登録日:2025/02/15 Sat 21:52:55
更新日:2025/03/14 Fri 12:54:04
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概要
電気機関車立体交差セットは、プラレールで1981年に発売されたオールインワンセットである。
車両はEF15形電気機関車に、ワム80000がモデルとされる有蓋車、「Esso」のマークがついたタンク車、ヨ5000がモデルとされる車掌車の4両編成を収録。
レールと情景はストップレール1本、曲線レール14本、ターンアウトレール1対、ニュー坂レール1対、踏切1個、架線柱6本、橋げた5個、駅ホーム1個、信号機1本、並木1セットが収録されており、これだけでも簡単なジオラマが制作可能。
半周は共通して地上を走り、もう半周は分岐を切り替え、地上を走るか高架を走るかの2ルートを選べるようにしている。
プラレールではセット品向けのレイアウトのひな型がある程度決まっており、本セットも後述の通り、それ以前に作られた製品の改良版であること、そして本製品の収録内容から、特に車両を中心に若干の変更を行った製品が後年、定期的に販売されており、立体レイアウト系のセットでは特に派生が多いことが本セットの特徴である。
このセットは、1987年の動力装置更新直前まで製造されていた。
前身
1974年発売「EF15でんききかんしゃ りったいこうさパノラマセット」が電気機関車立体交差セットの前身となる製品である。
電気機関車立体交差セットとの相違点は、車両は有蓋車ではなく、無蓋車が収録されていること、ストップレールがなく、直線レール1本が入っていること、曲線レール4本分ではなく、90度曲線レール2本が使われていること、架線柱が6本ではなく8本と多く入っていること、駅ホームではなく、田舎の駅が使われていること、立木2本が入っていることがあげられる。
同様のレイアウトを組める後年のセット
レールのアソートが原則「電気機関車立体交差セット」と同一の内容のものを紹介する。
車両は電気機関車から、常に子供達に圧倒的な人気を誇っている販売当時の最新の新幹線がメインとなり、2019年から
プラレール鉄道の架空車両が用いられる事になる。10年前後期間を空けていた時期はあれど、常にこのセットはプラレールにとっての主力商品と言えるだろう。
なお、セットに収録されている車両の動力の世代は、1987年以降発売のセットでは手ころがしに対応し、屋根上スイッチとなった第2世代(新動力)、2014年以降発売のセットは動力スイッチ位置が変更、電池交換がねじ式になった第3世代(新メカ)へと移行している。
- ライト付ひかり ニュー立体交差セット(1988年)
電気機関車立体交差セット初の派生商品。もちろん第2世代としてはじめてこのレイアウトを採用したセットでもある。
車両は貨物列車から0系新幹線へと変更され、プラレール発売開始30周年を記念しており、0系の4両編成、追加中間車に30周年記念ロゴが張られたものが収録。踏切もセット発売と同時期に登場した「ニュー踏切」に変更されている。橋脚もまた、1985年に改良され、現在も使われている「ブロック橋脚」へと世代交代。駅ホームはその改良版である、「高架駅」に変更されたが、このセットだけでは高架に駅を組むことは不可能。
なお、1989年のロットではキャンペーン期間が終わり、3両編成に変更。
JR東日本エリア向けなのか、詳細は不明だが、この商品を車種を200系に差し替えた「ライト付東北上越新幹線ニュー立体交差セット」も同時期に発売されている。こちらは0系のような3両編成版は確認されていない。
上述の1988年の「ニュー立体交差セット」の3両編成版を基に、収録品が一部変更された。
商品名から「ニュー」が抜け、ターンアウトレールの片方(分岐元側のジョイントが凹型)が奏功するたびに進路の替わる自動ターンアウトレールに変更され、さらに直線レール2本がおまけでついてくる。
- たのしい電車ビデオ付 立体交差セット(1991年)
ニュー立体交差セットの車種を0系新幹線から100系新幹線へと変更したバージョン。100系が最新型であった時代にもかかわらず、0系が立体交差セットの収録車種を長らく担っていたが、ついに100系が日の目を浴びることとなった。
また、本セットでは名前通り、トミカ・プラレールの販促用VHSビデオ「たのしいのりものの世界」が付録として収録されている。
- 楽しい電車ビデオ付 立体交差のぞみ号セット(1993年)
100系がこのセットの収録車種になるのは遅すぎた。前年にデビューした300系が早くもこの立体交差セットに収録。
バブル崩壊の時勢を受けてか、それとも第2世代で可能になった手転がしに不向きなのか、信号機や並木、架線柱の収録が取りやめられた。
こちらに収録されたビデオは「楽しい電車の世界」。プラレール専門の販促ビデオとなっている。
立体交差のぞみ号セットから8年後。前年に世代交代したドクターイエローの923形を収録。さらに、車両基地を追加するために上述の立体交差セットより集会が長くなっている。
