水上敏志(ワールドトリガー)

登録日:2024/06/23 (日) 18:41:00
更新日:2024/07/08 Mon 19:29:24
所要時間:約 17 分で読めます




やっとこさ 詰み やな


水上 敏志(みずかみ さとし)ワールドトリガーの登場人物である


□プロフィール

うそつきブロッコリー
▪年齢:18歳(高校生)
▪出身地:大阪
▪誕生日:12月5日
▪星座、血液型:くじら座、血液型B型
▪身長:178センチ
▪王子からのあだ名:みずかみんぐ
▪初登場:第150話(単行本17巻)
CV:竹田海渡

□人物像

大阪でボーダーにスカウトされてきた人物。基本的に関西弁で話しておりアニメでも関西弁。
関西出身者を中心に設立された生駒隊に所属する。
言動は緩いが成績優秀。
将棋が強く、かつて三門市に引っ越すまではプロ棋士を目指す奨励会に在籍していたほど。
ボーダーにスカウトされて奨励会はやめたようだが、ボーダー内でも隊長の生駒を手玉に取る姿が映っている。
またスカウトに応じてプロ棋士を諦め引っ越しまでして来ているが、ボーダーの活動の中でも希望式の近界遠征には興味がないと明言している。

□戦闘・能力


  • トリガーセット
メイン アステロイド ハウンド シールド バッグワーム
サブ アステロイド メテオラ シールド -

トリオンで生成した弾丸を道具無しで撃ち出す射手(シューター)
現時点で合成弾は使っていない。蔵内や二宮が使ったハウンド+メテオラの誘導炸裂弾(サラマンダー)や、アステロイド+アステロイドの徹甲弾(ギムレット)を作れる構成ではある。

声に出した弾と違う弾を撃てる特殊技能持ち。
例えば通常弾(アステロイド)と言いながら追尾弾(ハウンド)を放つことができる。
…が、佐鳥のツインスナイプ同様ほとんど注目されていない。
無意識にできるものでもないようで、初登場の試合は同数以上での直接対決の場面で何度か使ってみせたが、乱戦となった2回目の登場時には複雑な戦況に集中するためか偽装発射は全く使っていなかった。

隊として行動する際は隊長の生駒に代わって作戦立案や隊員への指示を担う。
将棋とボーダーのランク戦は別物と語ってはいるが、複数の駒の動きを考える視野の広さと先読みの腕は活かされているようで、近界人の有望軍人であるヒュースが要警戒対象かつ味方としては頼れる存在として挙げる生駒隊の名参謀。
ランク戦2回の戦闘場面があり、どちらも個人得点は上げていないが、2戦目となるランク戦最終戦では他の隊が絡む乱戦の中でヒュース包囲網を作り維持するように戦場をコントロールしていった。
隊の戦術や指揮を担うとはいえ「どっちから狙います?」と隊長の生駒におおまかな方針を尋ねたり、隊長の生駒を始めとした自由な隊員たちにも特に苦言は呈さず隊長を立てる姿勢を見せたりはしている。






さて
読者公募から選ばれたキャッチコピー大賞が「遅効性SF」であり、
「あの人凄い人だったのか」が度々発生するのがワールドトリガーという作品であるが、

この水上も読者を驚かせる働きをする。
それはチームランク戦2回の出番を経て始まった、遠征選抜試験編である。


遠征選抜試験

最初に、この試験を遠征隊員の選抜だけでなく残る隊員の能力評価もする総合的な試験とするために、中位以上のB級隊員を集めた大規模なものとしたことが本部から説明される。
続いて試験内容が「閉鎖環境試験7日間+2日がかりの長時間戦闘」であること、
加えて「遠征選抜は普段の隊を崩した混成部隊で行われる」ことが発表され、水上は臨時の9番隊隊長に任命される。

チーム編成

いわゆる野球のドラフトのような形で隊長がメンバーを選ぶ形となり、オペレーターとして鈴鳴第一(来馬隊)の今が指定された水上は
  • 狙撃手と近距離攻撃手の両方こなせる中位帯隊長の荒船
  • ジャンプ台のグラスホッパーに加えて飛び道具のハウンドも扱える攻撃手の樫尾
  • 後にA級隊員となる歌川や奈良坂と新人王を争った近中万能手の照屋
を選択。

「臨時隊員たちに選んだ理由を説明せよ」とする指示には
オペレーターが今ちゃんだったし、頭いいやつ集めたら楽できそうと思って選んだ
閉鎖環境試験の7日間で差をつけて合格ボーナス月15万円*1狙ってるんでよろしく
とぶっちゃけている。
これを聞いた照屋が「戦闘試験は自信がないということですか?」と尋ねると
「バトルもまあまあいけると思うで。けどうちはバトル以外のほうが有利やろ」
と返している。
飛びぬけたエース級がいないとはいえ決して弱くは見えないチームだが、戦闘面をあまり重視せず選んだのは事実な模様。

