登録日:2026/02/24 Tue 10:26:39
更新日:2026/08/12 Wed 21:20:24
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人類を救うアドベンチャーは世界をめぐる
『銀の黄昏』は人類の破滅をもくろむ国際的組織である。勇
気ある探索者として、あなたは魔道書、古代遺物の破片、不
可解な手紙などから手がかりをつなぎあわせ、『銀の黄昏』の
むかつくような目的を見つけ出さねばならない。この幾つも
の章からなるアドベンチャーはボストンに始まり、全世界に
拡がる。探索者は生き残り、クトゥルフ神話の心乱す怪物や
手先を倒さねばならない。来たまえ、畏敬すべき王国の真実
を求める旅へ。そしてあなたの機知と正気度で〝ヨグ=ソト
ースの影〟の悪魔の様な潜伏者と戦うのだ!
Call of Cthulhu
SHADOWS OF YOG-SOTHOTH
A Global Campaign to Save Mankind
『ヨグ=ソトースの影』とは、1987年にHobby Japanより日本語版が刊行された『クトゥルフの呼び声(
クトゥルフ神話TRPG)』の公式シナリオである。邦訳は有坂純が担当。
かなり昔のキャンペーンシナリオで、原語版が刊行されたのはなんと1982年の事。
現在のCoCTRPGにおいての常識など全く存在しないので、生半可なプレイングをすると探索者がダース単位で死ぬ。
キーパーもキーパーで楽ではなく、ご丁寧にモブ1人ずつのステータスが事細かく書かれていて、戦闘処理をするだけでしんどかったり、
かと思えば導線がロクに無く、NPCのデータやマップなどが書かれてるだけのシナリオもあったりする。
Hobby Japan時代のCoCTRPGは箱売りが基本で、製品情報としては
- 本体1冊
- ボーナスシナリオ1冊
- プレイヤー向け資料(紙8枚)
がセットになっている。
当然現在はプレミア価格がついており、1万円以下で入手できれば幸運と思おう。
シナリオ製作者はサンディ・ピーターセン。
この名前を見て何か嫌な予感がした貴方の感覚は正しい。
それも当然、このシナリオは基本ルールブックに収録されている『ストラフトン山の火』(これもピーターセン作)並みに殺意が高いシナリオだからだ。
ストラフトン山で頻発する怪奇現象を調査するというシナリオである。
真相は
ミ=ゴがイタクァを召喚して街を滅ぼそうとしているという単純なものだが、問題はそのミ=ゴ。
CoCTRPGの他のシナリオにおいてミ=ゴがそれほど強敵でないのには理由がある。
それは彼らが丸腰であり、なおかつ少数で戦ってくれるからだ。
だがこのシナリオに登場するミ=ゴは数が多く、武装も整えられている。
- ミ=ゴの数は全部で7体もいる
- 最初の1体は撃破できる可能性があるが、その後は基本3体グループで固まって動いているので各個撃破は不可能
- 冷気ダメージを与える「噴霧器」という射撃武器を各個体が持っている
- これは「武器を使う瞬間を最低一度以上見た後じゃないと回避判定が出来ない」という特殊条件がある
- 判定の際もINT×3かDEX×3で判定を行う
- つまり、回避にポイントを注ぎ込んた探索者でも安定した回避は困難
- その中の3体は、装甲値8ポイントのバイオ装甲を身に着けている
- 貫通属性攻撃のダメージを最小値にするミ=ゴの特殊能力と合わせると倒すのが著しく困難となる
もう少しこう何と言うか、手心というか……
この名前を別の業界で聞いたことがある人もいるかもしれない。
氏は1980年代にこれの他いくつかのTRPGシナリオ製作に関わった後、コンピューターゲーム業界に参入。
シヴィライゼーションでお馴染みシド・マイヤーが代表を務める企業「マイクロプローブ」に勤めて『Sid Meier's Pirates!』他いくつかの作品に貢献後、1992年にはFPSに興味を持ったことから
