登録日:2023/06/28 Wed 01:44:18
更新日:2026/03/09 Mon 18:37:18
所要時間:約 9 分で読めます
概要
「かいけつゾロリのテレビゲームききいっぱつ」は、
かいけつゾロリシリーズ第24作目の作品。1998年12月刊。
ゲームの世界から抜け出した王女とゾロリとの生活、王女の成長、そして別れを描く、ゾロリシリーズ初の相思相愛の恋愛モノ。
タイトル通りテレビゲームを題材にした物語だが、ゲーム自体ではなくゲームのキャラクターと暮らす現実に焦点が当てられているという、一味違う視点から展開されているのが特徴。
ストーリー
造幣局に侵入してお金を刷ろうとする計画の失敗からしばらくして、今日も自由気ままにいたずら修行の旅を続けるゾロリ達。
舞台は街のテレビゲーム屋さん。
ゾロリは、勇者となってモンスターを倒し、囚われたミャン王女を助け出すテレビゲーム「
ボケーットモンスター」の試遊台に入り浸っていた。
イシシ・ノシシが他の子どもたちを払い除け、店主を縛り上げる中8時間連続で必死にプレイし続け、ついに王女を助け出すことに成功する。
ゲームを終えようとすると、なんと画面の中の王女が、言った通りにコマンドを入力して自分をこのゲームから抜け出させてほしいと語りかけてくる。
ゾロリがそれに従うと、画面に現れた大きな裂け目からミャン王女が抜け出してきて、ゾロリを店の外に連れ出す。
しかしその裂け目からはモンスターたちも抜け出してきて…
ミャン王女はゲーム開始からずっと囚われの身で、ようやく助け出されてもゲームを再開すると再びさらわれ、囚われ続けなければならないという生活に嫌気が差し、画面から抜け出す方法を自分で見つけ出したと言う。
ゾロリたちは自由になった王女、そしてゾロリ自身の夢に近づくために、公園で野宿をしながらではあるが、王女に楽しんでもらって、その資金を王女が眠っている晩に夜間道路工事のアルバイトをして稼ぐことにしたのであった…。
登場人物
CV.
山寺宏一
自分の城を手に入れること、素敵なお嫁さんを貰うことを夢見て旅を続ける、いたずらの王者のキツネ。
夜通し働いて日中も眠れないまま王女の遊びに付き合っていたため大いに疲弊していたが、王女の笑顔が見られるだけで疲れも吹き飛んだ。
今回は最初にテレビゲームの試遊台を独占するくらいしかいたずらをしていないどころか王女に貢献しているが、王女が抜け出したいたずらを助けるいたずらをしている、とも言えるかもしれない。
「かいけつゾロリ」に変身するのは物語の終盤辺りからと少なめ。
CV.井端珠里
黒目がちな瞳が特徴の、ゲームの世界の猫の王女。
現実の世界で自由に暮らすことに憧れを抱いており、ゲームを抜け出した喜びから彼女の願望は留まることを知らない。
脱出法を自力で見付け出したり、行きたい場所に積極的に向かったりと行動力の高いお姫様だが、それゆえに少々周囲が見えずに振り回しがちな面がある。
現実の世界の詳しいことはほとんど分かっておらず、お金はゲームの世界のようにモンスターを倒して簡単に得ることができると思っていた。
ゲームの世界では巻き髪のロングヘアで水色のドレスを着ていたが、現実の世界でミニスカートのショートヘアにイメージチェンジする。
CV.愛河里花子/くまいもとこ
ゾロリの子分として旅路を共にする双子のイノシシの山賊。
夜に交代で片方が王女の見張り、もう片方がゾロリと一緒に働きに出るという形でゾロリに協力する。
CV.鈴木達央
ミャン王女と同じゲームから抜け出してきたモンスター。
王女をゲームの世界に連れ戻そうとする。
ゲームを遊び通して攻略法を知り尽くしていたゾロリには弱点が全て把握されている。
CV.西村知道
ミャン王女の父で、髭をたくわえたゲームの中の世界の王。
モンスターたちと一緒にゲームから抜け出してきた。
CV.園部啓一
ゾロリが試遊台を占拠していた個人ゲーム店を経営する、中年のブタの店主。
怒りっぽい性格だが、アニメではゾロリたちに一定の理解を示してくれている。
『大かいぞく』に登場した海賊。
道路工事のアルバイトのシーンでロードローラーを操縦している姿が描かれていた。
この時点ではただのお遊びかと思われていたが、後に
再登場した時のことを考えるとある意味伏線だったのかもしれない…。
付録
裏表紙にミャン王女の服のイラストがあり、切り取って冊子中の王女に重ね合わせることで着せ替えさせることができる。
自分でデザインが決められる何も描かれていない服もあり、これでミャン王女がブティックを巡って色々な服を選んでいたシーンを再現しよう。
冊子をそのまま切り取ると本が傷む原因になるので、コピー印刷したものを使用することを推奨。
これを見て女子向けの本かとがっかりする男子読者に向けて、下記の男子向けの攻略本もあるというゾロリのフォローも入っている。
小さく切り分けたページを重ねてホッチキスで留めて作る、モンスターの情報が記された小さな冊子。