審査員で同級生も多くいるA級隊員たちから見ても5人全員が学業面の成績もいい秀才チームであり、事前予想では閉鎖環境試験の有力と見られた。



ここからが本番

情報操作

閉鎖環境試験では原則「運営から隊長の元に通達が届き、隊長がそれを周知する」という形で連絡が行われる。

例えば最初の通達には課題の明示があった。
課題として与えられるのは、全隊員個人で解く『共通課題』、隊員同士で協力して分け合って解く『分担課題』、運営から不意に与えられる『特別課題』、そして2日目から行われる『戦闘シミュレーション課題』の4種。
届いた本部通達をそのまま配布する隊長がほとんどだったが
「んー……このへんは今は別にいらんなあ。削除っと」
冬島「……おいおい、水上のやつ規定(ルール)の文章いじりやがったぞ」
水上は初日の通達から戦闘シミュレーション課題の内容を削除して隊員たちに配布。
「運営通達は全てそのまま隊員に伝えなければならない」というルールは無かったとはいえ、審査員をしているA級隊員たちを驚かせた。


戦闘シミュレーション一人指し

最初の戦闘シミュレーションは各チーム隊員を模した駒を使った戦闘ゲーム形式。
これまでの活動を元に駒の性能が設定され、救援としてA級隊員の駒をチームに入れることができるというもの。

いざ戦闘シミュレーションが始まると、水上は「ちょっと集中させて」と誤魔化した上で会話を避け、9ある駒を見事に連携させて動かし他の隊を圧倒。
初日の10試合を7勝0敗3分という驚異的なスコアを叩き出す。
駒の性能は現実の各々の隊員の活躍に準じていることが事前に明記されているとはいえ、学習力の高さと普段から他の隊員の能力を相当把握している証になるだろう。
また他の隊は戦闘隊員4人の手分けに加えてオペレーターが実戦同様のサポートを行っているのに対し、水上は完全に一人内緒で進めたのでオペレーターの支援すら受けていない。この点も状況把握と判断の早さがうかがえる。
ちなみに水上隊と引き分けになったチームとしては、トリオン量と射撃能力が圧倒的な二宮隊と、A級クラス2人を擁しカメレオンで自動追撃を無効化できる歌川隊の2つが明示されている。

翌日は駒の数が12に増えたが、水上はまたしても集中してやりたいと今度は個室に籠って完全シャットアウト。途中来た特別課題を他の隊員に投げつつ、将棋の早指しの要領で思考時間を短くして操作。
初日より勝ち星が減ってしまったものの、それでも5勝0敗5分と2日続けて負け無しで終えている。2日間負け無しの隊は水上隊と隊員スペックが圧倒的な二宮隊の2隊のみ。


照屋の疑念

閉鎖環境試験では一日の終わりにその日こなした課題の得点と隊の順位が通知される。
2日目は水上の戦闘シミュレーション圧勝もあって他の隊を圧倒する成績の水上隊だが「不自然なほど点が高すぎないか」と照屋が疑いを持ち始める。
隊長の元には隊員個別の得点や課題ごとの得点まで詳細開示されているのだが、水上は隊の合計得点と順位しか周知していない。
詳細を見せると隠している戦闘シミュレーションの存在が計算でバレかねないからであり、照屋に詳細表がないか尋ねられても「ない」とウソをついている。
疑念が消えないは照屋は他の隊に聞こうとするが、「成績が良い側が下の側に確認するのは嫌みっぽいでしょうよ」と水上は照屋の電話真似までした上でどう映るか実演して説明。
怪しみつつも問い合わせを止めた照屋だが、水上は途中で話しかけないでほしい理由を課題の進みが遅いからと言っていたことから、今度は現実にある格言をいくつか引用して水上の課題への協力を提案する。
すると今度は「照屋ちゃんは自分を賢者側だと思ってるん?」「自分の主張通すために格言使う人苦手やねん」とバッサリ。
これはさすがに言い過ぎだと今が水上を連れ出したが、照屋の方も生意気だったと反省して追及を止めた。


しかし一日空けて試験4日目、戦闘シミュレーション3日目。
動かす駒が24となりさすがに一人指しを諦めた水上は「2日前からこっそりこれやってました」と戦闘シミュレーションの存在を白状。

突然降ってきた重大な課題。
しかも他の隊が2日がかりで馴染んだ上で得点倍率の高い3日目に臨んだのに対し、水上隊はぶっつけ当日でルールから把握する羽目になったのである。
課題の重さに加えて2日目の確認時に噓をつかれていたことが分かった照屋の不満は爆発する。



