アットウィキロゴ

オデッセイブロックの犬サイクル(MTG)

登録日:2026/08/31 Mon 01:06:19
更新日:2026/08/31 Mon 02:49:24NEW!
所要時間




この項目ではオデッセイブロックに登場した犬サイクル(当時は猟犬サイクルだったが2020年6月のオラクル更新により犬サイクルに変化)を述べる。

サイクルの特徴としては「すべてコモン」「不特定1マナと特定色1マナの計2マナである色拘束の薄いクリーチャー」「サイズは何れも2/2と《灰色熊/Grizzly Bears》並み」「何らかのメリット若しくはデメリットがある(後述)」がある*1

この犬サイクル、色によって「こんな駄犬、使えるかチクショー!(畜生だけに)」とけなされたり、「なかなかいい働きをしてくれるじゃないか、かわいいやつだ。」と褒められるものもあれば、「貴方様には大変お世話になりました。ありがたや御犬様」と名犬として称えられ畏れ敬われるなど、評価や使用率の格差が激しいサイクルである。


幻影の仔/Phantom Whelp (1) ()
クリーチャー — イリュージョン(Illusion) 犬(Dog)
幻影の仔が攻撃かブロックしたとき、戦闘終了時に幻影の仔をオーナーの手札に戻す。(それが戦場にある場合にのみ戻す。)
2/2

サイクルの青担当。
『そいつは霞の中に身を潜めて、落伍するものが出るのをじっと待ち受けている。霧が晴れたとき、あとに残っているのは足跡だけだ』とフレーバーテキストだけは大層なことが書かれているが、ゲーム上の性能も鑑みるとこの薄犬にそれだけの価値があるかは疑問符が付く。

戦闘の結果生き残った場合は手札に戻り、破壊されたら墓地に行く。そのため対戦相手に対するダメージソースとしては『青を含む計二マナを支払って出す>次のターン攻撃し相手にクリーチャーがいなければ2ダメージ与えて手札に戻る>再び2マナ支払って召喚ry』と非常に効率が悪い。
いくら青が他の色よりクリーチャーが弱めの傾向にあるとはいっても「さすがにこれはひどすぎない…?」というデメリット。たまたまタフネス2の地上クリーチャーと相討ちできればまだましな方で、1/3の地上クリーチャーと戦闘したらこっちだけクリーチャーを戻され相手は戦場に健在なままなので丸損である。嘗ての赤にあった《ヴィーアシーノの砂漠の狩人/Viashino Sandstalker》と異なり、速攻な上にパワーが高いので歩く火力となり更には相手ターンにはいないので全体除去ソーサリーをかわせるといううまみもない。
というか基本能動的には動かずマナを温存してカウンターやらバウンスやらを抱えて待ち構えながら特別なカードで嫌がらせをするのが基本戦術な青にとって、「戦闘する度にマナ払って出し直してください」は「なめとんのか、不採用。」と拒絶されても仕方ないデメリットである。

ここまでくるとリミテッドですら採用が躊躇われるレベル。

あまりにアレすぎて「(4枚制限ルールを無視するという仮定で)この薄犬と島/Islandだけでデッキを組むとしたら、それぞれ何枚が適正か?」というトンチキなお題目が出たことすらあった。

汚い野犬/Filthy Cur (1) ()
クリーチャー — 犬(Dog)
汚い野犬がダメージを与えられるたび、あなたはその点数に等しい点数のライフを失う。
2/2

サイクルの黒担当。『ノミさえ嫌がってたからないやつさ』とフレーバーテキストでこき下ろされるほど腐敗していそうな姿だが、クリーチャータイプにゾンビはないので《墓生まれの詩神/Graveborn Muse》*2とは逆にこう見えて生きているらしい。

『ダメージがライフロスとして本体にフィードバック。しかも軽減できない』というテンペストブロックの《ジャッカルの仔/Jackal Pup》*3よりもきついデメリットがある。

一応薄犬である幻影の仔と異なり相手の手札が腐って無防備な状態ならマナを浪費せずに毎ターン2点のクロックを刻むことができる。
…が死なずに止められるor一方的にぶちのめせるクリーチャーが出てきたが最後、デメリットが重くのしかかり相討ちやチャンプブロック自体は可能なあちら未満の役立たずのごく潰しとなってしまう。何せこちらが無駄死に覚悟のチャンプブロックしても潰したダメージがそっくりそのままこっちに響くし、《巨大化/Giant Growth(MtG)》系のコンバットトリックで相手を潰してもライフ損失は避けられない。
直前のインベイジョンブロックから登場していたためブロック構築で同居していた《疫病吐き/Plague Spitter》を相手が出してきて居座られようものなら、「こいつ一体につき本体への1ダメージ+ダメージフィードバックの1ダメージで毎ターン2ライフ損失」という目も当てられない事態になってしまう。もちろんこっち疫病吐きを使う場合もシナジーが最悪で一緒に出せない。


