菜々野美々

登録日:2022/02/02 Wed 20:30:18
更新日:2024/09/07 Sat 19:54:22
所要時間:約 11 分で読めます





とにかく、みぬきさんのためなら、何でも力になりますからッ!弁護士さん、絶対に無罪を勝ち取ってくださいね!


菜々野美々(ななのみみ)とは、『逆転裁判6』第2話「逆転マジックショー」の登場人物である。

■概要

大劇場《トロンプ・シアター》にて開催される、成歩堂みぬきのマジックショー《ミヌキ・イン・アルマジカルランド》に出演するマジシャン。
瞬間移動」を得意としており、で身を隠した瞬間に離れた位置に一瞬にしてワープする芸当で観客を沸かせている。
マジシャンと言うよりバニーガールのような恰好をしており*1王泥喜希月からも最初はバニーさんと呼ばれたりした。
愛称はミミちゃん。
年齢は19歳でみぬきより2つ年上。服装のせいで分かりにくいが、恐らく胸は控えめ。
登場時のBGMは「たのしげな人々」*2

初登場時こそマジシャンは危険と隣り合わせであり、みぬきがそれに耐えられるかなどと意味深なことを呟いていたが、
淑やかな性格をしており、頼まれたら断れないタイプと、かなり良い子であることが分かる。実際に希月にマジックの紹介をせがまれた時は、彼女らを泥棒だと勘違いしながらもしっかりと帽子を使ったマジックを披露している。

ドジっ子のようで、手持ちのマジカルステッキ*3の取っ手に指を当ててクルクル回す癖があるが、最後に上空に飛ばしてはそれを自分の頭にぶつけてしまうのがお約束になっている。
本番のマジックショーにおいても、ぼうしクンとみぬきの入れ替わりマジックを行う際、ぼうしクンを立たせる位置を反対側にしてしまうというミスを犯してしまう。幸いみぬきのファインプレーにより、ショーの失敗は免れた模様。

マジシャンとしてみぬきは憧れの存在であり、彼女のことを語ると止まらなくなってしまう。
そして、王泥喜と希月が弁護士だと分かると、殺人の容疑をかけられたみぬきの無実を証明するために協力する姿勢を見せ、事件が起きた舞台の真下にある地下通路のドアのを開けてくれるが……


見ちゃったんです。この先にネタバレが書かれているところを。未プレイヤーの方は勝手にスクロールしちゃ、ダメですよ。

























…あのクソガキ、捕まってザマぁ見ろだわ!

何と、地下通路の調査をしていたところに、それまでの彼女とは打って変わって口調も表情も醜悪なものになった美々が、志乃山金成と共にやってきたのだった。
地獄耳だった希月が咄嗟に機転を利かせて隠れたことによって2人は見つからずに済んだが、そうとは知らずに美々はみぬきへの暴言をこれでもかと言うくらい吐きまくっていた。
そして、彼女にゾッコンな志乃山を顎でこき使っており、事件の件も公にならないよう裏で手を回すように仕向けていた。どうも彼女は志乃山と共謀してみぬきが捕まるよう暗躍していたようだ。
つまり、それまで会話していた時の彼女の態度は演技に過ぎなかったのである。

この豹変ぶりに王泥喜は驚愕。その後白々しくみぬきのファンだと宣う姿勢に憤りを感じるようになる。
そして、法廷内においてもみぬきには犯行が可能だとする証言をし始める。しかし、どういう訳か本性の方が簡単に露わになっており、希月はこの二面性に付け込んで彼女にはカウンセリングが必要だと主張。

彼女の心の中に潜む感情を暴くことに成功するが……



























キキ。……キキキキキキキキッ!
かぶっているのは"猫"じゃねェ!"ウサギ"だ!
アタシはね、血をすする吸血鬼よ!

恐るべきことに、それまで丸みを帯びていた髪が突然跳ね上がってコウモリの羽のようになり、目元が暗くなりそこから黄色い眼光が不気味に光る悪魔のような豹変ぶりを見せつける
その様は本人が言う通りまさしく吸血鬼そのもの。

カウンセリングをしたばっかりに変なのを引き出してしまったと希月はうなだれてしまうが、本性を露わにした際に「地下通路に居たものでしか知りえない情報*4」をうっかり漏らしてしまう。
これにより、事件当時美々は舞台の地下通路に居たことになり、容疑者の1人になり得ることが判明する。しかし、当の本人はずっと舞台上に居たため、ムジュンが生じてしまう。
王泥喜は指紋検査において発覚した謎の指紋が手掛かりであると指し示し、驚きの答えを導き出す……

























イリュージョンなんかじゃないわ!タネもしかけもないんだから!

そう、なぜならわたし達は……双子!

