クロノス(テレビ番組)

登録日:2024/08/14 Wed 12:45:00
更新日:2024/08/16 Fri 08:10:03
所要時間:約 10 分で読めます




押し寄せる 時間の重圧

ここは 容赦ないタイムリミット
リアルな恐怖が支配する世界
プレイヤーはの為に ゲームに挑む

さあ ゲームをしよう(Let's Playing a Game.)

Time Pressure Program
クロノス(CHRONOS)

▸概要◂

クロノス」とは、フジテレビで2007年に放送されていたゲーム・バラエティ番組である。
本項ではその前身、パイロット版である「ザ・リアル」についてもまとめて解説する。

今なお人気を博している「run for money 逃走中」からのスピンオフ番組であり、時間制限をテーマとした実験的なゲームを「〇〇中」と題して週替わりで放送していた。
初期の逃走中と同じく、賞金を懸けて行ったゲームの模様をなるべく時間通りに、例えば30分のゲームなら30分間の放送時間を使い、極力リアルタイム風に放送する事が特徴。そのため番組公式サイトではリアルタイム・サスペンス・バラエティ番組という触れ込みがなされていた。

番組名はギリシャ神話時間神クロノスからとったもの。
また、タイトルロゴとして時計の文様が刻まれたコイン型のエンブレムが使われていたが、これはその後の数年の時を経て逃走中のバックストーリーに登場するクロノス社のロゴへと流用された。

〔▸沿革◂〕

「逃走中」が地上波特番として好評を受けたのち、これに続くシリーズの番組としてパイロット版である「ザ・リアル ~解除中&捜索中~」がBSフジの実験放送枠「TV☆Lab」内で2006年に放送。
さらに元番組である逃走中を吸収する形で「ザ・リアル ~逃走中&解除中~」が地上波版として放送され、これがクロノスの前身となった。

ここから3回ほど逃走中の単発特番を挟んだ後、満を持して「クロノス」として30分間のレギュラー放送が開始。
60分以上を要する長時間ゲームは週をまたいで放送されたほか、逃走中のみ2度80分スペシャルが放送された。
全20回、14ゲームを放送した段階で "クロノスでのミッションは全て終了した" と発表され、番組は終了。

その後は水曜22時台で「ジャンプ!〇〇中」という番組が始まるが、この番組はそれまで同時間帯で放送されていた「水10!」という番組のスタッフが担当するコーナーと、このクロノスの制作スタッフが担当するコーナーで真っ二つに分かれる形となっており、事実上1つの番組枠の中に週替わりで2つの番組が同居している状態だった。
こういった経緯もあってか、現在ではジャンプ!時代に放送されたゲームのDVDや配信は現在でも行われておらず、見るハードルが高い状態となってしまっている。

なお、この項目ではクロノス制作スタッフが関与するゲームコーナーのみを扱う。

〔▸BGM◂〕

  • 番組メインテーマ: Methods of Mayhem / C.O.N. SEQUENCER
    • 現在の逃走中でもルール説明時や最後の1分間に流れている、管弦楽がミックスされたプレッシャーを煽るトランス・テクノのトラック。
    • 実は前身番組「ザ・リアル」の地上波版から使われている実に息の長い曲である。
  • 番組主題歌: Catch Me / Jyongri
    • クロノスのエンディングで使われていた番組主題歌。
    • 公式で「Trance Version」という別ミックスがあり、こちらは番組開始前の提供バックやルール説明時などに利用されていた。
    • また番組内でリミックス制作コンテストの告知が行われ、最優秀作品は一度だけ番組のエンディングで通常ミックスの代わりに使用された。



▸ゲーム一覧◂

「ザ・リアル」や「クロノス」シリーズで実施されたゲームは以下の通り。
実験的な試作としてのゲームがほぼ週替わり行われたため、結構当たりハズレも大きい。

十数年越しの復活を遂げた密告中や、戦闘中に進化を遂げた護衛中などの例もあれば、解除中や生還中などモチーフやルールの一部が逃走中のミッションとして取り込まれた例もある。

〔▸解除中◂〕

▶ゲーム時間: 30:00
▶目的: ゲーム時間内に装置のコードを切り、爆破を阻止する
▶賞金: 時間に応じて減額(例外あり)

プレイヤーは全員「弾着ベスト」という背中に爆薬を仕込んだベストを着せられてゲームスタート。
エリア内に隠された解除装置を発見し、コードを切断する事で弾着を解除すればその時点での賞金を獲得できる。

ただし、装置には切ると即弾着が爆破する爆破コードが1本だけ紛れている。当然これを切った場合即ゲームからリタイア。
この爆破コードには規則性が存在し、基本的には解除装置ごとに異なる色が設定されている
そのためもし他の誰かが爆破コードを切って爆死すれば、その切ったコードは自分の爆破コードでない=安全に切る事ができるという訳である。

