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ニンゲンの飼い方

登録日:2026/02/11 Wed 15:06:46
更新日:2026/02/26 Thu 21:16:13
所要時間:約 12 分で読めます




ニンゲンの飼い方とはぴえ太が執筆する漫画作品。
元はX(旧Twitter)に掲載された図説風のイラストだったものがpixivを含めたWeb漫画に発展するに至り、後にKADOKAWAから書籍化も決定した。
なお書籍のタイトルは巻数ではなく「続!」「新!」といった修飾がついている。

異形の存在である魔人や魔獣が生息する異世界に転移してしまった「ニンゲン」が、
現地の魔人たちに保護され飼育下で暮らしていく様を描くという飼育エッセイ風の漫画。
すなわち「もし人間が自分より強大な存在のペットになったら?」というストーリーである。


異世界

魔人や魔獣たちが住む世界。この世界、というか星を何と呼ぶのかは不明。
太陽が複数存在したり、不思議な現象が発生したり、獰猛な生物がそこかしこに生息するなど非常に過酷な環境。
しかしこの世界で広く繁栄している魔人にとっては「ちょっと環境の変化が激しい」程度でさほど気にはしていない。
また魔人も魔獣もニンゲンと比べるとはるかに巨大なため、ニンゲンにとっては魔人に保護されなければまともに生きていく事すら困難。

ニンゲン

我々の知る人間そのもの。時折地球から転移してきているようで、異世界には存在しない生物。
転移してきた年代もニンゲンによってバラバラ。又太郎が転移した時の様子から転移というより「転生」してきている可能性もある。

魔人たちにはあまり広く知られていないものの保護生物……もとい「珍しいペット」としては認知されている。
ある程度の飼育方法の資料もあり、一部ニンゲンを診ることができる獣医もいるため
魔人の保護にさえ入ればある程度は安全に暮らすことができるようだ。
ニンゲンにとってのエキゾチックペットに扱いは近いと思われる。「あまり知られてない」割に飼育用品も出回っているため爬虫類ぐらいの情報はあるのかもしれない。
とはいえ魔人とのサイズ差や姿の見え方でたいていのニンゲンは怯えて警戒してしまうため飼育は容易でもない模様。
もちろん言語も魔人には通じないが、「種類が多く発音が難しい」とされているものの多少の解読は進んでいるようだ。
バウリンガル的オモチャも流通しているが、案の定正確性は疑われている

ニンゲンの飼育

「あまり知られてない」とはいえ作中資料としては前述の通りそれなりの飼育法が確立されている。
食性についても異世界の食料が何が安全で何が有毒なのかもある程度判明しており、専用のペットフードも販売されている。
その上「肉は火を通す」「入浴や散髪」「衣服」「ダイエット」などニンゲン特有の概念に関する知識もある模様。
作中で掲載されているのはトゥイミナの飼育日記によるものだが、トゥイミナはヨーキチが初飼育のため先達や資料から勉強もしているのだろう。


魔人

異世界に繁栄している生物。様々な種族が存在し見た目も多種多様だが、一様にバケモノのような異形を持つ。
ニンゲンよりもはるかに巨大。ちょうどニンゲンとハムスターのような手乗りできる小動物ぐらいのサイズ差がある。
作中では愛嬌があるように描写されているが、これは作劇上普段はデフォルメされているだけのようで
ニンゲンたちからはおぞましいバケモノにしか見えず表情もほとんど読めない*1
見た目に反して理性的で良識を持ち合わせた個体が殆どで、ニンゲンからは誤解を受けがちだが登場する魔人は心優しい人物ばかりである。
とはいえ後述の泥棒のような悪人が存在しないわけでもない。
ニンゲンの飼育に関しても真摯……というかニンゲン基準でもペットの飼い主としては非常に理想的。
ちなみにエイプリルフールのイラストでは「ジンガイ」と呼ばれていた。

魔獣

異世界に生息する生物。おそらく魔人以外の生物がこれにあたると思われるが、作中では特に決まった呼び方はない*2
知性の高い魔獣もいるものの、ニンゲンにとっての「動物や虫などニンゲン以外の生物」と同じ存在と見做してよい。
凶暴でニンゲンにとって危険な魔獣もいれば、おとなしくニンゲンとも共生できる魔獣もいる。


