登録日:2024/10/31 (木) 00:00:00
更新日:2024/11/21 Thu 00:19:48
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HALLOWEEN
「ハロウィン」(原題:Halloween)は1978年に公開された
アメリカのホラー映画。
監督は後に
遊星からの物体Xなどを手掛けるジョン・カーペンターで、脚本はカーペンターと、当時の恋人で共同作業者だったデブラ・ヒルが執筆。
配給はコンパス・インターナショナル・ピクチャーズで、日本国内ではジョイパックフィルムが配給を担当した
概要
ホラー映画の中でも
殺人鬼を主体とした所謂“スラッシャー映画“の草分け的存在として知られる一作。
30万ドルという低予算ながら監督自身が手掛けた効果音を始めとする巧みな演出や作品の象徴となる殺人鬼・ブギーマンことマイケル・マイヤーズの当時としては斬新なキャラクターで好評に繋げ、アメリカ国内だけで4700万ドル、世界的には7000万ドルの興行収入を記録する大ヒットとなった。
以降、本作の続編を始めとして猟奇的な殺人鬼が暴れ回る作風の映画が数多く制作されることとなり、“スラッシャー映画“という一大ジャンルの確立にも至った。
ただし本作は後発作品に比べると残虐な描写は寧ろ控え目であり、日常との対比や心理的な効果によって恐怖を演出している。
2006年には「文化的、歴史的、美学的に重要」としてアメリカ議会図書館のアメリカ国立フィルム登録簿に登録された。
あらすじ
1963年
ハロウィンの夜、イリノイ州ハドンフィールドで僅か6歳のマイケル・マイヤーズが10代で姉のジュディスを
包丁で刺し殺す衝撃的な事件を起こす。
それから15年後の1978年10月、マイケルは精神病院から脱走し、担当精神科医のサミュエル・ルーミスはマイケルを追ってハドンフィールドへと向かう。
そのハドンフィールドでは学生でベビーシッターのローリー・ストロードが自分の近くに不気味な白いマスクを被った男の姿を見ていた。
その男こそがマイケルその人であり、彼の手によってハロウィンの夜に再び惨劇が訪れる。
登場人物
演:ニック・キャッスル/トニー・モラン/ウィル・サンディン(幼少期)
本作の象徴たる殺人鬼。
6歳の時に姉を包丁で刺し殺して精神病院に収容されるが15年後に担当医のルーミス等が乗り付けてきた乗用車を奪って逃走し、道中で修理工のツナギを奪ってハドンフィールドに舞い戻る。
金物屋から盗み出した不気味な白いマスクを被って学生のローリーをつけるようになり、ハロウィンの夜に彼女の友人達を残忍に手にかけていく。
無口・無表情・怪力・不死身・マスク姿というマイケルのキャラクターは後のホラー作品における悪役の造形に大きな影響を残した。
尚、余りにも不気味なマイケルのキャラクターは、実際にカーペンターが精神病院に行く機会があった際に感情の消えた入院患者を見て心底怖かったことから生まれたキャラクターとのこと。
ローリー・ストロード
演:ジェイミー・リー・カーティス 吹替:藤田淑子
本作のヒロインでベビーシッターをしている女子学生。
自身の近くに現れては消えるマイケルの姿に不安を覚えつついつも通りに過ごしていたが、ハロウィンの夜に友人達を殺して迫り来るマイケルを目の当たりにし、自分と子ども達を守る為に勇敢に立ち向かっていく。
尚、カーペンターとデブラが本作を製作するにあたり、念頭に置いていたのはヒッチコックの『サイコ』であったのだが、ジェイミー・リー・カーティスは幼少期に別れたとはいえ、その『サイコ』のヒロイン(?)であり、元祖“絶叫クイーン”のジャネット・リーの実の娘であった。
その事実に後から気づいたカーペンター達が大喜びしたのは勿論、本作のヒットにより、これがデビュー作ながら顔が売れたジェイミー・リー・カーティスもまた、新たなる“絶叫クイーン”としてのキャリアを積んでゆくことに。
サミュエル・ルーミス
演:ドナルド・プレザンス 吹替:石田太郎
マイケルを担当する精神科医。
「善悪を判断出来ない」というマイケルの異常さを指摘し、彼を厳重な監視に置くべきだと重ね重ね主張していたが受け入れられることはなかった。
予見通りにマイケルが脱走すると逃亡先をハドンフィールドに絞り、彼の凶行を止める為に懸命に捜索する。
尚、当初はピーター・カッシングやクリストファー・リーといった大物を念頭に置いて交渉したそうだが、当時のカーペンターが無名で何よりもギャラが安かったことから断られてしまっている。
……が、映画が成功した後にデブラ・ヒルは再び顔を合わせる機会があったリーから「出なかったことを後悔してる」と直々に伝えられたとのこと。
アニー・ブラケット
