登録日:2023/08/27 Sun 21:46:05
更新日:2025/01/08 Wed 15:03:17
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『みつばものがたり―呪いの少女と死の
輪舞』は七沢またり作のライトノベル。
小説家になろうで連載を開始し、KADOKAWAのMFブックスより刊行されている。また、電撃コミックスNEXTにて漫画版も連載中。作画は堤りん。
ちなみに、初期タイトルは「みつばものがたり」のみで、後半は書籍化の際に追加された。
系統としては、異世界転生・ざまあ系に属すると思われる。
現世から何らかの理由で転生した「私」が、その身に抱えた呪いの力によって自分に敵対するものを地獄へと叩き落としていく。生命活動的に。
そのため、むごい有様がちょくちょく出てくる。
なお、転生による影響は主人公の行動基準である一方で、現世の知識はおぼろげなので活用されることは少ない。
あらすじ
その日、生まれてから10年もの間眠り続けていた少女が目を覚ました。
少女の名前はミツバ・ブルーローズ・クローブ。
魔術を用いたおよそまともではない手段で生命維持と覚醒が行われていた少女には、呪いの力が宿っていた…。
登場人物
・ミツバ・ブルーローズ・クローブ → ミツバ・クローブ
銀髪碧眼の美少女。ブルーローズというローゼリア王国最上位に位置する七代貴族の一角の長女。
赤ん坊のころから、魔術によって10年の時を経て目を覚ました。
にも拘らず、健康的な外見をし、体を起こし立てるだけの筋肉があり、言葉を普通に話すことができる、という異常な様子を見せる。
使用人や家人は誰もそのことを疑問に思わず、また世界に存在しない「呪い」の力を宿していると固く信じられている辺り、彼女を目覚めさせた魔術に不穏な気配を感じさせる。
容姿こそ端麗であるが、表情が硬く作り笑顔が下手。
物腰は穏やかで空気を読んだりでき、決して好戦的ではないものの、「血と厄災のイメージがしっくりくる」と認識するように危険な内面を抱えている。
とにかく退屈を嫌っており、退屈せずに済むならそれ以外のことに頓着しない。
その身に「呪い」の力を宿しており、敵意なく振れただけで昏倒させてしまったりしている。
特に、自分や自分を受け入れてくれる者へ害意を持って近づく敵へは激しい苦痛を与えた上で殺害する。しかもフルオートで、まともな形を保って死ねもしない。
何らかの危険な力が宿っていることを自覚してはいるものの、それを警戒したりする様子もなく受け入れている。
また、この影響か魔力・体力とも異常に強く、しかも不死身の体を持っている。
一方で、毒に苦しむ父親を安楽死させたりなど、悪意へのカウンター以外に使うこともできる。
魔術によって彼女の所有物となった「青薔薇の杖」はその影響を受けてか毒々しい紫に変色してしまっている。
一般的な魔法の類は使えない(というか本作の世界観では攻撃魔法は対魔障壁の開発によりほとんど廃れている)が、銃や大砲に魔力を込めると禍々しい呪いの弾丸を作り上げることができ、直撃すると大抵の相手を呪い殺せる。しかも感染式。ただし、反動で銃身が破壊されるため、銃はともかく高価な大砲では滅多に撃たせてもらえない。
ミツバを疎ましく思う継母により父親を殺害され、かねてより悪評を拡散されていたこともあって「呪いによるもの」としてその罪を着せられてしまう。
この際、「ブルーローズ」の名誉姓も剥奪された。
食事も与えられず殺される予定だったが、本人は弱る気配もなく呑気に気味の悪い死体を量産していた。
その後、責任者として呼び出された王国魔術研究所のニコ所長の勧めで王立陸軍士官学校に入学する。
当然のように国家に対する忠誠心はかけらもないが、とりあえず刺激的な軍人という生き方自体は気に入っている模様。
本人にも理由はわからないが、麻薬と緑化教徒を忌み嫌っており、基本的に発見したら問答無用で滅殺している。ちなみに緑化教徒は本人曰く「さわやか」な匂いがするらしく、直感的に判別可能。
実は、その中には現世から転移してきた「私」の魂と、少なくとも他に2人の少女の魂(以下、「ミツバ」)が混ざり合って宿っている。
