BGM

登録日:2014/12/29 (月) 21:24:12
更新日:2023/01/24 Tue 23:12:09
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音楽の力は強いよ。テレビをみてもわかるだろ。
ロマンチックな場面では静かなあまいメロディー。
こわい場面ではきみのわるい曲。
クライマックスではいさましい音楽で、ムードをもりあげている。

ドラえもん』14巻「ムードもりあげ楽団登場!」より


【概要】

BGM(英:background music)とは、映像作品や舞台、ゲーム等で流れる音楽である。
OP・EDと同じく、作品の方向性や雰囲気において重要な役割を果たしている。

音楽ジャンルとして扱われることもあるが、何かしらのBGMであれば、どんなジャンルの曲でも良い。
クラシック音楽のようなオーケストラ曲からジャズ、テクノ、ロック、ヘヴィメタル、ポップス、EDM、ヒップホップ等、
多種多様なジャンルの曲が存在している。
また、BGMとして作られる音楽はインストの曲が多いが、ボーカル曲も存在する。

視聴したアニメや映画、ドラマ、プレイしたゲームを思い出してみてほしい。
話の細部は覚えていないかもしれないが、BGMは思い出せるということはないだろうか。
あるいは、作品自体は知らなくてもこのBGMは知っているということもないだろうか。
BGMは作品を印象付ける重要なファクターなのである。

続編や劇場版等にBGMが流用されることも多く、旧作キャラの登場時に旧作のBGMを用いれば非常に盛り上がる。
権利の都合等でアレンジ版が使われる場合もあるが、その場合でもメロディーラインを聴いて「あの曲だ!」と思い出しテンションが上がることだろう。


【作曲家について】

商業作品のBGMは、殆どがプロの作曲家やミュージシャンによって制作されており、映像作品やゲーム音楽をメインに活動する作曲家も多い。
アニメや映画、ゲームなどが文化として認められている現在では、花形の一つといえる職業になっている。

オーケストラも含む多様なジャンルに対応し、クオリティの高い音楽を制作するには、高度な知識と経験、そしてセンスが求められる。
独学の作曲家も少なくはないが、大多数の作曲家が音楽大学や専門学校を卒業している。


【映像作品において】

アニメなどの映像作品では、作品の雰囲気を盛り上げたり、キャラクターの心情を表現する為にBGMが流される。
戦闘シーンなどでは激しいBGMが流れ、切ないシーンでは悲しげなBGMが流れ、日常BGMではコミカルなBGMたりと各場面でのドラマに磨きをかける役割を果たしている。
どうしてもメインテーマや戦闘シーンのBGMが注目されがちであるが、
コッペパンのテーマ旧ドラえもんのスネ夫が自慢するときのテーマなど中毒性が高い曲も存在し、その作品や人物のテーマとして広く知られている。

バラエティ番組やニュース番組では、専用のBGMが製作される事は少なく、既存の音楽*1を流用する事が多い(二次使用)。
ちなみにこういった二次使用は、作曲家などの印税となり、収入源の一つでもある。
これらの二次使用は著作権管理団体等から許諾を得て使用するのが基本であるのだが、
DVDやBD等を発売する際はテレビ放送とは条件が違う為、許諾を得られない事もある。
その為、馴染んでいたBGMが別な曲に差し替えられたりするケースもある(『水曜どうでしょう』等)。


【ゲームにおいて】

ゲームのBGMも作品を盛り上げるという点では映像作品のBGMと同様の役割を持ち、同様にジャンルなども自由である。
しかし、ゲームでは起動する際のタイトル画面やRPGの戦闘シーンのBGMなどは、
繰り返しプレイする(=長時間同じ曲を聴くことになる)ことを念頭に作られていることが多い(聴き飽きない曲を作る等。)。
また、ゲームの性質上、曲がループできるように処理されていることが多い。
近年ではインタラクティブ性を重視し、プレイヤーの遊び方でBGMが変化するようになっている作品もある。

かつては内蔵音源でBGMを鳴らすことが主流であり、レトロゲームのサウンドは「ピコピコ音」「電子音」といったイメージを持つ人もいるだろう。
しかし、現代のおいては、ハードのスペックも向上し制作した音楽をそのまま収録することが可能になっている*2ため、映像音楽などと制作環境に大きな違いは無い。

こちらにも有名な楽曲は多く、スーパーマリオブラザーズの地上面のテーマやドラゴンクエストシリーズの序曲、FFのテーマなどはメロディが思い起こされる人も多いのではないだろうか。
また、音ゲーのように音楽が主体として取り入れられることもある。

