銀河特急 ミルキー☆サブウェイ

登録日:2025/07/26 Sat 18:04:10
更新日:2025/08/15 Fri 12:31:04
所要時間:約 6 分で読めます








銀河の底辺、全員集合!

暴走列車をくいとめろ!



『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』は2025年7月から放送されているテレビアニメ。
原作、監督、脚本、キャラデザ、音響監督、制作は全て亀山陽平。
企画制作はシンエイ動画。製作はタイタン工業。

主題歌はキャンディーズの「銀河系まで飛んで行け!」。
ほんとにそんな楽曲があるのか?と思われがちだが、キャンディーズ引退決定後の1977年12月に発売されたLP-BOX『CANDIES 1676 DAYS〜キャンディーズ1676日〜』で初公開されたもので、かなりマイナーなものを引っ張り出してきたといえよう。
キャンディーズの楽曲がアニメの主題歌に使われるのは史上初。
挿入歌は「ときめき☆メテオストライク」で、水無瀬ミナミ(CV.田村ゆかり)が歌唱を担当。

概要

前身となったのは亀山の卒業制作として公開された自主制作アニメ「ミルキー☆ハイウェイ」。
本作はその続編にあたり、キャラクターはそのまま続投していてストーリーも地続きとなっている。

3分という短尺アニメながら、
  • サイケデリックかつどこか懐かしさを感じる質感の背景
  • 高クオリティかつ精緻なグラフィック
  • 尖った癖を持つキャラクターのビジュアルと個性的なキャラづけ
  • 自然体でありながら聞き取りやすい声優の絶妙な演じ方

これらの点が評価され着々と話題を広げている。

キャラクターが同時に喋ったり、カメラの外でボソボソと喋るシーンが多いのも特徴。
一度で完全に台詞を把握するのは困難だが、その一方で何度も繰り返して視聴して台詞を確認したり、字幕付きで一時停止しながら視聴したり、他の言語*1に切り替えて視聴したりと様々な楽しみ方があり、気がついたら長時間に渡って視聴していたという感想も多い。
公式がYoutubeに上げているショート動画ではその辺りの字幕も出るため要チェック。

ファッションビルのPARCOとコラボしており、30秒の短編ムービーが公開されている。


ストーリー


「要は刑務所パンパンだから代わりに社会奉仕活動して償えってことっしょ?」

「まーそういうことなんですけど」

+ ※正式なストーリー。※ネタバレを含むので「ミルキー☆ハイウェイ」を視聴後に開くことを強く推奨
銀河道路交通法違反で逮捕された強化人間のチハルとサイボーグのマキナ。
同じタイミングで警察に捕まった、強化人間のアカネとカナタ、
サイボーグのカートとマックスらクセのあるコンビを集め、
警察官・リョーコが全員に課したのは、奉仕活動として惑星間走行列車・
通称”ミルキー☆サブウェイ”の清掃をすること。
簡単な任務だったはずが、突如暴走し始める”ミルキー☆サブウェイ”!
車内で慌てふためくメンバーたちは、
やがて大事件に巻き込まれていってしまう!
意図なし、主義なし、主張なし!
ノリで乗り切る前代未聞の
スペーストレインスペクタクル!!


(公式サイトより引用)



用語


ミルキーサブウェイ

作中の鉄道会社「宙武鉄道」が保有する惑星間走行列車。正式名称はAM24。お好み焼きやゲロみたいな味の液体弁当の自販機*2の置かれた食堂車がある他、車内には「禁煙」「重火器・砂糖の持ち込み禁止」といったシールが貼られている。
製作会社はタイタン工業。このアニメの製作会社と同名である。
かなり老朽化している現役の民間用列車で大勢の乗客に使われているため、社会奉仕による恩赦のため囚人が車内の清掃を行っている。実は清掃を行っていた囚人同士で殺し合いが起きた都市伝説が存在する。あと駅が新きさらぎ駅だし(隣駅は新小竹向原と新練馬
列車をコントロールするには、制御装置のキーが三つ存在しないといけないため、暴走後は足りない残り一つのキーを探すため一同が奔走している。マキナ曰くロボットに変形する機能も有している、らしい。

銀京府警察

作中の警察組織で、作中ではネオ町田署が登場。ポッピーという名前のピ〇ポくんに酷似したマスコットキャラ*3が存在している。
無人化が進んでいるのか、ドローン(警察車両)を主に運用している描写があり、生身の職員はリョーコしか登場していない。
治安維持組織ではあるが、前作「ミルキー☆ハイウェイ」ではやたら発砲のハードルが低い様子などが描写されている。
なお、刑務所の収容キャパシティは足りておらず、犯罪者は更正プログラムとして一定期間の社会奉仕活動さえすれば野放しになるらしく、治安の悪さが伺える。
また、職員のリョーコ曰く、自分の住んでるエリアでは殺しは違法らしく、まるで合法なエリアがあるような言い方である。

