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SCP-4800-JP

登録日:2026/02/02 Mon 00:42:37
更新日:2026/08/07 Fri 01:27:46
所要時間:約 6 分で読めます




SCP-4800-JPとは、創作コミュニティサイト『SCP Foundation』に登場するオブジェクトの一つである。



概要

SCP-4800-JPは、19██/01/04に、██山の断崖から投身自殺を行った日野 和子である。外見上は10代後半の少女であり、白帷子(しろかたびら)、つまり死装束に似た服を着ている。彼女は、██山の麓にある██村の出身であり、豊猟祈願のための生贄に選ばれたという。

さて、この少女だが、「投身し、崖下の地面に激突し死亡する」というのを反復し続けている。落下後、SCP-4800-JPが断崖の先の空中に再出現し、また落下し、また出現し……といった感じだ。ちなみに、落下した肉体は飛散するが、その肉体は崖下に残っている。砕けた肉体が合体している訳ではなく、肉体が新たに出現しているようだ。
なお、SCP-4800-JPの投身自殺は、どうやっても止められない。財団は自殺を妨害しようとしたが、物質の透過、機器の破損などによって全て失敗しているという。
また、SCP-4800-JPが死亡してから再出現するまで、336.00時間(ちょうど14日)の間が開く。しかし、SCP-4800-JP自身はこの空白期間を認識できない。つまり、SCP-4800-JPの視点では、彼女は連続して投身自殺をしているのだという。

ちなみに、SCP-4800-JPは、以前に死亡したSCP-4800-JPの記憶を引き継いでいる。この性質のため、時間はかかるが、インタビューも可能ではある。なお、SCP-4800-JPには、生理現象や肉体の成長が確認されないようだ。

ところで、これは豊猟祈願の生贄だったが、彼女の自殺により、実際に野生鳥獣の捕獲頭数が向上していたらしい。一体なぜだろうか?


インタビュー

SCP-4800-JP(「対象」)にインタビューが行われた。このインタビューだが、恐らくSCP-4800-JPが落下している途中の数秒間のみを用いて行われている。よって、一度に交換できる情報は一言程度だ。しかも、財団側からすれば、14日の間隔が開いている。非常に長い期間を有するインタビューである。実際、財団のインタビュアーも2回交代している。

以下がインタビューである。さて、ちょっとメタいことを言うと、このインタビュー、SCPのウェブサイト上では脚注で日付が示されている。会話が行われた日時を示すのみでなく、沢山の脚注による文芸的な視覚効果を狙ったのかもしれない。ただし、アニヲタWikiでは「脚注をクリックするとページがスクロールされる」という仕様上、脚注の密度が高すぎると可読性が損なわれる。よって、1回の投身自殺で行われた会話を「」で括って表すこととする。

インタビュアー: 「こんにちは。」

対象: 「誰?」

インタビュアー: 「わたし研究者。」

対象: 「研究者。」

インタビュアー: 「聞かせて。」

対象: 「何を?」

インタビュアー: 「何故そうなの?」

対象: 「別に。」「私が最適だったから。」

インタビュアー: 「生贄に?」

対象: 「知ってるんだ。」「そうだよ、」「本当は妹」「だったんだけどね」

どうやら、会話自体は上手くいっているようだ。この後にも対話が続く。

インタビュアー: 「自殺止められる?」

対象: 「止めなくていいよ。」「この状況が続く」「ことを願ったのは」「私だし、せっかく」「そうしてくれたんだから。」「正直なんでこうなって」「いるのかよく分かって」「ないんだよね。」

インタビュアー: 「誰に願った?」

対象: 「願ったという」「よりは祈ったが」「正しいかもね。」「身投げ続け」「させてくれ〜って。」「神様が偶然」「聞いてくれたん」「だろうね。」「ありがたい限りで。」

SCP-4800-JPは、「投身させ続けて欲しい」と願ったようだ。なぜだろうか?