演:ナンシー・ルーミス 吹替:弥永和子
ローリーの親友で同じく学生のベビーシッター。
保安官のリー・ブラケットの娘だが、自由奔放な性格。
ハロウィンの夜ではボーイフレンドのポールを迎えに行こうと車に乗り込んだところで後ろに潜んでいたマイケルに殺害されてしまう。
リンダ・ヴァン・デル・クロック
演:P・J・ソールズ 吹替:小谷野美智子
ローリーの友人の一人。
軽薄な性格で殺人鬼のマイケルがうろついていることなど知る由もなくボーイフレンドのボブ(演:ジョン・マイケル・グラハム)と楽しくイチャイチャしていたが、ボブ共々同じ家の中でマイケルの手にかかることになる。
トミー・ドイル
演:ブライアン・アンドリュース 吹替:池田真
ローリーがシッターを務める家の少年。
伝説上の怪物・ブギーマンを恐れており、それを口にする度にローリーに一蹴されていた。
ハロウィンの夜に現れたマイケルの不気味な姿を見て、彼こそ“ブギーマン”だと確信する。
ジュディス・マイヤーズ
演:サンディ・ジョンソン
マイケルの姉。
1963年のハロウィンの夜に僅か6歳の弟マイケルに包丁で滅多刺しにされ、10代の若さで生涯を閉じる。
シリーズ
ヒットしたホラー作品のご多分に漏れず、本作も多くの続編が作られシリーズ化されるに至ったが過去の続編から世界線を分岐させて制作された作品もあるため、鑑賞の際には注意が必要。
またオリジナル一作目の本作とはパラレルワールドのリメイクシリーズもある。
作品一覧
- ハロウィン(1978年)
- ハロウィンII(1981年)
- ハロウィンIII
- ハロウィン4 ブギーマン復活
- ハロウィン5 ブギーマン逆襲
- ハロウィン6 最後の戦い
- ハロウィンH20
- ハロウィン レザレクション
- ハロウィン(2007年)
- ハロウィンII(2009年)
- ハロウィン(2018年)
- ハロウィン KILLS
- ハロウィン THE END
作品の連続性
世界線1
ハロウィン(1978年)→ハロウィンII(1981年)→ハロウィン4 ブギーマン復活→ハロウィン5 ブギーマン逆襲→ハロウィン6 最後の戦い
世界線2
ハロウィン(1978年)→ハロウィンII(1981年)→ハロウィンH20→ハロウィン レザレクション
世界線3
ハロウィン(1978年)→ハロウィン(2018年)→ハロウィン KILLS→ハロウィン THE END
リメイク版の世界線
ハロウィン(2007年)→ハロウィンII(2009年)
その他
ハロウィンIII
- まさしくハロウィンに立てられるべき項目かw -- 名無しさん (2024-10-31 00:47:39)
- 1作目の静かで、不気味な雰囲気が好き。同じ「マスク殺人鬼」が活躍する13金や悪魔のいけにえとは、また違う怖さがある。 -- 名無しさん (2024-10-31 00:55:37)
- マイケルは個人的にサイコパスキャラかくあるべしってお手本のように思う。ローリーには執着してるけど、基本的に殺人に対して何の感慨も抱いてない。単に足が欲しいからとか、移動中に目についたからとか、とにかく淡々と人殺ししてる。変に高笑いしたり殺人が好きなアピールしたりするんじゃなくて、作中で言われてる通り善悪の区別がついてない異常者って感じ。こればかりは同じくホラー映画のスターであるジェイソンとかフレディとかレザーフェイスとかキャンディマンとかにもない魅力だと思う。 -- 名無しさん (2024-10-31 02:33:28)
- 亜流作品と思われる『ヘルウィン』に登場した殺人鬼トリックがマイケルとは別方向で厄介な殺人鬼だった -- 名無しさん (2024-10-31 09:24:54)
- ジェイソンシリーズみたいにこの調子で項目が充実してほしいハロウィンⅢ?知らない子ですね…… -- 名無しさん (2024-10-31 09:40:02)
- 黒歴史扱いされてるハロウィンⅢだけどあの気持ち悪いビジュアルは目を見張るものがあったと思う。最近だと「悪魔と夜ふかし」がそれっぽかったな。 -- 名無しさん (2024-10-31 14:09:06)
- ベイビー・ドライバーで強盗グループの一員が犯行用のマスク買って来させた時、「ハロウィンのマイケル・マイヤーズのマスクお願い」って指示したらハロウィンの仮装用のマスク買ってこられて「ハロウィンって映画のことだ!」ってキレるシーンがあったな -- 名無しさん (2024-10-31 14:27:17)
- 第一作のマイケルの顔が一瞬映るシーンが怖い。あれだけの事件と不死性を発揮しながら端正で何の変哲もない顔 -- 名無しさん (2024-11-02 10:59:17)
最終更新:2024年11月21日 00:19