となりのトトロ

登録日:2009/08/05 Wed 05:35:16
更新日:2025/01/09 Thu 15:39:19
所要時間:約 10 分で読めます




1988年に公開された映画。
原作・脚本・監督:宮崎駿


【概要】

前作『天空の城ラピュタ』と同じく興行的には今ひとつだったが、金曜ロードショー等のテレビ放送・ビデオ販売によって今では知らない人がいないほどの名作。

昭和30年代の古き良き時代の日本の田舎を舞台にしているのが特徴であり、牧歌的な雰囲気から幼児にも安心して見せられる映画として人気が高い。


【あらすじ】

昭和30年代*1の日本。
とある田舎の村にある3人の家族が引っ越してきた。
母親が入院中でいない中、手探りで暮らしていく父と姉妹。
そんな中、姉妹達の前に奇妙な生物、トトロが現れる。


【主な登場人物】

主人公。
母親がいない中、少々頼りない父に代わって妹の面倒・家事を切り盛りするしっかり者の小学6年生。
快活で強気だが、実際は無理をしており、年相応に弱い一面も持っている。
当初の設定では小学4年生であり、放映直後に出た本にはそのまま書かれているものもあるが、しっかりもの過ぎてかわいそうという理由で6年生に変更された。
そのためサツキのパパはママが17歳の時にサツキを孕ませたことになった。それでも当時の感覚では「若妻」の範疇ではあるが。*2

  • 草壁メイ(CV:坂本千夏)
主人公。4歳になるサツキの妹。
好奇心旺盛で子ども目線での観察力も抜群だが、一本気で頑固であり、年相応にわがままだが、人見知りで姉のサツキがいないと泣いてしまったりと寂しがり屋。オタマジャクシをオジャマタクシと言ったり、トウモロコシをトウモコロシと言い間違えることも。
映画パンフによるとメイはあくまで自称が定着しているだけのニックネームのようなもの*3であり本名ではないらしい。バカと言って泣き崩れるシーンもある。

  • 草壁タツオ(CV:糸井重里)
姉妹の父。
普段は東京の大学で非常勤講師(専門は考古学)をする他、家では翻訳の仕事をしている。
真面目で温厚、気さくで未だに娘二人と一緒に風呂に入る明るい理想的な父親。
「トトロを見た」というサツキとメイの話も疑わず、トトロを森の主であると考えている。
反面、娘の学校でお弁当が始まる日を忘れていたり、
結果的に長女のさつきに無理をさせてしまっていたりと頼りないところがある。

声を当てたのはコピーライターの糸井重里。かなりの棒読みだが、これはこれで味があって良いという人も。
本作がきっかけで、糸井はジブリ作品のキャッチコピーを多数手がけることになる。

姉妹の母親。
結核で七国山の病院に入院中。
優しいがお茶目なところもあるこれまた理想的な母親。
エンディングでは退院し、もう一人子どもを産んだようだ。

  • おばあちゃん(CV:北林谷栄)
ヒロイン。
草壁家の隣で百姓をしている。
また父親が留守中の草壁家の世話やメイの面倒を見ており、姉妹を自分の孫のように可愛がっている。
「んめえぇぇいちぁあ~ん」
「かんたぁぁぁぁぁあ!!」

  • カン太(CV:雨笠利幸)
おばあちゃんの孫。本名は大垣勘太。
当初は人見知りからサツキとの仲は険悪だったが、実際は仲良くしたいと思っている消防特有のツンデレ
雨の日の一件以来仲良くなってはいるが、エンディングではサツキが女子のリーダー的存在として男子と対立しており、立場的に微妙な様子。
なお、劇中言及はないが絵コンテによるとメイ捜索時*4に「ばあちゃんの勘違いかよ」とぼやいていたおっさんが父親である。

  • ミチ子ちゃん(CV:神代智恵)
サツキのクラスメイトで転校して最初に仲良くなった女の子で教室では隣の席。普段はミッちゃんと呼ばれている。
エンディングでもサツキらと木に登って遊んでたり、サツキら女子の組らと一緒に男子の組と張り合ったりしていた。

  • 大トトロ*5(CV:高木均)
森の主として古くから住んでいる、1302才の精霊的な不思議な生き物*6
空を飛んだり植物を急成長させたりと不思議な力を持っている。
3体しかいないため大とつけられているが、ぶっちゃけ超巨大とつけた方がいいくらい他のトトロよりケタ違いに大きい(推定3m?)。
メイに名前を聞かれた際に「ドゥオ、ドゥオ、ヴォロー」*7と答えた(?)ため、「トトロ」と呼ばれている。
夜行性で昼間はグータラ寝ている。
主食は木の実。バス停で大口開けて人を食ったりとかはしない。
縄文の頃に生まれたらしい(2千~1万歳ぐらい?)。
音好きで毎晩オカリナを吹いているほか、雨の日にサツキから貸してもらった傘に落ちてきた雨音から、楽器だと思い込んでいるのかそのまま借りパク*8していき、毎晩傘をさすようになった。
終盤ではサツキの願いに応え、メイの捜索を手助けする*9
実は「トイ・ストーリー3」にもぬいぐるみとして登場している。