水上の考え

が、水上が隠れて事を進めていたのは全ては得点稼ぎのために効率的と考えた結果であり、彼なりの誠意でもあった。

・臨時部隊は強制である
平時のボーダーの部隊は友人知人同士で結成した上で申請するか、あるいは公示された隊員募集に応募する形でチームが組まれることが多い。
隊員同士の方針の違いや独立希望による離脱の例があることも描かれている。

しかしこの遠征選抜試験の臨時部隊は本部が隊長とオペレーターを指名し、隊員は臨時隊長が指名する形であった。
参加も仲間も途中離脱の選択権もない平時と違う特殊性から、馬が合うか分からないメンバーでも個人得点は稼げるようにしたいという配慮である。

・試験成績は長期的に影響する
この試験は近界への遠征に耐える者を選抜するだけでなく、残る者の能力や適性を見極める意図があると明かされている。
今後の長期評価の指標になることに加え、合格者には遠征を断った場合にも中高生には相当な金額となる日給5000円のボーナス報酬も約束された。
強制参加の試験で責任を負った者として、結果を出すことにこだわったのである。

・隊員への絶大な信頼
得点効率面の説明を聞いた上でも照屋の溜まってきた不満は収まらない。
戦闘シミュレーションの複雑なルールと高い得点配分を一瞥して「難しい課題を後回しにしたしわ寄せがきている」と嘆くように問い詰めるが…

「なんでや この面子ならいけるやろ それができる面子を集めたつもりやで」
あっけらかんとした当然のことのような表情で言っている。
「他の隊員の3分の1の時間で結果が出せる」と信じたということである。
話し合いをせず内緒で進めることを選んだのも、そこに時間使うよりも課題進めた方が点になるでしょというものだった。


・審査員の推測:「仮に揉めてもチームメイトの評価は上がる」と計算している可能性
水上が自ら語ったものではないが、得点の面で合理的な仮説なのでここで紹介。

審査員の一人でデータをよく見る結束がA級の各隊員評価の推移を見ていて気づく。*1
隊長である水上の評価は加点減点入り混じった上でややプラス程度だが、一方でチームメイトである照屋、今、荒船、樫尾の評価は確実に上がっているという。
この試験だったら合格無理でしょと王子にディスられる近界遠征経験者の太刀川
「年長としてフォロー役を担う荒船と今の負担が大きすぎる。水上を減点した上で2人に加点」
と点を振る場面があったのが好例。

照屋も最終的には落ち着きを取り戻した上で課題に前向きに取り組む姿勢を見せ、これにA級から大きな加点が付く形で一連の秘密騒動は決着している。

隠し事をしていた水上への臨時隊内での評価

照屋の反発と受容については上述の通りなので、他の3人の感想を

  • 荒船:隊長は水上なのだから好きにやってみたらいい
中間成績で上位にいることが明らかで、また平時の隊長として指揮責任の重さを知るためか容認方向。
自身も攻撃手1人と狙撃手2人で始めたチームから狙撃手のみ3人のチームに変える大胆な変更をしており、剣の腕前は落としていないとはいえいくらか隊長として我を通した経験もあるのだろう。
臨時隊内の関係が壊れる等いざとなったら指揮を引き継ぐつもりであることも水上に直接告げている。

  • 樫尾:隊長が隠し事するのは慣れているので違和感がなかった
ボーダー隊員たちにニックネームをつけ独自のアイコンまで作ってもらう自由人な王子の元にいるためか、隊長の独自行動や内緒の動きを見慣れている節がある。
そのため水上が何かやっていることを察しつつも「隊長はそういうもの」として流していた様子。

  • 今:成果が出ていることに文句はないが、人間関係の調整を無視してまでこのやり方を通す必要があるのかと懸念。
2日目の時点で「成果に文句はない」としつつも「試験としてあと5日は同じチームとして過ごすことが確定している中で、隠し事をした状態で信頼関係が続けられるのか、その覚悟があるのか」と水上に問いただしている。
結局手に負えなくなって4日目に隠し事をばらした際も「普通に話し合いで進めても行けるチームと思うのに、隠し事をしてまで高得点に拘る理由は?」と照屋の思いをフォローする。
ちなみに今が平時所属する鈴鳴第一は知人同士で組んだわけではなくスカウト者から自動的に組まれて始まった部隊。
心広い仏の来馬隊長、ボーダー内屈指の攻撃手の村上、天然トラブルメーカー別役の三者の間におり、人間関係の悩みと結果の出ない苦しみ*2の両方を知る故の行動だろう。