登場人物

トゥイミナ

ヨーキチ(フブキ)の飼い主。
ホオズキのような頭部に細長い腕、タコのような足を持つ魔人。
ニンゲンに対しとても愛情深く、ヨーキチが手のトゲを怖がっていると気づくと
仲間たちに褒められたにもかかわらずそのトゲを剃り落とすなどとても献身的。
しかし優しすぎるあまり、自己管理が疎かになりがちな欠点もある。
絵心は魔人基準でもかなり微妙。ちなみに話間に掲載されている飼育法はトゥイミナが書いた飼育日記でもある。
名前の由来はティアマト

ヨーキチ(フブキ)

トゥイミナに保護された金髪の青年。アイスを買いに行く途中で突如この世界に転移してしまった。2003年から転移してきた。
ヨーキチはトゥイミナにつけられた名前で、フブキが元の世界での本名。元の世界では家族や社会から孤立していたと語る。
はじめのうちはトゥイミナを恐れて脱走しようとしていたが、ナロ鳥に襲われた際に手厚く治療を受けたことで徐々に警戒を解き、
過労で倒れたトゥイミナのために助けを呼んで以降は心を開く。以後はトゥイミナの良心を信頼しているが、文化の違いによるセンスのズレには振り回されがち。
はじめはトゥイミナの表情も「読めない」と言っていたものの、今では嬉しそうな表情も分かるようになっている。

ンペレヲ

ゴーク(ジェイコブ)の飼い主。「続!」から登場。
1つ目*3の頭部の両横に羽が生えており、腕にあたる部分も翼になっている。下半身はヘビに似た白い魔人。
ニンゲンの飼い主同士の交流会でトゥイミナと知り合い、交流会以降も親交が続いている。
ゴークの警戒心の強さに苦心していたものの、彼の脱走に怒りもせず自分の責任と考えるなどトゥイミナに劣らず心優しい人物。
名前の由来はアポロン

ゴーク(ジェイコブ)

ンペレヲに飼育されている英語圏の青年。ただ日本に住んでいたため日本語も話せる。ニンゲンの中では一番現代の2023年から来た。
被虐待児だった過去から魔人のことを「知性と圧倒的な力のある生物がいつ気が変わるか分からないなんて怖い」と激しく警戒していた。
ヨーキチの説得も一度は拒んで脱走を試みたが、彼らにトゥイミナたちが友好的な生物であることを強く説かれ、
ンペレヲたちに雨蟲から助けられたことでようやく心を開くようになった。
実は視力が低く異世界に来た時に眼鏡をなくして難儀していたが、後にヘルメットのような視力補助具を作って貰いこれを着用している。

フフ

コタ(又太郎)の飼い主。「新!」「誉!」における実質的な主人公。
カンガルーとサルをかけ合わせたような獣人に近い魔人で、実際にお腹にポケットがある。一人称は「オイラ」。
ニンゲンを見知らぬ迷い小動物と思って又太郎を森林公園に離すも、後に野生の生物に狙われやすいか弱い生物と知って責任を感じ必死で保護活動に繰り出す。
石砕雨という魔人にとっても危険な雹のような天候の中でも探し回り、泥棒がコタを攫おうとしていることを知ると危険を省みず立ち向かうなど
トゥイミナとンペレヲと同じく責任感が強くて優しい人物である。
トゥイミナの飼育日記を見て頭を下げるジェスチャー(=お辞儀)をニンゲンの信頼の証と覚えた事が又太郎の警戒を解す切っ掛けとなった。
名前の由来はそのままヒヒ(狒々)。

コタ(又太郎)

