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オールド・ボーイ(映画)

登録日:2026/01/07 Wed 22:22:11
更新日:2026/03/16 Mon 01:27:07
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グレイト!
最高に素晴らしい!
━クエンティン・タランティーノ━


すべての人々の想像を超える、
ノンストップ・ヴァイオレンス・アクション!



『オールド・ボーイ(原題:올드 보이/英題:Old Boy)』は、2003年11月21日に公開された韓国のクライムサスペンス/バイオレンス映画。
監督はパク・チャヌク。

日本での公開は2004年11月6日。配給は東芝エンタテインメント(現・博報堂DYミュージック&ピクチャーズ)。レイティングはR-15指定(現・R15+)。
また、日本では2022年5月6日にも4Kリマスター版がKADOKAWA配給・R18+で劇場公開されている。

国際的にも高い評価を受けており、第57回カンヌ国際映画祭にて審査員特別グランプリを、第37回シッチェス・カタロニア国際映画祭でもグランプリを受賞した。

特に、上記のカンヌ国際映画祭で審査委員長を務めていたクエンティン・タランティーノは自身も同ジャンルを得意としているとあってか本作の内容を絶賛しており、インタビューでは「できればパルムドールを与えたかった」とまで語っている。

また、ホラー作家の大石圭による同名のノベライズが、角川ホラー文庫より刊行されている。


【概要】

監督のパク・チャヌクによる“復讐三部作”の2作目に数えられている。

他の2作品とは違い、1998年から『漫画アクション』誌にて連載されていた、日本の漫画作品『ルーズ戦記 オールドボーイ』(原作:土屋ガロン*1/作画:嶺岸信明)を原案としている。
しかし、当然のように舞台設定が日本から韓国に変えられているのを始めとして、映画では多くの要素と設定が独自のものに変えられているため、物語の導入となるシチュエーションのみを拝借したと言っても差し支えのない関係である。
ただし、元から評価の高い作品ではあったのが映画の公開によりさらに知名度を高めることとなったのは確かであり、それが原作漫画の英語版の出版とアイズナー賞日本漫画部門の受賞にも繋がったのだと思われる。

また、ミステリーとしての要素の方が強い原作漫画に対して尺(漫画と映画という媒体の違いのみならず、劇中の経過時間も映画版では僅か5日間で黒幕まで辿り着いている)都合もあるが、映画ではミステリーである以上に同時に凄惨な場面と過激な展開が続くバイオレンス作品としての要素の方が色濃く、結末も非常にショッキングなものとなっている。

また、劇中にて幾度も使用される、エラ・ウィーラー・ウィルコックスの“笑う時は世界と一緒。泣く時はお前一人”“頭の先から足の先までお前の死体は地球のどこを探しても見つからない。俺が食いつくしてやるから”……など、いくつもの印象的な台詞が世界観に彩りを添えているのも原作とは大きく雰囲気の違うところである。


【物語】

ある激しい雨の夜。
今日は娘の誕生日でプレゼントも買っていたというのに、真っ直ぐに帰宅せずに酒を飲みにいったばかりか泥酔し、若いカップルにウザ絡みをした末にいざこざ(傷害事件と思われる)まで起こしたオ・デスは、補導されて交番まで連れてこられていた。

こんな状況にも関わらず全く態度を改めようとしないオ・デスは、迷惑をかけたカップルはもちろんのこと、警官達にも悪態をつく有様で娘の誕生日にもかかわらず、いつまでも帰してもらえない。
遂には交番の中で半裸で暴れまわる始末だったが、古くからの親友であるノ・ジュファンが迎えに来てくれたことでようやく帰れることに。

遅くなったこともあり、まずは電話ボックスから自宅へと電話をして娘と会話をするオ・デス。
一頻り話した後にノ・ジュファンが電話を替わりオ・デスの妻にキチンと連れて帰るからと答えていた隙に……オ・デスはどこかへと連れ去られてしまうのだった。

──その夜から、窓の無いワンルームマンションを思わせる密室でのオ・デスの監禁生活が始まった。
わずかに開いたドアからの食事の配給口から監視員に悪態をついたり掴みかかるが、当然のように相手にもされない。
自分はいつ出れるのか……監禁期間が長くなる程に絶望を強めていくオ・デスは、やがてTVを通して妻が殺害されたことと、その犯人に世間では失踪扱いとなっていた自分が仕立てられることを知る。

