ハロウィン

登録日:2024/10/31 Thu 22:31:02
更新日:2025/05/29 Thu 14:34:42
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Trick OR Treat!(お菓子をくれなきゃイタズラするぞ!)


ハロウィン(Halloween)とは、毎年10月31日に行われる行事である。某メロスピ系の大御所ではない*1
ハロウィーンとも。


【概要】

主に子どもたちがお化けや魔女に仮装して街を練り歩き、訪れた家からお菓子を分けて貰う行事を指す。
またお菓子の受け渡しとは関係なく、大人達の間でもこの日には仮装をして街を練り歩く姿が見られる。

このイベントの象徴としてカボチャのお化け、ジャック・オー・ランタンの存在がある。
この時期にはカボチャのランプや仮面、置物等、ジャックの飾りで溢れ返るのが恒例となっている。

【歴史】

ケルト系住民が秋の収穫に感謝し悪霊を祓う儀式として行ったものが起源とされている。
上記のジャック・オー・ランタンとは、人を騙し悪事ばかり働いたため天国にも地獄にも入れず永遠に彷徨い続けることになった男。
元々地獄行きになる所を舌先三寸で相手を騙して二度目の人生を手に入れ、なおも悪行を重ねたという筋金入りの悪党なのでさもありなん。
カボチャのランプとは、悪魔が彼に与えてやった地獄の炎を灯した明かりである。
どこか日本の鬼火(人間や動物の怨念が炎となったもの)を彷彿とさせる。

元々ジャックの仮面はカボチャではなくカブ*2を加工して作られており、頭蓋骨を表しているらしい。
スコットランドでは現在でもカボチャではなくカブを使うのが普通であるようだ。

後にジャックのランプは祖霊を祭るものとしても扱われ、子孫を悪霊から守ってくれることを期待されるようにもなった。

移民や入植を経てアメリカでキリスト教の聖人を祝う万聖節の前夜祭として定着し、そこから我々のよく知るハロウィンの形式になった。
名前の由来も、11月1日の諸聖人の日(All Hallows day)の前夜祭(Eve)、Hallow'sEveがラテン語訛りで変化したものという説が有力。つまり本当に祝うべきは11月1日なのだが、日本では普及していない。
また、キリスト教と祖霊祭の文化が結びつくにつれ、聖節により地上の悪魔等が浄化されてしまうその前に、大暴れをする魔女達と一緒にはしゃぐ、あるいは同じ格好を子供にさせることで仲間と誤認させることで守る、といった仮装の文化が付随するようになった。

しかし、魔女や妖精といった概念自体がキリスト教的ではない、として認めていない宗派もある。

欧米ではメジャーなイベントのため、ハロウィンやジャック・オー・ランタンをモチーフとするキャラクターやホラー作品等が20世紀後半から多数制作された。

【日本での扱い】

日本においては明治の文明開化の時期からその概念が入り込み始めたが、長らくメジャーな行事とは言い難かった。
アニメや特撮などで、時折季節の話題として扱われることがあった程度である。
1990年代後半に東京ディズニーランドでハロウィン関連のイベントが開催されたことから一気に認知度が上がったと言われている。

他にもお菓子メーカーやスーパーやデパートなど流通・小売施設が力を入れたことも理由に挙げられる。
特に小売業界にとって秋は閑散期であり、シーズンのテコ入れ策として適任だったことが大きい(同様の傾向はブラックフライデーにもみられる)。
そのため、春のイースターがいまいち定着しないのも卒業や入学・花見シーズンと被るため流通側が力を入れないのが理由。

2010年代にはSNSの普及もあってほぼ全国的に知られるようになったとされる。
世界的ゲームたるポケモンハロウィンモチーフのキャラクターが登場したのもそのあたり。
今ではバレンタインデークリスマス等と並んで市場に大きな影響を与えている。

陽キャのイベントなんて興味ねーよ!という同士諸君もハロウィンにちなんだイラストやソシャゲのキャラ・イベント等が現れ始めるので無視できないものとなっている。
無論、元からカボチャや幽霊、魔法使いといった属性を持っているキャラはスポットが当たりやすい。

また、ハロウィンシーズンになると、花屋や八百屋で変わった色合いや形の小さなカボチャや、スイカほどの大きさの丸いオレンジ色のカボチャが出回ることや、それらがディスプレイとして百貨店などに飾られることがある。
これらはそれぞれ「オモチャカボチャ」「ポンキン」というカボチャの一種(ペポカボチャ)で、ハロウィン以外にも季節感を出すために用いられることがある。
これらは別に毒があるわけでないのだが、おいしくはないので普通は食べない(ただし、種子は炒って酒のつまみにする)。

【問題点】

仮装をするのが当たり前なのをいいことに、欧米では強盗や銃乱射など凶悪犯罪に及ぶ者が現れることも。
日本でも毎年渋谷駅周辺のどんちゃん騒ぎがニュースになるのが恒例となっており、特に2018年には若者が酔った勢いで停車中の軽トラを破壊して書類送検される一大事が発生した。最早イタズラどころではない
一時は経済効果に目を付けて歓迎活動をしていた渋谷区もこれ以降は逆に警備を強化するようになり、周辺店舗で酒類の販売・提供を禁止するほか
毎年10月中旬から「渋谷はハロウィンの会場ではありません」と巨大看板を掲げるなどあの手この手の対策を取って治安維持に努めている。

海外でも、ハロウィンのつもりで仮装して他人の家に訪問した結果、本物の不審者と間違われて*3射殺される事件や、韓国の梨泰院では狭い坂道に大量の人が殺到し群衆雪崩が発生、150人以上が亡くなる事故が発生している。

また、犯罪などの大事件とまでは行かずとも街中でハメを外し過ぎ往来の邪魔をしたりゴミをまき散らす、店舗に迷惑をかけるなどの問題も発生している。
最近では欧米でポリコレ的観点から仮装する衣装への規制なんてものまで登場したほど。
どんなものがダメなのかというと、ブラックフェイス*4肥満の女性や防護服、ホームレスに果ては日本の芸者姿もこれに該当するとか。

皆が楽しめるハロウィンにするためにも各々節度を守ることが重要である。






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最終更新:2025年05月29日 14:34

*1 あちらはH「e」lloween。

*2 正確には「ルタバガ」という野菜で、日本では「スウェーデンカブ」「西洋カブ」と呼ばれることも。

*3 1992年の「日本人留学生射殺事件」(別名「服部君事件」)。興味のある方はwikipediaにも記事があるので調べて見ると良いだろう。

*4 黒人以外の人種が黒人風の化粧をすること。