである。
他の能力としては、手に「マグネチック吸盤」と呼ばれる機関があり、ここからマグネチック液を出してなんでも吸い付け、どこでもよじ登るとされる。劇中ではガメラにしがみついて一緒に空を飛ぶ姿が描かれた。
体内には宇宙に漂ういろいろなエネルギーを吸収し、ためておく「エネルギー袋」という機関もあるが、具体的に何に使うのかは不明。
弱点は、「攻撃手段が頭部に集中しすぎていること」「十字手裏剣の射出孔は内部が露出するため体表よりも脆いこと」の2つで、最期はこの2つの弱点を同時に突かれることになる。
ガメラによって地面に深々と突き立てられ、身動きが取れなくなったギロンは、更に射出孔に明夫とトムが放ったミサイルを突っ込まれてしまうのだ。
だめ押しとばかりに放たれたガメラの火炎放射によりミサイルは爆発。ギロンは何故か上半身と下半身が真っ二つになり絶命した。
他の怪獣と同じく、10万年前に栄えた超古代文明が作り出した生体兵器の1体。
「頭が刃物の四足歩行怪獣」という基本デザインはそのままながら、シャープでスタイリッシュにブラッシュアップされた。
昭和版がもっさりしすぎてるとか言わない。
その代わり目つきが
バルゴンよりもイッてしまっており、他の怪獣たちよりも感情や思考を読み取ることは困難。「生き物」よりも「兵器」としての側面が色濃い印象を受ける。
また、下顎が分裂して開閉するなど異形感も強くなった。
なんとガメラと分岐・派生種の関係にあり、全身をガメラと同様の堅牢な鱗装甲で防御している。
頭の刃は「超振動ブレード」と呼ばれ、振動させることであらゆるものを切断する他、地中潜行も可能となった。
高いジャンプ力は健在どころか昭和版よりもアグレッシブ。おまけに胴体と内蔵が伸縮自在のため太刀筋が非常に読みづらい。
さすがにトンデモ設定が過ぎた十字手裏剣は使わなくなったが、その代わりに鱗装甲の一部を尾部の電磁射出器官とプラズマ管によって高速発射する。この攻撃は尾先から頭部先端までの鱗装甲の隙間をレールとして使用しており、鱗が高速回転することで手裏剣状の残像を作り出す。
劇中ではジグラの死骸を捕食するために地面から飛び出すというかたちで初登場。その後、海を渡ってボコたちのいる与那国沖の研究所を襲撃した。
ガメラとの戦闘ではその変幻自在の太刀筋でガメラを圧倒。しかもちょうどガメラの背後の建物にボコたちがいたため、ガメラは彼らを守るために棒立ちになってしまう。
その隙を見逃さずギロンは執拗に攻撃を繰り返し、鱗弾によってガメラの左目を潰し、超振動ブレードでガメラの右手を切断。トドメと言わんばかりに超振動ブレードでガメラの腹部を貫通した。
さすがのガメラもこれにはダウン。もはやこれまでか…と思いきや、ガメラは回転ジェットモードへ移行する。
ガメラの「子どもたちを守る」という執念に気圧されたのか、後退りしながら鱗弾で攻撃するギロン。だが鱗弾はガメラの甲羅に弾かれ歯が立たない。
ならば超振動ブレードで、と跳び跳ねたところをそのまま突撃してきたガメラに縦に真っ二つにされギロンは絶命。死骸は海中に没した。
続く
バイラス戦ではガメラの左目は完治していたのだが、右手は最後まで再生することはなく、大きなハンデとして残ることになった。
余談
昭和版のギロンは、「大悪獣」という肩書きに反して「明夫とトムを救出する上で邪魔だった」というだけであんまり悪いことをしてない。最初はフローベラたちにコントロールされていたが、後半は明夫とトムが手当たり次第に装置をいじった結果コントロールから解放される、と人間に振り回されっぱなしなのだ。
戦闘に関しても全てテラで行われたため地球には一切被害を出していないばかりか、地球人を襲って食べる気満々だったフローベラたちの脱出を妨害したため間接的に地球人を救っていたりする。
また、テラに残っている宇宙船は劇中に登場したものしか現存していないことがフローベラたちに語られているため、フローベラたちの計画が成功していれば、下手をすればギロンは格納スペースで一生を終える可能性もあった。
こうして考えてみるとちょっとかわいそうな怪獣である。
『
小さき勇者たち~ガメラ~』のノベライズ版では「Gギロン」が登場する。ギャオスの肉片を取り込んだことで怪獣化したのだが、その原型はなんと
巻貝。もっと他にあっただろ…。
映画『
パシフィック・リム』に登場する
怪獣、ナイフヘッドは「頭が刃物」という点がギロンと共通するため、ファンからは「ギロンに影響を受けた怪獣」だと思われていた。
だがナイフヘッドをデザインしたウェイン・バーロウ氏はギロンの存在を知らなかったらしく、「ナイフヘッドはゴブリンシャーク(ミツクリザメ)を参考にした」と語っている。
つまり、ナイフヘッドはアメリカ版ギロンではなく
アメリカ版ジグラなのだ。
追記・修正はギロンに真っ二つにされる前にお願いします。
- とある方が「幼少期は親戚のお下がりで『お前の妹はジャック・ザ・リッパーかよ』と兄の友人にツッコまれるほどやたら多種多様なままごと用の包丁のおもちゃがいっぱいある環境だったが、一番お気に入りだったままごと用の包丁はギロンのソフビ人形だった」という漫画を描かれていて吹いた -- 名無しさん (2025-08-24 21:52:31)
- ギロン人とは関係ない 言うと思ったよ -- 名無しさん (2025-08-24 22:28:05)
最終更新:2025年08月24日 22:28