血液型

登録日:2012/09/28 Fri 13:28:11
更新日:2025/04/05 Sat 03:22:19
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血液型(けつえきがた)とは、血液内にある血球の持つ抗原の違いをもとに決めた血液の分類……簡単に言えば血の形である。


●目次


◇血液型の種類◇

一般に言われているA型・B型・O型・AB型の4種類は「ABO式血液型」に分類されるが、血液型の種類はこの4種類だけではない。
抗原は、赤血球・血小板・白血球・血漿等に存在し、抗原の種類も数百種類は存在する。
そして、その組み合せによって決まる血液型は数兆通り存在すると言われている。

SNKの対戦格闘ゲームのキャラクターには、毒手を使うから毒・猛毒となっている人物や魔界A型となっている人物がいる。サムスピとか血液型が発見される1世紀前の世界観の筈なのに何故血ノ型の欄が存在してるのか?(時代設定が室町時代忍たま乱太郎もこれに該当するが本人達が知ってる可能性は普通に考えてゼロ)また、海外の人間は血液型知らない方が多数派なのに対し何でほとんどの海外のキャラは公開できるのだろうか、別にSNKに限らずほとんどの格ゲーにも言えることではあるが。
鉄拳シリーズではそのことにいち早く気付いたのか鉄拳4以降に登場するキャラは血液型が一度も公開されてない。また、既存キャラもまるで無かったかのように公開されなくなった。
それ以外にも、日本のフィクション作品においてはキャラの血液型が設定されている例が多く、海外のファンからは不思議に思われることがある。中には、登場人物ほぼ全員がAB型という悪ふざけとしか思えない設定を出してくる作者も存在する。


◇主な血液型◇

ABO式

  • A型
赤血球の表面にA抗原があり、血漿中に抗B抗体がある血液型のこと。
A型は同じA型以外にもAB型にも輸血でき、逆にA型やO型から血を貰える。
日本では1番目、世界で2番目に多い血液型。

  • B型
B抗原を持ち、抗A抗体を持つ。
B型とAB型に輸血でき、B型やO型から血を貰うことができる。
日本・世界ともに3番目に多い血液型。

  • O型
A抗原・B抗原どちらも持たず、抗A抗体・抗B抗体どちらも持つ血液型。
抗体を持たないことから当初は「0(ゼロ)型」と呼ばれ、後にO(オー)型になったとされる。
A型・B型・O型・AB型全てに輸血することができるが、自身はO型からしか血を貰えない。
日本では2番目、世界で1番多い血液型。

  • AB型
A抗原・B抗原どちらも持ち、抗A抗体・抗B抗体どちらも持たない血液型。
A型・B型・O型・AB型全てから血を貰うことが出来るが、自身はAB型にしか輸血出来ない。
日本・世界ともに最も少ない血液型。

Rh因子

赤血球膜の抗原の形のこと。
医療ドラマで聞いたことがある人も多いだろう。

40種以上の抗原が存在するが、D抗原・C/c抗原・E/e抗原で判定する場合が多い。
日本人の99%はRh+型でD抗原を持つが、D抗原を持たないRh-型の人にRh+型を輸血すると拒絶反応が起こる為、同じRh-型から輸血するしかない。
一方、C抗原とE抗原に対する抗体は免疫反応が弱く、大きな問題にはならない。

Rh null(アールエイチ・ナル)という超希少なものもあり、それを持つ日本人はたったの6人前後で、両親どちらもRh nullでなければRh nullの子供は生まれない。


◇血液型と性格◇

血液型と性格の関係性は医学的に存在しないとされており、迷信や疑似科学の類。
当初は新しい学説の候補として提案されたが、学会で議論が起き、色々あって否定された。
それでも雑誌やマスコミがこの説を肯定するような発言をした為、日本・韓国・台湾(星座の方が主流)などでこの説を信じる人が増加した。

血液型ブームの所為で偏見や誤った血液型差別が増加し、社会問題にもなっている。
例えばA型は独自研究厨で持論ばかり述べる、O型は大雑把などと血液型だけで人間性が決めつけられりもする。
時々「アタシB型とは付き合えないんだよねー」とか言う女がいるが、そういう人には医学の本でも投げつけてやろう。

