平原陽桜莉

登録日:2022/10/05 Wed 13:21:35
更新日:2024/03/15 Fri 23:01:19
所要時間:約 10 分で読めます




その子の気持ちは、その子だけのものだから──

平原陽桜莉(ひらはら ひおり)とは、TVアニメ『BLUE REFLECTION RAY/澪』に登場するキャラクターで、本作の主人公の一人である。

CV:石見舞菜香

■概要

高校一年生で、月ノ宮市にある月ノ宮女子高校に通っている。
好きなものはお菓子と唐揚げ、嫌いなものはない。ただし、勉強は少し苦手で直感で行動することが多いため、説明が擬音語だけになりがち。
飾らず、いつもまっすぐで天真爛漫な太陽のような性格。そのような性格の為、誰とでも仲良くなるのが得意。
困ってる人、困りごとがあれば解決に奔走し、考えるより先に身体が動くタイプ。

一見すると明るくマイペースで悩み事がないように見えるが、根は繊細。
誰にも言わず何かしらを心の奥底で背負い込み過ぎるという悪癖があり、周囲が気が付けば限界を迎えているというパターンも。
幼い頃、父と死別。さらに小学五年生の頃に母も失踪を遂げており、姉である美弦(みお)とずっと一緒に暮らしていた。
そのためか、趣味は姉と過ごすことであり、少し依存している節が見受けられる。

冒頭の台詞のように「その人の“気持ち(おもい)”はその人だけのもの」と考えており、
自分の“想い”を見守ってくれた姉のように誰かの“想い”を守り、奪わせないためにリフレクターとしての活動を始めた。

■リフレクターとしての能力


私は必ず、“想い”を守る

武器は前作主人公である日菜子と同じ、青く透き通った刀身を持つ
髪は変色してピンクに変わり、大きな花のような髪飾りが生える(アニメ版とゲーム版で衣装が違う)。
こちらもメル先生がデザインを立案したためか、背中が大きく露出。変身に必要な青い指輪は、子供のころから大切にしていたオルゴール箱のなかにあったもので、左手人差し指に嵌めている。
前作から理が変化した世界では、想いの欠片――フラグメントが抜き取ることが可能で、モンスターではなくフラグメントを奪う者たちと戦う。
また、真に心を通わせた相棒と共鳴することで、某エクスカリバーのような極太ビームを放出することも可能。
「帝」では、剣を二つ携えたスロースターターのアタッカーとして登場。
ギアが溜まるまでは遅いものの、ぶっちぎりに火力が高く、非常に打たれ強い。インファイトバトルやリザルト演出では双剣の柄を結合し、双頭刃にすることも。
歪曲・衝撃属性をメインとしており、攻撃対象に対して一方の属性耐性を上げる代わりにもう一方の属性耐性を下げるスキルを持つ。
この2属性は、両方耐性を持っている相手が存在しないため、デバフが続く限り常に弱点を突けるキャラとなっている。
また、最も基礎的なスキルでさえ「このスキルで倒すとエーテルが攻撃1回分回復」「弱点を突いた際のノックバックが大きい」などの特性を持っている。


+ 《アニメ前半》
あれ、この部屋だよね?

……?

転校して月ノ宮女子高校への寮へと入寮した羽成 瑠夏と、運命の邂逅。
思わぬ事故で接触した二人の間に最初の共鳴が発生し、互いの記憶を少しだけ垣間見る。その後、まだ転入したての瑠夏をサポートするため学校で行動を共にし、ある一件が原因で心を閉ざしていた瑠夏との距離を少し縮める。
その後、屋上から落ちる白樺 都を助けるため青の指輪(ブルーリフレクション)を介して変身。リフレクターとして覚醒し、活動していく決心をすることに。

違ってもいいんだ……!

遠回りはするかも知れないけど
その子の“想い”は──!

誰にも渡さない!!