Wolfenstein 3Dを世に放ったばかりのid softwareに移籍し『
DOOM』および『DOOM2』の
半数以上のレベルデザインを担当、Quakeのレベルも一部製作している。
そして1997年にはアンサンブルスタジオに移籍し『エイジ オブ エンパイア』のゲームデザイナーの一人として活躍した。
ぶっちゃけ、
米国PCゲーム史においてはかなりの大物である。
なお上述したタイトル群は当然だがこの記事のシナリオのようにクリアさせる気が皆無だったりはしない。
■銀の黄昏錬金術会
シナリオ内での正式名称は「銀の黄昏錬金術会」。
CoCTRPGでは古く有名であり、メンバーは日本発のサプリメントにも登場する(『クトゥルフカルト・ナウ』におけるアン・シャトレーヌなど)。
『ヨグ=ソトースの影』において、探索者たちと激闘を繰り広げ、星辰が揃う前にルルイエ浮上させてクトゥルフを復活させようとした。
幹部や構成員一同が出払った時には
ミ=ゴに探索者の始末を任せるなどの手段を持つ。
だが探索者の奮闘により目論見は失敗、創設者も幹部連中もルルイエと共に海底に没して命を落とした。
なんやかんや生き残っていると後付けされたりするが
階級
少なくともボストンで結成された支部はオカルトや哲学に関係した友愛団体であると思われており、一般層には以下の3つの階級だけが知られている。
- 「新入者」
- 「修練者」
- 「教師」
実はこれらは階級は違えど権限はほぼ同じである。
これに属する大部分の会員は、儀式が終わった後にラウンジとバーに繰り出すのが最も重要な事だと考えているほど。
裏には秘密の階級があり、教師階級から見込みある者が注意深く選ばれる。
この階級は下位の方から順番に、以下の通り。
- 「銀の門の守護者」
新加入者は儀式により、2/1D8のSAN値と3ポイントのPOWを永遠に喪失する。
生命のむなしさを諭すための行為と言うが、実態は魔術師が持つPOWを蓄積する技を満たすのを手伝わされているだけである。
新加入者は「旧き印」の作り方を教えられた後に、会の中で汚れ仕事ばかりをやらされる。
- 「外宇宙の騎士」
外なる神々や旧支配者に関する詳しい知識を授けられ、
ニャルラトテップに引き会わされる。
人間に擬態したニャルラトテップに承認され、
その後に誓いを破ると「忌まわしき狩人」が殺しに来る。
この地位に上がると1D8ポイントのSAN値を喪失する。ついでに「ニャルラトテップとの接触」の呪文を教えられる。
銀の門の守護者に命令する権限が与えられる。
- 「ヨグ=ソトースの息子」
信徒らの幹部にあたる階級。
「外なる神々や旧支配者を束縛から解放し、地球上のしかるべき座に復帰させるのだ」という組織の大義を叩き込まれる。
ヨグ=ソトースの招来の呪文を伝授される。この階級になるとSANがゼロになる。
会の最高指導者にあたる階級。
研究と目的の追求に取り組んだ極少数の者のみに与えられる。
人員
どっかの誰かとは違い、多少ぶっとんだ所があるがそれでも常識的な範疇に収まる能力を持つ。
ネームドキャラ以外にも数は居るようであり、シナリオ最後において、40人を超える量の人員がクトゥルフ復活の儀式に参加する描写がある。
会の最高指導者にして創設者。ベルフェゴールを助けるように、カール・スタンフォードから要請されて協力している。
300年も生きているが、外見年齢は17歳。生きてる間に様々な危機に直面するが、自らの知略で抜け出している。
APPは17。さらに基本ルールブックに登場する全ての呪文が使える。
後のサプリメントにおいて実は生きていた事が判明。会社を立ち上げて暗躍する。
会の中でも最強格の魔術師。一見した所は30代半ばだが、実年齢は300歳を超える。
神々に数多の人間を捧げる事によって生命と若さを保っている。
