アットウィキロゴ

SCP-6266

登録日:2025/12/10 Wed 19:22:02
更新日:2026/03/02 Mon 21:25:39
所要時間:約 13 分で読めます





SCP-6266とは、怪奇創作コミュニティSCP Foundationに登場するオブジェクトの一つ。
メタタイトルは「赤信号、青信号」
オブジェクトクラスはSafe。
セキュリティクリアランスはレベル2/Classified。
手順通りにすれば安全に収容可能で、財団の大部分の職員はアクセス可能となっている。


規則:特別収容プロトコル

まずは特別収容プロトコルから。
  • サイト-94の東側道路に設置されている。
  • この道路にはレベル3スタッフを除いて立ち入り禁止。
  • レベル3スタッフは他の財団サイトへ異常オブジェクトを輸送するためにオブジェクトを使える。
情報クリアランスはレベル2なのに接近はレベル3の職員以上限定、なおかつオブジェクトの輸送に使われるあたり、
便利かつ安定して使用可能だが、簡単に動作させてしまえるオブジェクトらしい。


概要:ナニコレ?

こいつがなにかというと、標準的なVRCSS信号機、要は車両の通行制御のための信号機である。
ただし赤と青のランプだけしか点灯せず、黄色のランプは機能していない。

この信号機の青のランプが点灯中に下を車両で通行することで異常性が発動し、
白い閃光と共に、車両は搭乗者の思い浮かべた場所へと瞬時にワープする。

つまりは車限定のワープ装置。しかも動作条件は「ランプが青」と「車両で通過」のみという条件の緩さ。
それだけで任意の地点にオブジェクトと輸送車両ごとワープできるのだから、財団としても使わない手はなかったのだろう。
報告書に記載がない以上、謎動力による動作や自発的な移動なども起こさないのだろう。道路上から外しておけば安全に収容しておける。
勝手にうろうろする無機物ばかりの財団世界からすれば、実に模範的な器物系Safeオブジェクトである。


調査:実験ログ

なんとも便利なオブジェクト。とはいえ、他に隠された異常性があってはいけない。
研究主任のマイケル・セフィラフ博士を中心として、結構な数の実験ログが残されている。

被験者: マイケル・セフィラフ研究員*1

希望した目的地: サイト-19。

実験記録: セフィラフ博士は青信号になるのを待ってからSCP-6266の下を走行した。その後、セフィラフ博士と彼の車はサイト-19の駐車場で発見されたが、特に異常は見られなかった。

1番初めの実験記録。至極あっさりと転移に成功している。
発見経緯がなくいきなりセフィラフ博士が転移していること、転移先が多数のオブジェクトを収容している重要サイトなサイト-19だったことを考えると、
この時初めて異常性が発生し、普通に車を使ってサイト19に移動しようとしていたセフィラフ博士はその効果で転移したのだろう。
……じゃあ実験記録じゃなくて発見経緯に記録していいんじゃないかなこれ。


被験者: D-8812

希望した目的地: サイト-94の駐車場。 車両には作動中のVCRSS信号機とバッテリーが積載されている。

実験記録: D-8812は青信号でSCP-6266の下を走行し、サイト-94の駐車場に出現した。突然、車内の信号機が複製され始め、やがて車両は信号機に埋もれた。
危険を察知したセフィラフ博士がサイト-94からスクラントン現実錨を持ち込み、本体を除く全ての信号機を消滅させた。
D-8812は間一髪で車両から脱出した。問題の信号機はその後収容された。

貴重な博士を消費しないためにも、きちんとDクラスで事前調査。
いきなり想定外の異常性が発生した。というかなんで作動中の信号機積んで運転させたんだ。
危機一髪で逃げだしたDクラスも爆速で対応したセフィラフ博士もすごいが、なぜスクラントン現実錨なんて持ち出したのだろうか。
記事のタグには現実改変の記述がないこともあり、いまいちわからない。


被験者: D-8812

希望した目的地: スリー・ポートランド 被験者は指示を無視したと思われる。下記参照。

実験記録: D-8812は、SCP-6266の下を走行しながらスリー・ポートランドに向かうことを考えるように指示された。
自然転送されたD-8812と車両は同じ道路の100mほど後方に移動した。D-8812はその後、サイト-94の研究員らを轢こうと試みたが成功しなかった。
車両はその場で機動部隊による銃撃を受けて機能しなくなり、停止した。D-8812はサイト-94の独房に戻された。

前回の実験で危機一髪だったDクラスの逆襲が発生。信号機に埋もれて死にかけたことから「近寄りたくない・もっと離れていたい」とでも考えたのだろうか。
直後に博士たちを轢き殺そうとしたあたりは実にDクラスらしいともいえる。その場で終了されなかったのは幸か不幸か、だが。