これがあれば実際に画面を抜け出してきたモンスターに出くわしても、冷静に対処することが出来る。
ちなみにこの本の巻末にも「原ゆたかにんぎょう」なる付録が付いている。ぶっちゃけただの紙切れだが
表紙の裏、そしてその次のページの見開きには「ボケーットモンスター」の広告が描かれている。
Mの立体文字の上に小さい天丼が乗っている「
MINITENDON64」や、リスの
おならを袋に集めていく「
へとリス」など、相変わらずパロディは満載。
裏表紙の裏には作者が遊んでみたいゲームのアイデアが紹介されている。
まず自分と同じ顔のアバターを作成し、顔が見えないように鎧を着る。
外に出ると、困っている人や襲われそうな人がいるなどの様々なイベントが待ち構えており、プレイヤーは自由に行動を取ることができる。
しかし、帰るまで鎧を脱ぐことはできず、家に戻って鎧を脱ぐと、プレイヤーの取った行動の善悪によって顔付きが変化している、というもの。
他プレイヤーや異性と対面してその場で初めて鎧を取り、顔付きを確認するというお見合い形式の遊び方も提案されている。
ゲーム開発向けに、ポプラ社へのコンタクトを促している点も抜かりない
アニメ
2004年版「かいけつゾロリ」で、第41話「王女さまききいっぱつ」と第42話「テレビゲームききいっぱつ」の2話に分けられてアニメ化された。
アニメでは多くの変更点があり、特に終盤の展開が大きく補強されている。
全体的にゾロリとミャン王女との愛情がより強く表れており、ゾロリの献身的な様子が強調されている。
ミャン王女の瞳が大きくなっており、スタイルも洗練されている。かわいい。
髪型をショートヘアにしたとき、原作では髪色が黒色になっていたが、アニメではそのままになっている。
自分を助け出してくれたゾロリを「勇者さま」と呼ぶようになっている。
工事現場でのラジオ音楽やカラオケボックスでは、彼女のオリジナルソングも披露してくれる。
王女をゲームに帰そうとせずにゾロリがアルバイトするのを決めたのは、原作では自分の夢を果たすことが中心で、王女を楽しませるのはある意味打算的な行為とも取れたが、アニメでは純粋に王女のことを好きになった好意で楽しませてあげたいからだと受け取りやすくなっている。
アルバイトをする場面で、ゾロリとイシシで飲食店の皿洗いのアルバイトをするシーンが追加されている。
まかない料理でカレーライスを2皿出してもらうが、1つはミャン王女に、もう1つはイシシとノシシで分けるように言い、ゾロリは何も食べずに働き続ける。
他に木に頭突きして落ち葉を落として王女のベッドを作ったり、爪楊枝で目をこじ開けながら働き続けたりと、王女への想いがより顕著に行動に表れている。
余談
- 自由を求めて抜け出した王女が登場するなど、話の大筋は「ローマの休日」が元になっている。
ミャン王女の名前の元ネタも同作のアン王女と思われる。
- 当初は「ゾロリ達が毒を食べてしまう」話が『かいけつゾロリの大金もち』初回特典のゾロリしんぶん第23号にて予告されていたが、同年に発生した『和歌山毒物カレー事件』の影響により、自主規制でこの話に変更されたことが、この本の初回特典であるゾロリしんぶん第24号の「おわびアーンドいいわけ」にて原ゆたか先生より語られている。毒を食べてしまう話自体は2年後に『かいけつゾロリぜったいぜつめい』のタイトルでようやく発売された。
- また、『かいけつゾロリ 大けっとう!ゾロリじょう』の初回特典のゾロリしんぶん第20号にて、原ゆたか先生が今後描きたい本のタイトルの一つとして前述の『大金もち』と一緒に『テレビゲーム大さくせん』を挙げている。これが本作の『テレビゲームききいっぱつ』の原型になった模様。
- アニメではOPの終盤でミャン王女がイメチェンした姿で本編より先に登場しているが、配色や少し低い頭身などデザインが若干異なっている。
- アニメだとボケーットモンスター縮めてボケモンがパッチリモンスター縮めてパチモンに変更になったのは、元ネタとの企画ユニットであるボケモン5と被ってしまう為だと考えられる。なお、声優陣が大半被っているように思えるのは気のせいでもなんでもなく、実際にキャスティングを担当している音響監督の方が同じである。
イシシ「この世界ではお金を稼ぐには働くしかないだ!」
「追記・修正したって金貨は手に入らねぇだぞ!」
- 確か女性側もゾロリと結婚したいと思ってた珍しい話だっけ。結局ゲームの住民だから叶わなかったけど。 -- 名無しさん (2023-06-28 05:45:44)
- アニメだと後に再会出来たの良かったなぁ。 -- 名無しさん (2023-06-28 17:44:21)
- 敵の一体一体に弱点が設定されているアクションRPGって当時あったのだろうか。ニンテンドウ64時代だよね? -- 名無しさん (2023-06-28 18:49:50)
- ゾロリって犯罪まがいのいたずらをよくやるわりにバイトは真面目なんだよな…… -- 名無しさん (2023-06-28 19:46:52)