水上のやり方への劇中での評価

端的に言えば
「結果が出ている以上は認めざるを得ない」
「照屋に同情したくなるが、成果が出ている以上は水上のやり方を否定もできない」
という意見が大半。
水上に加点した上で「もし詰められてるのが親の威光を使ってA級入りしたボンボン唯我だったらみんな同情しただろうか」と問いかける喜多川に出水が同意したり。

感情的に反発した照屋への辛口評価の代表例はアラサー男と自由人狙撃手を下に敷く真木やちっちゃくて高性能な風間の遠征経験者2人。
真木「新しい課題が発生したこの場(4日目の朝)は水上を責めてる場合じゃない。追及は後にして目の前の新たな課題に集中するべき」
風間 「1位独走という大きな成果が出ているのに文句を言うのか」「チームの意思決定から自分が省かれたのが気に入らないわけだ」
と感情的になる照屋の方に辛辣な言葉を向けている。

一方で照屋に同情的なのは、近界友好派の 玉狛第一や防衛第一の嵐山、年下女学生の下に敷かれている冬島など。
特に小南は「人前でやり込めるのは良くない」と水上を大きく減点。
嵐山は照屋の所属部隊隊長である柿崎をよく知る元チームメイトとして
「安全重視で全員一丸となって動こうとする柿崎」と「個人の実力を頼りにしている水上」
では平時とやり方が違いすぎる点も指摘している。


その後の遠征試験

水上はその後も隊員に内緒な行動をするが、さすがに前より情報を出すようになり、得点想定が予想と外れて怪訝な顔をした際には周囲の視線に応えて疑問を明かしている。

なお、水上が最終当日ぶっつけ対策にした戦闘シミュレーションだが、
「下位隊は策を練ってくるだろうから動きが読めない。今までの動きを続けるであろう上位隊に追い越されなければいい。」として上位4隊に負けないための対策に絞り、他の隊員たちにはギリギリまで分担課題を進めさせた。
経験者の水上の解説付きで狭い範囲の対策を行う形とはいえ、最終的に全体対策時間を試合開始直前の1時間にまで削っている。他の隊は操作から四苦八苦しつつ2日半がかりでやってきた課題だぞこれ。
結果は2勝7敗1分と、昨日まで無敗から一転して負けを重ねているが、上位隊への勝敗は水上が期待した通りの結果を出せており、改めて水上9番隊は秀才揃いという評判の正しさをうかがわせる場面となった。


余談

  • 遠征試験での行動は読者を大きく驚かせ、その衝撃は水上の名前や単行本カバー裏プロフィールに付いていたフレーズ「うそつきブロッコリー」がインターネットのトレンドワード入りするほどに。
    作者の葦原先生もこれほどの反響が起きるとは想定してなかったという。

  • 遠征試験前の隊員アンケートにて、水上は遠征に一緒に行きたい人物として、
    ヒュース、菊地原、国近、当真、太刀川を挙げている。
    菊地原は強化聴覚のサイドエフェクトを評価して、他の4人は腕の良さに加えてボケツッコミやアホ話ができそうという選択。ヒュースと菊地原は選抜試験にも参加しているが、順番の都合でドラフトで選ぶ機会はなかった。
    一方で一緒に行きたくない人として挙げていたのは「性格が悪い」「がめつい」と評する漆間と、「怖そう厳しそう」と評する月見。
    強気なオペレーターとしては冬島隊の真木もいるが、真木は水上のやり方にツッコミをいれつつも成績の良さを評価して加点をつけており、こちらとは気が合うのかもしれない。

  • ワールドトリガー作品アカウントは毎年エイプリルフールネタを出しているが、2022年のネタは「ワールドトリガーの絵本がでます」というものだった。
    ウソ表紙には『うそつきブロッコリー』のワードとブロッコリーのイラストが描かれている。

  • 惑星のさみだれの作者である水上志と同音異句の名前の為、SNSで一方が話題になるともう一方だけを知っている人が混乱する珍事が散見される。


追記・修正はうそをつかないブロッコリー好きの人にお願いします。

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最終更新:2024年07月08日 19:29

*1 言い争いといった生活上のトラブルで加点減点がある旨は最初の通達にあり、水上もこれは削らず全員に知らせている。

*2 鈴鳴第一は攻撃手4位の村上を擁しながらB級計21隊の6位~8位あたりを行き来する状態。ボーダー全体から見れば上位の位置にいるが、攻撃手ランク上位3名は全員A級所属なのもあって「上位攻撃手の村上はもっと強い隊行ったほうが良くない?」という作品感想はちらほら見かけられ、外の噂としてあるいは隊内での葛藤として劇中で似たような声があったとしてもおかしくないだろう。