このアノマリーの実験は、一般スタッフか、もしくは -仮に見つけられるなら— 信頼できるDクラスだけで行うべきだということがよく分かりました。 — セフィラフ博士

残当。そんな貴重なDクラスがいたとしてもこの実験に回されるかはわからないが。


被験者: キャメロン・アベット博士

希望した目的地: サイト-22の駐車場。 車両にはGPSが積載されている。

実験記録: アベット博士は青信号でSCP-6266を通過した後、サイト-22の駐車場の空いた位置に出現した。GPSでは、アベット博士が未知の手段でグリーンランドを通過し、北極を横断し、ロシアのウラジオストクにあるサイト-22に乗り入れるまでが記録された。

結: 実に興味深いですね。これまで、車両と乗客は目的地に即座に再出現すると考えられていました。しかし、今回の実験は、現象自体の瞬間的な性質とは裏腹に、車両が目的地までごく普通に走行してきた可能性を示しています。 — セフィラフ博士

今回からは博士クラスが調査を担当。珍しくGPSが仕事をしている。
GPSは衛星軌道の複数の人工衛星が発する信号のわずかなずれを元に位置を算出するのだが、原理上空間転移や時間停止など移動中の電波が受信できない状態では機能しない。
つまり、車両自体は異常なルートを普通に走行し、その過程が消し飛ばされた可能性が生じてきた。

オーケイ、そりゃ実に素晴らしい話だが… 俺はどうやって帰ればいいんだ? — アベット博士

ちなみにサイト92はカナダ~アラスカ付近にあるらしい。帰りの旅費は経費扱いで落ちるのだろうか?


被験者: フェリックス・O・U博士

希望した目的地: ユーテックの街路。 車両には携帯式スクラントン現実錨が積載されている。

実験記録: フェリックス・O・U博士は青信号でSCP-6266を通過した。フェリックス・O・U博士の車両は浮遊して回転し始め、やがて内破して現実世界から消失したため、実験は決定的な結果を得られなかった。フェリックス・O・U博士のカメラには、廃品置き場の壊れたソファに横たわる彼の姿が記録されていたが、この場所は現在不明である。

結: ますます奇妙になっていく… — セフィラフ博士

信号機の増殖と現実錨による消滅の関係性、そして転移現象が現実改変によるものであるかを確かめるために実験。
どうやら現実改変が関わってはいるようだが、それ以外の効果も併せ持っていたらしい。
貴重な博士がまた行方不明になってしまった。


被験者: D-8812

希望した目的地: 不明。

実験記録: サイト-94で発生した収容違反に続いて、D-8812は独房を脱出した。D-8812は実験を通してSCP-6266の知識を得ていたため、パーク博士の車の鍵を盗み、脱走してSCP-6266の下を通過し、車両を消失させた。D-8812の現在地は不明である。

Dクラスの逆襲セカンドシーズン。なんともガッツのあるDクラスだったらしい。
とはいえ、財団とオブジェクトの存在を知るDクラス相当の人間が所在不明など許容できるわけがない。
ということで下記の実験に続く。


被験者: アンナ・パーク博士

希望した: D-8812の所在地。

実験記録: アンナ・パーク博士と財団の実験車両は、フランスのマルセイユへ転送された。到着時、車両はD-8812に衝突して殺害した。

対象を土地ではなく人物、それも所在不明な状態での動作確認を兼ねた実験。
結果、見事に轢殺してしまった。
対象の位置が不明でも大丈夫らしいが、本当に「対象の位置」に到着するらしい。
もしくは、車を盗まれたパーク博士が「轢いてやりたい」と考えていた可能性もあるが。


被験者: エリック・チャールズ博士

希望した目的地: 不明。

実験記録: サイト-94で開催された誕生日パーティーに続いて、チャールズ博士がアルコールの影響下で運転しているのが目撃された。彼はサイト-94の周囲を3周した。4周目で、SCP-6266の信号が青に変わり、その下を走行したチャールズ博士の車両は、博士と共に自然転送された。チャールズ博士はアルコール依存症治療施設に出現したと報告された。車両は瞬間移動後に使用できなくなっていたため、チャールズ博士は友人に電話して自宅へ送り届けてもらった。

なにしてんだこの博士。
明確に目的地を意識していない、酩酊状態での動作確認、と言えるかもしれないが……
というかコレ到着時にぶつけたか何かで車壊れてますよね?

