登録日:2025/04/25 Fri 16:06:16
更新日:2025/04/26 Sat 20:04:41NEW!
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『セレクトオブリージュ』はまどそふと制作のPCゲーム。略称は『セレオブ』
ブランド第8作目でコンセプトは『学園生活×成り上がり』
2024年7月26日発売。
あらすじ
光と闇、発展と衰退、栄光と没落――
資本主義がもたらした歪な秩序と平和の下、
一握りのエリートだけが富・教育・安全を独占する特別区域。
そこに理外から手をかける男が一人。
名を布波能凪 スラムに生まれ育ち、敗者の一生を定められたはずの男は、
ある日楽園への招待状を手に入れる。
【ワン・ズ・ギフト】
それは、どんな境遇の若者でも一年にたった一人だけ、
エリートのみが学ぶことを許された教育機関『桜元学園』へ入学できる権利。
卒業が叶えば手に入るのは絶大な地位・名誉・権利。
人生の逆転を目指す凪の前には、
分不相応な異分子に対する、負の感情と謀略が渦巻く。
そして立はだかるのは学園の支配者たる学生会の傑物たち――
日本を裏で牛耳る華族の当主にして、エリート学園を統べるカリスマ会長一色奏命
警察庁の極秘任務で動く、合気道を極めたトリックスター蓼科イヴ
圧倒的な財力を誇る稀代のエンジニア夜刀くくる
凪は同郷の妹分トウリと共に、
完全アウェーのハイ・ソサエティで
生き残りと栄光を懸けた日々に挑む。
(公式サイトより)
解説
まどそふとでは初となる外注ラインの作品。
広報・流通等はまどそふとが担当しているが実質的な制作は
いつの時代のHPだよということで一部で有名なゲーム制作集団
kuwa gamesが行っている。
システム面等も前作『
ハミダシクリエイティブ』と同じまどそふとフォーマットのため、基本的にその方面からユーザー側が違いを感じることはない。
メインシナリオ担当はemsemble作品やPULLTOP作品などを手掛けた若葉祥慶。
イラストは
巨乳村minori後期作品を手掛けた柚子奈ひよ。
SD担当はねじ。。
現実世界と異なり『二次大戦後の混乱から日本の負の面を飲み込み発展し放置されたスラム街』が存在する世界で、そこの孤児院で育った主人公の成り上がり譚。
まどそふと作品では珍しく主人公のビジュアルが(見切れてほとんど見えないが)詳細に設定されている。
いつものまどそふと作品らしくキャラクター人気は高いがシナリオは並という評判。
なんならハミクリでハードル上がり過ぎただけともいうが実質デビュー作なのでどうぞ手加減を……
書きたいものを書き不要である部分や所謂マクガフィンはばっさり切り捨てるというスタイルからキャラクターの完成度は高く、『キャラゲー』として見ればそれなり以上。
一方でその切り捨てた部分が気になったり、深掘りを求めるような『シナリオゲー』としての要素を求めるならあまりお勧めは出来ないと言えるか。
OP『Path to glory』を担当するのは飛蘭ことFaylan。
また、同日発売の『
Lycee Overture』まどそふと1.0に参戦というわりととんでもない暴挙を行っている。
奏命が宙、イヴが日、くくるが月、トウリが花
、ファイブが雪に対応。
ボックス封入プロモカードの「メイド服」「
ロンゴミニアド一網打尽」が使い勝手が良く、特に「一網打尽」はまど宙では必須級のため高騰している。
なお実はカード名からしてかなりネタバレなのはここだけの話。
用語
珠賀良区
戦後から高度経済成長期に生じる闇を吸収して発展してきた架空のスラム街。
セクター1から6までの区画があり、3より奥は警察でも手出し出来ない危険区域。
最も安全なセクター1には大歓楽街という合法・非合法を問わない娯楽の街があり、表で地位のある人間の中にも利用者がいる。
性風俗や薬物、スリや人攫いが横行する地域でここで生活する人間は外部から危険視ないし白眼視されているが、彼らも彼らなりの流儀を以て日々生活している。
