私と脱出しませんか?

登録日:2023/09/16 (土) 00:00:12
更新日:2025/01/02 Thu 15:10:58
所要時間:約 6 分で読めます





「そんな危ない状況ならすぐに先生に報せよう…!」

「そういうことじゃないのよ常深くん!」



『私と脱出しませんか?』は漫画アプリ「サンデーうぇぶり」で連載中の漫画である。
全8巻。




概要



リアル脱出ゲーム謎解き系クイズをテーマにしたラブコメ漫画。
物事を何かと考え過ぎる癖のある主人公と、リアル脱出ゲームガチ勢のヒロインが交友を深めていく作品である。
作者は『ぼっちゃまは今日もイジられる』『ツン姫さまとダメ王子ちゃん』といったラブコメを多く手がけたヨウハ氏。

ストーリー内では脱出ゲームを解く場面が多数あり、読者も謎解きに参加できるような構成になっている。
作中に登場する謎は作者が自作したもので、リアル脱出ゲームの企画運営会社「SCRAP」が監修を務める。
漫画としてだけでなく謎解きエンタメとしても楽しめる作品である。



登場人物



・常深 孝助(つねみ こうすけ)

主人公の男の子。ほんの些細な事にも熟考してしまう、ちょっと不器用で心配性な高校1年生。
「学校に遅刻しないか心配」という理由で毎日早朝に登校して教室に一番乗りしている筋金入りだが、ある朝に無人の教室で不可解な記号が描かれたノートを拾う。
これがきっかけで綴野さんとの交流が始まり、リアル脱出ゲームや謎解きの世界に足を踏み入れていく。

もともと隣の席だった綴野さんとはただの知り合いぐらいの距離感だったものの、以前からお互いに好感を抱き合っていた様子。
友達になってからは一気に距離が縮まり、最近になって綴野さんへの恋愛感情を自覚した。

綴野さんに巻き込まれる形で参加する様になったリアル脱出ゲームだが、元々の熟考癖と相性が良かったのか普通に趣味として楽しんでいる。
初心者ながら謎解きの資質もあり、脱出ゲーム中は序盤の小謎*1を解くのはもちろん、綴野さんも気付かなかった大謎*2の突破法に辿り着くなど、ところどころで才能の片鱗を見せる。

絵のセンスが壊滅的個性的。綴野さんを喜ばせようと自作の謎を披露した際には「何が描かれているのか分からないイラスト」という無自覚な番外戦術で難易度を一気に引き上げた。*3

綴野さんへの恋心を自覚して以降、綴野さんと対等にゲームを楽しみたい、綴野さんを楽しませてあげたいという思いから脱出ゲームの自作に挑戦。友人達の助けを得てゲームを完成、成功させ、ついでに告白にも成功した。


・綴野 藍花(とじの あいか)

ヒロインの女の子。鍵の形をした髪留めが特徴。
リアル脱出ゲーム大好きな謎解き系女子
「謎解き好きな人と友達になりたい」という願いから校内で同好の士を探そうとするが、「謎解き要素を仕込んだノートを教室にわざと落としておいて、謎を解いた人物が自分に話しかけてくるのを待つ」というやや回りくどい作戦を立てた、常深くんとは違うベクトルで不器用な子。
この試みは長らく箸にも棒にもかからず、挫けそうになっていたところで無事(?)引っかかった常深くんと仲良くなる。
常深くん含むクラスメイトからの印象は「物静かで清楚な癒し系女子」だが、謎解きが絡むと途端に表情をコロコロ変える愉快な人。焦るとふなっしーみたいな顔になる。

リアル脱出ゲームにかける情熱には並々ならぬものがあり、謎を解いたり自作の謎をお披露目したりする度に目をギラつかせて鼻息を荒くする様は趣味やファンを通り越して中毒者に近い。
謎解きの腕前に関しては数多のリアル脱出ゲームや謎解き本などを通じて相当な実践経験を積んでおり、その辺の小謎程度なら目にしただけで瞬殺するレベルの実力を誇る。

謎解きの事になるとのめり込み過ぎて周りが見えなくなる節があり、それが原因で中学時代に友達と仲違いしてしまった過去を持つ。
そんな苦い思い出からか、常深くんとリアル脱出ゲームに参加する際は自ら謎を解くよりも常深くんをサポートする側に回る事が多い。常深くんが自力で難問を突破すると涙を浮かべて喜ぶ。後方腕組み保護者面。

解く方だけでなく作る方にも精力的。学校の教室やカラオケルーム、果てはお台場の街全体などさまざまなロケーションを舞台に脱出ゲームを制作しては常深くんに参加してもらっている。
とはいえこちらはまだまだ勉強中らしく、謎解き内で文字の配置を間違える*4などのポカもたまにやらかす。

あるリアル脱出ゲームでの行動を通してキキちゃん達とのすれ違いを解消出来た後は四人で遊ぶ事が多くなったが、その中で常深くんを異性として意識し出した模様。
最後、常深くん自作の脱出ゲームをクリアして彼からの告白を受け、見事恋人同士になった。