- 原ゆたか先生の提案するゲームの元ネタは『ドリアン・グレイの肖像』かな? -- 名無しさん (2023-06-28 22:06:41)
- ↑2 今回は王女に対して本気だったから、犯罪まかいのイタズラで得た金や「大金もち」の偽札のような汚い金で過ごさせたくないって思ってたんだろうね -- 名無しさん (2023-06-29 07:31:40)
- 本人もアニメでいってたけどイシシノシシもゲームの世界に行けば良かったんじゃないかな。まあ、ゾロリがループするだけの世界になることを葛藤してたからそれでも行かなかったのかもしれないけど。 -- 名無しさん (2023-06-29 09:02:35)
- アニメでの店主の改変が個人的に好き。ゾロリに迷惑を掛けられつつも、最終的にソフトを譲ろうとする気前の良さが物わかりのいい大人って感じだ。 -- 名無しさん (2023-06-29 11:15:48)
- 懐かしい!ゲームのループに気付いてるってキャラって今でこそ珍しくないと思うけどそういうキャラを20世紀に描いた原ゆたか先生ってやっぱり天才なんだなって。「現実ではモンスターを倒してもお金は手に入らない」っていうイシシノシシの言葉が本当好き -- 名無しさん (2023-06-29 14:41:08)
- ↑7敵の部位を選んで攻撃するRPGなのかもなw -- 名無しさん (2023-06-29 20:45:22)
- 髪切った王女がバチクソ可愛かったのはよく覚えてる -- 名無しさん (2023-06-30 12:16:05)
- 漢ゾロリ先生、現実への未練を理由に嫁の待つ二次元行きを断る英断 -- 名無しさん (2023-06-30 14:09:28)
- 原ゆたか先生発案の -- 名無しさん (2023-06-30 18:37:50)
- ↑ゲームちょっと面白そうと思ったw今の技術なら可能かな? -- 名無しさん (2023-06-30 18:38:17)
- いざというときはちゃんと労働でお金を稼ぐせんせ好き -- 名無しさん (2023-06-30 18:46:33)
- ↑9イシノシが来れてもママは現実の世界にいるまま(おやじギャグ)だし夢も現実で叶えると決めたしでゾロリ自体が行きたいってならないと思う -- 名無しさん (2023-06-30 19:50:15)
- ↑3なんならRPGツクールでも工夫すれば作れそうではある。 -- 名無しさん (2023-07-01 10:37:43)
- アニメだとミャン王女に賄いあげただけじゃなく、イシノシのこともしっかり考えてるのがぐう聖すぎる。しかもすぐ交通整理のバイトしてるし -- 名無しさん (2023-07-01 12:07:24)
- 最近じゃ見なくなったが試遊台って昔確かにあったなぁ…みんなカービィやヨッシーやってた -- 名無しさん (2023-07-02 01:02:32)
- ↑ゲームキューブの時代まではどこのゲーム屋さんにもあったイメージ。wiiが発売されてから、リモコンをふるのが前提だから、お試しでやるには難しくなってしまったのが絶滅した原因なんだろうと思います。 -- 名無しさん (2023-07-02 05:35:35)
- アニメのミャン王女、この話と次シリーズのアニオリ回だと演技が全然違ってたな -- 名無しさん (2023-07-02 09:41:54)
- 敵ごとに弱点部位突くARPGだと当時は時オカのイメージが強いな 2D作品だとそれ以前でもアクションゲーでは多いけどね -- 名無しさん (2023-07-02 09:46:42)
- ↑12アニメ版の王女ほんとかわいい -- 名無しさん (2023-07-02 23:41:43)
- 魔物退治そのものも命懸けだし倒しても入手出来るお金は雀の涙程だから、真面目に働いて収入を得るのとでは五十歩百歩だと思う。 -- 名無しさん (2023-07-31 23:19:16)
- ↑ゲームをプレイしてるプレイヤーからしたら別に命懸けでもないということなのでは?🤔まあゾロリ達は実体化したモンスターを(話聞かずにちゃちゃっと)倒してはいたけど -- 名無しさん (2023-08-01 07:50:45)
- エピソード項目のルールにて「元エピソード項目」のタグ付けのルールが提示されたため、内容修正を行うと同時にタグを付与しました。 -- 名無しさん (2023-08-09 23:39:42)
- 原作での冒頭のゲームやってるゾロリを「今ゾロリせんせはお姫様を救うのに急がしいだ」「子供は帰って宿題でもやってるだ」とか護衛するイシシ・ノシシがあまりない極悪面で笑ってしまうw -- 名無しさん (2023-08-11 11:34:24)
- モンスター倒せば楽にお金が……って考えるのは女王が甘いのか、ゲームの世界が甘いのか -- 名無しさん (2026-03-09 18:37:18)
最終更新:2026年03月09日 18:37