ピーチ・フィールズ
珠賀良区に存在する教会跡を流用した児童養護施設、つまり孤児院。
普段は炊き出しなどを行っている珠賀良でほぼ唯一の安全区域。
もっともスリなどの軽犯罪を行うグループもいるため清廉潔白とは言い難いが、大歓楽街でアルバイトなど真っ当な手段で稼ぐ者もいる。
そもそも珠賀良区の出身という理由だけで働き口が見つからず、そのため犯罪や後ろ暗い職に就かなければならず珠賀良区から抜け出せないという悪循環があり、凪はそれをどうにかしたいと考えている。
桜元学園
高級官僚や旧華族、富裕層の子女が多く通う国内有数の名門校。
その性質上、教員と生徒の間でコネが作られないよう『教員は飽くまで知識を伝授する立場に留まる』『学園内の自治は学生によって行う』という方針を徹底している。そのため頂点に君臨する学生会の権限は非常に強い。
敷地内に学生寮があり、男子と女子で生活区域もわかれているがそうした風土から自己責任の観念が強く、行き来に制限はない。
また一般的なアルバイトだけでなく、学生会の了承を得れば起業することも可能。
卒業生は国の中枢を担う政治家や企業家として成功を約束されており、その分教育カリキュラムも非常にハイレベル。
ワン・ズ・ギフト
年に一度、国内の若者から一人を無作為に選び桜元学園への入学を許可するという制度。
基本的に中途入学という都合上、カリキュラム以外に学生会から指導員が配置される。
エリートへの仲間入りのチャンスとなる『たったひとつの贈り物』だが、学生会長と運動部・文化部の両総括から承認を得ることが卒業の条件となるため、授業態度だけでなく人格面なども優れていなければならない茨の道。
また、当選者用の個室は他の学生に比べると目に見えてグレードが低いため、過去には不満を抱く者もいたという。
ヴァルハラ
国内最先端の技術と知識の研究のために作られた人工島。
名前は北欧神話の最高神にして知恵の神でもあるオーディンの居城から取られている。
設立時にヴァルハラ側から桜元学園を誘致したため、学園用に広大な敷地が宛がわれている。
学園や研究ブロック以外にも高級マンションが並ぶ居住区やオフィス街、『エスカルゴ』という通称で呼ばれるアミューズメント施設など島内で衣食住が完結するほど充実している。
珠賀良区とは車を使って数十分~数時間で往復できるほど近い距離にある。
オートマタ
人間そっくりの自動人形。端的に言ってしまえばロボット。
外見面では人間と遜色ないものの開発に漕ぎつけているが、AI面は未だその領域に辿り着けていない。
国が管理する13体のオートマタはその例外で、桜元学園で働くファイブなどはほとんど人間と見分けがつかないレベルに達している。
くくるは独力でそれらに匹敵するオートマタを開発することを目標としている。
登場人物
布波能凪
主人公。
珠賀良区の孤児院ピーチ・フィールズで生活する青年で、最年長の兄貴分。
少し長めの髪を後ろで一つ結びにしている。
スリやピッキングなど珠賀良区の住人らしいアウトローなスキルを多数所持しているが、根の部分は善人で良識や常識も弁えている。
学業面は生活に直結する国語や数学、化学などは飲み込みが早いが、逆にあまり実利の無い史学や英語が苦手。
また意外なことに喧嘩の腕はそう大したことなく、育ての親兼師匠であるバアさん曰く三流。
身のこなしなどでハッタリをきかせることで上手く誤魔化している。
「不器用なりに上手くやる」が信条。
趣味は絵の得意な妹と共謀してのエロ本作り。なお作ったエロ本の数々はトウリに見つかり没収された。
弟妹たち家族のことを何より大事にしていて、彼らが将来真っ当な職に就けない珠賀良区の現実に危機感を抱いている。
ワン・ズ・ギフトに当選したことで、家族の将来のために桜元学園の門を叩くことになる。
しかしその方法はといえば……
凪「俺と、結婚してくださいッ!!」(※ほぼ初対面の奏命、イヴ、くくるの3人に対して)