基本的に装置はエリア内の1部屋につき1個が隠されており、装置を発見した段階で移動が禁じられるため、他人の解除状況を知る事はできない。
しかし爆破した場合のみアナウンスが入り爆破コードの色を知ることができるため、プレイヤーはひたすらに他人の不幸を待って安全に切れる可能性に賭けるか、あるいは高額賞金を狙いリスク覚悟で勘を頼りに切るかという2択が突き付けられることになる。


〔▸捜索中◂〕

▶ゲーム時間: 30:00
▶目的: 携帯電話のビデオ通話を頼りに人混みへ紛れたターゲットを探す
▶賞金: 30万円

BSで放送されたザ・リアルのパイロット版でのみ行われた、今となっては幻のゲーム
3人1組の2チーム対抗戦で、舞台となる人で溢れかえった浅草の中に紛れるターゲットを探し当てる。
プレイヤーに与えられる情報はターゲットの苗字と、ターゲットが常に撮影・中継している携帯電話のビデオ通話映像のみ。
それらしい人が絞り込めたらその人に「〇〇さん」と声をかけ、見事その人だったら勝利、賞金獲得。
ただし間違いだった場合はペナルティとして1分間その場待機しなければならない上、2回目の間違いは即失格となる。

〔▸逃走中◂〕

▶ゲーム時間: 60:00~70:00
▶目的: ゲーム時間中 ハンターから逃げ切る
▶賞金: 1秒100円ずつ上昇

個別項目があるためそちらを参照。
クロノスで行われた逃走中の特徴としては、市街地ではなく遊園地や大学キャンパス、公園といった閉鎖空間でのロケーションが主になっている事。

〔▸密告中◂〕

▶ゲーム時間: 60:00
▶目的: 全プレイヤーの背中に貼られた番号本部に密告し、時間内に敵プレイヤーを全滅させる
▶賞金: 1秒ずつ上昇(例外あり)

こちらも個別項目があるためそちらを参照のほど。
クロノスでは個人戦、団体戦、ペア戦の3ゲームが行われた。

〔▸討論中◂〕

▶ゲーム時間: 30:00
▶目的: 観客の支持率が落ちないよう討論をする
▶賞金: 1秒100円ずつ上昇

クロノスにて1回のみ放送されたある意味伝説のゲーム
ゲームはピリオドごとに分かれ、ピリオド開始時に討論するテーマ*1が発表されるので、プレイヤーはそれに対して肯定派か否定派かを表明した上でトークを行う。なおトーク中に意見を翻しても構わない。
トークの様子は別室に控える「黒の審査員」*2たちがモニタリングしており、彼らが現在誰を支持するかはリアルタイムで集計され、支持率が算出される。
ピリオド終了時に最も支持率の低い1人が追放、ゲームから排除される。ただしこの終了タイミングは30秒前に突然通告される
また、テーブルに用意された「黒の砂時計」を判定させるとエスケープ状態となる。この状態で1ピリオド生き残ればその時点までの賞金を獲得して途中離脱となる。

基本的に票が定着する事は無くフラフラと動くので、どうしても終了時に喋っていた人勝ちになってしまうという点、さらにそれをプレイヤー全員が把握しているため終了30秒前カウントが入ると全員一斉に喋り出し討論の体をなさなくなってしまうという致命的な問題があり、見ていた人の中でも賛否両論の大きいゲーム。そのせいかネット配信ラインナップから外されてしまった。

〔▸護衛中◂〕

▶ゲーム時間: 30:00~60:00
▶目的: ボールをぶつけて敵のクイーンを撃破し、敵陣営を全滅させる
▶賞金: 1秒200円ずつ上昇

ボールをぶつけて互いにプレイヤー同士で撃破し合うドッジボール系ゲーム。内容的に「戦闘中」のパイロット版という立ち位置でもある。
3~4人のガードと1人のクイーンからなるチーム3組による三つ巴戦で、クイーンが撃破されたチームはその時点で敗北、生き残っているガードも全員撃破扱いとなる。
1チームだけ残った時点でゲーム終了、生き残った1チームが勝利となりその時点での賞金を山分けする。

ボールをぶつける際は「撃破!」と宣言しながら相手に投球する。この時ワンバンド後の接触やキャッチに成功した場合は無効。
また、ガードが全員男性の場合はクイーンにのみ、女性ガードが居る場合は女性ガードにのみボールを弾く盾が支給される。戦闘中とは異なり盾の譲渡や強奪はできず、あくまでその初期装備として渡された人専用という扱い。
クロノスでは廃校となった小学校と、江戸の城下町*3の2か所で行われ、後者は世界観に合わせてガードは「護衛」、クイーンは「姫」と名称が変更された。