エロゲーもBGMの評価が高いものが多い。
特に泣きゲーや燃えゲーなど、シナリオに力を入れている作品はBGMも美しいものや熱くなれるものがそろっている。
そのためサントラも人気があるのだが、初回特典にしか付けなかったり、販売してもすぐにロットアップしたりしてプレミアがつくものが多い。


【演出方法】

ここではBGMを使った演出方法を紹介する。

  • 絵の動きと音楽の展開を連動させる手法。
アニメや映画などの映像作品の他、STG等のゲームにも多い。
「キャラクターの心情の変化と共に曲が転調」「ボスの形態変化に合わせて音楽が変わる」などの演出が挙げられる。

具体的な例を挙げるとトムとジェリー日常などの作品ではキャラの動きとBGMが連動し、
テンポよく進めるとともに面白さ・シュールさに拍車をかけている。この場合のBGMは音の強弱、無音の間の効果が最大限に発揮されているため、
セリフなしでも視聴者に心情や展開を分かりやすく伝えることができる。

ゲームにおいては、STG等に多い強制スクロールの作品との相性が特に良く、最初のステージからエンディングまで続く壮大なBGMを使っている作品もある。
また強制スクロールでなくても、ゲーム画面とサウンドがシンクロするように作られている作品が多い。


  • あえてミスマッチなBGMを流す
戦闘シーンで落ち着いたBGMを流す、切ないシーンでコミカルな曲を流すといった事で、
映像では表現していない心情を表したり、視聴者へのインパクトを強めることができる。
また、ギャグアニメではギャグの一環として行われる事も。
意味も無くミスマッチなBGMを使用するのは、逆に違和感を与えてしまう為、選曲者のセンスが問われる。


  • あえてBGMを流さない。
そうすることでキャラクターの心の機微を表したり、臨場感を出したりすることができ、視聴者はより感情移入をすることが可能になる。
具体的な例を挙げると、ワンダと巨像ではボス戦を除きフィールド内でのBGMが一切排され、川の流れる音やワンダの息づかいをあてることで、
広大な自然や孤独感をより一層高めることに成功している*3
一方で、無意味な無音シーンが多いと作品全体が地味な印象になってしまう事がある。


  • 既存の音楽を流す。
特にクラシック音楽や民謡は著作権が切れている曲が多く、多くの作品で利用されている。
著作権が切れていない曲でも、著作者や著作権管理団体からの許諾が得られれば使用される事もある。
たまに勘違いしている人もいるが、このような流用は盗作や無断使用とは全く異なる*4

こういった曲を採用する場合は、何かしら演出上の意図があって採用され、
作曲者の境遇や時代背景、楽曲のメッセージ性等と作品のストーリーを重ね合わせたりしている事が多い。
例えば、Kanonではパッヘルベルのカノンを採用し、変わらないようで少しずつ変わっていく日常を示唆させている。

  • BGMが作中で実際に流れている
シリアスな方向で行けば、近くで演奏される曲に合わせるように人々のやり取りが繰り広げられ、
ギャグ路線で行くと、BGMを自分で演奏または歌いだしたりお前が歌うんかい、わざわざ録音音源を持ってきて流しだす。
果ては自ら歌いながら戦いへと向かう。このようにイメージ処理ではなく本当に曲がバックで使用されている例を示す。
中には勇ましきテーマ曲を籠城する自陣側の実況アナが、攻める敵方の最終突撃時に流したら、逆に相手がヒートアップしたためすぐ中止したアレな例もあるが(原作版『ぼくらの七日間戦争』にて)。


【様々な用語】

  • 劇伴
主に映像作品や舞台で使われる音楽を指す。
使い方が異なるゲーム音楽を含むかどうかは意見が分かれる。


  • アニメ音楽
アニメの音楽を指すときに使われる。
アニソンと比べて範囲が広く、アニソンも含める事ができる。


  • 映画音楽
映画の音楽を指すときに使われる。


  • 映像音楽
映像に付ける音楽。
上記2つと同じような意味で使われる。


  • ゲーム音楽
「ゲームミュージック」「ゲームBGM」「VGM(Video Game Music)」等とも呼ばれる。
ゲームの音楽を指す時に使われる。


  • フリー音源
条件を満たせば著作者の許諾無しで使用できる音楽や効果音。
テレビ番組に限らず、ゲーム、CM、アダルトビデオに至るまであらゆるメディアで使用されている。
勘違いされやすいが、著作権を放棄しているわけではない。


  • オリジナルサウンドトラック
「サントラ」、「OST」等とも呼ばれる。
現在では「映像作品やゲーム等のBGMを収録したアルバム」という意味で使われる。
BGMだけでなく、主題歌や挿入歌、効果音、ボイス等も収録されることがある。