なんと逆玉の輿計画。
突飛ではあるがこれも凪なりの筋が通った理屈があり、自分がエリートになるだけではなく既に社会的な地位や権力、財力を持つ伴侶を得ることで社会を改革し、弟妹たちが自活できる基盤を整えたいという真面目な理由がある。
とはいえこの初対面同時プロポーズによって凪のキャラ性とセレオブの作品としての方向性は決定的となった。
誰が呼んだか『巨乳村の一存』
ふざけているようで一本筋が通っているため、プロポーズという大胆な行動に出つつもどいつもこいつも肉食系なヒロインども女の子の方から積極的にアプローチされても「まずはお付き合いから」「きちんと恋愛のプロセスを踏んでから」と純で初心なところがある。
ヘタレって言うな。
一度家族や友人、身内と認めた相手にはとことん甘く、敵対している相手でも友達の友達であればギリギリまで手を差し伸べようとしてしまうお人好し。
かつて国が行っていたデザイナーチャイルド計画で生まれたデザインベビーの一人。
彼を助けて欲しいという遺伝上の母親からの依頼によってバアさんに引き取られ、ピーチ・フィールズで育てられた。
またその研究により遺伝子レベルで弄られており、特に生殖機能に大きな制限が課せられている。
そのため、完全にゼロではないが子供を望むのが難しい身体になっている。
一色奏命
「心配は無用よ。
珠賀良区の出身であろうと、
誰であろうと、
私達が成すのは一つだけ」
CV:奏雨
誕生日:5月5日
ED曲『Genuine world』
日本を裏で牛耳る華族の当主にして、エリート学園を統べるカリスマ会長
メインヒロイン。肩書は学生会会長。
起源は千年前まで遡れる永世華族【一色家】の若き現当主。
常に堂々とした態度を崩さない、艶やかな黒髪に切れ長の瞳の美少女。
その一声で国が動くとさえ言われる絶大な権力を持ち、それに見合うだけの振る舞いを心掛ける完璧超人。
入学した一年次から3年連続で学生会長を続けるなど生徒からの支持も厚い。
興味のない対象への扱いはややぞんざいだが、身内に対しては茶目っ気を見せることも多い。
逆に怒らせると非常に怖く、その権力と威圧感に逆らえる者など存在しない。
好物はコーヒー。付き人である北条の双子からも窘められるほどの頻度で飲んでおり、学生会室にもコーヒーの香りを漂わせている。
また和菓子も好物で、ブレイクタイムにはキャラ崩壊モノの緩んだ笑顔を見せることも。
当初は目上の先輩相手にも敬語を使わず自然体の凪に対しても厳しい態度で接していたが、逆玉プロポーズ以降は若干砕けた雰囲気を見せるようになる。
凪の義妹であるトウリのことも高く評価しており、√によっては一色家の庇護下に迎え入れるほど。
彼女が桜元学園に入学した目的は、凪と同様『自分の目的に見合う夫を得るため』
一色家という千年続く家系を存続させ、それだけに留まらず発展させるために必要な伴侶を求めて国内最高峰の学園に来たものの、結果として見合うレベルの相手は見つからなかった。
そこに現れたのが布波能凪であり、桜元学園でも渡り合えるだけの優秀な素質と逆境に立ち向かう精神力、トウリとも共通する人好きのする愛嬌など奏命の要求に足る人材だった。
当初は優秀な血を迎え一色家を繋ぐことだけを目的に凪と婚約した奏命だったが、凪からの強引なキスをきっかけに恋心が芽生える。
利害関係だけでなく互いを想い合う恋愛関係を築きたいという凪の意向にも同調し、最終的には浮気は絶対に許さないと執着を見せるほどメロメロに。
凪の出生を知り、一色家を存続させるという奏命にとって何よりも重要な使命を果たせないかもしれないと気弱になる凪に対しても、現代の知識と技術、そして凪の逆境に歯向かい続けた意志力を以て共に立ち向かうことを決意。
そして仮に血が途絶えたとしても、国の中枢にまで浸透した『一色の意思』はもはや不滅であると宣言し、友人たちを始め多くの人々に祝福され凪と結ばれた。
蓼科イヴ
「あのねー。結婚するにはね、
恋愛が必要なんだよ?