外付け魔力タンクとして杖に160ポイントのPOWを蓄積しており、これは刃の付いた剣として近接戦闘にも使用できる。
他、POW40、APP18のステータスと基本ルールブックに登場する全ての呪文が使えるのが特徴。
最後は探索者に倒されるが、後のサプリメントにおいて、クトゥルフの手により生かされていた事が判明。
スタンガン程度の電撃に極度に弱くなってはいるが、死んでも意識が別に移る分身体をばら撒いて世界中で暗躍している。
ボストン支部を任されている。秘密の階級に進んだ会員からは「魔術師」階級と見なされている。
実は何百年も前に怒り狂った群衆に殺された邪悪な魔術師であり、カール・スタンフォードによって復活させられた存在。
死んだ人間から特殊な手順で抽出した「本質的な塩」を、「復活」の呪により生前の姿で蘇らせたものである。
シナリオ中に手に入れれば、復活の呪文の逆詠唱により元の灰に戻る。
外付け魔力タンクとして杖にわずか(※原文にもこう書いてあります)80ポイント分のPOWを蓄えており、全ての召喚・従属・接触の呪文を覚えているが、攻撃呪文は「マインドブラスト」「萎縮」などぐらいしか使わず、常識的な部類に入る。
ニューヨーク支部を任されている。外宇宙の騎士階級。
ニャルラトテップを召喚し、その力を借りて手下を未来に送り込んで、未来の物品を取り寄せている。ヨグ=ソトースの方が適任では?
INTが18ある以外は常人レベル。呪文もろくに覚えていない。
コロラド支部を任されている。ヨグ=ソトースの息子階級。
デンヴァーにてルルイエ盤(クトゥルフを復活させられるアーティファクト)の製造を行っており、クトゥルフが復活した暁には「吸魂」の呪文を教えてもらう事を約束している。
多少の呪文を覚えているが、能力値は常人レベル。
ヨグ=ソトースの息子階級。アンと同じく、カールの要請によりベルフェゴールと結託している。
特に大した呪文も覚えていないので、ショットガン持った爺さんといった感じの能力である。
外宇宙の騎士階級。
ダンカンを助けるように、カールによって送り込まれている。
こいつもこれといって危険な呪文は覚えていない。
銀の門の守護者階級。
表向きの顔は村の宿屋の主人だが、実は怪しい奴を逐一報告するスパイ。
それ以外に関する特徴は無く、呪文も覚えていない。
外宇宙の騎士階級。
現地メンバーに金銭的援助をしている裕福な農民。別ページではマクレナンと表記揺れがある。
銀の門の守護者階級。
現地メンバーの肉弾戦担当。それ以外に言う事は無い。あと、何故か「旧き印」を使えない。
銀の門の守護者階級。
任務の際、愛情を注いだ男性が応えてくれなかったのでメンバーに男性の情報を売って殺害。そのくせそれが原因で心的外傷を患い、忘却と錯乱を引き起こしたというヤンデレ。
銀の門の守護者階級。堂々と「ウィリーは気違いです」と書かれている。
アンに心酔しており、彼女が殺されるか傷つけられるか捕らえられた場合陽が沈むや否やアザトースを招来しようとする。
外宇宙の騎士階級。チンピラその1。
銀の門の守護者階級。チンピラその2。
メイン州支部所属。メンバーのほぼ全員がクトゥルフ復活のために出払った際、カールが協力を要請した存在。
その正体は本物のクリストファー・エドウィンに化けているミ=ゴ。本物は半年ぐらい前に毒殺されている。
■キャンペーン
後半になるにつれて探索者への殺意のギアが上がっていくのが特徴。
特に第5章はプレイすると苦笑いが出るレベルである。
第1章「銀の黄昏錬金術会」
探索者たちはボストンに現れた新しい、非常に排他的な団体に出会い、多くの恐るべき秘密を知る。
銀の黄昏にメンバーとして参入するか、夜陰に忍び込むかが提示される。
施設内の恐ろしい書物の数々や部屋を目の当たりにしたり、地下室から行ける洞窟で探索者と銀の黄昏との間に因縁が生まれたりする。