レール・情景は直線レール4本、1/4直線レール3本、ストップレール2本曲線レール15本、ターンアウトレール2対、ニュー坂レール1対、車止め2個、架線柱2本、立木1本、信号機1本、車庫2個、鉄橋1個、高架用単線架線柱4本、ブロック橋脚6個を収録。車庫、ブロック橋脚はグレー色となっている。
なお、923形は700系の色替えであり、セット製造中に700系の金型変更が行われたため、923形の中間車の屋根が前期と後期で異なる。
- E7系北陸新幹線かがやき立体レールセット(2014年)
ドクターイエロー車両基地セットから13年の時期を空けて、プラレール55周年記念で当時最新形式のE7系を収録。
ニュー立体交差セットやドクターイエロー車両基地セットと異なり、立体側も直線レールが追加され、長いレイアウトを楽しめるようになった。
ただし、情景は鉄橋、高架駅、ブロックトンネルの3種のみと歴代の立体交差セットの中では少な目。
特定時期のロットではDVD「プラレール しゅっぱつしんこうDVD」が付属。
上述した0系時代のアニバーサリー記念、100系~300系時代のビデオ付録とバブル期の商品展開をなぞったセットであった。
奇しくも、前身パノラマセットから起算し、このタイプのセットの40周年に発売された。
プラレール60周年、そしてプラレール鉄道デビュー記念作として、オリジナル車両、レッドフライナーを従えて登場。これ以降、立体交差セットの系譜を継ぐセットが再度頻出するようになった。
上述のE7系版とおおむねの線路配置は同じ。
駅は2013年12月発売「E5系&E6系自動連結セット」の駅を採用、鉄橋とガーター橋が高架にアクセントを添え、架線柱も4個収録。ニュー踏切は、電気機関車立体交差セット発売当時の初代踏切をイメージした緑色ベースのものに変更。立ち木は新規造形で、木が密集した並木となって新登場。この時期にしては珍しく、情景パーツの大盤振る舞いであった。
- 人気の遊びがギュッ!プラレールベストセレクションセット(2021年)
2019年のセットが好調だったのか、今度はプラレール鉄道第2の車両「スピードジェット」を従えて登場。
今回は表裏で異なるルートを持つつなげレール、停車、発車でプラキッズの描かれた板が起きたり沈んだりするギミックを持ったプラレール駅、1/2直線レールサイズとなり、連動ギミックが省略された踏切、2019年ベストセレクションセットと同じく架線柱、2019年版と同じ立ち木を収録。
- 夢中をキミに!プラレールベストセレクションセット(2022年)
プラレール鉄道の通勤特急、クロスライナーが入ったセット。
2021年版からつなげレール、プラレール駅を省略。その代わりに2019年版の駅の色を変えて「きみのまち駅」とそれにつなげ、クロスライナーのギミックを楽しむための「乗降ホーム」、たてものブロック、緑色のブロック橋脚2個、さらに1本ずつの新規設計になった立ち木を情景で収録。
- キミが運転!グリップマスコンE5系はやぶさDXセット(2023年版)
遠隔操作ができる「グリップマスコン」とそれによる操作に対応したシャーシを吐いたE5系新幹線を収録。
立体・地上の分岐の片方を複線の自動クロスレールに変更、さらに自動クロスレールに接続できる形で引き込み線を追加。情景は車庫、架線柱、洗車場、PC橋脚、立体交差、トンネル、そして2019年版の駅を3つとまたもや情景の入れ替えが激しい。
2024年には2021年版に収録されたスピードジェットの色違い、「スピードイエロー」に車両を変更し、同年発売のS字レールを使用し、レイアウト形状をブラッシュアップ、一部情景の色も変えられた「君が運転!グリップマスコンスピードイエローDXセット」が発売。
- 人気の遊びが連結!プラレールベストセレクションセット(2024年)
連結ギミックを搭載したプラレール鉄道の「レッドストリーム」が収録されたセット。橋直線レールや、マルチに使える「つながるトンネル」、「つながるブロック橋脚」といった新たなレール、情景がお目見え。
また、ターンアウトレールも3本入り。このレイアウトにさらに外部につなげて遊べるようになっている。
- キミのまちをうごかそう!プラレールベストセレクションセット(2025年4月発売予定)
プラレール鉄道の寝台列車「ブルーディスタンス」を収録。機関車1両、客車は3両。
機関車けん引列車の収録されたこのタイプのセットは、上述の「電気機関車立体交差セット」以来約40年ぶりである。貨物列車と旅客列車、実在形式(とはいえカラーは架空)と架空形式、といった形で車両こそ違えど、往年を知るプラレールファンなら納得のセレクトだろう。
新たな情景シリーズ、アクションタウンシリーズから限定カラーの「ホームドア開閉駅」、橋脚もPC橋脚に、線路に関係しない情景「のっかるビル」と、情景は今回も新たなものがお目見え。
8の字ポイントレール、2025年に単品販売が終了した3分岐ポイントを1本ずつ収録し、既存の地平ルート、高架ルートに加え、小楕円ルートも追加。
追記・修正は赤いEF15を見たことがある人にお願いします。
- なんでこの古いキットが項目に? と思ったがなるほど定番のセットなのね -- 名無しさん (2025-03-02 02:59:26)
最終更新:2025年03月14日 12:54