政略結婚じゃないんだから、
損得だけじゃ無理だよ」
CV:秋野花
誕生日:12月20日
ED曲『I will...キミがいるから』
警察庁の極秘任務で動く、合気道を極めたトリックスター
メインヒロイン。肩書は運動部総括。
フルネームは「蓼科・M・イウヴァリー」
その名の通り西洋の血を引く金髪碧眼の美少女。
警察庁長官の娘で、桜元学園には『一色家新当主を見極めよ』という父の指令で入学した。
実は特殊警察として実際に警察官の地位を持っており、出自もあってある程度は強権を発動もできるだけの権力を有する。
ただし当の奏命からは「目的があるのにそれを明かさない」「総括という地位に拘りを見せない」という点からとっくに入学理由を見抜かれており、気に入られてこそいるものの敢えて内心に近付かないよう差配されてやきもきしている。
ノリがよく表情がコロコロと変わる明るい女の子で、友達付き合いして楽しいタイプ。
後輩の面倒見もよく人当たりもよいので人望に関しては奏命に次ぐ。
一方で合気道の腕は全国優勝レベルで、その他の格闘技も一通り修めているなど学園最強のインファイター。
ミニスカートの制服で下着を一切見せることなく相手をノックアウトするなど、その立ち回りは洗練され尽くしている。
もっとも本人は自身を非才と称し、ここまで来れたのはあくまで諦めず人よりも努力を重ねてきたからと自嘲気味に語る。
物理が効かないゾンビがゲームといえど大の苦手。
凪に対してはヴァルハラ到着時点で接触し、倉庫への侵入やテイオーをカツアゲから守るなど今まで桜元学園にいなかったタイプと見て興味を抱く。
わざと凪が窮地に陥るように根回しするなどその素質を試しつつ、友人として好意的にも接するなど捉えどころのない立ち振る舞いはまさにトリックスター。
ただし奏命に目的を見抜かれたようにまだまだ至らない部分もあり、決して完璧超人ではない。
元々運動部総括の立場は奏命に近付くために得たものだったが、挑戦者を返り討ちにしているうちにアイデンティティとして愛着を持つようになる。
しかし、凪に恋をして凪との恋愛に比重を傾けた結果、それが許せなかった汐莉に敗れ肩書を奪われてしまう。
単純にイヴより空手の才能に秀でた汐莉との実力差ではなく、もとより合気道の性質上カウンターによって自分の土俵に持ち込むスタイルだったイヴは挑戦者個々人を重視しておらず、その点を突かれての敗北と分析。
イヴに戻ってきて欲しい友人たちの協力や敗北の反省として汐莉という個人と向き合い、経験の差もあって雪辱戦に勝利。
なぜ汐莉が自分に執着するのかその理由を聞き出してからは、自分を「お姉ちゃん」と呼ぶことを命じて和解した。
夜刀くくる
「……バカ過ぎて驚いた。
驚きを通り越して呆れた」
CV:相模恋
誕生日:8月30日
ED曲『Warmth of the eternity』
圧倒的な財力を誇る稀代のエンジニア
メインヒロイン。肩書は文化部総括。
一年生で文化部全体を取り纏める天才少女。
小柄で可愛らしいのだが興味のない相手には不愛想かつ辛辣。逆に心を許した相手には大甘。
桜元学園入学前から投資の才能で親の資産を何倍にも膨らませたという逸話を持つ。
現在もその才能は健在で、資金を増やすための投資を繰り返し財力に関しては個人で学園トップクラスに君臨する。
将来性のある部活への投資も行っているため、融資を受けた生徒は彼女に頭が上がらないとか。
また自身が在籍する科学部の設備にも私財を払って多額の投資を行っており、奏命に窘められないギリギリのラインを見極めて研究を行っている。
合理主義者ゆえに食事は栄養完結型のゼリー飲料で済ませていたが、トウリに食事の楽しさを教わってからは健啖家としての才能が覚醒。
トッピング全部乗せの2kgハンバーグなど、その体のどこに入るんだと言わんばかりの量を豪快にかっ食らう。
※普段粗食で消化器系が弱っている人間が真似すると命に関わります。良い子も悪い子も真似しないように。
限りなく人間に近いオートマタを開発することが目標で、現在はAIの開発に行き詰っている。