フフに飼育されている男。鎧姿の侍そのもので薙刀を所持していた事から源平~室町の人物と思われる。
やはりこの世界に来たばかりの頃のフブキたちと同様にフフをバケモノと警戒し逃げ回っていた。
クモのような生物から口吻を傷つけてまで助けてくれたヒオの一体には恩義から信頼しており、「矢切」という名前をつけ友人として同行する。
石砕雨の際に川に落ちたところをようやくフフに保護され、彼に飼育されるようになった。コタという名前もこの時つけられたもの。
飼育下に移ってからもフフへの警戒を解いていなかったがヨーキチとゴークと出会ってからは徐々に慣れ、
空き巣が侵入した際に自分を守るため必死に戦うフフの姿を見て彼が友好的な存在であることを認め信頼し始める事となった。
武士だったためか手頃なサイズであるフフの耳かき棒での素振りを好んでいる。
矢切との連携もあってニンゲンとしてはかなり強いが魔人にはまるで刃が立たず、薙刀での攻撃も「ひっかかれた」程度にしか思われない。

先生

トゥイミナとヨーキチがかかりつけの「ビウオカー病院」の獣医。専門は小動物だが魔人の診察も出来る。
触手のような複腕と、ぷよぷよとした頭に丸メガネと口ヒゲっぽい顔を持つ「頭柔族」という種族。
魔人の中では特にニンゲンに詳しく、ヨーキチたちのことを丁寧に診察し、健康診断もしてくれる。
ヨーキチを気遣い過ぎて過労で倒れたトゥイミナに自己管理を厳しく諭すなと医者として出来た人物である。
研究者としても積極的にニンゲンのことを調べており、何かと頼りになるお方。ただし食生活の改善は出来ず太り気味。
ヨーキチには当初「変な匂いするし機械を向けてくる」からと苦手意識を持たれていた。
院名の由来はパイエオン(アスクレーピオス)。

ナナ

丸々としたヤマネコのような魔人。気さくな人物だが少々うっかりもので、
ヨーキチのジェスチャーを「トウライ」なる雷を落とす技術(?)と勘違いして実践しトゥイミナに叱られた。
動物に近い見た目だからかヨーキチからするとまだ感情が分かりやすいらしく、
反省している様子を叱られてしょげている犬に例えられていた。

キアル

人型の影のような魔人。目玉が四つある。
一人称が「アタシ」のためどうやら女性寄りの個体らしい。
ニンゲンの飼育に興味があるが、影のような姿は瘴気らしくそのせいで飼育は出来ずにいる。
同じように瘴気を纏った「ダエ」という生物はニンゲンにとって近づくだけでも危険と言われているため仕方ないのだろう。

ミリケ

1つ目の竜人のような魔人。
メポッチという角を生やした小型犬のような生物を飼っている。
ヨーキチに呼ばれて倒れたトゥイミナを助けて以降、ペットの飼い主同士で親しくなった模様。

ロイア

ニンゲンの飼い主同士の交流会を主催したアリクイのような魔人。女性的な口調で喋る。
穏やかな人物で、ユリと暮らしながら各地をのんびり旅している。

ユリ

ロイアに飼育されている老女。18歳の頃に転移しそれから60年も飼育されている。本名は不明。
空襲から逃げている途中にこの世界に来たと語っており戦時中に生きていた模様。
戦時中と比べればロイアに守って貰えるぶんはるかに安全なため、穏やかに暮らせる現状を受け入れロイアのことも信頼している。
実は幼い頃のトゥイミナに出会った事があり、当時はニンゲンを知らなかったもののボロボロだった彼女のことを心配していた。

おばちゃん

フフの近所に住むモフモフの魔人。
ニンゲンを保護しようと気張るフフに付き合い捕獲器具も気前よく貸してくれる面倒見の良い人。

泥棒

怪我の治療に出かけたフフの留守中に忍び込んだ毛むくじゃらの魔人。現状この作品に登場する魔人で唯一の悪人。
不審な人物と見做して飛び出したコタと矢切を捕らえ、ニンゲンは知らないものの珍しい生物だからと売り飛ばそうとしていた。
体毛を自在に伸ばして相手を拘束出来る能力を持ち、フフが帰宅すると居直り強盗に切り替え彼を追い詰める。
しかしスキをついたコタが弾いた飼育ケージの破片を踏み抜いて怯んだところをフフのタックルを喰らって気絶した。