ミツバの覚醒は、どうやら「私」の魂がきっかけの様子。
主に「私」が表に出ているが、「ミツバ」は「私」を押しのけて表に出てくる場合もある他、独立して実体を持った何かとして動くことも可能な様子。
朧げな知識と「退屈が嫌い」という気質以外に「私」は自覚はないものの、「ミツバ」は事情を把握している様子。
・ギルモア・ブルーローズ・クローブ
ミツバの父親。異国の魔術師「ツバキ」と深く愛し合って結婚するも、子供に恵まれずようやく生まれた子供であるため、非常に親バカ。
出産に当たってツバキが死亡し、ミツバも植物状態となってしまったことで、私財をなげうって娘の覚醒に全力を尽くしていた。
子供が生まれず仕方なく側室に迎えたミリアーネとは元々折り合いが悪かったが、上記の散財によってさらに険悪になっていた。
家督乗っ取りを狙うミリアーネに買収された執事ピエールに猛毒を飲まされ、苦しむ中でミツバによって安楽死させられる。
・ツバキ
ミツバの実母。故人。異国の出身で、髪が黒い。
我が子の誕生に愛する夫と涙するも、間もなく死亡してしまった。
人物像の詳細は不明であるが、漫画版の単行本幕間にて、あの世にて殺意全開でピエールをウェルカムしている夫をなだめようとしている辺り、穏やかな性格の様子。
・ミリアーネ
いつまでも子供ができないギルモアにイエローローズから差し出された第二夫人。家督相続目的でしかないため、二人の間に愛はない。
家督をミツバより先に生まれた息子に継がせたがっており、ミツバを疎んでいる。
ミツバは呪いの子であると吹聴していたが、本当に呪いの力を宿しているとは思っていない様子。
ピエールを唆してギルモアに毒を飲ませ、ミツバを殺そうと暗殺者を差し向けたりしている。おそらく、戦場で死にやすくするために士官学校へ入れるように手も打っている。
・ニコレイナス・メガロマ
王国魔術研究所の女所長。
火縄銃のような近代兵器を開発するなど、稀代の天才。
ミツバとどっこいレベルで作り笑顔が下手だが、本人に自覚なし。朗らかな性格であり、笑顔を交えながら話す、自称「ニコ所長」。
ミツバの覚醒を担った縁もあり、彼女の後見人としてサポートを行う。
呪いの力やその中に何かが宿っていることも把握している。つまり、彼女の外的処置によって宿らされたと思われる。
・クレーネ・パレアナ・セントヘレナ
砲兵科学生。ミツバのルームメイト。スタイルのいい美青年(女性)。
パレアナ島の没落貴族らしい。名誉姓であるミドルネームと同じ島名であるが、詳細不明。
「呪い人形」というミツバの悪評を気にせず、自分の隣の席に誘った気さくな人物。
マイペースで大雑把ながら、ノートに注釈や考察を書き込んだりなど真面目な面もある。
自国のみならず周辺国も対象として、増え過ぎたと考える王族や皇帝を間引くことを目論む革命家の卵。
そのためになり上がることを目的として士官学校に通っている。一方で、外圧で変える気はないようである。
メガテン風に言うと、カオス世界を目指してロウスタンスを取ってるタイプ。
・サンドラ
クレーネ同様、砲兵科所属でミツバのルームメイト。ボブカットの眼鏡。
ブルーローズから追放されたミツバに興味を持ち、接触してくる。自分はお前を利用するからお前も自分を利用しろ、とかなりアグレッシブな勧誘をしている。
真面目だがマイペースで、演説が長め。
現在の国の上層部が腐っていると感じているのはクレーネ同様だが、こちらは自国を共和制に変えようと目論んでいる。
その為なら血が流れることもよしとしており、ロウ世界を目指してカオススタンスを取ってるというクレーネと真逆のポジション。
当然、仲も悪く喧嘩もするが、邪魔したりはしない。
追記・修正は呪いの力を食らってからお願(ドチャッ)
- 記事作成乙。ひらがなのタイトルは大体怖いストーリー -- 名無しさん (2023-08-28 17:01:44)
- 知らなかった、コミカライズも書籍化もしてたんだ。またりさんの作品はグロ描写が多いんだが引き込まれるんだよな、死神を食べた少女とか -- 名無しさん (2023-08-31 12:05:39)
最終更新:2025年01月08日 15:03