ただ、あくまで血液自体と性格の因果関係は完全解明されたわけではない。
そのため「血液が性格などに何らかの影響を与えているかも」と考えている研究者もいる。
その場合は4つしかない血液型という大きなくくりではなく、血液にあるもっとミクロな何かが性格に影響を与えているのだろうというのが定説である。

また、輸血には一刻一秒を争う、緊急性を要する場合もある。そんな時に、もし、その場にいる誰もが自分の血液型を知らなかったら……
そう考えると「血液型占いなんて無意味だろwwwwwwww」と思っている人は多くいるが、普段の生活では取り沙汰されない事柄を日常生活に取り入れた占いというのは、意外と馬鹿にできないのかもしれない。

が、近年では血液型で他人の人格を決めつけるような行為はブラッドタイプ・ハラスメント(ブラハラ)と呼ばれ、社会問題化されるようにもなっている。
軽い気持ちで話題に出したりすると問題になることもあり得るので気を付けよう。

前述した「緊急性を要する輸血」についても、緊急時だからこそ患者の自己申告とかいう最もアテにならないものを真に受けて何かあったらシャレにならない。
そのため、病院にデータが残っている時以外は簡易検査で血液型を確かめてから輸血を行い、その余裕すらない場合は理論上拒絶反応が起きないO型の赤血球とAB型の血漿をブチ込むことで対応しており、本当に占い以外で自分の血液型を知る必要があるかはちょっと怪しいところがある。

なお、出生時に受ける血液型検査は、母親の抗体によって検査結果が歪むことがあってこれまたアテにならないとされており、「献血に行ったら血液型が変わったwww」といった話も後を絶たない。


「万能鑑定士Qの事件簿」探偵の探偵」等で知られるミステリー作家の松岡圭祐氏は血液型性格診断に懐疑的で、果ては血液型性格診断とついでに安っぽい闘病ドラマを、当時展開していたシリーズ主人公総動員でボロクソに貶しまくる怪作「千里眼ブラッドタイプ」を一本書くまでに至っている。
その際、松岡氏は小説との連動企画として、自身のサイトで思考や反射神経を併せて吟味することで従来の血液型性格診断よりも詳細な診断結果を叩き出す「究極の血液型心理検査」を公開し、約350万人が検査を受けた。
しかし、実はこの「究極の血液型心理検査」はバーナム効果に基づいて作ったそれっぽい診断結果をランダム表示するだけのサイトであり、血液型性格診断への信仰が打ち砕かれる小説のクライマックスを現実世界でも味わえるという、文字通りの連動企画となっている。

ノーゲーム・ノーライフ」の作者である榎宮祐氏は独自の解釈で血液型性格診断を否定したがその後痛い信者に絡まれたらしく、「私が悪かったです。もうSNS上で宗教の話はしません(意訳)」と謝罪(?)に追い込まれた。


なお、世界のほとんどの国では血液型と性格の関連性は信じられていない。
日本と韓国がABO血液型において妙に均等に分かれている国なのだが、例えばアメリカの黒人は80%がA型、19%がO型、残りが他の血液型で、オーストラリアのアボリジニなどは95%くらいがO型である。
グローバル化が進み人々の交流が盛んになると血液型の割合も変動するとはいえ、国家の半分近くの人口が同じ血液型というのもまだまだ珍しくはなく、人口の8割がA型の国で「A型の性格は〜」という主張をしてもまともに受け入れられないのは想像できるだろう。
そのため、他人に血液型を聞くこと自体が異常な言動と捉えられ、怪訝な顔をされかねない。場合によっては例えば親子の血縁関係に疑問を抱いているなどと誤解され、トラブルの元になる可能性もある。
くれぐれも外国人に気安く血液型を聞いたりしないように。


また、ABO血液型と性格の関連性を信じている人間の多い国が、日本とその旧植民地に集中していることについて、別の理由を唱える人もいる。
あくまでも俗説ではあるが、これには旧日本軍が絡んでいるというのだ。
血液型と性格や能力に相関があるなら、効率的な部隊編成に生かせないかと調査を行ったという。
結果は「血液型には、能力や性格との有意な相関は見いだせなかった」というものだったらしいが。

また、その大日本帝国と同盟関係にあったナチス・ドイツが起源という説もある。
ナチス・ドイツでも同じく能力と血液型の関係を調査しており論文もあるのだが、これによると「A型の人間は優秀」という。
しかし実はこの結果には大日本帝国とは別の理由がある。
これは「白人はA型が多い」→「A型は優秀」→「白人は優秀」という三段論法のため意図的に導き出したものなのだ。
このように血液型が差別の肯定のため用いられたという歴史があることも胸に留めておきたい。


なぜ血液型性格占いが当たると感じる人が多い?

