キンダガートン・コップ

登録日:2025/02/20 (木) 13:42:13
更新日:2025/04/06 Sun 16:36:37
所要時間:約 5 分で読めます






シュワルツェネッガー、大いに困る!!





キンダガートン・コップとは1990年に公開された、アーノルド・シュワルツェネッガー主演のコメディ映画である。


監督はシュワちゃんと『ツインズ』でも組んだアイヴァン・ライトマンが務めた。

『ツインズ』に引き続いてコメディ路線のシュワ映画であり、屈強な鬼刑事が幼稚園に教師として潜入捜査し、子どもたちのパワーに振り回されながらも友情を深め、自分の人生をも見つめ直していくストーリー。 
また、子どもたちの中々のブラックジョークも必見。

タイトルは直訳すると「幼稚園刑事」。



◆あらすじ


ロサンゼルス市警の鬼刑事・キンブルは、麻薬密売組織のボス・クリスプを追っていた。
ある日街のチンピラ・ダニーを殺したとしてクリスプを逮捕するが、目撃者であるダニーの彼女シンディが法定での証言を拒否したため、このままではクリスプは証拠不十分で釈放されてしまう。
ジョンは麻薬密売の証拠を得るため、追加の証人としてクリスプの元妻で、クリスプの金を持ち逃げしてオレゴン州へ住んでいるというレイチェルの行方を追うことになる。

ところがレイチェルの容姿も分からず、分かっていることは彼女の息子がポートランドのアストリア小学校付属幼稚園に通っているということだけだった。
キンブルは相棒の女性刑事オハラとオレゴン入りし、幼稚園への潜入捜査をすることになる。

当初は保母の経験があったオハラが臨時教師として潜入する予定だったが、直前にオハラが食中毒で倒れたため、やむなくキンブルが臨時教師として潜入捜査をすることに。

ところがキンブルが受け持つクラスは問題児ばかりが集められたクラスで、30人の子どものパワーに、さしもの鬼刑事も圧倒され自信をなくしてしまう。しかし、キンブルのクラスの児童で同僚の教師・ジョイスの息子でもあるドミニクからの励ましもあり、次第に自信を取り戻していく。
そしてジョイスともいい雰囲気になっていたが、ふとしたことからキンブルは、ジョイスこそが探していたレイチェルであると確信する。


しかしその頃、証拠不十分で釈放されたクリスプが、自分の息子を取り返そうとオレゴンへ向かっていた…


◆登場人物


「だまれえええええええええ!!!黙れ!黙れ!黙れ…!」
●ジョン・キンブル(アーノルド・シュワルツェネッガー)
本作の主人公で、ロサンゼルス市警の刑事。犯人逮捕や事件解決のためには容赦なくショットガンをぶっ放したり、バーで大暴れするなどの手荒な手段も厭わない鬼刑事である。
その上大の子供嫌いで、冒頭では飛行機内で騒いでいた子どもに対して鉛筆をへし折り「これ以上わめくと、こうなるぞ…!」と脅して黙らせている。
オーストリア出身で*1、父も兄も刑事という警察一家の家庭に育った。
一見すると仕事以外に興味の無い堅物にも見えるが、ペットのフェレットを可愛がる等の一面もある。また離婚歴があり、離れて暮らす息子がいる*2
当初潜入捜査は相棒のオハラに任せる予定だったが、オハラが直前に食中毒で倒れたため、代理の教師として潜入捜査をすることになる。
当初は「子どもの相手くらいなんてこと無い」と自信満々だったが、初日早々に騒ぐ子どもたちに上記のセリフでブチ切れて泣かせてしまい同時に凄まじい顔芸も披露している、その日は疲れ果てて帰宅し、ベッドに倒れ込む羽目に。しかし相棒のオハラや受け持ちの生徒のドミニクのアドバイスもあり、「警察学校」ごっこをしたり、ペットのフェレットを見せるなど自分のやり方で生徒を指導し、次第に生徒たちから慕われるようになる。
当初はボサボサの髪に無精髭を生やし、薄汚れた身なりをした風体だったが、潜入捜査に辺って髪を切って髭を剃り、小綺麗な服装に改めている。
女性受けは悪くないようで、ジョイスからも一目で好意を抱かれたり、受け持ちの生徒のシングルマザーの保護者がキンブルが独身かをこっそり聞くなどしている*3