──監禁から数年が経過した。
オ・デスは悪戯に騒ぎ立てることをやめて復讐の為に自らを鍛え、TVを通して学べる全てを学び知識を蓄えることを始めた。
そして一方では自分をこんな目に合わせた犯人を探そうとする中で、過去に諍いを起こした相手を振り返りつつ平凡だと思っていた自分の過去が意外な程に荒れていたことを知る。
そして、配給の食事についてくる箸の一本を隠し持つと、それで外界に通じていると思われる方の壁を掘り始めるのだった。

──さらに数年が過ぎ、監禁期間は15年にも及ぼうとしていた。
相変わらずオ・デスは鍛錬とTVから知識を学ぶことを続けていた。
年齢こそ重ねたものの、かつての弛みきった三十路男の面影は感じられない、獣のように精悍な男となっていた。
そしてある雨の夜、遂に掘り進め続けていた壁の穴が外に通じる。
小さな穴から片手を差し出し、すくった雨を愛おしそうに舐めつつ、オ・デスは一ヶ月後を目標に外に出ることを誓う。
……しかし、奇しくもオ・デスが外に出される期限の方がオ・デス自身の手による脱出計画よりも先となったのだ。
いつものようにガスで眠らされる中で、外への希望に笑みを浮かべていたオ・デスの前に催眠術師と思われる女が現れ、何事かを精神の奥底に仕込まれた後に……
オ・デスは15年前にあの電話ボックスが設置されていたのと同じ場所に建てられていた大きなマンションの屋上の草むらの中の鞄の中で目覚め、15年ぶりに外界へと解放されるのだった。

果たして、オ・デスは自分を監禁した相手を探し出し、15年間も閉じ込められた理由を知ることが出来るのか……?


【主要登場人物】


■オ・デス

演:チェ・ミンシク/吹替:磯部勉
本作の主人公。
物語の開始時点では30歳で、妻子のある平凡なサラリーマンだった。
自分の名前にかけた()()当に毎日を()ごす」という、お得意のフレーズをドヤ顔で披露するなど、口ばかり達者なお調子者の鼻持ちならないタイプで、傲慢さが隠しきれていないいけ好かない男。
……しかし、ある雨の夜に誘拐され、正体不明の監禁施設に閉じ込められてしまい……15年も経った後に突如として解放されることになる。

上述のように、元来からあまり褒められる類の人間ではなく、傍目にも自堕落なのがうかがえる弛んだ見た目で性格も態度も悪く、昔から自分に非がある形で諍いを起こしてきたような人間であった模様。
監禁生活が続く中で自身でも己の下らない人間性を自覚すると共に自省こそしたものの、それはそれとして自分を監禁した相手への復讐を誓い、己を鍛え上げると共に唯一の娯楽であったTVを通じて学べる知識の全てを学び、かつての若くして中年太りしていたような血色の悪い弛みきった姿から見違えるような姿となった。

15年の監禁の内に解放された後、自分に寄り添ってくれたミドと共に自分を監禁して妻の命を奪った犯人(黒幕)を探すべく捜索を開始するが、それこそがオ・デスへの(●●)黒幕の真の復讐の始まりであった。

■ミド

演:カン・ヘジョン/吹替:山田里奈
本作のヒロイン。
数々の栄誉を獲得している、美しい容姿の若手の寿司職人。
何か“生きたものが食べたい”という理由で解放後のオ・デスが店を訪れた際に、ふと「手の温かい女の寿司職人は珍しい」という豆知識をオ・デスが口にしてしまったことと、TVでミドの顔を見知っていたことから話が弾み知り合うことになる。
その後、外に出たことでインフルエンザに罹患して気を失ったオ・デスを自宅に連れ帰って介抱。
久しぶりに女と接したオ・デスに襲われてしまい、この時には何とか抵抗こそしたものの、オ・デスが監禁中に記していた回顧録を読んでいてさらにオ・デスに惹かれていたこともあってか、黒幕探しに協力することにする。