なお戦闘中における「忍」は登場しないが、運営側からの全チームに対する刺客として完全無敵、専用ボール持ちの「甲冑男爵」と「鎧武者」が登場。
甲冑男爵は西洋鎧を身に着けているため動きが鈍く、主にプレイヤーの進路妨害が主な仕事だったが、
鎧武者の方は軽装な和鎧を身に着け、プレイヤーに猛スピードで近付き撃破を重ねるという、逃走中のハンターも顔負けの活躍ぶりを見せつけた。まあどっちも中の人はハンターなんだけど

〔▸潜伏中◂〕

▶ゲーム時間: 30:00
▶目的: 探索者に目視されず潜伏しきる(潜伏者)潜伏者を全員目視する(探索者)
▶賞金: 1秒100円ずつ上昇(潜伏者)1秒100円ずつ減額(探索者)

潜伏者探索者に分かれて行うかくれんぼ。
クロノス系ゲームの中でも唯一といっていい、全編にわたって非対称型対戦形式となるゲームである。

潜伏者は解除中と同じく「弾着ベスト」を着用。探索者に見つからないようにハンディカムで自分を写しながら潜伏し、時間いっぱいまで潜伏し切れば賞金獲得。探索者に目視されてしまうと弾着を起爆され失格。
ゲーム開始前に下見して隠れる場所を決める事ができるほか、スタートして探索者が踏み込んだ後でも、見つかりさえしなければ移動したり潜伏場所を変えたりしてもよい。

また逃走中と同じく自首も可能。まず自分の手持ちの携帯から自首を申告すると、本部自首ポイントが指定されるので、3分以内にそこへ向かいハンディカムを設置できれば成立。その時点までの賞金を獲得してゲームから離脱となる。

探索者は周囲10mまで届くソナー音を発する装置を身に着けエリア内を探索。
潜伏者を発見したら「(潜伏者名)、目視!」と宣言することで目視成立となり、リモコン操作で弾着を起爆し失格にさせることができる。
時間内に潜伏者を全員目視できたら勝利、その時点での賞金を獲得。
なお、エリア内には潜伏者のほかにハンターが2体潜伏しており、彼らを発見してしまうと目隠しをした上で1分間待機しなければならない。

〔▸生還中◂〕

▶ゲーム時間: 30:00
▶目的: 拠点に宝箱を回収して賞金を稼ぎ、それを持ってエリアから脱出する
▶賞金: 総額100万円

クロノス最終回で行われた、番組を締めくくるにふさわしい最終ゲーム
舞台は群馬県にあるテーマパーク「大理石村」とそのランドマークである「ロックハート城」。

城中に設けられた拠点「セーフティルーム」に集まったプレイヤーのチーム戦。
まずはエリア内に隠されている賞金の入った宝箱を回収して生還、賞金の増額を目指す。

宝箱の位置はセーフティルーム内に置かれた地図に、回収までの制限時間「アタックタイム」と共に記されている。
プレイヤーは1人ずつどの宝箱を回収するかを指定して出発する。
その宝箱に設定されたアタックタイム内に宝箱を回収して戻って来れれば生還、宝箱の中に入った賞金を確保できるが、時間切れになるとセーフティルームの扉が閉まり生還不可能になるため失格、ゲームから離脱となる。
なお、宣言したもの以外の宝箱を回収する事は出来ない。

2回目のアタックタイムが終了したタイミングでエリア内の「甲冑ハンター」が起動。確保された場合も時間切れ同様失格となる。
護衛中の甲冑男爵同様に西洋鎧を身に着けているため動きは鈍いが、かと言ってすぐそばをすり抜けるのはかなりのリスクを伴う為、追いかけられてしまうとルート変更を強いられることも。

そして、回収しただけでは賞金はプレイヤーの物にはならない。
ゲーム時間30分内にエリア内1か所にある「脱出の扉」を通って持ち出した賞金のみが最終的な獲得金額となる。
その上、実は脱出の扉にはカギがかかっているため初期状態では脱出不可能。
カギのありかは宝箱のどれかに賞金と一緒に入っている巻物にのみ書かれているのだが、プレイヤーはこの事を知らないままゲームに挑戦する。




メールだ…

「項目執筆はまだ終わらない。これより項目の完成を懸けた追記・修正を行う」
「間違った項目を修正し、最後まで追記を行えば、完成した記事は君たちの物だ」
さあ、追記・修正をはじめよう


この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • フジテレビ
  • バラエティ番組
  • 逃走中
  • 密告中
  • ハンター
  • マーク・大喜多
  • テレビ番組
  • 2007年
  • 実験的番組
  • ザ・リアル
  • クロノス社
  • ジャンプ!○○中
  • Catch Me

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年08月16日 08:10

*1 「恋人の携帯の中身を勝手に見るのは許せる?許せない?」などわりと俗っぽい内容

*2 ハンターと同じく黒サングラスをかけた観衆。呼び名は放送前週の予告編より

*3 茨城県にある「ワープステーション江戸」という撮影スタジオ兼テーマパーク