ガオウ(わんだふるぷりきゅあ!)

登録日:2025/01/19 Sun 00:00:00
更新日:2025/04/03 Thu 22:09:06
所要時間:約 5 分で読める……





立ち上がれ…吼えろ…牙を剥け…!
人間共が作ったもの、全て…この世界を破壊するのだ!!


ガオウとは、アニメ『わんだふるぷりきゅあ!』のキャラクターである。名前は似ているが某列車強盗団の首領は関係ない。

CV:大塚剛央

【概要】

ニコアニマルやキラリンアニマルをガルガルこと黒き獣に変貌させた張本人で、第7話以降、度々ガルガル達を焚きつけていた狼男の正体。
ガルガルと同じ仮面をつけた蒼い狼のような頭部を持ち、和風な服装を身に纏う*1
発話時には何故か口元が一切動いていないが…?
かつてはニホンオオカミの群れを率いていたリーダーだったが、自分たち狼を絶滅に追い込んだ人間を敵視しており、この世界を破壊し尽くすためにガルガルを操って暴走させている。

ニコダイヤの欠片が封じられた水晶を持っており、戦闘時には暗く深い闇の力を操る。

【性格】

一人称は「我」。(モノローグでは「俺」)
冷静かつ寡黙な性格だが、仲間想いでもあり、ザクロやトラメからは深く慕われている。
反面、人間に殺された仲間の無念を晴らすことに固執しており、ザクロに「この街を壊して人間達を苦しめても、ガオウ様は幸せになれない」と制止されたり、ニコから現実を直視するように言われたりしても拒否していたことから、その思いは並大抵のものではない。
自身の幸せすらも望まない、根っからの復讐鬼である。
このように、ギャグシーンが皆無なキャラクターであるが、あろうことかザクロの妄想ではデレッデレで彼女に告白するなど盛大なキャラ崩壊を起こしていた。

【来歴】

過去

第41話にて、悟が解読した『昴の日誌』の記述から、150年ほど前は「昴」なる人物と親しかったが、狼を危険視した他の村人から迫害されていたことが明かされている。
落石で怪我をした足を治療されたのが昴との最初の出会いであり、以降は道に迷った彼を助けたり、昴を狼の群れに迎え入れたりと信頼していた模様。
しかし、他の狼同様人間に駆除されてしまった。

現代

第29話で本格的に行動を開始し、自身の力が満ちるまでの繋ぎとしてザクロとトラメを生み出し、人間達の動きを探るように命じた。
それから長らく出番がなかったが、やがて第39話にて、ハロウィンで賑わうアニマルタウンを訪れるが、憎んでいるはずの人間の町を歩きながらも襲ったりはしなかったり、後を追ったこむぎに遠吠えを教えた他川辺まで行って水を飲ませてあげたり、動物たちに好かれていたりするといった一面が見受けられた。

その直後、こむぎを探しに来たいろは達が現れ、それと同時にニコとも対面。これによってこむぎ達がガルガルやガオガオーンを鎮めてきたプリキュアであることを知った。またこの際、ニコガーデンを襲った際にニコダイヤの欠片を手に入れていたことが明かされた。
ニコダイヤの欠片を使っていろはのワンダフルパクトやユキとまゆのシャイニーキャッツパクトを封じた他、強大な闇の力をこむぎに注ぎ込んでガオガオーンに変貌させようとするが、こむぎはいろはの必死の呼びかけと、精神世界に現れた謎の狼の遠吠えを聞いたことで元の姿に戻り、いろは達もアイテムの封印が解けて変身能力を取り戻した。
この一件で力を使い過ぎたため、居合わせていたザクロと共に撤退した。「時が満ちた時、お前達の世界は終わる」と、意味深な言葉を残して…。

そして、第47話で遂に同胞達をガオガオーンとして呼び寄せ、アニマルタウンへの侵攻を開始。続く第48話では、自身を止めるべく立ちはだかったニコと交戦するのだった。


以下、ネタバレ注意

























戦いの末にニコを打倒するとニコダイヤの力を奪うが、最後の力を振り絞った彼女の攻撃で仮面が崩壊する。
その下に隠されていたのは…人間の瞳だった。



狼じゃ…ない…!?




ガオウ/昴

登録日:2025/01/19 Sun 00:00:00
更新日:2025/04/03 Thu 22:09:06
所要時間:約 5 分で読める……



そして、狼の被り物が消え去り素顔が露わになった時、ニコはその者の名を口にする。
これまで活動していたガオウの正体は、彼と親しかった人間・昴*2だったのである。




俺は許さない…!
狼たちの怒り、無念…全てを忘れ生きる人間達を!
ガオウに代わって友の無念を晴らす!!