青の指輪とは異なり、負の感情を力に変える赤の指輪(ルージュリフレクション)を嵌め、フラグメントを奪うルージュリフレクターの山田 仁菜と駒川 詩と敵対。
都をサポート役に加え、本格的にリフレクターとして活動し、敵対する二人との戦い方を陽桜莉と瑠夏は先輩である田辺 百に指導を求めるも、やんわりと断られてしまう。
これを二人に不安を感じているからと推察した都は、二人を真の相棒同士にするため色々と交流を深めることを提案。
嫌になるほどお互いの違いを知った二人だったが、百に諭されそれを強さにして今度はまぐれではない本当の共鳴を発動。詩の剣を折ることに成功し、相棒としての道を歩み始める。

瑠夏ちゃん、私……守りたい
守ってくれた……ずっとお姉ちゃんが、みんなが、私の“想い”を──

平原さん……

だから私は、私でいられた

うん

守りたい……
みんなが、お姉ちゃんが大切にしてくれた“想い”を、私は守りたい

七夕の花火大会で、姉の美弦が敵として現れ自らフラグメントを抜くという最悪の再会を果たした陽桜莉。
花火大会後、陽桜莉は気丈にふるまうも瑠夏に無理をしていると見抜かれてしまう。
そんな参っているとき、市街で大量のフラグメントが抜き取られようとする緊急事態が発生。
“想い”が不安定となったため変身が出来なかったが、改めてその尊さと大切さに気付き、相棒と共にフラグメント狩りを中断させることに成功。今までため込んでいた澱みを晴らすかのように泣きじゃくった。

分からないよ……私には“想い”が、ただ恐ろしいとは思えないから……
全ての“想い”を理解することはできないかも知れない……でも、奪うことはダメ
“想い”はその人だけのものだから──

瑠夏を攫われ、美弦たちが拠点にする教会への突入を敢行した陽桜莉ら一行は、姉と共にフラグメントを奪う計画を立てたもう一人の少女、水崎 紫乃と出会う。
教会内の乱戦で、陽桜莉を庇った百のフラグメントが破損。
黒い指輪を嵌め自分の“想い”を失いかける山田が陽桜莉によって助けられるなど状況は目まぐるしく変化。
“想い”とは化けの皮を被った獣。それを管理することが世界と人々のためだと嘯く紫乃だったが、陽桜莉はそれを否定。
管理するフラグメントたちに触れられそうだったが、あと一歩のところで紫乃がそれを阻止。実質的に負けた陽桜莉と瑠夏は、立ち去る美弦たちを茫然と見送るしかなかった──。

+ 《アニメ後半》
どうして“想い”に触れることは出来ないんだろう?
どうして、いつも失くしてから気付くんだろう?

もしあの時

あの日

その声に気付くことができていたなら

伝えていたら

なにか違ったのかな──?

教会での戦いから数余日後──。月ノ宮女子高校は夏休みに入り、陽桜莉と瑠夏。そして都ら三人は家に戻らず寮にいるため、寮長から寮の管理を任され、リフレクターとして活動する傍ら、掃除や庭の手入れをしながら過ごしていた。
フラグメントが破損した百はいぜん目を覚まさず、ただただベッドで眠り続け、フラグメントが抜かれる事件は止むことがない。
そんな折、三人は橘 涼楓、皇 亜未琉と知り合う。
亜未琉は山田と詩によってフラグメントを抜かれた被害者で、もうじき百と同じように深い眠りに陥るため、三人と交流することで涼楓が寂しくないようにしようとしていた。
亜未琉や他の抜かれた少女たちを救うべく手がかりを求める三人と、拾われた犬状態の山田は、人類の集合的無意識から形成されるもう一つの世界、コモンへとアクセス。
コモンの姉妹こと司城 夕月と来夢から“想い”を取り戻せるかもしれないという希望がもたらされるが、
同時に誑かされた涼楓と亜未琉がルージュリフレクターとして敵対するという絶望ももたらされた。

お姉ちゃん……苦しいよ……。どうして私を月ノ宮に入れたの……?
私のこと邪魔だった……?いらなかった……?だから捨てたの……?
お母さんもそうだったの……?
お姉ちゃんのバカ!もうやだ……つらい……消えたい……いなくなりたい!

友人である亜未琉と涼楓と対立することになり懊悩する陽桜莉。
それを見かねた山田は発破をかけるため、かつて美弦と共鳴して知り得た一週目の世界の記憶を強制的に陽桜莉へと流し込む。
母の帰りを信じて二人で暮らす陽桜莉と美弦。二人の絆は強かったが、強すぎるゆえに大きくすれ違ってしまう。
美弦が家庭のためにアルバイトを始めたことも。自分といるだけじゃない世界を知ってほしいと思い、月ノ宮女子高校へと入学させたことも。
全てが裏目になり、陽桜莉のフラグメントはついに崩壊。そのせいで美弦は戦意を喪失し、攻め寄せる敵に殺されてしまった──。
姉を殺した罪悪感。かけがえのない友達二人と敵対しなければならないという状況。姉を傷つけさせないために相棒を傷つけてしまった事実。
それらの現実がのしかかり、陽桜莉のフラグメントは絶望に染まって暴走。それが鍵となってコモンへと続く扉が開門されてしまう。

お姉ちゃん……!