カール・スタンフォードやジョン・スコットがNPCとしてデータにあるのだが、登場させるタイミングなどはシナリオのどこにも書いてない。
後のシナリオに比べれば軽い問題だが
このシナリオで手に入る「箱の製作」呪文は、2章などで役立つ。
第2章「未来に眼を向けよ」
第1章において、おぞましい邪教徒のグループが存在する事を知った探索者。
ニューヨークで創設された「未来に眼を向けよ」という団体を怪しんだデヴィッド・リーから異常に文面が長い手紙を受け取り、その本部ビルに侵入する事となる。
ここら辺から「クトゥルフ神話TRPGってこういうもんだっけ?」と思うような銃撃戦が多発していく。
本部ビルの地下の動力室に、
ピストンを押して建物内の電力を起こしているショゴスが居る。
このショゴス、
探索者がレバーを操作するだけで簡単に脱走する。当然だが、そうなったらショゴスと戦うか逃げるか選ばなければならない(中にショゴスが入っているという情報は
提示されない)。
しかもショゴスが脱走した瞬間、装甲20ポイント・耐久200ポイントの装甲扉により階段が完全封鎖されるので、まともに逃亡するのは不可能。
「常時2人組で4箇所を巡回しているアラブ人」が一番厄介なポイント。
未来世界製のオートマチック・ライフルで武装した彼らは、通常は1ラウンドあたり3発の割合で連射をするのだが、ラウンド中、INT×5の判定に失敗した瞬間に、キレて弾倉内の弾丸を全部撃ち尽くしてくるのだ。
ただでさえこのゲームのライフルは痛いというのに、出会ったら即殺さないとこちらがハチの巣にされる。
拳銃程度の豆鉄砲で戦っている探索者は次のキャラクターシートを作る羽目になる。
なお、戦闘を回避する手段は全く書かれていない。
第3章「キャニッチの魔女団」
コロラド州デンヴァーの町民ジェイコブ・ハンコックが、スコットランドはキャニッチ村への調査旅行のために探索者たちを雇う。彼の叔父が不可解な失踪を遂げたらしい。
このシナリオの目玉は膨大な数のNPC。これがシナリオのどこでどう登場するかが全く書かれていない。キーパーが泣く
殺人光線銃(原文そのまま)で武装した蛇人間9体+クトーニアン2体が住まう洞窟に入る事にもなる。
この殺人光線銃だが、命中すると30からCON値を差し引いた分がダメージになる。
つまりCON15・耐久15の人間としては相当頑丈な探索者でも一撃で即死するという事である。
奪って使おうにも「人間がこの殺人光線銃を使おうとする場合、基本命中率は5%とする」という設定付き。
探索者の誰かが<忍び歩き>技能ロールに失敗したり、わざと大きな声や音を立てたり(例えばSANロールに失敗して叫び声を立てたりしたような場合です)すると、蛇人間たちは侵入に気付き、一行を待ち伏せようとします。状況が危うくなったと見てとるや、蛇人間NO.7はただちにクトーニアンを加勢に呼び出します。
以上、原文通りに記載。探索者への殺意が山盛りすぎる……
ここら辺からマシンガンなどの強力な銃器を備えて戦闘に特化した探索者が出来上がっていく。
それはつまり、探索技能がカスになっていく事をも意味する。
第4章「悪魔の谷」
アメリカ映画界の重鎮グラント・ウィンウッドが、モハヴェ砂漠の辺境にある「悪魔の谷」の調査旅行のために探索者たちを雇う。50万ドルを投じた彼の映画のロケ現場を襲った災難の謎を突き止めるのが今回の目的だ。
悪魔の谷は「狩人」に変異したインディアン(時代性とオリジナリティを尊重し、あえてこの表現を使う事を了承していただきたい)の縄張りであり、探索者たちは彼らと戦わねばならない。
「狩人」は最大6体。しかも1体ごとのステータスが完全に違う。戦闘処理だけでキーパーが死にそう
シナリオ内で手に入る「特殊なレンズ」を持っていないと、「狩人」のPOW×5%分こちらの攻撃命中率が下がり、逆に「狩人」の攻撃命中率が20%上昇する。
