デアデビル:ボーン・アゲイン

登録日:2022/01/26 Tue 22:19:20
更新日:2022/01/28 Fri 19:14:11
所要時間:約 5 分で読めます



マードックが何だというのだ?奴などただの小物にすぎない。

観察して、分類して、必要ならば、葬り去り、場合によっては・・・配下にする手もあった。

それだけの相手のはずが・・・

違っていた。

奴はそれ以上の存在だった。

以前からずっと

これでわかった・・・



希望を失った男は・・・恐れを知らぬ男なのだと



『Daredevil: Born again』は1986年にマーベルコミックスから出版されたアメコミ作品。

+ 作品情報
『Daredevil』#227~#231
発売 1986年2月から
脚本 フランク・ミラー
作画 デビッド・マッツケーリ

日本では2011年にヴィレッジブックスから邦訳本(訳:秋友克也)が発売されている。おまけとして前日譚の#226とイラスト集、下書きが収録されている。

デアデビルは1964年にスタン・リー、ビル・エヴェレットによって誕生し、マーベルヒーローの中ではマイナーな部類のキャラクターだったが、1979年にデビューしたばかりのフランク・ミラーがストーリーに携わり一躍人気のキャラクターとなった。
マーベルとしては異質なリアル路線の世界観でクライムコミック好きの作者の嗜好が反映されたハードボイルドなストーリーが特徴。
本作はその中でも特に人気が高い作品である。本作で用いられた恐れを知らぬ男("The Man Without Fear")は後のミラーのデアデビル作品のタイトルにも使われ、デアデビル自身の代名詞となっている。
当時ミラーは本作と並行してバットマン:ダークナイト・リターンズを、そしてこの後に再びマッツケーリとのコンビでバットマン:イヤーワンを発表しており、立て続けに名作が世に送り出されたこの期間はアメコミファンからは正に奇跡の1年として知られる。

デアデビルが宿敵によって全てを奪われどん底に突き落とされるという衝撃的な展開から始まり、仲間の協力を得て再び立ち上がるという胸熱なストーリー。デアデビルの協力者としてベン・ユーリックが登場し、ヒーローではない彼の活躍も重要な要素である。


【物語】

"デアデビル"ことマット・マードックの元恋人のカレンは麻薬欲しさにデアデビルの正体を売人に売ってしまう。

裏社会を通じてその情報を得たデアデビルの宿敵キングピンは宿敵を破滅させるため周到な計画の下に彼から社会的信用も財産も住む家も根こそぎ奪い去る。
キングピンが黒幕であることを突き止めたマットは彼のもとに向かうが、キングピンはマットを散々痛めつけ川の底に沈める。

デアデビルを始末し安堵するキングピン。
だが、彼の死体は上がらなかった。
マットは脅威の執念で死の淵から脱出したのだ。
自身の甘さを痛感したキングピンは新たな刺客"ヌーク"を差し向ける。

同じ頃、新聞記者、ベン・ユーリックはマットが危機に立たされていることを知りキングピンの脅迫に苦しみながらも行動を起こす決意をする。

【登場人物】

  • デアデビル(マット・マードック)
昼は弁護士として、夜はクライムファイター"デアデビル"として悪と戦う盲目のヒーロー。
本作では宿敵に正体を知られてしまったことによりシリーズ最大の窮地に陥る。
マーベルヒーローの中でも地味とされるデアデビルだが、本作での傷つき絶望しながらも最終的に力強く立ち上がる姿は「ヒーローとはどのような存在なのか」を読者に力強く訴えかける。

  • キングピン
裏社会の帝王であり、デアデビルの宿敵。
デアデビルの正体を知ったことで裏社会での権力をフル活用し、マットの人生を文字通り破滅させていく。
日々肉体を鍛え上げており、傷心のマットを素手で一方的に打ち倒した。
表の顔は慈善事業家として知られ裏稼業を隠すために自ら手を汚すことを望まないが、その姿勢が結果的に仇となる。
本作での組織のカリスマとしての冷徹かつ強大なヴィランぶりは読者を震え上がらせ、マーベルのメインヴィランとして一気に知名度を高めた。

  • ベン・ユーリック
本作のもう一人の主人公。デイリービューグルに務める新聞記者。
デアデビルの正体を知る数少ない表の友人であり、長年キングピンの悪事を追い続けてきた。
キングピンの脅迫によって友人や家族に危害が及び何度も心折れそうになるが、ジャーナリストとしての使命を全うする、彼もまた「恐れを知らない男」である。

  • ヌーク
デアデビルの生還を知ったキングピンが差し向けた刺客。本名はシンプソン。
ベトナム帰還兵であり顔に星条旗のペイントを施し、星条旗カラーのドラッグを使用する。
ヘルズ・キッチンを襲撃して混乱に陥れるもデアデビルとの対決の末にまさかの相手と対峙することに。

  • カレン・ペイジ
マットの元恋人で落ちぶれた女優。
麻薬中毒に苦しんでおり麻薬を買うためにデアデビルの正体を売ってしまう。
その後、自身が原因でマットが追い詰められていることを知り、彼の下へ駆けつけようとする。
紛れもない本作の元凶だが、中毒に苦しみ弱々しい姿を晒しながらも罪を償おうとする彼女も本作の象徴的なキャラクターである。

  • フランクリン・ネルソン
マットの親友で弁護士。愛称はフォギー。彼の裏の顔は知らない。
突如として訴訟の嵐に巻き込まれた彼の冤罪を晴らすために尽力し、
助けを求めたカレンを保護する。

  • グロリアーナ・オブリーン
マットの現在の恋人。
カメラが趣味で、キングピン絡みの事件の証拠集めに貢献する。

  • J・ジョナ・ジェイムソン
新聞社デイリービューグルの編集長。
ベンの理解者でありキングピンの脅迫に動揺する彼にジャーナリストとしての矜持を説き力強く後押しする。
スパイダーマン最大の宿敵として有名なキャラクターだが、本作での彼のセリフは本作屈指の名言。

  • シスター・マギー
正体を隠しているが、マットの実の母親。
死の淵を彷徨っていたマットの命を救う。




【余談】

Netflix配信ドラマ『デアデビル』のシーズン3は本作の強い影響を受けている。



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最終更新:2022年01月28日 19:14