実は美々は双子であり、性悪な性格の方は美々の姉のミミちゃん2号菜々野輝々(ななのきき)であった。つまり、瞬間移動マジックの正体は双子による入れ替わりだったのである。

地下通路へ行けるようにしてくれたのは菜々野美々本人*5
王泥喜達を地下通路に導いておきながら、王泥喜らがいると知らずに地下通路内で志乃山と密談していたのもこのため。
つまり、美々は猫など被ってはおらず、冒頭で記述した性格や彼女のみぬきへの想いには嘘偽りは無かった。
どうも気の強すぎる姉には逆らえないようで、力関係と気の弱さの都合上言いたいことがあっても口に出せなくなってしまっている。

以降、2人はそのまま証言台に立つことになる。レイトン教授VS逆転裁判大逆転裁判シリーズでは関係者が複数人証言台に立つシーンが多いが、ナンバリングシリーズで複数人が並び立つのは非常に珍しい。
証言台に立ったのが輝々だったのは美々だとすぐにボロを出すと思ったからだろう。彼女もすんなり化けの皮を剥がされたけど。


正体を現した輝々は、実は裏で次のマジックの準備をしていたと主張するが、そのマジックは防火の準備が必要なのに防火用のバケツに水を汲んでいたかったことから、次のトリックはアクシデントにより中止になると知っていたことを見抜かれる。
しかし、ナユタにより志乃山が計画した「ドッキリ」をみぬきに仕掛けるべく、輝々が地下通路内でその準備をしていたことが暴かれ、殺人事件を計画していたものではないことが判明。
更に、輝々は事件当時、地下通路内で生きた被害者がこれからドッキリを仕掛けることを宣言する映像まで撮影していたことが明らかとなる。

これにより、被害者が死んだのはみぬきが「被害者が入った棺桶に剣を突き刺した瞬間しかない」と言うことになり、更に真犯人が仕掛けたワナによって、みぬきがドッキリのことを知っており、それを逆に利用して本物の剣で被害者を突き刺したことにされてしまう。
何とか王泥喜が凶器が異なることを示す証拠品を提出したため、一旦は難を逃れることになるが、やはり現時点で厳しい状況であることに変わりはなかった。


そんな中、裁判の休憩中に美々が王泥気に「気になることがある」と打ち明けてくる。
しかし、王泥気達に話しかけていることに気づいた輝々にどつかれてしまい、結局言い出せないままその場を立ち去ってしまう。

そして、裁判再開時にみぬきが剣をすり替えるマジックを披露したところ、事件当時を撮影したテレビの映像にはみぬきが剣をすり替える瞬間が映っていなかったことから、本物の剣を偽物の剣と差し替えるトリックに失敗した疑惑が浮上。これにより、追い詰められてしまったみぬきと王泥喜達であったが……


























待った!




そこにやって来たのはミキちゃん美々であった。
彼女はやはりみぬきが殺人を犯したとは信じられなくて、勇気を出して証言をするために現れたのだった。

当然ながらそれを黙って見ている輝々ではない。証言台に立つ美々の前にやってきては、彼女をどつきながら罵詈雑言を浴びせて来る。しかし……


……み、みぬきさんが、教えてくれたんだもん!
どんなに怖くても……バトウされても…それでも……
逃げちゃダメなんだって!プロのマジシャンなんだから!
そうですよね、みぬきさん!


志乃山が用意した悪質な観衆による罵詈雑言にもめげずに、笑顔でマジックを披露したみぬきの姿に心を打たれた美々は、姉への恐喝を振り払い、逃げずに前へ進むことを決意。
これに圧倒された輝々はダメージモーションを伴い、その後静かに口を閉ざすしかなくなった。

美々曰く、「ステージで見たものと(テレビで流れた映像は)何かが違う」
この違和感と疑問こそが休廷中に言いかけた気になることの内容だった。

同時に彼女は、美々のファンだと主張する番組スタッフが舞台袖から彼女だけをねっとりと映したストーカーまがいの映像を残しており、それを収録したディスクをプレゼントされたことを打ち明ける。職権乱用だし気持ち悪すぎる

最初はその行為にドン引きしていた美々であったが、勇気を出してそのディスクを提出。
撮影されたディスクとテレビ放送された映像の違いを検証し、放送された映像に捏造の痕跡があったため、その弁明をするべく真犯人が自ら登場。事態は最終決戦を迎えるのであった。
結果的に美々が脱出マジックの時に人生をぼうしクンの配置を間違えたことが真犯人にトドメを刺す決め手となり、事件は幕を閉じることになる。

美々が勇気を出して証言台に立たなければ、そして先のミスを犯していなければ真相は明らかにならなかった可能性が高く、間違いなく今回の事件におけるMVPであったといえよう。王泥喜も「これからきっと素敵なマジシャンとしての道を歩めるだろう」と激励していた。


彼女らは殺人事件の犯人も共犯者でもなかったが、真犯人の供述らトリックから彼女らのショー進行そのものも遠隔操作型の殺人トラップの起動スイッチとして利用されていたことが発覚する。*6
輝々も真犯人のことを手玉に取っていたようで実は取られていたこと、そして図らずも殺人の片棒を担がされてまでいたことに内心ショックを受けていた。