魔獣(生き物)たち


邪気

ホコリの塊に1つ目がついたような存在で、魔人からは実際にホコリのように扱われている。
たびたび現象のように扱われているが、涙を流したりするため一応生物ではある模様。カビなどの菌類に近い存在なのかもしれない。
目を開くとガスを噴射しながら破裂する。ニンゲンにとってはよくないもので、取り除かないと「邪気かぜ」なる病気にかかる。

エザク草

枝や根っこがカールした樹木のような植物。サイズは小さくニンゲンの二倍程度。
知性は高く自立して動き回り、水分補給も自分で出来るため「水教え」と呼ばれている。
気温が高くなると桜の花に似た葉をつけるため観葉植物としてヨーキチに与えられた。
一緒に住んでいるヨーキチにはよく懐いており遊びに誘ったりと仲良く(?)している。
更には勝手に服を着たり、切断された枝を持ってゲカを追い回すなど異様にアグレッシブ。

モヂミ

1つ目の毛玉に鳥のような一本足が生えた小動物。サイズはニンゲンより少し大きいくらい。
人懐っこく、邪気や害虫を捕食してくれる益獣で同じ小動物の飼育に重宝されている。
ただしナロ鳥のような自分より大きな生物や、危険な肉食獣には怯えてしまう。
害虫等からヨーキチを守るためにエザク草ともども一緒に飼育されており、たびたびヨーキチらを守るため活躍している。
ヨーキチにはモフモフしていて可愛いと評されたものの、頭部に大きな口があることが判明したためちょっと怖がられた。

ヒオ

尖った口吻と首周りのモフモフの体毛が特徴的な四足歩行の生物。ヤギのような声で鳴く。
口吻を果物などに突き刺して中身を吸い取って食事を摂る。口吻は鋭いものの、硬いものにぶつけると歪んで食事が困難になってしまう。
おとなしく草食性なのでニンゲンを乗せたりと親しくなれるが、
ジャンプ力が高いため一緒に飼うには脱走対策が大変になってしまう。

ナロ鳥

頭部が寄生獣やバッカルコーンのように開いて口になる鳥。好奇心と食欲が旺盛で雑食。
魔人と比べてもニンゲンにとっての鳩より大きいぐらいのサイズがあるが、
これでも「どこにでもいる一般的な鳥」で作中でもちょくちょく登場している。

箱尾者(ハコビモン)

魔人の移動手段に利用されている生物。歩行型と飛行型がいる。いわば不気味になったネコバス
歩行型の内部は魔人にとってもかなり暑苦しく、ペットを連れての移動は困難。
一方飛行型は飛行機と同じくペットが貨物用の籠に積載されるようになっている。

雨蟲

ドロドロのアリのような虫。
時折大群になって空を覆うほど発生し、これが「黒い太陽」と呼ばれている。つまり気象現象ではなく蝗害に似たもの。
魔人にとっては洗濯物の被害や地面のぬかるみ程度の困りものだが、
群をなすうえに凶暴で肉食性のためニンゲンやモヂミのような小動物にとっては非常に危険。
日光が苦手らしく、浴びると溶けてしまうため空が晴れるといなくなる。

ゲカ

ゴキブリによく似た虫。サイズは人間以上のうえに臆病でゴキブリ以上に素早く飛び回る。寒冷地には生息しないらしく生態もゴキブリに似ている。
羽根のような触覚は鋭利ですれ違いざまにエザク草が切断されてしまうほど。
おまけに衝撃を与えると超小型になって大量に分裂するために非常にキモい。
邪気を運ぶため魔人からの扱いも不快害虫・衛生害虫に等しく、対策も文化や環境の違いはあれどゴキ対策と酷似している。




追記・修正はニンゲンの飼い方を勉強してからお願いします。

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最終更新:2026年02月26日 21:16

*1 なお魔人にとってもニンゲンの表情は「複雑で難しい」らしい

*2 そもそも「魔人」という呼び方もWEBサイト等の作品解説にあるのみである

*3 ニンゲンからは複眼に見えている