これまで多数の研究者が様々な方法で調査してきたものの、科学的には血液型と性格の関連性が証明されたことは無い。
もちろん悪魔の証明なので、絶対に血液型と性格の関連性が皆無とは言い切れないが、少なくとも一般的に流布されているようなシンプルな相関がないことは確かだろう。
にもかかわらず血液型性格占いは当たるという日本人はけっこう多い。
これについては「バーナム効果」と「正常性バイアス」で説明できると考えられている。

バーナム効果とは、人間が心理テストや性格占いを行うとき、誰にでも当てはまる曖昧な内容を特定のタイプの人間にだけ当てはまると錯覚してしまう現象である。
一般的な血液型性格占いでは、A型は神経質、B型はわがまま、O型はおおらか、AB型は冷静、といった説明がなされることが多い。
しかしながら実際の人間の性格には幅があり、特定の物事には神経質だがそれ以外のことにはおおらかだとか、仕事の場では冷静だがプライベートだとわがままだったり、というように誰でもすべての血液型の性格っぽい部分を程度の差はあれど持ち合わせているものである。
そのため血液型性格占いを信じている人は、相手の性格の中から特定の血液型っぽい側面を強く意識してしまいがちになってしまう。
例えば金勘定には神経質だが私物の整理整頓についてはおおらかという人物に対して、その人物の血液型がA型だと聞くと金勘定に対して神経質という部分を強く認識して「あの人は神経質だから典型的なA型の性格をしてる! やっぱり血液型性格占いは当たるんだ!!」と錯覚してしまうのである。

一方で人間には個人差があるので、どう考えてもその血液型の性格に合わないという人と出会うこともあるだろう。
例えばありとあらゆることにおおざっぱで神経質さが全く感じられないA型の人物に出会ってしまった場合などである。その場合、血液型性格占いを信じている人間はそういう人間を「きわめて特殊な例外的存在であり、考慮する必要はない」と考えてしまいがちなのだ。
これは正常性バイアスの一種である。正常性バイアスとは、自分の常識や信念とは相反する出来事に出会ったときに、それをごく稀な特殊事例だとか例外や何かの間違いという風に思い込んで否定しようとする心理特性である。
そのために血液型占いと一致した人物のことだけを強く記憶し、血液型占いは正しいという信念をさらに強めていくのである。


◇血液型の遺伝形式◇

ABO血液型は上記のA・B・Oの3つの要素を両親から1つずつ遺伝されることによって決定する。
Oの要素は潜性形質といい、例えるとウォッカを水で割ってもウォッカのままであるように、Oの要素だけにならないとO型として表に現れない。

これにより、両親の血液型で子供の血液型がある程度絞り込める。
例えば両親ともにA型(AO)である場合、子供はA型(AA)・A型(AO)・O型(OO)の組み合わせが考えられる。
両親がA型(AO)とB型(BO)である場合は、子供はA型(AO)・B型(BO)・AB型(AB)・O型(OO)のどの血液型になる可能性も考えられる。
一方で、両親ともにO型(OO)である場合は、子供はO型(OO)しか考えられない。

そのため家族と血液型が違っても心配する必要は無い。
しかし、ごくまれに例外もあり得るのでこれらの遺伝法則は絶対ではない。

両親の血液型と生まれる血液型の早見表
A B AB O
AA AO BB BO AB OO
A AA AA AA, AO AB AO, AB AA, AB AO
AO AA, AO AA, AO, OO BO, AB AO, BO, AB, OO AA, AO, BO, AB AO, OO
B BB AB BO, AB BB BB, BO BB, AB BO
BO AO, AB AO, BO, AB, OO BB, BO BB, BO, OO AA, AO, BO, AB BO, OO
AB AB AA, AB AA, BO, AO BB, AB BO, AB AA, BB, AB AO, BO
O OO AO AO, OO BO BO, OO AO, BO OO


追記・修正はRh nullの人にお願いします。

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