結: 広く信じられているのとは逆に、これは意図的な実験だった。私はただアルコールに影響された人間がSCP-6266を使うとどうなるかを確かめたかっただけだ。今なら分かる、私のおかげでね。 — チャールズ博士

だったらサイトの周りを3周もしなくていいでしょうが。
飲酒運転は多くの国で重罪です。


被験者: Gallus gallus domesticus (ニワトリ)

希望した目的地: 不明。

実験記録: ニワトリはSCP-6266研究班によるGPS追跡が可能な遠隔操作車両に載せられた。青信号になった後、車両はSCP-6266の下を走行し、自然に転送された。その後、車両は鶏舎に衝突した状態で発見された。この結果、鶏舎からは数羽のニワトリが逃げ出していたが、負傷したニワトリはいなかった。サイト-94は鶏舎の所有主に全ての損害を補償した。

人間以外の動物で実験。おそらく無人運転ではオブジェクトが動作しなかったのだと思われる。
結果、無事にオブジェクトは作動した。運転者ではなく搭乗する生物の意思に反応するらしい。
動物系のオブジェクトの運搬には使わないほうがよさそうだ。

結: きっと、このニワトリは兄弟を救おうとしたんでしょう。面白いと同時に感動させられました。 — セフィラフ博士

……そうかなぁ?


被験者: Coeus.aic*2 人工知能用の試作ボディが与えられていた。

希望した目的地: 不明。ただしCoeus.aicは自分の行きたい場所を考えるよう指示されていた。

実験記録: 指示通り、Coeus.aicは車両を走行させ、SCP-6266の下を通過した。しかしながら、瞬間移動は発生しなかった。代わりに、Coeus.aicの人工的な身体が不活性で身動きしていないのが確認された。Coeus.aicは試作機のメモリーカードから発見されなかった。Coeus.aicの現在地は不明である。

結: オーケイ、えーと、最新情報です。Coeus.aicの意識はサイト-94の食堂にある電子レンジで発見されました。どうやら新しい家がお気に召したようです。喋る電子レンジが手に入りましたね、やれやれ。 — セフィラフ博士

生物ではなく電子知性体での実験。遠隔操縦ではなく本人を乗せて行ってみた。
結果、AIの「中身」だけが転移してしまった。
AIである彼がいったいなぜ電子レンジへと入りたかったのかは不明だが、物理的な移動以外にも対応しているようだ。
……AIにすら反応して起動した以上、動物に限らず意思のあるオブジェクトの運搬は不測の事態を起こしかねない。


被験者: マイケル・セフィラフ研究員

希望した目的地: 遥か後ろへ下がる。

実験記録: セフィラフ博士は問題なく自然に転送された。しかしながら、セフィラフ博士と車両は何処からも発見されず、間もなく行方不明と報告された。

ついにセフィラフ博士も行方不明になってしまった。
後方へ移動、と言うだけならD-8812が既に行っているのだが、何を思ってのことだったのだろうか。

数日後、SCP-6266の実験に関連する可能性のある、紀元前3万年まで遡る先史時代の壁画が新たに発見された。壁画の発見に立ち会った考古学者全員にクラスC記憶処理が施された。


とか言っていたらご覧のありさまだ。
原文では「Going way back.」となっており、way backには「後ろへ下がる」の他にも「遥か昔に」という意味がある。
何らかの異常性に気付いていたセフィラフ博士は、実証を兼ねて意図的にこの動作を起こしたと見ていいだろう。
……その結果CKクラス再構築シナリオが発生しかけたのだからたまったものではないが。


考察:つまりこいつって?

発生させている結果としては「車両の瞬間移動」が主な効果だが、実験ログでGPS信号が記録されていたこと、AIエージェントが電子レンジに入ったことを考えると、
乗り物に乗った知性体を望みの場所へと移動させ、「その過程と時間を消し飛ばす」のではないだろうか。
例えるならSCP-010-JPのように、必要な過程を手動で実行させてその結果だけを現実に反映するような。

酔っぱらった博士や鶏が運転手の際に事故を起こしたのは、到着時にブレーキを踏むような思考がなかったため。
最後のセフィラフ博士の実験は到着希望が「過去」だったために、他の実験のように「現在から未来への時間」ではなく「現在から過去への時間」を消失させることで時間転移を行ったと思われる。

あくまで上記は一つの考察であるので、より的確な考察があれば是非とも修正をお願いしたい。
SRAの関係や増える信号機についてはさっぱりなので。


結: タイムパラドックスを回避するため、SCP-6266の今後の実験は中止とする。 — デルタ-T*3

便利なだけのマジックアイテムなんてそうそうない。



SCP-6266 Red Light(赤信号) , Green Light(青信号)




追記修正は、青信号の時にお願いします。





この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2026年03月02日 21:25
添付ファイル

*1 おそらく研究担当の意

*2 AIADハブより、財団IT部門 人工知能適用課所属のAIエージェント

*3 時間遡行能力を持つオブジェクトに対抗するための部門