これだけでも死が見えてくるが、
「狩人」たちの第一手は、「悪魔の谷」から外の世界への脱出手段を封じることです。探索者たちが―例えば夜間に―乗ってきた自動車から90分以上眼を離すと、「狩人」たちは直ちにやって来て、自動車のエンジンを剥ぎ取りぶち壊して前部座席の上に放り出してしまいます。探索者たちが歩いて谷を出ようとすると、「狩人」たちは人間たちが先に出てしまう前に、分散させて一人ずつ皆殺しにしようとします。
なるべく探索者たちとは安全な距離を保って、一行が持っている特殊なレンズを盗むか、壊すかしてしまおうとします。彼らは、これらのレンズに自分たちを可視状態にする能力があるということを知っているのです。探索者たちを殺そうとする彼らの試みは、イチかバチかの総力戦的なものではなく、むしろじわじわと進行する巧妙な性格のものです。
いずれも原文そのまま。
まず逃走手段を封じ、次は自分たちを発見する手段を盗むか壊すかした後に、探索者たちを各個撃破しに来るという旨が書かれている。
つまり、このシナリオで何が起こるか簡単に言うと、徒党を組んだ化け物が戦術を組み立てて探索者たちを殺しに来る。
第5章「歩く蛆」
オカルト研究家クリストファー・エドウィンの招きにより、メイン州ソーク・ハーバーに向かう探索者たち。
そこで悪霊の住む家の調査を頼まれるのだが……。
知ってる人は知ってるだろうが殺意全開のシナリオ。1から10までがデストラップのみで構成されている。製作者の強力な銃器封じも始まりだす
- 「探索者たちに気付かれることは絶対にありません(原文そのまま)」状態から完璧な奇襲をしてくる狂人その1
- その奇襲効果によって探索者は驚いてしまい、狂人は命中率が20%向上、探索者は回避も防御もできない
- 3ラウンド経つか、アイデアロールに成功しないと反撃ができない
- 狙った銃撃が外れると、部屋の中にいる射撃者以外の探索者たちの人数×5%の誤射判定が生じる
というふざけてるとしか思えないイベントを皮切りにして、
- 情報がロクに与えられない上にSAN値を失うだけの部屋しか無い
- 冷蔵庫を調べると隠されたショットガンで撃たれる
- このトラップを解除するには「目星」と「機械修理」で判定に成功する必要があり、目星のみだと3D6・目星にすら失敗すると8D6のダメージ
- 部屋の中にあるショットガンを撃ったら錆びているので暴発して、探索者は1D6ダメージ
- さらに2回幸運判定して1回だけ成功なら目星技能が半減、2回とも失敗なら両目を失ってロスト
- 錆びているのを知るにはショットガン50%以上か機械修理30%以上が必要
- 「屋根の縁から頭と腕しか覗かせてない状態で撃ってくるから」という理由で自分への銃器の命中率を3分の1(端数切捨て)にする狂人その2
- 「建物の角を盾にして撃ってくるから」という理由で自分への銃器の命中率を半分(端数切捨て)にする狂人その3
家を探索し終わった後にクリストファーの邸宅に帰ると、無傷の探索者はボートを用意してもらって気晴らし旅行に行き、傷付いた探索者は各人個室を取って入院させてもらうのだが、
- 旅行に行った探索者をショゴスが襲う
- 入院している探索者を歩く妖蛆が襲う
そして探索者は殺されまくった末にクリストファーが黒幕だと気付いてお礼参りする事になる。
だがもしも気付かなかったら、こちらを小馬鹿にしまくるヒントを渡されるか、キーパーがこのシナリオレベルで底意地悪かった場合、以後も似たような罠を次々に繰り出される。
第6章「イースター島の監視者」
クリストファーの正体はミ=ゴだった。ミ=ゴが保管していた手紙を見て何かとてつもない、想像もつかないような邪悪が南太平洋に潜み、銀の黄昏の狂った努力が実を結ぶのを待ち望んでいる事を悟った探索者たち。
悪の組織打倒への鍵は、イースター島に隠されている!