晴れてみぬきの無罪が証明された後は、実は美々だけではなく輝々のほうももまたみぬきの大ファンであったことが発覚。
どうやら2人がマジシャンを目指したきっかけでもあったらしく、姉への恐怖を克服した美々によって、次々とみぬきの熱心なファンであったことが暴露される。
要は(大変回りくどいが)愛情の裏返しであったようだ。

しかし、殺人事件の被告人にされてしまったみぬきを更に追い詰めようと思っていた辺りからも、尊敬と同時に大成功を収める彼女に対して嫉妬のような憎悪があったのは間違いない。


EDでは瞬間移動マジックのタネが明かされてしまったこともあってか客足が遠のいてしまったらしい。
そのため、美々はみぬきからの誘いである「成歩堂なんでも事務所」への所属を考えているらしいが、輝々はあくまでもライバルに徹する気らしい。いつか美々が自立して「成歩堂なんでも事務所」でデビューする道を選ぶ時が来るのだろうか*7


■余談

名前の由来はおそらく『聞き耳』。
まぁ実際に舞台下で聞き耳を立てて双子トリックを見破ったのは王泥喜・希月コンビだが。

製作段階では、猫を被っている点からそのまま猫耳や猫シッポを着けた猫コスチュームのキャラだった。髪もボブ風ではなくセミロングで見た目の印象が全然違う。
猫コスのラフ画には名前が無く双子どちらなのかわからないものの、猫を被っているのだからおそらく輝々の初期敲と思われる。


また探偵パートの時に楽屋をよく見ると、中央にある化粧品・水筒・コップ・鏡などの小道具がどれも2つセットで置かれているのが分かる。
これは美々が双子であることの伏線になっている。

美々のファンだというスタッフから貰った映像は、脚から順に上半身をドアップで、それも嘗めるかのように撮影している。
みぬきのマジックの成功を立証するためとはいえ、内心こんな映像を皆に見られるのは苦痛だったことだろう(哀しいことにこの気持ち悪い映像が無ければ詰んでいた可能性が高い)。
映像の最後の様子からもどうやら撮影をしていたスタッフとぶつかるというドジを踏んでいたようだ。


ちなみに王泥喜は彼女達にマジシャンの素質はないと思っているらしく、2話に出てくる選択肢の中にかなり辛辣な物が2つも仕込まれている。

特にカンガエルートにおける「ミミちゃんが間違えたこととは?→人生」のインパクトは凄まじく、彼女達を代表するネタとなってしまっている。

「いや、違う。人生に間違いなんてあるはずないんだ。」

「彼女も今後の努力で、すばらしいマジシャンになれるはずだ。」

「それを願い、今は事件のことを考えることに集中しよう。」

追い打ちをするかのようにPS4/Xbox One/Steam版の『逆転裁判456 王泥喜セレクション』では、この選択肢を選ぶことによって手に入るトロフィー・実績も存在する。
ミミ虐がひどい


名前に「耳」を冠する姉妹という点では逆転裁判2の『再会、そして逆転』に登場する葉中未実&葉中のどかの2人と近いタイプ(ただしあちらは姉の方である)。

ダメージモーションは商売道具である傘が謎の突風にあおられひっくり返るというもの。
同じく傘を持ち、似たようなモーションを持つ人物逆転裁判3の『思い出の逆転』にも登場する。

輝々に関しては、正反対の性格に妹に成りすますことに苦痛を感じていた人物や、希月のココロスコープで正体を暴かれた際は、逆に素の性格でいられることに生き生きとした態度を取った人物など、過去作の人物と共通する点も多い。
双子かつ性格が悪い姉も過去作にいるが、あちらと違いこちらの姉は性根までは腐っていない。ただ性格と口と根性が極端にひん曲がっているだけに過ぎない。
と言うか例外もいるが、逆転裁判における姉キャラは捻くれていたりクズだったりと何かしらの闇を抱えている場合が多かったりする。


ほら、行くわよミミちゃん。明日の準備があるんだから!
うふふふ。はりきってるね。皆さんに追記・修正してもらえるから。
ち、違うわよ!このうすらトンカチッ!

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最終更新:2024年09月07日 19:54

*1 OPでみぬきが『不思議の国のアリス』のコスチュームを着ていたるので、モチーフは白ウサギか三月ウサギかもしれない。

*2 ボクトを始めとした登場人物らと日常的な会話をする時によく流れる。

*3 一見するとただの杖だが、傘が内蔵された仕掛けが施されている。

*4 美々がぼうしクンを立たせる場所を間違えたので、みぬきがセリを動かしてぼうしクンの真下まで移動していたこと。反対側のセリは既に天井まで上がっていたので使うことが出来なかったので、やむを得ず下がっている方のセリを動かすしかなかった。

*5 冒頭で登場したのは開演の時間を知らせたのが美々で、不吉なことを言っていたのが輝々と思われる。

*6 被害者がナイフで致命傷与えるためには、双子によるぼうしクン引き上げが必須なため

*7 幸か不幸かみぬきのマジシャンの助手(扱いの人)が不在になってしまったので、代役を務めるにはうってつけであったりする。