教師としての経歴は「オーストリアで教師一家の家庭に生まれ、アメリカへ移住するとアリゾナやロードアイランドの高校で地理と体育の授業を担当し、女子バスケットボール部の監督も勤めた」と自称している。


●フィービー・オハラ(パメラ・リード)
キンブルの相棒である女刑事。
刑事になる前に保育士の経験があり、本来は彼女が潜入捜査をするはずだったが、直前に食中毒になったため、家で待機する羽目に。スリムな体形だがかなりの大食いで、食中毒から治ったばかりなのにレストランで大量の料理を注文するのでキンブルから呆れられたことも。
事件捜査はそつなくこなし、また元保育士らしく面倒見も良く細かな気遣いもでき、当初はキンブルの妻を名乗る予定だったが、ジョイスがキンブルに好意を持っていると気がつくと、咄嗟にキンブルの妹のウルスラを名乗る。
コックをしている婚約者がいる。
なお、演者のパメラ・リードは後年に製作された『ジュニア』でもシュワルツェネッガーと共演を果たしている。


●ジョイス・パルミエリ / レイチェル(ペネロープ・アン・ミラー)
本作のヒロイン。キンブルが潜入する学校で、小学校クラスの教師をしており、キンブルのクラスの生徒であるドミニクの母親でもある。
息子のドミニクを女手一つで育てているシングルマザーで、当初からキンブルには好意的で、家に招くなど息子のドミニク共々交流を深めていく。
ドミニク曰く「父はフランスに行ってて会ったことがない」らしいが……


●ドミニク・パルミエリ(ジョセフ・カズンズ)
ジョイスの息子で、キンブルのクラスの生徒。母子家庭に生まれたからか年齢の割にしっかり者で、意気消沈していたキンブルを叱咤激励する。


●カレン・クリスプ(リチャード・タイソン)
麻薬密売組織のボスで、キンブルが4年かけて追っていた。
殺人容疑で逮捕されるが、証拠不十分で釈放されると息子を捜しにオレゴンへ向かう。
犯罪組織のボスらしく、冷酷で狡賢い。
息子のことは愛していたようだが、追い詰められた際には息子を人質に取るなど、やはり根は悪党である。


●エレノア・クリスプ(キャロル・ベイカー)
カレンの母。息子と孫と家族全員で暮らすため、ドミニクを探し回る。


●ミス・シュロウスキー(リンダ・ハント)
キンブルが潜入捜査する学校の校長。面接の時に園児たちに一切の危害が及ばないように忠告する。
当初はキンブルを疑問視しており、初日の様子で「2、3日で逃げ出す」と予想していたが、次第にキンブルを認めるようになる。また生徒に暴力を振るっていた父親をキンブルが殴り付けた際には「あのクソッタレをぶちのめした気分は?」と質問するなどの面もある。


●ザック・サリバン(ジャスティン・ページ)
キンブルのクラスの生徒。クリスプと顔が似ており、また授業が終わるとすぐに母親の車で帰ってしまうため、当初はキンブルもクリスプの息子ではないかと疑っていた。
とても内気な性格で誰とも遊ばなかったため、クラスの皆からいじめられていたが、それは父親から暴力を受けていたためだった。キンブルが受け持つようになってからは明るい性格になっていく。



◆余談

  • 2016年には、ドルフ・ラングレン主演の『2』がDVDでリリースされている。こちらでもラングレン演じる屈強なFBI捜査官が幼稚園の教師として潜入捜査し、子どもたちに振り回されるストーリーになっている。

  • サイレントヒル』のミッドウィッチ小学校はこの映画と同じ小学校がモデル。そのためゲーム第一作目では映画と同じポスターが貼られていたり、スクールバスが同じ7番だったりする。比較動画もあるため、両者を知る人は見比べてみては?


追記修正は幼稚園に潜入捜査してからお願いします 

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最終更新:2025年04月06日 16:36

*1 演じるシュワちゃん本人もオーストリア出身。

*2 本人の様子から、仕事一筋で妻子を顧みなかったことを深く後悔していると推察できる

*3 生徒の母親曰く「アストリアの母子家庭の多さはアメリカ1」とのこと