というわけでここから後半戦突入。
イースター島へは定期客船で行くのだが、20%の確率でサンゴ礁や溶岩の暗礁に乗り上げる危険を孕み、さらに10%の確率で磁石が狂って誤った方角を示す前途多難な状況。
運良くイースター島に到着した後も、上陸早々チリ共和国海軍に捕まり叱られる事になる。
その中には「銃器の没収」がある。銃器メタもここまでくるか……
ここから中盤ぐらいまでは、このキャンペーンシナリオではとても珍しく普通のクトゥルフ神話TRPGみたいな探索パートが入るのだが、深きものどもが巣食っている洞窟に入る後半から殺意のギアが上がる。
- 夜間に山腹にいる探索者たちは40%の確率で警戒している深きものども5体に遭遇する。
- 洞窟を進むと空鬼に遭遇する。こいつの耐久力を3分の1にまで減らすと、探索者を1人捕まえてから自分の次元に戻って強制ロストさせてくる。
- 深さ100フィートを降りるために連続5回の登攀判定に成功する必要がある。20フィート降りるごとに20%の確率で足場が崩れて転落。10フィートごとに1D6ダメージ。
- 深部に着くと「吐き気を催す悪臭」で洞窟を出ない限り探索者のDEX値が6減少し続ける。これでDEX値が0以下になると強制的に気絶。
こうして数々の難関を乗り越えて最深部にたどり着くと、今度は石碑とのバトルに入る。
石碑は1D8本の煙で作った触手で攻撃してくる。STR対抗で負けると探索者は2D6のダメージを受ける。
この触手の基本STRは5だが、探索者に巻き付くと血を吸ってSTRを毎ラウンド1ポイントずつ吸収していく上に、別の触手が巻き付くと触手のSTRが合算していく。処理が面倒臭くてまたキーパーが涙目になる
そしてこの戦闘時、「触手が襲い掛かるのを見る」「触手が血を吸うのを見る」で2回SANチェックをしないといけない。1回でいいだろ…
石碑を破壊するか、もしくはその機能を停止させるには、いくつかの方法があります。てっぺんの彫像を破壊されると、石碑は活動を停止します。彫像の耐久力はわずか30ポイントですが、魔力を持つ武器のみがこれにダメージを与えられます。
これも原文通り。このシナリオでマジックアイテムが2個手に入るにしてもこれは酷い。
進め方によってはどっちもゲットできない可能性も普通にあるがな!
なお、キーパーに黙って銃器を持ち込もうとする探索者が居たとしても、爆薬を使おうとしても無意味だと念を押してくれたりもする。
十分な量の爆薬を使えば確かに石碑にはダメージを与えられますが、何よりかんじんな彫像そのものはそれぐらいではびくともしません。その上、爆薬の爆発は空洞の天井をも崩してしまい、<回避>ロールに失敗したすべての探索者は落石によって2D10のダメージを被る事になります。また、40%の確率で爆発が空洞の入り口をふさぎ、探索者たちを中に閉じ込めてしまうことになります。
ありがたい注釈だなぁ…
そして石碑をやっとの思いで倒したら、次は最大なら全部で15体はいる深きものと、銀の黄昏の幹部の這うものとのバトルも待っている。
第7章「ルルイエの浮上」
いよいよ最終決戦。ルルイエを再び沈めるための総力戦が始まる。
……が、シナリオ開始から中々にぶっ飛んだ判定がある。
知らないとクリアできない情報を得るにはクトゥルフ神話技能で判定に成功しないといけないのだ。
何をどうしようが新しいキャラクターシートを作ったらクトゥルフ神話技能は0%なのにどうしろと。ここまで生き残った探索者?デストラップだらけのシナリオで生き延びられる確率は低い……。
一応、救済措置もあるにはあるのだが、
もしも探索者の全員がロールに失敗してしまった場合は、キーパーは何か別の方法によって情報を一行に伝えてください。簡単な方法としては、この情報―これら魔法の品々の利用法に関係なく記述―を含んだ、カール・スタンフォードが仲間の一人にあてた手紙を探索者たちがたまたま手に入れるというような幕間劇シナリオが適当でしょう。
まさかのキーパーに全てを丸投げするスタイル。言っておくがこれも原文通りである。