インタビュアー: 「なんて神様?」

対象: 「知らないよ」「そんなの。」「でも私の村が」「信仰してる神様」「とは別なんじゃない」「かなぁ。」「あっちは豊猟の」「神様だから、」「こんな身投げを」「繰り返す頓珍漢な」「お願いは聞いてくれ」「ないんじゃない?」 「多分ね!」

ここで、インタビュー担当者が交代した。インタビュー開始時点より、既に1年11か月が経過しているのである。

インタビュアー: 「なんで身投げ」「続ける?」

対象: 「誰?」

インタビュアー: 「質問」「引き継いだ。」

対象: 「なるほどね。」「さっきも言ったけど、」「あぁ違う人か。」「もしね、また猪」「とか鹿とか狩れ」「なくなったらさ、」「次生贄に」「選ばれるのはきっと」「妹なんだよね。」「だからさー、」「私が死に続ければ」「良いんじゃないかって」「思ってさ。」「私らが信仰してた」「神様も大喜び」「だろうね、こりゃ。」

対象: 「ということで」「人の手で私の」「身投げを止める」「ことはできないよ。」「止めたくないしね。」

インタビュアー: 「分かった。」

SCP-4800-JPの主張をまとめると、
  • 村の豊猟のためには生贄が必要
  • しかし、次の生贄は自身の妹である
  • 妹には生贄になってほしくない
  • そのためには、自分が生贄になり続ければいい
ということである。そして、「神様」に祈ったところ、生贄になり続けることが叶ったようだ。実際に、村において野生動物の捕獲頭数が向上していたし、この後に新たな生贄も出ていない。

さて、報告書では、ここでインタビューの中略がされている。

対象: 「アンタもすぐ」「白くなったねぇ。」

対象: 「ところで、」「村の人たちは元気?」 「飢えたりしてない?」

自身を生贄に選んだ村人たちのことを心配する、なんとも献身的な生贄である。

インタビュアー: 「もういない。」

対象: 「いない?」

おや?

インタビュアー: 「廃村。」

対象: 「どういうこと?」 「なんで?」

インタビュアー: 「獣害。」

対象: 「どういうこと?」

インタビュアー: 「そのままの意味。」

対象: 「増えすぎ?」

対象: 「私のせいか。」

実は、村は1949年(インタビュー開始より前)に廃村していた。主な原因としては、村民の高齢化によって狩猟が困難になったことに加え、SCP-4800-JPの投身自殺が繰り返されたため、その落下地点が野生動物らの安定的な食糧源となり、中規模のコロニーが形成されたためだ。そして、対処しきれないほどに野生動物の頭数が増加し、農業被害や人的被害を始めとする多大な獣害が生じていたのだ。
つまり、彼女の自殺により、野生動物がエサ(SCP-4800-JPの肉)を目当てに集まった。これにより動物の捕獲頭数は向上しただろうが、最後の方には増えすぎて、対処できなくなったのだった。

インタビュアーが交代し、会話が続けられる。

対象: 「止めて。」

インタビュアー: 「無理です。」

対象: 「変わるな。」*1

対象: 「仕方ないの?」

対象: 「でも。」

対象: 「あー。」

現在、SCP-4800-JPは、落下中に大声を出す行動のみを繰り返している。その内容は、「あー」「こんにちはー」「みよこー」など。「みよこ」とは、生贄にならないように守った妹の名だろうか。

このように大声を出しているが、この付近にもはや集落は存在しないため、特別な対応は必要ない。

彼女が続けているのは、単なる……


SCP-4800-JP

反復


に過ぎないのだ。


余談

上述のように、この記事には日付を表すために脚注が多く使われている。脚注は丁度100個であるが、これは意図的だそうだ。100番目の脚注には、「落下中に出している大声」の具体例、「あー」「こんにちはー」「みよこー」が記されている。アニヲタWikiのみでなく、SCPのサイトでも読んでみると、また違った雰囲気を感じることができるかもしれない。

当該記事は、忌名ざこざこ同位体も参加している、SCP-4000-JPコンテストに参加した作品である。参加作品の中では最後に投稿された作品だが、投稿直後から安定して評価が上がっていき、コンテスト閉幕時には+180(UV187/DV7)6位を獲得した。


追記・修正は生贄になってからお願いします。



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最終更新:2026年08月07日 01:27

*1 恐らくは、インタビュアーの交代に対しての「変わるな。」