ダイヤモンドの功罪

登録日:2025/05/04 (日) 00:17:35
更新日:2025/05/04 Sun 19:56:00NEW!
所要時間:約 4 分で読めます






眩い光と濃い影。天才の苦悩を描く野球青春劇。




概要

『ダイヤモンドの功罪』とは『週刊ヤングジャンプ』にて2023年11号から連載開始した野球漫画。既刊8巻。
著者は平井大橋。


ストーリー自体は「スポーツの超天才である主人公が成り上がる」というシンプルなもの。
しかし主人公が圧倒的な強さで成り上がる過程で、周囲の大人や子供たちが脳を焼かれてしまう様を念入りに描かれている。
さらに主人公自身はシンプルに「遊びたい」エンジョイ勢であり、自分の圧倒的な才能に振り回されて苦しんでいるが、主人公の苦悩を無視したくなるほど将来を期待する才能。
それを含めての『ダイヤモンドの功罪』なのである。

『ゴーストバッター』『ゴーストライト』『可視光線』『サインミス』の4つの読み切り野球漫画を掲載したのち、本格連載作品として始めたのが本作。
この読み切り作品は「おおよその流れは同じだが細部の設定が違う」という作品群で、本作もその流れを汲んでいる。
そういう意味でも本作は読み切りシリーズの集大成ともいえる作品である。

なお読み切りも綾瀬川次郎が話の中心にいて、本作では主人公にしている。
作者のペンネームである「平井大橋」というのは実在の橋で、「綾瀬川が荒川に合流する地点にある橋」ということもあって、「作者は綾瀬川次郎の人生を描きたくて漫画を描いている」と読者の間で囁かれている。
そういう意味では綾瀬川に一番脳を焼かれた大人は作者自身なのかもしれない……。

読み切りの頃はそうでもなかったが連載版になってから『おおきく振りかぶって』の絵柄に似てきている。そのため『闇のおお振り』とも。

売り上げは150万部を突破。
『次にくるマンガ大賞2023』コミックス部門で7位。
『このマンガがすごい!2024』オトコ編1位。
……と初連載作品でありながら数々の賞を受賞している。

あらすじ

「オレは野球だったんだ!」

運動の才に恵まれた綾瀬川次郎は何をしても孤高の存在。
自分のせいで負ける人がいる、自分のせいで夢をあきらめる人がいる。
その孤独に悩む中、“楽しい”がモットーの弱小・少年野球チーム「バンビーズ」を見つける。

みんなで楽しく、野球を謳歌する綾瀬川だったが……。
(公式より引用)

主な登場人物

本作の主人公。『足立バンビーズ』に所属することになった小学5年生。
「スポーツで友達と遊びたい」という子供らしい純粋な気持ちでスポーツを始めるが、そのたびに周囲の人間関係を壊してしまい、早期に辞めることを強いられてきた悲しい過去を持つ。
高い身体能力と図抜けた運動センスを有し、その輝かしい才能に周囲の脳が焼かれるが故に。
詳しくは個別項目で。

  • 雛桃吾
『可視光線』『サインミス』で主人公だった関西弁の少年。『寝屋川ファイターズ』所属。
ポジションはキャッチャーで、幼なじみの巴とコンビを組んで世代代表になることを望んでいる。
関西弁で口が悪く短気な上に思い込みの激しさも相まって、綾瀬川との相性は最悪であり暴力事件にまで発展した。

  • 巴円
『可視光線』のメインキャラ。『寝屋川ファイターズ』所属。
明るくお気楽なムードメーカーであり、綾瀬川が最低最悪なことを巴にしても許す度量の大きい少年。
しかし根っからの野球少年でもあり、綾瀬川の投球を見て嫉妬したことで、雛が巴の凄さを語っても耳に入らなくなってしまう。

  • 園大和
『ゴーストバッター』の主人公の一人。『枚方ベアーズ』の所属。補欠。
野球の知識は人一倍あるが、当の本人が致命的なまでに運動音痴なためにどんだけ努力しても結果が出ない。
ひょんなことから綾瀬川と知り合い交流を続けていくが……。

足立バンビーズ

綾瀬川の地元の弱小硬式野球チーム。
基本的に勝利よりも「野球の楽しさを学んでもらう」のを是としてチームで、選手と監督の仲も友達のようなもの。

  • 五十嵐温之
通称「イガ」。5年生。捕手。
野球歴は綾瀬川より長いが上手ではないので綾瀬川の球を捕れない。
その結果綾瀬川はバンビーズでは試合に出られなくなってしまい、そのうえヤスパパの件や監督の後押しがあり綾瀬川を別のチームに行くように勧めた。
しかしそのことを気にしており、ひそかに練習を重ねていたが……。

  • 安田祐樹
通称「ヤス」。元投手。5年生。
強豪社会人野球チーム『日東ガス』の投手をしていた父に無理矢理野球をやらされているが、才能がないのでバンビーズにしか入れなかった。
しかしそんな経歴を感じさせないほど純粋に野球を楽しんでいた……綾瀬川がくるまでは。
ヤスパパは才能がないヤスよりも綾瀬川を優先するようになってしまい、それに怒った妻と大喧嘩して家庭崩壊。最終的に離婚した。

  • バンビーズの監督
若々しい監督で、子供たちに野球の楽しさを教えている。
しかし綾瀬川のとんでもない才能を見たことで脳をやられてしまい、綾瀬川の性格的にガチなスポーツは無理だとわかっているのにU12に勝手に応募した。
しかも後に綾瀬川がバンビーズにいた経歴を消すように言われた際にすぐに了承しているあたり、承認欲求からではなく「完全なる善意」であることが質が悪い。




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最終更新:2025年05月04日 19:56