■ノ・ジュファン

演:チ・デハン/吹替:石田圭祐
学生時代からのオ・デスの数少ない……恐らくは唯一の本当の友達。
前述の通りで、元々がろくでもない類の人間であったオ・デスに手を焼きながらも面倒を見てくれていた気のいい男であり、オ・デスが外界から隔離される直前にも酔って迷惑をかけたオ・デスの身元引受人として交番まで迎えに来てくれていたものの、すぐ隣にいたはずのオ・デスが拐われてしまうことになる。
15年前にはゲームセンターを、現在は同じ店舗を改装してインターネットカフェを経営しており、黒幕探しに行き詰まったオ・デスが危険を承知で助けを求めたことで15年ぶりに再会することになる。
……そして、オ・デスに対して核心となる情報を思い出させる切っ掛けを与えはしたものの……

■パク・チョルン

演:オ・ダルス/吹替:堀内賢雄
黒幕からの依頼で、オ・デスを15年間も監禁していた非合法の監禁ビジネスの業者の取締役。
オ・デスの監禁は、あくまでもビジネスとして行っていただけの業務の一環でしかなかったはずなのだが、そんな事情など知ったことではないとして、食事として監禁している相手に提供していた出前の餃子定食から監禁施設を突き止められたオ・デスに襲撃されてしまい、監禁生活の中で常人離れした戦闘能力を身につけていたオ・デスに配下のチンピラ共を倒された上に、自らも麻酔なしでネイルハンマーで歯を6本も抜かれるという凄惨な拷問を受ける。
出血多量で死にかけるも、オ・デスが集められたチンピラ達の中から同じ血液型(AB型)の輸血要員を募った上で緊急搬送を指示していたこともあってか一命を取り留める。
その後、手下達と共にオ・デスに復讐しようとするが……
実は作中でも最も狂ってるのはコイツ説。

■自殺志願者の男

演:オ・グァンノク/吹替:石井隆夫
マンションの屋上で解放されたオ・デスが初めて出会った、犬を連れて飛び降りようとしていた男。
15年ぶりに接触する人間が懐かしくて擦り寄ってきたオ・デスが自殺を止めようとしてくれたのだと思い、絆されて思い出話を聞いてやるが、いざ自分の悩みを話そうと思ったところで見捨てられてしまい、結局は飛び降りてしまった。
むしろ、オ・デスと出会ってしまったことで余計に絶望を深めたような不幸な男ではあるが、彼の残した“俺は獣にも劣る人間だが、生きる権利はあるんじゃないか?”という言葉は、オ・デスに天啓を与えることになる。

■ヨンジャ

演:パク・ミョンシン/吹替:朴璐美
凄腕の女催眠術師。
解放される前にオ・デスの深層意識に何事かの暗示をかける。
……黒幕の配下だったと思われるが、最後に真相に至ったオ・デスを救うことになる。

■イ・ウジン

演:ユ・ジテ/吹替:関俊彦
瀟洒な実業家。
……オ・デスを監禁した黒幕。
その目的を知るのが映画の主題となる。
“砂粒であれ岩の塊であれ水に沈むのは同じだ”


【リメイク版】

2013年にはハリウッド版のリメイク映画が公開された(日本ではブロードメディア・スタジオ配給で翌2014年6月28日に公開)。
元々は2009年にユニバーサル・ピクチャーズが権利を獲得し、スティーブン・スピルバーグやウィル・スミスが企画に興味を示すなど大きく注目されたものの、このリメイク版について原作漫画の権利を保有する双葉社から日本側の権利が無視されているとして韓国側を告訴する動きがあった。

この件により当初の企画は頓挫したものの、その後にマンデート・ピクチャーズが権利を獲得し、名匠スパイク・リーを監督に迎えて公開。
リメイク版の主演はジョシュ・ブローリン、エリザベス・オルセン、サミュエル・L・ジャクソンなど、豪華であると共にどこかMCUな配役である。




俺は獣にも劣る人間だが…追記・修正する権利はあるんじゃないか?

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最終更新:2026年03月16日 01:27

*1 狩撫麻礼の別名義のペンネームのひとつでもある