そのため汚犬であるこいつもリミテッドですら採用するのが躊躇われる。

狂犬/Mad Dog (1) ()
クリーチャー — 犬(Dog)
あなたの終了ステップの開始時に、狂犬がこのターン攻撃しておらず、なおかつ狂犬がこのターンにあなたのコントロール下になったのでもない場合、狂犬を生け贄に捧げる。
2/2

サイクルの赤担当。召喚酔いしていないのに攻撃し忘れると*4デメリットが発生するため殴り続けなければならないという《アーグの盗賊団/Erg Raiders》を彷彿させる能力を持つ。
『あいつが埋める骨は君のかもしれないんだぞ』というフレーバーどおりの目が血走っており凶暴で飼いならすのが難しそうないかにも狂犬らしい面構えをしている。

こいつもデメリット持ちだが薄犬や汚犬と比べればささやかであり、出した直後の相手ターンならチャンプブロックやコンバットトリックを使った迎撃もできなくはないので、リミテッドでならうまく早い時期に出せれば速攻ダメージソースとなる&中盤以降も相手の展開次第ではいざというときの時間稼ぎ用の肉壁にはなる、ということで使ってみるのも悪くはない。ただ、構築で使うには狂犬はやや力不足。

巡視犬/Patrol Hound (1) ()
クリーチャー — 犬(Dog)
カードを1枚捨てる:巡視犬はターン終了時まで先制攻撃を得る。
2/2

サイクルの白担当。前三匹と異なり『宿営地にあっては、そいつはどう猛で忠実な守り手であった。しかし歩哨の末娘にとっては、いつも「わたしの可愛いワンちゃん」であった。』と忠実な番犬として飼いならされ躾が行き届いているためか、デメリットではなくカードを1枚捨てることで能力を得るメリットを持っている。

白は緑ほどではないが軽量クリーチャーが良質というのもあり、能力を差し引いても無条件で灰色熊と相討ちでき、カードを捨てれば熊を逆に返り討ちにできる良好なマナレシオを持つ。あと、白は先制攻撃のお膝元といえる色だが、それまで登場した《白騎士/White Knight》*5や《長弓兵/ Longbow Archer》*6 やちょいと後に登場した《銀騎士/Silver Knight》*7といった2/2先制攻撃持ちは大抵ダブルシンボルなので、色拘束が緩く条件付きとはいえ先制攻撃を持てるこの忠犬は多色デッキでも採用しやすいというメリットがあった。
更に言えば先制攻撃が付いた後同じターンに再び能力を起動するのは一見すると無駄に見えるが、オデッセイブロックは「普通ならリソース損として躊躇する手札を捨てる行為を逆にリソース用の呼び水とする」というのがメインテーマだったため、カードを捨てる以外のコストがない能力が白におけるフラッシュバックやスレッショルドの起点を持つ共鳴者として中々優秀。

リミテッドなら普通に白系のコスパのいい序盤のクリーチャーとして採用に足るレベルだし、構築でもデッキの都合上緑を組み込めない白青の『鳥対立』や『パニッシャー・ホワイト』において採用された実績がある。

…とはいえ、この忠犬も本サイクルの緑担当の名犬相手では流石に分が悪すぎた。


野生の雑種犬/ Wild Mongrel (1) (){緑)}
クリーチャー — 犬(Dog)
カードを1枚捨てる:カードを1枚捨てる:野生の雑種犬はターン終了時まで+1/+1の修整を受けるとともに、あなたが選んだ1色の色になる。
2/2

サイクルの緑担当。そしてサイクルの中でぶっちぎりの最強格兼代表格であり本項目のメインディッシュである名犬。
青の薄犬と黒の汚犬の駄犬コンビとそれよりは多少マシレベルな狂犬は無論のこと、トーナメントレベルには達していた白の忠犬ですらもこの名犬の前では霞んでしまう。
フレーバーテキストも『犬に死んだふりの芸を教えるのが普通だが、こいつの場合教えるのは犬のほうなんだからね。』と人間よりもこの名犬が明らかに格上であるかのような記述がされている。