そしてルルイエに向かう事になるのだが、途中で守護者という怪物が出るのはむしろ癒しだと感じるだろう。銃器で死んでくれるし。
問題は島に船で到着した瞬間から目的地まで到達するまでに、無数の危険地帯がある点。
最初の一発目は探索者の中でPOWが一番低い者が確定で異次元に消えてロストするというもの。
次の危険地帯では、入るたびに目星判定に成功しなければ都度ロストする。
ようやく目的地に到着して、ルルイエを沈める呪文を唱えたら、ラストはクトゥルフとの鬼ごっこが始まる。
シナリオにはこう書かれている。
人間の心がとうてい抵抗できないほどに強く、探索者たちの眼はクトゥルフの恐ろしい姿に釘付けになってしまうのです。
何が言いたいかと言うと、探索者の「自分はよそ見してるから姿を見てませーん」というSANチェック回避術は認めないという事である。
ちなみに、探索者がルルイエに行かなかった場合の措置も奮っていたりする。
またキーパーは、何らかのNPCの探索者の一団がプレイヤーたちと同じ結論に達してやって来て、プレイヤーの探索者たちの代わりに、事件を解決してしまうことにしてもかまいません。
■余談
このシナリオで反省したのか、次の公式シナリオである『ニャルラトテップの仮面』はパワーアップした展開が待っている。
移動中も探索者が退屈しないように、炎の精2体がいきなり襲ってくるのを皮切りにして、
「DEX17の敵10体が、ダメージボーナスも合わせて1D6+2+1D6ダメージを与えてくる(命中率90%)」などである。
また、『ヨグ=ソトースの影』のキャンペーンシナリオを完遂すると1D100のSAN回復をするのだが、さすがに与えすぎだと思ったのか、『ニャルラトテップの仮面』は1D10に減らされている。ロストしても新しいキャラクターシートを作ればいいだけだしね
そしてこのシナリオをやった者は例外なく思うだろう──
「ヨグ=ソトースがシナリオのどこにも登場しない」と。
ある意味ではこれがこのシナリオの一番の問題かもしれない。
追記・修正はヨグ=ソトースの影を見つけたら行ってください。
- TRPGのシナリオの結末までの詳細を書くのは、エピソード項目と同様に著作権の侵害にならないか?それ抜きしても赤字だらけで単純に見にくいし、内容も揶揄だらけでリスペクトもまるで感じられない。 -- 名無しさん (2026-02-24 11:15:23)
- リスペクトしたくないような公式シナリオは8.90年代まじで多かったなぁと懐かしい気持ちになった これ大分分かりやすく纏めてるよ -- 名無しさん (2026-02-24 13:02:50)
- TRPG好きなんだなって事は伝わってくる。 -- 名無しさん (2026-02-24 19:27:53)
- ↑3超初期の本場の公式シナリオというだけでお察しください案件だから…むしろこれ以上ないぐらいリスペクトしてまとめてるぞ -- 名無しさん (2026-02-24 20:10:47)
- だから流行らなかったのか -- 名無しさん (2026-02-24 20:53:58)
- よくも悪くも、当時のTRPGデザイナーがどういった人物だったかがわかる作品。え?今のTRPGデザイナーがまともかって? -- 名無しさん (2026-02-24 22:47:55)
- ↑(人格面は知らんがクリエイターという観点にしぼるなら)まず間違いなくマトモになっている。黎明期のハチャメチャだった80年代、それを見て育った90年代、それらを反面教師にして上手くいくためのノウハウを蓄積させていった2000年代、みたいな印象 -- 名無しさん (2026-02-25 10:51:00)
- これとニャルの仮面は正直まともにプレイするものではない 当時でも酒飲みながらゲラゲラ笑ってキャラシ作って -- 名無しさん (2026-02-25 16:17:26)
- こんなシナリオが公式で作られたからマンチ野郎が蔓延ったのか マンチ野郎がはびこったからこんなシナリオが公式で作られたのか… -- 名無しさん (2026-02-25 19:34:59)