学園で遭遇するファイブのことは目標にもっとも近い存在であると認めつつも、「何かがおかしい」と直感的に疑念を抱いているためあまり良い感情を抱いてはいない。
当初は凪のことを自分の研究時間を浪費する邪魔者としか思っていなかったが、トウリ提案の狂言誘拐によって凪が自身の地位や名声よりも家族を大事にする人間であると理解し、好感を抱くようになる。
もともとくくるがオートマタ開発を始めたのは、両親との死別による悲しみから決していなくならない『永遠の家族』を求めたのがきっかけで、家族の幸せのために不可能すら成し遂げようとする凪を好意的に見るのは自然の帰結だった。
そしてAIに生存本能と自己複製……すなわち生殖に関する学習を行わせるため、凪に対して性交を提案する。
しかしくくる自身に自分を大事にしてほしい凪はそれを拒否し、まずは恋愛から順序だてて関係を進めていくよう折り合いをつける。
そうして恋を覚えたくくるは愛情に基づく感情を発露させ、開発中のAI「モンステラ」も目に見えて成長していくが、二人の関係性の進展に呼応するようにある時からファイブが異常を起こすようになる。
実はファイブたち13体のオートマタは、生まれた時から送信機を取り付けられた専用のデザイナーチャイルドから情報を受信して自身のAIを構築するという、人倫を超えた狂気の発想で運用されており、運命の悪戯かファイブに対応した送信機がくくるだった。
もともと合理的かつ感情の発露を抑える調整をされていたくくるが恋愛感情を開花させたことでファイブ側が処理不全を起こしていたのがエラーの原因。
それを把握したくくるによって送信機が除去され、ファイブはそれまでに集積した情報を自己循環させることで安定。
奏命の働きかけでファイブの所有権はくくるに移譲され、完成したモンステラと共に『永遠の家族』としてくくると生活するようになった。
トウリ
「お腹お空かしながら、
ようやく食べられた一口は本当に幸せで、
ああ美味しいなって
強く感じられるの」
CV:七種結花
誕生日:不明
ED曲『わたしだけのPromise』
兄への思いに揺れる、人心収攬の妹メイド
メインヒロイン。凪の義妹。
ふわふわと緩んだ雰囲気を纏う人好きのする少女。
凪がワン・ズ・ギフトに当選したことを知り、育ての親であるバアさんに無理を言って別口で桜元学園への入学の手筈を整えて転校してきた。
学園では名目上「泉トウリ」の名前で、病気で長期療養していたある資産家の令嬢という設定。
和泉妃愛と音が似てるのはたぶん狙ってやってる。
凪とは幼い頃に珠賀良区で迷子になったところを保護してもらい、その縁で慕っているという設定。もっとも親しい友人には速攻で関係性がバレたので設定の方が迷子感。
珠賀良区で育ったとは思えないほど純朴で穏やかな心優しい性格。また人の心を攫むことに長けていて誰とでも仲良くなれるほか、バアさんもトウリにだけは甘いというか弱い。
とはいえそこは珠賀良区民。凪の仕事に関しては苦言を呈することもなく自然体で受け入れており、生きるための強かさも備えている。
エロ本作りの趣味に関してはしょっちゅうお小言を言っているが。
メイド風の制服が気に入ったとのことで、放課後は学園内のカフェテラスでアルバイトをしている。
凪のことを男性として愛しているが、凪が自分を妹として見ていることも理解しており、この恋が叶わないと考えている。
それでも凪のために自分が出来ることをと学園に入学してくるなど強い信頼と愛情を以て接していて、その内心を聞いた奏命からも尊く美しいものと高く評価されている。
ちなみに普段こそぽやぽやしているが怒らせると非常に怖い。「笑ってる時の方が怖い」とは凪の評。
トウリと凪の二人を一手に囲い込みたいと考えた奏命により、トウリの√では奏命との契約で一色家の庇護下に迎え入れられる。
これによって凪がトウリと結ばれれば一色家の後ろ盾を得ることになり、逆玉の輿という目的も叶えられる形となる。
当初はイヴと健全な恋の鞘当てを演じていたが、バアさんとの邂逅で自分はまだ強くなれると考えたイヴは恋よりも鍛錬を優先し、答えを出す前に凪がフラれたという形で三角関係も決着。
