つるピカハゲ丸

登録日:2025/06/01 Sun 01:25:00
更新日:2025/06/05 Thu 00:34:45NEW!
所要時間:約 3 分で読めます




次回も笑って笑ってつるセコ名人!


【概要】

1985年から月刊コロコロコミックで連載されていたギャグ漫画である。作者はのむらしんぼ氏。
同時期のおぼっちゃまくんかっとばせ!キヨハラくんなどと並んで80年代から90年代のコロコロを支えた長編漫画のひとつ。
かなり古い作品だが、現在では電子書籍化されているので容易に購読可能。

主人公のハゲ丸一家を中心に、彼らのぶっ飛んだつるセコに巻き込まれる人々のドタバタ劇が繰り広げられるというのがおおまかな作品の流れ。
また、オチなどでズっこける際に舌を口の上に伸ばす独特のギャグ顔をするのが特徴的。

『つるセコ』

本作を象徴する造語。
要するにセコいやケチなこと全般を指すが、明らかに無茶なこともギャグ描写で強引にやるのが本作の見どころ。
例、タバコの代わりにお茶の出し殻を紙で巻いて吸う、スケート場の氷でかき氷を作る。など。
ぶっちゃけ軽犯罪に引っかかる行為が多数あるが。

【登場人物】

  • ハゲ田ハゲ丸
声:つかせのりこ(第1話 - 第37話)→杉山佳寿子(第38話 - 第59話)
主人公、小学四年生。
かなり頭身が低くて頭に毛が三本しかないハゲ頭。
とにかく何事についてもセコくてケチで、そんな彼のつるセコに周りが巻き込まれていくのが本作のお話。
成績はギャグ漫画の主人公らしくかなり悪いが、機転や悪知恵はすごく働く。
周りからはつるセコを迷惑がられているが、明るく愉快な性格のためムードメーカーも兼ねており、決して嫌われてはいない。
モデルとなったのは作者が電車の中で遭遇したかなりモラルの欠如した子供で、腹立ちまぎれに彼を元にぶっ飛んだキャラを作り上げたそうである。
頭がハゲなのも嫌がらせのためだとか。

  • ハゲ田ハゲ蔵
声:緒方賢一
通称とーちゃん。ハゲ丸の父。
つるセコ人間ではあるが一家の中では常識人よりで、ハゲ丸やかーちゃんのつるセコに一本とられることもしばしば。

  • ハゲ田つる子
声:向井真理子
通称かーちゃん。ハゲ丸の母。
ハゲ丸以上のつるセコ人間で、ある意味この漫画の最強キャラ。
ハゲ丸のつるセコに対してさらにトンデモなつるセコを披露して「さすがかーちゃん」なことになるのがお約束。

  • ペス
声:巻島直樹
ハゲ田家の飼い犬。ハゲ丸が3歳の頃、公園に捨てられていたところを拾われた。
非常に賢くつるセコもこなすが、連載後期はもっぱら自家発電のために自転車を漕がされるなどの、不憫な役回りが主であった。

  • 近藤
声:金丸淳一
ハゲ丸の同級生で親友。
だいたいハゲ丸とつるんでいるところが多く、仲は非常にいい。
ハゲ丸のつるセコの最大の被害者であり、オチでずっこける要員。
あまりに連続してずっこけさせられてハゲ丸に抗議したこともある。
しかし仲がいい分ハゲ丸の行動パターンを理解していることもあり、自分の出そうとした懸賞のハガキを「代わりに出してやる」と言ったハゲ丸に預けるも、そのハゲ丸がポストに投函する直前に自分の名前に書き換えているところに先回りしてどついて阻止したこともある。
ちなみに身長は165cmと、小学生男児としてはかなり長身。

  • となり田じーさん
声:千葉繁
ハゲ丸の隣の家に住む老人。
ハゲ丸のことを孫のようにかわいがっているが、つるセコの被害者になることは変わらない。
しかしハゲ丸やハゲ田一家は本心から彼のことを慕っており、ご近所仲はとても良い。

  • ブスねーちゃん
声:真山亜子
ハゲ丸の友人の女子高生。名前の通りのすごいブス。今じゃとてもつけられない名前だろう
本名は不明。内面はいい人で、近藤やとなり田じーさんとも仲がいい。趣味はナイター観戦。

