飼育係(ちゃおホラー)

登録日:2023/06/07 (水) 22:42:19
更新日:2024/12/17 Tue 15:00:18
所要時間:約 4 分で読めます




『飼育係』はちゃお公式サイト「ちゃおコミ」にて掲載されていたホラー短編。
作者は阿南まゆきで、ちゃおホラーコミックス「令和 学校の怪談」にも収録されている。

動物を通じて仲良くなった2人の女の子の友情物語。
の、はずだったが…

【登場人物】


  • 馬場(ばば)由愛(ゆあ)
今回の主人公の小学生の女の子。
母子家庭であり母親も働きづめで構ってもらえず、人見知りな上に身だしなみにも気を使えずクラスでも浮いていた。
そんな時まりあと出会い動物の世話を通じて仲良くなり、彼女にママみ友情を感じ、仲良くなる。
まりあは身だしなみも整えてくれるようになった他、親で苦労していることも共感してくれるので、依存するのも無理もない。

  • (ひつじ)()まりあ
由愛のクラスで飼育係をしている女の子。
ハツカネズミやめだかの面倒を見ており、仲良くなった由愛についても面倒を見るようになる。
由愛を抱きしめ「私が由愛のお母さんになって由愛のお世話をしてあげる」とまで言うあたり、すさまじい母性でもある。
またテストで100点をとる等成績もよいが、「100をとらないとママに怒られるから」と答えており、中学受験を無理に進められている様である。


  • メダカ
  • ハツカネズミ

まりあが飼育している動物たち。
ハツカネズミの方は10匹の子供が産まれたものの、数日後、8匹に減っていた。
まりあが言うには「弱った子供は母親に食べられることがある」とのこと。



※以下ネタバレ



実は子供のネズミはその後も減っていた。
そして、子ネズミがいなくなる次の日には必ずテストがあったという法則もあった。

由愛は不審に思い、次のテストの前日の放課後に教室を隠れて見張り、原因を突き止める事にした結果、
まりあが子ネズミを2匹連れて学校の裏山に向かい、

聖女様、明日のテストで100点をとらせてください

と、そこにあった聖女の像の前でネズミを石で潰して殺した


実はまりあは自身の成績の維持のため、聖女の像に生け贄を捧げていたのである。
当初はその辺りの生き物を生け贄にしていたが、途中で

かわいがってる生き物をいけにえにしたほうが、効果がある

と気づいたため、飼育係になり、生き物をかわいがるようになっていったのである。

由愛を可愛がっていたのもそのため。
由愛を生け贄に叶えたい願いとは、中学の受験。
そんなことのために友人を生け贄にするのはおかしいように見えるが、まりあは泣きながら「母親に怒られる」とその様な手段に及んだのである。


あんたにはわからないでしょうね



受験に失敗したらママにどれだけ怒られるか…!

まりあは由愛を生け贄に捧げようと迫ってきたものの、由愛に突き飛ばされたことで女神像に頭をぶつけて死亡した。

しかしながら、聖女像は

おまえの願い、ひとつかなえたぞ

と悪魔のような形相で答え、由愛の母親に宝くじで3億円を与えた。
由愛はこれが自分の願いであり、聖女像の力は本物であると確信したものの、彼女の頭には聖女像の声が響いてくるのだった。

ころせ ころせ 次のいけにえをささげよ――――


  • 聖女像
この作品の元凶にして呪物
生贄を捧げれば願いは叶えてくれるものの、その後も生贄をせっついてくる等タチの悪い代物
とはいえ願い自体は確実に叶える上に当人に罪悪感以外のデメリットを課すことはなかった。
今までの生贄の小ささからして殺人までしなくても中学受験合格くらいは叶えてくれたかもと思わなくはない
なお、由愛の状況からして故意でないにせよ彼女を殺してしまったことも「願いの為にまりあをいけにえに捧げた」と解釈する様子。

  • まりあの母

劇中登場していないが、今回の真の元凶
娘に中学受験を強いてしまったせいで娘が狂気にかられることになってしまった。
まりあを彼女に怒られる事を泣きながら脅えていたため、相当な事をしていた可能性もある。
まさか娘がオカルトじみた方法でこれを解決していたとはもわなかっただろうが




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最終更新:2024年12月17日 15:00