【真相】

日誌の通り、昴は狼の群れと親交を深め、ガオウとは親友と呼べる間柄となっていた。
しかし、狼を敵視する村人達からは疎外され、話し合いにも応じてもらえず、遂にはガオウを含む狼達を殺されてしまった。
自身も無念を抱えたまま一生を終えたものの、ある嵐の夜に遠吠神社の石碑が壊れたことを機に怨念が目覚めてしまう。
そこで目の当たりにしたのは、ガオウ達の命や住処も何もかも奪ったことを忘れ、人間と動物がニコニコ笑い合っている世界…昴にとっては度し難い光景だった。
人間への復讐を決意すると、本殿に祀られていた狼の牙を依代に復活。
ニコダイヤを使って人間の世界を狼の住む世界に創り変えるべくニコガーデンを襲撃すると、ニコアニマル達を黒き獣に変えてアニマルタウンの人間を襲わせた。
これまでガルガルやガオガオーンに変貌させられた多くの動物の怒りを鎮めてきたプリキュアだが、皮肉なことに最後に立ちはだかった黒幕はいろは達と同じ人間だったのである。

なお、ザクロは最初から全てを知った上で昴に協力しており、彼には深い信頼を置いている。
トラメはガオウ=昴という事実が明かされる前に成仏したため真相を把握していたかは不明だが、回想シーンを見る限り昴とは旧知の仲だった模様。

狼の絶滅とは無関係なニコガーデンを襲撃する、互いに友好的な人間と動物に危害を加える、そしてニコダイヤを悪用しアニマルタウンを植物で覆い尽くすなど、狼を殺した村人たち以上の非道を働く昴。
だが、ザクロ曰く「こんなことを望んでするような奴じゃない」とのこと。
ハロウィンの時のように動物に好かれたり、ガオウのみならずトラメやザクロとも親しい仲であったことから、本来は心優しい人物であることが窺える。

真の目的は自分を庇って死んだガオウの蘇生で、自身の身が滅ぶことも厭わない。
また、昴自身もニコダイヤの欠片によって実体化しているため、ニコダイヤの輝きが失われると消滅する身でもある。

【第49話以降の来歴】

アニマルタウンを植物で覆い尽くすと、鏡石にガオウの蘇生を願うも失敗。
更にニコからも「一度終えた命を蘇らせることはできない」と告げられるが納得できずに逆上。
世界を滅ぼすべく鏡石を破壊し、ニコダイヤを取り込むと巨大な狼の怪物に変貌する。

戦闘では狼の亡霊を操ってプリキュアを攻撃し、彼女達もそれを回避しながら必死の説得を試みるも、それに耳を貸す事なく圧倒していく。そんな中、攻撃がフレンディに命中しそうになったのを目の当たりにしたワンダフルが咄嗟に駆けつけてプニプニバリアーを発動するも、バリアーを貫通するほどの強力な一撃がワンダフルに直撃してしまう。
変身が解除されて犬の姿に戻り、意識が戻らないこむぎに泣きながら必死に呼び掛けるフレンディを見て、昴の脳裏にある光景がフラッシュバックした。

それは、村の猟師からガオウ達を守ろうとした際、ガオウが昴を庇って命を落としてしまった事。ガオウの亡骸を抱えて慟哭する自分の姿を、こむぎを抱えて泣き叫ぶフレンディに重ねてしまった結果、正気を失って発狂し始めた。
そう、友であるガオウを奪った憎むべき仇である村人――昴は彼らと同じ過ちを彼女たちにしてしまったのである。


人間を許せない…!
でも本当に許せないのは
俺だあああああ!!

後悔と自責のままに放っていた怨霊を自らに向ける昴。
そんな中、夢の中で青い光に包まれた狼と邂逅したこむぎが意識を取り戻し、改めて昴を止めるために立ち上がる。だが、人間以上に自分自身を許せない昴はニコダイヤの力を制御できなくなって暴走を始め、それによって生じた繭の中に閉じ込められてしまう。

だが、大福が鏡石の力で人間の姿となり、悟もプリキュアの力になりたいと願った事で、二人はかつてのムジナの騒動の時と同じくプリキュアのような姿の戦士に変身を果たす。彼らが開いた突破口でプリキュアは繭の内部への潜入に成功するが、完全に自暴自棄に陥っていた昴はプリキュアの再度の説得に耳を貸そうとしなかった。

しかし、ワンダフルが夢の中で出会った狼がガオウである事と彼から託された真意を打ち明け、一度はそれを嘘だと一蹴しようとするもワンダフルとの対話を通して真実である事に気付く。昴の心は長きに渡る悲しみや憎しみから解放され、プリキュア・エターナルキズナシャワーで生前の姿に戻った。
そして、最後に彼のもとに現れたのは…