  • ハゲ田つる丸
原作のみに登場する祖父母のもとに預けられていたハゲ丸の弟。小学一年生。ハゲ田家の家系には珍しく髪の毛がある男子。
非常に頭脳明晰な秀才だが、つるセコはまだまだ修行中のようで、兄のハゲ丸を素直に尊敬している。

  • 都留聖子(つるせいこ)
ハゲ丸のクラスに転校してきた、長身かつスタイル抜群の美少女。
ただし好みのタイプが「ハゲでセコい人」であり、ストライクゾーンど真ん中であるハゲ丸に会いたさで引っ越してきたという、初登場から凄まじい行動力を見せる。
その後、押しかけ女房的な形でハゲ丸のガールフレンドとなり、ハゲ田家との交流を経て外堀を着実に埋めてきている。

  • のむらしんぼ
作者だけど登場人物。ギャグマンガだしね。

【アニメ】

放送当時のスポンサーから「タイトルがストレートすぎる」「名前を呼び捨て」等の理由から抵抗があったため、「つるピカハゲ丸くん」の題名でアニメ化されている。
かなりオリジナル要素が盛られており、SFからファンタジーまで「なんでもあり」なギャグアニメになっている。

ハゲ丸の声を務めたつかせのりこ氏の遺作としても知られており、38話以降は杉山佳寿子氏へ交代している。(下記のゲームでもエンディングで追悼文が載っている。)

【ゲーム】

1991年に『つるピカハゲ丸 めざせ!つるセコの証』として横スクロールアクションゲームで発売された。開発はジャレコ。
「世界の何処かにあるつるセコの証を取って、つるセコキングになれ(要約)」という内容。
残機は無限だが、体力3固定でミスしたらステージ最初からやり直しという結構な難易度。
つるセコらしく、 潜水服や宇宙服を(つる丸に)DIYしてもらって南極や宇宙に行ったり、ペットの皮を剥いで防寒着を装備したりする。 ツッコミは禁止!

「ゲームに自分が出てるのを知らなかった」「プレイはしたが一面クリアもできなかった」「クソゲーとは何だ!?せめて屁ゲーと言え!」という作者のお墨?つき。あとつる丸の有能さとペスの不憫さはガチ。

【余談】

のむらしんぼ氏はあえなく打ち切りの憂き目に遭った「とどろけ!一番」の連載終了後、発表する作品が軒並み短命に終わったこともあってスランプで苦しんでおり、本作はそんな中でようやく手ごたえを掴んだヒット作であった。
その勢いはすさまじく、「ハゲ丸御殿」と言われるほどの豪勢な家を建てることができ、自前の漫画制作プロダクション「しんぼプロ」の設立に至ったほどであった。
が、本作終了後はヒット作を打ち出せず、再度スランプに陥ってしまった。
後年の『バーブー赤ちん』は下ネタ要素が多くなり(それでも作者3番目の長期連載だが)、『ほっとけコジゾウくん』以降は1、2巻程の打ち切りを連発するようになってしまう。挙句、続編として『つるピカハゲ丸21』を別コロで連載したものの、そちらも1年程度でひっそりと終わってしまう。
そして『21』と入れ替わりに連載が始まったあっぱれメガバカBoysに至っては 「コロコロで嫌いな漫画トップ」という不名誉な称号 を取ってしまったことを打ち切り直前に自虐ネタにまでしている。
また実生活でも親戚が次々に亡くなるという不運に見舞われた挙げ句、豪遊しすぎたツケを払う形でつるセコで稼いだ財産もハゲ丸御殿も失い、マンネリ化した作風と家庭を顧みなかったことから家族にも愛想をつかされた末、とうとう妻が娘たちを連れて家出してしまい家庭崩壊までしてしまった……そして残ったのは借金のみという漫画家悲惨物語を味わう羽目になったという。
追い打ちとばかりに、編集者にも「面倒見きれません、得意のつるセコ精神で頑張ってください」と斬り捨てられたという逸話も。このあたりの経緯は「コロコロ創刊伝説」を読もう。

しかしコロコロ系列でハゲ丸の続編やスピンオフの連載を始めると人気が回復。現在では若い人たちにも「つるセコ」が広まりつつある。


というわけで、追記もつるピカハゲ丸くん、笑って笑って修正めいじん!

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最終更新:2025年06月05日 00:34