  • 中トトロ*10
わりとミニマムな679才のトトロ(推定60cm?)。青くて、袋を担いでいるシーンが印象的なため、イラストやグッズでは袋を担いでいることが多い。

  • 小トトロ*11
さらにミニマムな109才のトトロ(推定30cm?)。白くて、たまに半透明になったりも。手は小さく普段は見えない。

  • ススワタリ
通称まっくろくろすけ。古くなった空き家に住みついて煤とホコリだらけにしたりする謎の生物。
風呂で元気に暴れまわる家族に嫌気がさして森に逃げ出し、後に風呂屋で金平糖欲しさに石炭運びをすることに。

その名のとおり乗れるようになっている巨大で足が多いオスの化けネコ。両目がヘッドライトになっている。
鬱蒼とした森でも木自体がネコバスを避け、送電線の上でも感電することなく高速で移動可能。
普通の人間にはその姿は見えないようで、通りすがりの際には突風が吹き抜けたようにしか感じない。
初登場はサツキが薪を取りに行ったときに吹いた突風であり、その時のサツキにはまだ見えなかった模様。
宮崎駿のインタビューや関連書籍によると、日本の神様故に新しい物好きらしく、時代の変化に合わせて化ける対象も進化して行ったとの事。
作中で登場した個体は、元々は駕籠(かご)屋*12に化けていたが、ある日走行中のバスを見た事で気に入り、化ける対象が駕籠からバスへと進化していったようだ。
某所には小さいコネコバスもいるとか。
行き先表示には『塚森』等の地名のみならず、帰るときは『回送』ではなく『す』(巣)、ピンポイントすぎる『めい』に何故か“院”だけひっくり返った『七国山病院』等自由自在。

【備考】

主題歌「さんぽ」「となりのトトロ」はラピュタに引き続き井上あずみが歌っている。
現在ではアニソンを超えて童謡として定着した感が強い。

舞台になった場所のモデルは特に明かされていないが、埼玉県所沢市には作品に登場する「松郷」という地名が存在し、東京都東村山市には病院のある「七国山」と一文字違いの「八国山」という地名が存在する。

所謂これまでのファンタジーとは縁がないように感じられる日本の田舎を舞台にした作風が上層部に受け入れられず、
高畑勲監督の「火垂るの墓」との同時上映となった。
そういうわけで劇場では、トトロでほのぼのした気分になった観客を一気に地獄に叩き落とす結果となった。
ゴジラハム太郎以上にやってはならない同時上映である。

本来は主人公は一人の予定だったが、火垂るの墓が予想より尺が延びた為、急遽トトロも延ばすことになった際、「女の子をもう一人出せば20分くらい延ばせるだろう」と姉妹になった。
さすがパヤオ、さすがロリコン。
そのため、初期に作られたポスター・絵本版にその名残として「本編には1コマたりとも登場しないキャラ」が登場する。「トトロの横にいるサツキとメイを足して2で割った様な雰囲気の女の子」がそれ。

続編的なサイドストーリーとして「めいとこねこバス」という作品がある。
三鷹の森ジブリ美術館限定で公開中。


都市伝説について】







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最終更新:2025年01月09日 15:39

*1 宮崎駿は1953年を想定していたが、劇中の日記の日付から1958年とわかる

*2 当初の想定通りサツキが小学4年生設定であればパパが大卒、ママが高卒すぐに縁談で結婚した少し後の懐妊となるためごく普通の関係である。

*3 宇宙飛行士バズ・オルドリンの「バズ」のようなものだろうか(本来のファーストネームはエドウィン)?

*4 この人物は他に草壁家が病院に出かける際、ばあちゃんと一緒に田植えをしている。(麦わら帽子の人)

*5 初期設定での名前は「ミミンズク」

*6 設定上はあくまで「動物」らしい

*7 実際は「まだ眠いよー」的なニュアンスらしい

*8 本人は傘を貰ったと思っており、返すつもりはないらしい。そのお礼としてメイに木の実をプレゼントしているが

*9 なお、宮崎駿監督によると「トトロは最初からメイがどこにいるのか含めて全部知ってたが、トトロ感覚では近所を短時間うろついているレベルだったので大変なことになっているという自覚がなく、サツキの態度を見て小さな親切心で協力してくれた。」そうである。

*10 初期設定での名前は「ズク」

*11 初期設定での名前は「ミン」

*12 時代劇とかで殿様とか偉い人が乗っている一本の棒に吊し2人で棒を前後から担いで運ぶヤツ。どう化けてたのか非常に気になる。

*13 せいぜい事件現場が本作の舞台に近いという程度