- めっちゃうろ覚えだけど昔はKPVSPLの要素が強かったのでこうなったとか何とか。だとしても過剰火力な感じはあるけどw -- 名無しさん (2026-02-25 20:19:39)
- 「敵が強すぎる?重武装して殺される前に殺せ!探索者が死んだ?新しいキャラシート作れ!」というノリで進むので、そこら辺が分かってないキーパーが今の日本のシナリオのノリ(戦闘はできるだけ回避しなさい。拳銃は強い武器だからそれでじゅうぶんでしょ?)でやると猛烈にグダる -- 名無しさん (2026-02-25 21:04:16)
- 某卓の動画で知ったけど冗談とか抜きで酷かったです(小並感) -- 名無しさん (2026-02-25 22:15:38)
- 「この探索者がロストした場合GMはPLに1万円払うものとする」とか「ナツキ・スバルです」とかそういうマンチ行為オールフリーで卓回したら一周回ってコンテンツにはなりそう -- 名無しさん (2026-02-26 10:09:41)
- てかちょっと待って、サンディ・ピーターセンってまさかdoomのレベルデザインやってたあのサンディ・ピーターセンと同一人物!?!?すげえ人ではあるんだな -- 名無しさん (2026-02-26 10:49:37)
- 同じレベルデザインのニャル仮面で、とある卓で実際にやったリプレイで「『戦闘技能しか取ってないから、探索判定が尽く失敗して』俺ら何しにここに来たの…?」ってなってたシーンで爆笑した -- 名無しさん (2026-02-28 21:54:41)
- 上の某卓と同じかはわからんが、某卓でこれやった結果その後の高難度シナリオの認識がコレ基準になっちゃってて草なんだ。例え令和最新シナリオであろうとも。 -- 名無しさん (2026-03-01 23:32:11)
- きちんとプレイした人の話を聞いて高難易度だけど呪文覚えたりとか攻略法がはあると知ってから適当に遊んだ動画だけでクソシナリオ扱いされてるのはなんか違うなと思った -- 名無しさん (2026-03-19 01:12:02)
- ↑その攻略法って「メタ読み」だから、普通にクソシナリオ扱いされてもしょうがないよ。基本ルールブックを隅々まで読み込んで魔術書から使える呪文見付けて、それを使って危機回避なんてのをまともな攻略法とか言われてもねぇwww -- 名無しさん (2026-03-26 02:20:42)
- 軽くググれば出てくるような、シナリオを作る上で気をつけることを全力で踏み抜いていくの大草原不可避。こういうのがあったから今のセオリーがあるわけだから、今の常識で昔を非難するのはあまりお行儀良くはないけどね -- 名無しさん (2026-04-17 15:26:01)
- ↑3ごめんその攻略法って何?寡聞にして存じないんだけど。まさかとは思うが「登攀技能が99%あっても高確率で死ぬのを見越して、魔道書から空飛べる神話生物をチョイスしてそいつを召喚する」とかいうイカれた突破法を攻略法とか言ってるのと同じタイプ? -- 名無しさん (2026-05-03 07:06:41)
- オチで笑った そういや出てこねえ!! -- 名無しさん (2026-07-30 05:01:56)
- 一応当時のアメリカでは高評価だったらしい。まあ前もって高レベル向けという触れ込みだったからメタ読み+当時のルルブの知識をフル動員して挑めば楽しめたのかもしれない -- 名無しさん (2026-08-11 00:39:07)
- 某動画だと新規探索者で挑んでいたけど実はこれ継続探索者向けのシナリオで少なくとも無名都市、無名の恐 -- 名無しさん (2026-08-11 02:42:21)
- 怖を前もってやっておくことを推奨されていたりする -- 名無しさん (2026-08-11 02:53:58)
- 硬い木(装甲3)のありがたみが分かるシナリオ -- 名無しさん (2026-08-11 11:36:29)
- なんか熱量はあるけど雑な記事だなぁ……ライターはサンディだけじゃないよ -- 名無しさん (2026-08-12 21:20:24)
最終更新:2026年08月12日 21:20