テイオーに誘われたゲーム部の起業計画も進展し凪の人生も順風満帆というところで、すっかり落ちぶれた龍司が珠賀良区に入り浸っていることが発覚。
当初は声をかけるだけで見守るしかなかった凪たちだが、桜元学園にドラッグを蔓延させたいと考える闇組織に龍司が誘拐され、学生会全員で救出作戦を展開。
失敗を繰り返しそれでも最後の最後に桜元学園の学生として意地を見せた龍司を救出し、トウリはかつて「お兄ちゃんを酷い目に遭わせて許せない」とまで言った男にさえも手を差し伸べる。
その優しさに絆され今までの自分の愚かさと小ささに本気で後悔の涙を流す龍司はようやく過去と決別し、凪とテイオーの三人でバカ騒ぎしながら進む道に復帰した。
ついでにトウリを女神か何かの如く崇拝する信者が爆誕した。
ファイブ
CV:東シヅ
正式稼働日:1月1日
サブヒロイン。
桜元学園で業務に携わる完全自律型自動人形の1体。
国内で13体しか存在しない量産不可の超高性能オートマタで、動作や言動のどれを取っても人間と遜色ない。
ワン・ズ・ギフト当選者である凪のガイド役として、入学からしばらくは陰日向にサポートを行ってくれる相棒役。
ヴァルハラのセキュリティネットワークとも接続しているのか、島内であればほとんどの情報を把握しているうえ凪に呼ばれればすぐに顔を出す神出鬼没さを見せることも。
人気投票で奏命とトウリの二人を抜いて3位に食い込む健闘を見せる。
ちなみに彼女(?)のみ女性キャラで裸パッチに対応していない、ハミクリのシキちゃん枠。
くくるの項目に前述した通り、彼女のAIはくくるから受信した情報をもとに再構築された、いわば『もう一人のくくる』
量産不可能なのはAI確立のための送信機となる子供を1から生み出さなければならないため。
くくるが凪との恋愛によって恋心を芽生えさせた結果、情報処理がオーバーフローし自分とくくるの区別がつかなくなりエラーを頻発するようになる。
原因を突き止めたくくるによって送受信を自己循環させることでくくるに寄らずともそれまでに培った情報で改めて「ファイブ」としての自我を確立。
モンステラによる説得を経てアイデンティティを再構成し、互いに苦手意識を持っていたくくるとも和解して家族となった。
北条花
CV:天知遥
誕生日:2月20日
サブヒロイン。肩書は学生会副会長。
奏命の付き人を務める北条の双子の姉。
明るく朗らかで誰に対しても丁寧に接するが、考え方がわりと雑。
奏命に対しても無遠慮な発言が多く、空は冷や冷やしている。
北条空
CV:碓氷珊瑚
誕生日:2月20日
サブヒロイン。肩書は学生会書記。
奏命の付き人を務める北条の双子の妹。
姉に比べると辛辣に見えるがその実発言の節々に思いやりが見える思慮深い性格。
ちなみに双子とも奏命と同じ三年生で凪からは先輩にあたる。
大屋汐莉
CV:飴川紫乃
誕生日:6月6日
サブヒロイン。肩書は運動部総括補佐。
イヴのことを誰よりも慕う後輩で、イヴが気にかけている凪のことを嫌っている。
空手の才能でスカウトされた天才で、才能だけならイヴをも上回る。
ちなみに健康的な褐色肌は日焼け。裸パッチを当てると日焼け跡がばっちりわかる。
実はイヴとは腹違いの姉妹。母とは桜元学園に入学する前に死別しているが葬儀にすら現れなかった父のことを恨んでいる。
そしてその娘として何不自由なく育ったはずの姉のことも憎悪していたが、実際に会ってみればそれは非才の身で愚直に修練を重ねる運動部総括という想像とは真逆の人物だった。
イヴを近くで見ているうちに絆され復讐する気も失せていたが、イヴが凪という恋人を見つけ自分も運動部総括という立場も蔑ろにしていると思い憎悪が再燃。
1本先取という条件を付けて奇襲することでイヴから運動部総括の座を奪い取るが、奏命やくくるからは手段と目的が逆転していることを見抜かれ歓迎されてはいなかった。
その後、イヴから雪辱戦を挑まれて敗北。自分の出自とこれまでの愛憎入り混じった複雑な経緯を明かし、イヴのことを二人でいる時はお姉ちゃんと呼ぶことを命じられて和解した。
一ノ瀬七
CV:北大路ゆき
誕生日:11月2日
科学部の前部長で現在はくくるに譲り副部長に落ち着いている。