強化人間

赤い肌に触覚と長い耳を持つ亜人っぽい人間。遺伝子組み換え人間とも呼ばれている。
例えるならドラゴンボールのジースにピッコロの触覚が生えているといった感じ。
基本的に宇宙服なしで宇宙空間を普通に喋ったり動けたりすることができ、それ以外はほぼ人間と同じ。

サイボーグ

外見は多種多様で顔が普通の人間っぽい者も居れば、完全な異形頭も居る。また声も電子音になっている者も居れば普通の声の者も居る。
サイボーグは生身の人間が宇宙に適応するための手段の一つだが、サイボーグ化は初期投資や維持費が非常にかかる。
そのため、サイボーグになるには潤沢な資金を投じてなるか、安価だが信頼性の低い違法手術を頼るか、軍役について無償で手術を受けるかの三パターン存在する。

登場人物


  • 九条 千春(チハル)
声優:寺澤百花 (ミルキー☆ハイウェイ:文月瑞輝)
強化人間の女性。性格はマイペース。
警戒心が薄くダメな男に引っかかりやすいのか、昔デートで6時間も待たされてすっぽかされても、後から風邪をひいていただけと言われればあっさり許してしまい、持ち物を壊されても弁償をさせない*4など、優しくも非常に甘く隙の多い性格をしている。。
暴走して「ヤンキーモード」に入ってしまうマキナに巻き込まれて何度も警察のお世話になっているが、それでも一切子供の頃からマキナとの付き合いを一切やめようとしない優しさがある一方で、逆に言えばすぐに暴力に走ってしまうマキナを傍観し続けていたということでもあり、リョーコからは「マキナを止めないあなたも悪い」と注意を受けており、その時に貰ったバッジ*5を服に付けている。

  • 来栖 真希菜(マキナ)
声優:永瀬アンナ (ミルキー☆ハイウェイ:小林花菜)
サイボーグ。一人称は「ウチ」か「あーし」。性格はかなりガサツ。かつ異様に攻撃的
リョーコ曰く「すごいとこの出身」であるが、本人はそう言われて露骨に不快感を示すなど、何かしら訳ありの出自*6が仄めかされている。
基本的に他人を見下しており、すぐに手の出る危険人物で、チハルも強く止めようとしないせいで、過去に17回も警察のお世話になっているらしい。むしろよく野放しになってたものである。
取り調べの直前では「そもそもチハルがドライブに誘ったのが悪い」などとかなり無理筋な愚痴をチハルにぶつけていたが、彼女の事は憎からず思っているようで、前述の補導歴の中には、前述のチハルとのデートをすっぽかした男を失神に追い込んだり、彼女をナンパしに来た男を5人まとめてボコボコにしたりと、やってることが過激すぎるとはいえ、隙が多すぎる彼女を守ろうとしての行動が少なくない模様。
顔面はディスプレイとなっていてリアルタイムに映像を切り替える形で表情を作っているほか、一般的なテレビ画面としても使用可能。ちなみに時折走査ノイズが走るため、惑星間航行が可能な世界観にもかかわらずブラウン管ディスプレイと思われる。*7
過去にはディスプレイすらない機械的な頭部だった模様。
身体にも武器が仕込まれており、警察車両(ドローン)を撃ち落とした光線銃やカナタを硬直させた電撃など危険な装備が揃っている。

一見すると中学生か高校生くらいの少女に見えるが両者の年齢は23歳。*8
学生時代からの付き合い、と解説されているため少なくとも学生ではなく社会人と思われる。
(ただし警察署では「逮捕」ではなく「補導」という言葉を使われているため、そのあたりは判然としない)

二人の罪状は前作の「ミルキー☆ハイウェイ」で描かれており、スピード違反に加えて公務執行妨害、及び警察車両爆破。
他と比較するとぶっちぎりの重罪であり他の四人からはドン引きされている。

  • 勘崎 両子(リョーコ)
声優:小松未可子
銀京府警察ネオ町田署に勤務する警察官。予告編で自称して曰く「哀しい公務員」。
外見的には通常の人間と代わりなく、それ故か他のサイボーグや亜人系と異なり宇宙に近い場所ではヘルメットと手袋をしている。
実は元ヤンで気だるげな口調で話すが、言っていることは警官としてまともで、ぶっきらぼうながらチハルとマキナを親身に諭す場面もある。
名前の由来は某派出所の巡査長か。