観賞目的の音楽と遜色ないクオリティのアルバムも多く、作品を知らない人が観賞目的で購入しても十分に楽しめるだろう。
また、思い出を振り返るファンアイテムとしての需要も高く、サントラの発売を要望する声は結構多かったりする。
一方で、作曲家の意向で捨て曲*5を収録しない、権利関係の問題などから未収録曲が多数あったり、BDや限定版の特典だったりすると批判されがち。

たまにマスタリングの際に音が再調整されたり、音色やテンポが微妙に異なっていたり、
サウンドトラックという名称なのにアレンジ版のみが収録されていたりなんてこともある。
その時は「サントラで化けた」「サントラで劣化した」と賛否両論になったりする。
特に古いアーケードゲームはゲームに使用される基板とレコーディング用の基板が異なっており、
ゲームとサントラで音色が違う作品が多かった。

視聴環境の影響で音のバランスが変わる事もあり、作中で聴いた時と異なる印象を受けることも。


アレンジアルバム

BGMのアレンジバージョンを収録したアルバム。
サウンドトラックと混同されることもあるが、別物である。
ゲーム音楽に多く、特に生音やリアルな音源を使うことが困難だった時代の作品に多い。

アレンジの方向性も様々であり、原曲で打ち込みだったパートを生音にしたアレンジ、
オーケストラアレンジ、ロックアレンジ、ジャズアレンジ、クラブリミックス、オルゴールアレンジ等がある。

原曲とは違った魅力を持つが、賛否が分かれやすい側面もある。


処刑用BGM

特定のキャラクターが相手を一方的に倒す際に流れたり、逆に死亡フラグになるBGMを指す。
印象に残りやすく、作品の顔になることも少なくない。
詳しくは項目へ。


セルフBGM

作中でキャラクター自身が音楽を演奏すること。
キャラクターがピアノやハーモニカ、ギター等の楽器を演奏する場面も描かれる場合が多い。
シナリオとの親和性も高く、盛り上がる展開につなげやすい。


店内BGM

コンビニ、デパート、喫茶店、レストラン等で流されているBGM。
オリジナル曲だけなく、J-POPやアニソン、クラシック音楽、ジャズ等の既存の曲も良く使われる。
ただし、商業施設でCDなどを再生すると著作権上の問題があるため、有線放送の垂れ流しという所も多い。
チェーン店の場合は本部から送られてきた物を使う場合もあり、ファミマでは1時間でループするようになっていて、00分を時計を見ずに判断出来たりする。
また、一部のデパートでは、雨が降ってきた時等、特定の事象を示す音楽が符丁として使われている。
スピーカーから流すだけでなく、演奏者によってピアノ等が生演奏されている場合もある。


作業用BGM

勉強や仕事等の作業時に流す音楽の事。
また、動画投稿サイトなどでアップロードされている、ある作品やジャンルに沿ってまとめたBGM集の事も指す。
作業の傍らで聴くというコンセプトなため、短いもので20~30分、長いと2時間を超える。
好みのBGMだと作業が進まないのはお約束。またの名を作業妨害用BGM。
ただし、 動画投稿サイトにある物は、違法にアップロードされた物もあったり、勝手に作業BGM扱いされている事に憤る作曲家もいる
音楽を聴くときは、きちんと購入するか正規のサブスクリプションサービスで聴こう


脳内BGM

自分の脳内で流すBGM。
実際にBGMが流れるわけではなく、気分や雰囲気を表現する時に使われる。

???「やべぇ!早くしないと学校に遅刻する!」
脳内BGM
RUNNER(爆風スランプ)
♪ 走る 走る 俺たち♪

???「今日は取引先と重要な会議だ。ここで結果出さないとな。」
脳内BGM
地上の星(中島みゆき)
♪ 風の中の すばる 砂の中の 銀河 ♪

様々な状況下で我々の生活を演出してくれる。
それが脳内BGMである。

中には印象に残った曲が頭の中で鳴り続けてしまう「イヤーワーム」という現象もあったりする。



追記・修正は好きなBGMを聴きながらお願いします。

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最終更新:2023年01月24日 23:12

*1 映像作品やゲームの音楽、J-POP…etc.

*2 容量削減のために圧縮されたりする場合はある。

*3 また、ワンダと巨像はBGM自体も評価が高く、どちらの点でも成功しているといえる。

*4 ただし、著作隣接権等の別の権利が絡む為、原曲や既存の音源が使われる事は少ない。

*5 作曲家がクオリティに満足していない曲。