淡々としているが根は悪戯っぽく、凪のことはくくる弄りの同志として気に入っている。
実は体質的な問題で短命であり、くくるを置いて逝ってしまうことを恐れている。
くくるのAI開発にも積極的に協力しているのはそれが理由の一面でもある。
作中では明言されていないが『感情の抑揚が小さい』『生まれついての短命』『七という数字の名前』という要素から、13体のオートマタの送信機の一人ではないかと推測されている。
バアさん
CV:白砂菓夏海
誕生日:8月15日
孤児院ピーチ・フィールズを運営する女性。
シスター風の服装をした、老若の判断が付きにくい銀髪の女性。
凪からは「バアさん」、トウリからは「おばあちゃん」、その他の子供たちからは「先生」と呼ばれるなど本名不明。
各方面にコネクションを有するほか、自身もイヴを相手に組手で一方的に勝利するバケモノじみた手練れ。
凪とは互いに憎まれ口を叩き合っているが、親子としての信頼関係は本物。
孤児院を開いた際に「珠賀良区の流儀は変えず、その中で珠賀良区を救う」というスタンスを己に課した。
子供たちに対しても道を開くまでの手助けはしても、その道を進むのは本人の意志という考えを徹底している。
かつて公安機動捜査隊で数々の伝説を築き上げた生きるレジェンド。
日本を支える財政界の上層部の人間を何度も何人も救ってきたため、影響力でいえば一色家にすら匹敵し奏命に対しても意見が出来るほとんど唯一の人間。
また先代の一色家当主である奏命の父とも繋がりがあり、奏命自身は知らないながら実質的に後見人のような立場でもある。
妹である真智からデザイナーチャイルドたちを救ってほしいという依頼を受けて凪やトウリたちを救出するが、里親に出すでもなくピーチ・フィールズを開設した。その真意は本人のみぞ知る。
葦華真智
CV:御苑生メイ
誕生日:7月17日
学生寮の管理人。
凪の転入初日に挨拶に顔を出したものの、以降はめっきり姿を見せない。
管理人というのは嘘で、その正体は桜元学園の学園長。
そして凪の遺伝上の母親でもある。
かつて優秀な人材としてエリートコースを進んでいた真智は、国が行う研究の一環として卵子を提供した。
自分の優秀な資質が次代に引き継がれること自体は良いことであるという理由と、家庭を持ちそれにかかずらう手間がないのなら断る理由もないという判断だった。
しかし、なんらかの理由で暴走した研究計画でデザイナーチャイルドが資源として消費されている実態を知り、自分の考えが軽率だったと後悔を抱く。
そして自分の血を受け継いだ凪を始めとした子供たちの救出を姉に依頼し、既に消費されてしまった子供以外を助け出すことが出来たが、本人は後ろめたさから凪の前に顔を出すことは出来なかった。
そして桜元学園に凪が入学した日、管理人と立場を偽って顔を見ることは出来たものの、自身の出自と凪との関係性を明かすまでには至らず。
凪が奏命と結ばれ、いよいよ隠し立てすることが出来なくなってようやく真実を明かし、凪から「親子としての繋がりでなくとも見守っていてほしい」と頼まれ、ようやく少しだけ肩の荷を下ろすことが出来た。
成宮帝雄
CV:ナオト†サンクチュアリ
誕生日:4月18日
凪のクラスメイト。
優しそうな糸目の太っちょくん。
龍司にカツアゲされていたところを凪に助けられ、友達だからこそ間違った道に進んだなら厳しく対応することも勇気だと教えられ龍司の悪事を暴露した。
以後は凪の親友としてヴァルハラを案内したりゲーム部に誘ったりと仲良く付き合っている。
ゲームに関しては一家言あり、ゲーム部の部長としてアナログからデジタルまで手広くプレイから開発まで行っている。
テイオーでゲームが得意だけど「モンニ」とは言わない。
凪の療養も兼ねた慰安旅行では『人生ゲーム
WDH』というオリジナルのボードゲームを披露。
結果、『魔王カナメと勇者くるくるチッパイが世界の存亡をかけて戦う横で凪とイヴはせっせと子作りに励み、大量の資格を取得したトウリにイヴが寝取られる』というカオスの様相を示した。
なおこれでもバランス調整はしてるらしい。本当に?