サイズはクリーチャーの色なだけあってデフォルトでも灰色熊と同等。
そしてマナコスト無しで捨てたカード一枚につき+1/+1される上自身色を変えるという特殊な能力が当時の環境とマッチしとても優秀。当時の黒の除去といえば同じ黒には効かないもの或いは-修正で無理やり殺すタイプが主流であったが、名犬は自らの色を黒に変えることでかなりの除去をかわすことが可能だし、戦闘面でもミルストーリーのようなクリーチャーではなく《物語の円/ Story Circle》でしのごうという小細工も赦さないし、逆に畏怖で防御網をすり抜けようとした黒クリーチャーを色変化により補足し返り討ちにするなんていう芸当も可能。そのため、ジョン・フィンケルが大会優勝記念にインビテーショナルカードとしてデザインしオデッセイブロックにおいて前評判の高かった《影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltrator》は、自らを黒くしマッシブになったこの名犬にあえなく捕捉されマルカジリされてしまい思ったほどの活躍ができなかった。

更には緑は白以上に共鳴者と相性のいいフラッシュバック系やマッドネス系のカードが充実していたことも追い風だった。
6/6のワームを繰り出すが通常時よりもフラッシュバックの方がコストが安い《ワームの咆哮/Roar of the Wurm》、マッドネスコストがたったの三マナでサイズが4/4トランプルというかなりおかしいコスパを持つ《尊大なワーム/Arrogant Wurm》、マッドネス時は驚きの0マナ捨てることで場に現れ更には一回限定の自前パンプアップ能力がある《日を浴びるルートワラ/Basking Rootwalla》などなど。

因みに同じブロックには同色同コストの《熊人間/Werebear》いる。あちらは普段は1マナ重い《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》ポジのマナクリーチャーだが、共鳴者のサポートにより墓地に7枚以上カードが溜まりスレッショルドになると基本サイズが4/4になり中盤でも足手まといにならないので名犬の相棒として中々有能。

リミテッドなら色拘束が弱くコスパがいい上に、不要なカードや逆に捨てることで有効活用できるカードを捨てることにより構築よりも入手枚数が限られる貴重な除去をかわせるクリーチャーなため、当時では色が合うなら選ばれない理由がまずないといっていいほど優秀。構築でも《不可思議/Wonder(MtG)》を仕込んでトークン諸共一斉飛行攻撃するための共鳴者の中核として猛威を振るった。この名犬に《象の導き/Elephant Guide》というサイズが+3/+3されつけられたクリーチャーが破壊されても3/3の象トークンが出てくるオーラが第三ターンに付けられれば相手が悶絶すること間違いなし。


サイカトグ/Psychatog》と共にオデッセイブロックの代表格を務めた名クリーチャーであり、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》が出てくるまで緑2マナの代表を長らく務めていた。というか、元がコモンなのでレアリティの都合上タルモゴイフが出てこれないパウパーなら相変わらず出番が回ってきていた。
また、それまではMTGにおいて犬といえばウルザズサーガブロックの《野生の犬/Wild Dogs》*8だったのであったが、野生の雑種犬が登場してからはこの名犬を指すようになった。というか、名前が紛らわしく《翻弄する魔道士/Meddling Mage》でプレイを禁止するカード名を指定する際、野生の雑種犬のつもりでうっかり「ワイルドドッグ」と告げたため無意味になるというトラブルも発生している。

追記修正は、名犬から死んだふりを教わってからお願いします

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2026年08月31日 02:49

*1 当時、不特定1マナを含む2マナ2/2デメリット無しは緑や白の特権であり、それ以外の色で不特定1マナを含む2マナ2/2はデメリットがあって当然だった

*2 次のオンスロートブロックのレギオンに登場した詩神サイクルの黒担当。肌は透き通るほど白いが腐敗した痕跡が全くない白い衣装を身に纏った綺麗な女性の姿でありゾンビとは思えないほど幻想的ですらある

*3 あちらは赤1マナで2/1だがフィードバックがダメージなので赤の防御円などでの軽減が可能

*4 厳密にいえば何らかのカードで速攻を付与されていても、出したターンなら攻撃しても死なない

*5 先制とプロテクション黒もち。除去のある黒に強い。第六版で一旦姿を消したがオンスロートブロックのレギオンにてしれっと復活

*6 先制と飛行クリーチャー迎撃の到達を持つ。白騎士がしばらくいなくなった後の白ウィニーの中核であり、レガシーにおいて反転した《昆虫の逸脱者/Insectile Aberration》を無傷で潰せるという理由で使われた実績あり

*7 先制とプロテクション赤を持つ白騎士の後輩。スカージで登場しゴブリン系などの赤対策で活躍

*8 緑1マナで2/1とサバンナ・ライオン/Savannah Lions並みのコスパだがアップキープ時に最も高いライフを持つプレイヤーに所有権が移るというデメリットがあった