  • 大道寺 朱音(アカネ)
声優:金元寿子
強化人間。作中で一番の長身かつ大柄な女性。服装も革ジャンで暴走族っぽく、実際にカナタからは「総長」と呼ばれている。片方の触覚が半分しかない。
だが外見とは裏腹に言動は割と大人しめで口数が少ない。リョーコの呼びかけにもきちんと返事をしている。リョーコも彼女に対してはちゃん付けで呼ぶなど物腰がいくらか穏便になっている。
力も強く、プラスチックスプーンを投げて地面に突き刺せるほど。マキナと一戦交えた際は、終始マキナを圧倒するなど腕っぷしも強い。
マキナと同じくアイドルの水無瀬ミナミちゃんを推しており、耳につけたファンクラブの限定キーホルダーがきっかけで意気投合した。

  • 岩男 鉄多(カナタ)
声優:小市眞琴
強化人間。男だがかなり小柄。背中側に大きく「川崎」と書かれたシャツを着ており、立ち振る舞いが昭和のヤンキーぽい。
しかし腕っぷしは弱く、親の過保護な教育が嫌でグレたのだが、結局アカネにも過保護な扱いを受けている。
アカネを「総長」と呼ぶ。
作中では二度も電撃の餌食になったりと、損な役回りが多い。

アカネ、カナタの両者の罪状はスピード違反。


  • Kurt FitzgeraldCramer(カート)
声優:内山昂輝
サイボーグ。顔だけを見ればマスクを着用した人間だが、体は機械となっている。
ダウナー気味な喋り方が特徴。

  • Max O’Donald Maccallis ter(マックス)
声優:山谷祥生
サイボーグ。カートと異なり顔も金属のプレートで覆われた完全機械。
しかしヘアスタイルを気にしたり恐い噂を緩い雰囲気で話すなど、人間味がある。
ハッキングが得意なようで、警察の設備ですら掌握できる。

カート、マックスの両者の罪は砂糖*9の不法所持。
両名とも実は軍隊出身で、サイボーグ化も軍役の際に行っている。
二人とも自分たち以外の他人に対しては無関心で、暇さえあればゲームをして時間を潰している。
現在は清掃業など普通の仕事をしていたが、誰にも感謝されずに機械扱いされるのが嫌になり、今は防衛サービス、平たくいえば便利屋のようなものをやっており、場合によっては殺しもやっているらしい。
「砂糖」に関してもそれと知らずに持たされていたとのこと。

名前の由来は二人揃って世界的飲食チェーンだろうか。


  • オータムちゃん
ミルキーサブウェイに設置されている女車掌型ロボット。
ただ、ロボットといっても昭和時代にありそうな塗りの甘い置き物のような外見で首以外は動かず、作中では既にガタが来ているのか同じ言葉を繰り返して話すなど、まともに機能していなかった。安全確認ヨシ!
一方で飛びまくっていた音声案内が発車時にいきなり鮮明になったり、意思のあるような動きで二人を認識するシーンがあるなど、不気味な雰囲気も漂わせている。

  • 排除くん
ミルキーサブウェイに設置されている箱型の警備ロボット。不審人物や危険人物を排除する役割を持つ。
前面には笑っている顔が張りつけられており、呼び込み君を彷彿とさせる間の抜けた音楽を無限に垂れ流し続け、マキナたち一行を苦しめている。
排除する際は電気ショックのついたテーザー弾らしきもので相手を硬直させているが、似たような機構を持つマキナの物より効果時間が長く、二発食らったカナタは一時間近く硬直し続けていた。
なお、排除くんのBGM一時間耐久動画が公式から出されている。公式が病気シリーズ

主題歌

OP:銀河系まで飛んで行け!/キャンディーズ
第1話はエンディングテーマ


追記・修正は全言語の視聴をコンプリートしてからお願いします。


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最終更新:2025年08月15日 12:31

*1 日本語、英語、インドネシア語、スペイン語、タイ語、ヒンディー語、フランス語、ポルトガル語(ブラジル)、ロシア語、中国語、韓国語の10カ国語に切り替え可能

*2 お好み焼きの料金が¥0.182だったりと円の価値が違う模様

*3 ピ〇ポくんに二本の触覚を生やして、強化人間と同じく赤い肌をしたようなデザイン。

*4 こちらに関しては悪気があったわけではなく壊した本人も謝っていたりとそれなりに許す理由はある。

*5 銀京府警のマスコットキャラと「ことわるゆうき」の標語が書かれた、小学生向けに配布されてるもの。

*6 劇中のサイボーグ化には高額な金がかかる上に、頭部も過去に換装しているあたり、実はかなり裕福な家庭のお嬢様なのではないか、という推察もある。

*7 強化人間が液晶の色を認識できないため、この世界ではブラウン管が使用されている。

*8 中学が少なくとも5年以上あったり暦も18月が登場しているなど、地球とは周期が違う可能性あり。

*9 隠語や置き換え語のようにも見えるが、公式サイトによると、砂糖そのものが無許可での取り扱いが禁止されているとのこと