獅童龍司
CV:椨もんじゃ
誕生日:9月19日
学生会唯一の男子メンバーで風紀委員長。
政治家である獅童家の子息。
かつてはテイオーと共に将来の理想に燃える青年だったが、学生会に入って以降豹変。
親友のはずのテイオーを取り巻きを使ってカツアゲするなど後ろ暗い行為に走るようになってしまった。
その現場を凪に見られ、反抗的な凪を追放するため罪を擦り付けようとするが失敗。
逆にテイオーから証拠となる音声データを受け取った凪に全校放送で悪事を暴露され、奏命から風紀委員長を解任され失脚した。
しかしその後も復讐を諦めておらず、不良警官に賄賂を贈って凪を「国家事業であるワン・ズ・ギフトの権利を不正に入手した」として拘束・監禁。
どれだけ甚振っても認めようとしない凪を自らの手で始末しようとしたところで奏命とイヴが到着し、不良警官も一網打尽。
龍司は一色家の預かりとなり、プライドから間違った方向に歪んだ男は全てを失うこととなった。
もともと龍司自身、奏命からも現在の桜元学園の中では上等な方と高く評価され、くくるからも「悪く言いたくない身内」と思われる程度には信用もされていた。
しかし奏命、イヴ、くくるという怪物級の傑物の中に放り込まれたことで、自身の才覚を肯定出来なくなったことは龍司にとっても不幸と言えるだろう。
それを理由に親友から金銭を巻き上げたり、その罪を他人に擦り付けることが許されるわけではないが。
奏命√では徐々に立ち直ってきていることがテイオーから語られ、イヴ・くくる√ではそのままフェードアウトするがトウリ√ではもう一人の重要人物となる。
自身の小さなプライドを満たすために大きな過ちを犯し全てを失った龍司は珠賀良区の風俗店に入り浸るようになり、金は持っているが礼儀正しい王子様として嬢からも評判になる。
しかし珠賀良区でもより危険度の高い深部の住人に目を付けられ、桜元学園にドラッグを流通させるため協力するよう誘拐され命じられる。
それでも、どれだけ腐っても桜元学園の学生として最後の一線を守り抜いた龍司は脅迫を拒否。同時に凪たちが突入し救出される。
さらに「桜元学園を狙う闇組織への潜入捜査」と名目を立てられ自分の失態すらもリカバーされたことで完全に心が折れ、今までの自分の愚かしさと直面する。
そして自分が追い落とそうとして命まで狙った凪の義妹のトウリに「友達になりましょう」と手を差し伸べられたことで涙ながらに過去と決別。かつてのテイオーと未来を夢見ていた頃の心を取り戻した。
その後は「龍司は守るものがあった方が強い」と考えた凪に丸め込まれて、ゲーム部が主体となって発足したゲーム会社の社長に就任。
風紀委員長時代の取り巻きやOBなど、ちゃんと龍司のことを見ていた仲間がいることも再認識し新たな一歩を踏み出した。
そしてトウリガチ勢になった。
追記・修正は初対面の女性に同時プロポーズを実行した剛の者にお願いします。
- これってシナリオは並なの?キャラの見た目に全振りでシナリオがひどいとか薄っぺらいとかむしろ酷評されてる見かけたから避けてたんだけど。某サイトでも高得点の理由はほぼ絵だけだし。並ならやってみようかな -- 名無しさん (2025-04-25 16:18:42)
- ↑ 項目冒頭にも書いてあるけど、話の大筋に関わるマクガフィン要素は敢えて深掘りせず地の文数行で終わらせたりするから「そこもうちょっと知りたいんだけど!?」って人間とは相性が悪いのは否めない。キャラに関しては絵だけどころか言動や恋愛を通しての変化も含めてきちんと可愛いしサブキャラもいい味出てる -- 名無しさん (2025-04-25 16:47:24)
最終更新:2025年04月26日 20:04