顔をあげろ、スバル

本物のガオウ

CV:高橋伸也

青い毛色が特徴のニホンオオカミ。クレジットでの表記は「ガオウ(狼)」。
群れのリーダーとして昴と共に徹底抗戦したが、昴を庇って命を落としてしまった。
彼の死の影響は大きく、群れは統率を失って散り散りになり、最後まで昴と共に戦ったのはザクロやトラメを含む数匹だけとなった。
死への無念は抱いているものの、死の遠因となった昴のことは恨んでおらず、むしろ大切な存在と認知していた。
ガオガオーン化しかけたこむぎの精神世界に現れたのも彼である。
ワンダフルがスバルを説得する際に「ガオウに会ったよ!」と発言した事により、「こむぎの意識内に現れた青いオオカミこそが本物のガオウ(の魂)である」と明言された。

なお、担当声優の高橋氏はガルガルとガオガオーンの声も担当しているが、それもそのはずガルガルとガオガオーンの鳴き声はガオウのものだからである。
第1話の時点からガルガルやガオガオーンを介してスバルとコミュニケーションを図ろうとしていたが、怒りや憎しみに捉われていたスバルには届かなかった。


【その後】


ガオウの本心を知ったスバルが彼に手を伸ばそうとした時、彼の体が淡い光を発し、薄れ始めた。
スバルも同様にニコダイヤの効力が切れ、二人がこの世を離れる時がやってきたのだ。せっかく会えたのに、未練を残したまま別れなくてはならない無念から、スバルが悔し涙を溢れさせた時。


ギューーー!

ワンダフルが二人を一緒に抱き締めた。


ギュッ!

ギュー!

ギュッ…

フレンディ・リリアン・ニャミーも続いて二人をハグする。さらには悟も、大福も、メエメエも。みんなの温かい思いによって光が止まり、猶予の時間が与えられた。

ねぇねぇガオウ!
あれ言いなよ、ガオウの気持ち!
私も言ったけど、ガオウが言った方がスバル嬉しいよ!

ワンダフルに促されたガオウとスバルは


スバル…お前と会えてよかった。大好きだ!

ガオウ…オレも大好きだ。これまでも、これからも、ずっと…!

と変わらぬ友情の言葉を交わす。

その時、狼の姿のトラメと仲間の狼達が昴を迎えに来る。
スバルの水晶玉の中のニコダイヤのエネルギーが尽き、スバルの体は再び淡く輝き出す。
しかし先刻と違い、ガオウとお互いの気持ちを伝え合って、長年の苦しみから心が解放されたスバルの顔は晴れ晴れとしていた。


ありがとう!

我らはわんだふるだ!

プリキュア達に礼を言ったガオウとスバルは森を駆けて行く。
ザクロもトラメもみんな一緒に、昔のように笑顔で…。

その後、エンドロールにてスバル達の魂は住処である山奥に佇んでいることが描写された。
その証拠に、元に戻ったアニマルタウンにて「山で迷った人を狼が助けてくれた」という噂が流れたが、いろは達のクラスメイト達は狼を怖がることはなく概ね好意的な反応を示していた。

更にしばらくして、遠吠神社は鷲尾町長の主導で再建される。彼らの魂もこれで安らぐことであろう。


【余談】

ゴーダッツ以来となる人間由来のラスボスで、純粋な地球人としてはノワールジョージ・クライに続く3人目となる。
また、声優の大塚氏は平成生まれであるため、プリキュアのラスボスでは歴代最年少となった。

正体判明前からガオウ=人間という伏線は随所で張られていた。
  • ガルガルやガオガオーンでさえ、咆哮時には口が動いていたにも拘わらず、ガオウはザクロの妄想以外では全く口が動いていなかった。
  • ガオウに懐いていた動物には草食動物のリスがいた。捕食者と被捕食者の関係上まずありえない光景である。
  • 第39話の狼の遠吠えが、ガオウの遠吠えと異なっていた。
  • 過去回想で昴とガオウが佇んだ岩が現代にも登場したが、現代のガオウは昴が座った位置にいた。

彼の魂は狼達と同じ遠吠神社に封印されていたわけだが、一部の視聴者からは「昴は狼を庇った異端者として、狼達共々殺されてしまったのではないか?」と考察されており、実際にガオウを撃ち殺した銃弾は昴を狙ったものと思われる。
一方で、昴の日誌は現代まで残されていたことから、彼の心情を慮った第三者が保管していたことも考えられる。

また既に強化フォームを手にしていたプリキュアの基本フォームによって浄化されたという非常に珍しいラスボスでもある。

本作は「攻撃しないプリキュア」を通してきただけに、最終決戦の展開は注目されていたが、プリキュアたちは首魁であるスバルもまた「救うべき相手」とみなし、防御と説得に徹している。
結果的にスバルは自傷以外でダメージを受けていないラスボスという中々に特異なキャラクターになった。



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最終更新:2025年04月03日 22:09

*1 正体判明前はマントのようなものを身に着けていた。

*2 公式サイト・EDクレジットでは「スバル」表記