陽桜莉──?

お姉ちゃんは優しい…!

違う……

信じてる…!
大好き……! お姉ちゃん……!!

違うのよっ……!!

一度折れた陽桜莉だが、相棒である瑠夏。そして山田の言葉によって支えられながら立ち上がり、美弦と対峙。
幾度も刃を交え合い、姉が心の奥底に抱えていた“弱さ”を知り、本当の意味で美弦と分かりあえた陽桜莉は瑠夏と共にコモンへと続く扉を閉門しようとするが、あと一歩のところで届かず、紫乃は扉の向こうへと飛び去ってしまう。

たとえ貴方が捨てたとしても、受け取った“想い”は消えない──!

そうだよ、ずっとここにある!
紫乃ちゃんを助けるんだって──!!

子供の姿をした紫乃のフラグメントに接触し、想像を絶する過去を知った陽桜莉たちは、彼女を救うためコモンへと突入。
山田、百、涼楓三人から後を託されコモンの最深へと至った陽桜莉と瑠夏。美弦と紫乃(幼)は苛烈な攻撃に晒されるが、
美弦が自らのフラグメントを犠牲にして活路を切り開き、紫乃(幼)が変化したフラグメントを二人が紫乃に届けると、小さな公園へと迷い込む。
そこで陽桜莉と紫乃は、かつて幼い頃の自分たちがこの公園で出会っていたことを思い出す*1
自分が手を離さなければ、もっと喋っていればと後悔する陽桜莉と紫乃だったが、瑠夏によってあの日の続きをすることに──。

お姉ちゃん、ありがとう……!私、ちゃんと前に進んでいくよ!
自分の“想い”を大切にして、これからもずっとずっと……!!

奪われたフラグメントが流星雨のように地上へと降り注ぎ、荒廃したコモンが再生されていく中、
陽桜莉は一人の人間として、自分の道を真っ直ぐ歩き続けていくことを美弦に誓い、謎の降灰現象が始まった現実世界の日常へと還っていった──。

+ 《BLUE REFLECTION/帝》
記憶を失い、水に囲まれた学校という不思議な世界に召喚されたヒロインの一人として登場。記憶を失ってはいるが、美弦の存在は覚えている。
「帝」のキャラクターである靭 こころとは同じAASA*2に所属する仲間で、七夕祭りに招待している。

優しいお母さんだった
私も、お姉ちゃんも、お母さんが大好きだった
お父さんがいなくても、お母さんさえいれば、わたしたちは幸せだった

少女たちの思い出や記憶。心象風景で形成されたダンジョン・ココロトープでは母の失踪に関するお話がメイン。
なお、アニメ本編では美弦が中学、陽桜莉が小学五年生の頃に失踪しているが、ゲーム本編では二人が幼い頃に失踪しているという大きな相違点がある。ガストちゃんさぁ……
「澪」では影が感じられたが、どこぞのマゾっ子のお陰で完全に憑き物が落ち、能天気で明るい性格になっている。
時系列から考えると愛央より年上だが、その性格からかあんまり年上とは扱われていない(一応、愛央から「さん」付けで呼ばれているが)。
ちなみに、件の浄化済みマゾっ子は一番かばっていたものの、一番相手取っていたためか一番マゾ人格を警戒していた様子。


■余談

  • 体力が底抜けにあり、元バレエマシーンであり体力が人一倍ある日菜子を疲れ果てさせても更に動くことが出来ている。
  • メル画ではそこそこお胸はあるのだが、アニメは作画の都合上ぺったんこ。
  • 母、姉と揃って面倒な性格をしているので「平原家の血」、もしくは「平原の呪い」と言われることも。

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最終更新:2024年03月15日 23:01

*1 2クール目冒頭は、幼かった二人によるもの

*2 Ancient Ark Solving Agency(超古代遺物研究機関)