・仁外(にぞと)
・熊木(ぐまき)
・江南(えな)

大体いつも一緒にいる男子3人組。
チャラついて軽いノリっぽい見た目だが根の部分の人の良さが滲み出ている人達。
熟考癖で会話の間が独特な常深くんとも仲良くしてくれる気の良い友達である。他作品でいうとガチゴリラやモツオみたいなキャラ。
常深くんと綴野さんの仲が急接近している事にも気づいているが、嫉妬するでも詮索するでもなく影で見守りながら2人の邪魔をしないように振る舞う気配りの達人集団。
脱出ゲームへの参加は「難しい事を考えようとすると拒否反応で…」と言って断っていたが、常深くん自作の脱出ゲームにキャストとして参加したのをきっかけにちょっと興味がでた様子。
名前は「エニグマ」「謎解き」のアナグラム。


・白虎 輝姫(しらどら きき)

綴野さんの中学時代の友達。銀髪美人ギャル。
かつてはぼっちの綴野さんのために他の友達を誘って一緒にリアル脱出ゲームに参加していた仲だったが、どんなゲームもワンマンプレーで解き切ってしまう綴野さんに業を煮やし、喧嘩別れのような形で疎遠になってしまった。*5
今でも脱出ゲームは続けており、ある謎解き公演で綴野さんと再会する。

綴野さんには思うところがあるものの、本来は明るくてノリのいい子。
初対面の常深くんにも気安く「キキちゃん」と呼ばせようとするなどコミュ力高め。
これは関係ない(多分)。


綴野さんとのすれ違いを解消できてからは改めて友人として受け入れてもらい、一緒に遊ぶようになった。
友人同士の距離感が近いのか、偶に常深くんに接近しすぎて綴野さんからジェラシーな視線を受けたりもしているが。
ちなみに常深くんの事は「綴野さんの脱出ゲームの相棒役」を巡ってライバル視しているが、恋愛については綴野さんとの仲が進展するよう応援している。
なので常深くん自作の脱出ゲーム作成と告白についても全面的に協力し、告白成功後は2人を祝福していた。


・根湖山 オセロ(ねこやま おせろ)

同じく綴野さんの中学時代の謎解き友達。黒髪ツインテールの無表情娘。
キキちゃんとは幼馴染で、一緒に脱出ゲームに参加しようとしていたところで綴野さんと遭遇する。
こちらはそんなに怒っている様子は無い……というか顔から感情が読み取れない。


キキちゃんと綴野さんのすれ違いが解消されてからは一緒に遊ぶようになった。
そんな中常深くんと綴野さんのじれったい恋模様にも気づき、その方面の話題で常深くんが慌てる様子を満面の笑顔で見守ったりあまりのじれったさに感情を籠めて突っ込みを入れたりしつつ応援している。




余談



  • 各話のサブタイトルは一般的な漫画の表記とは異なり、暗号形式で全部または一部が隠されている。基本的にはその回に登場する謎解きの仕掛けを使うと読める様になる。

  • 「話を進める為にはストーリーに沿った謎を生み出し続けなければならない」というハードな建て付けのためか、サンデーうぇぶりでは隔週連載の形式を取っている。本編がお休みの週には作者謹製の「おまけ謎」が掲載されるが、作者がクソ忙しい時には代わりに担当編集が謎を作ったりする。

  • サンデーうぇぶりでは初回無料で1話から最新話まで追いかける事が出来る。ただ複数話にまたがる話が殆どな都合上後になって読み返したくなる回が多いので、初回無料だけだと結構もどかしい思いをしがち。

  • 単行本のカバー下にはアプリ版未収録の謎が仕込まれている。




【 追記・修正できて♡♤♢♧だ! 】
(※本編1〜3話を読むと意味が分かります)


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最終更新:2025年01月02日 15:10

*1 謎が書かれた紙や画像だけで解く事ができる、それだけでクイズとして完結している謎。「謎解き」で画像検索するといっぱい出てくるような奴。

*2 謎が書かれた紙や画像だけで解く事ができない謎。一例として、脱出ゲームの終盤に「それまでに解いた小謎の答えやギミック」を流用して解くものなどがある。

*3 「イラストの解釈が製作者とプレイヤーとで意図せずズレてしまう」という現象自体は常深くんに限らず謎解き界隈におけるあるあるでもある。謎解きクリエイターの頭痛の種。

*4 「ある文章を縦読みさせる」「★マークと★マークの間の字を読んでもらう」など、文字の並びが肝心なタイプの謎にこの手のミスがあると進行不能になる事がある。

*5 この様な「実力や経験値、モチベーションに差のある人達が同じチームで参加すると一部の人が楽しみ切れなくなる」現象は現実にも発生しうる。誰が悪い訳でもない問題なので余計に難儀。